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戦場のコックたち



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【この小説が収録されている参考書籍】
戦場のコックたち
戦場のコックたち (創元推理文庫)

戦場のコックたちの評価: 3.88/5点 レビュー 78件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.88pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全56件 1~20 1/3ページ
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No.56:
(4pt)

帰ってこられた喜びは、帰れなかった者たちへの罪悪感を生む。p509

たまたま本屋で手に取った。

この小説以上に戦争の悲惨さ、無情さ、異常さを伝える書籍は多いが、

こういう本のおかげで、全く戦争に興味のない若者たちに少しでも

戦争を知らしめられたらいいと思う。

主人公雑貨屋の息子19歳が志願兵となる。戦火を掻い潜り、周りの死や、自分の負傷などを経て

軍人らしい精神を帯びてくる。そこが印象に残った。

(民間人への爆撃のニュースを聞いて)

「世間じゃ問題になってるそうですよ。ナチスの降伏は間近なのに、これは過剰な攻撃だと。」

「そんなの戦ってもいない奴らの戯言だ。」

「でも死んだのは罪もない一般人ですよ。」

「罪もないだと?独裁者を選んだのは誰だ?軍国主義と侵略に賛同したのは誰だ?

戦争を始めるままにさせておいたのは誰だ?」p421

そんな彼も戦死したエドを追悼し、助けられなかったことをいつまでも悔やむ。

そこなんだよね。人間の愚かさの一面は。

自分のよく知ってる人の死は悲しいが、そうでない人の死はなんとも思わない。

もちろん、それは人間が生きる知恵でもあるのだが(知らない人の死や不幸まで自分のことのように

悲しんでたら、生きていけない)、戦争の悲劇を繰り返す源泉でもある。

日本に目を転じてみても、戦争を軍部や政治家のせいにするだけではなく、

マスコミに煽られ、簡単に同調してしまった国民にも大きな責任がある。

そこを自覚した上で、自分以外の意見、他国の意見に真摯に耳を傾けることが

寛容ではないかと思う。

今は2022年3月、未だコロナ禍であるが、コロナだけを恐れることの弊害をマスコミは

一切取り上げない。「鬼畜米英」時代のマスコミと変わってないのか。
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4488027504
No.55:
(4pt)

個人的には満足した内容ですが・・・

まず本の状態について商品説明通りの良いものでした
内容については個人的にヨーロッパ戦史に詳しかったので
各戦線のエピソードをうまく取り入れて一つの物語として
うまく作り上げたと感心しました
しかしながらヨーロッパ戦史にそれほど詳しくない方等には
どのように捉えられるのか、そしてこの本を日本で出版する
意味はどのあたりにあるのか考えてしまいます
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No.54:
(5pt)

【ネタバレ無し】第154回直木賞候補、第18回大藪春彦賞候補、第69回日本推理作家協会賞候補[長編及び連作短編集部門]、第13回本屋大賞第7位

米軍兵士の視点から第二次世界大戦ヨーロッパ戦線を日本人が描いたユニークな小説。この手のストーリーを外国作品の翻訳版ではなく、違和感ない自然な日本語で読めることに不思議な感じがする。
末尾に列挙された多数の参考文献等。多くの時間とマンパワーを経て創作された一冊であることが充分に伝わってくる力作。

文章のみからなる描写や専門用語を理解しきれず戸惑うこともあった。最後の最後に個人的には無い方がよかったと思う不思議エピソードもあった。

しかし、作品の重さや完成度からしたらそんなことは些細なことだろう。
実際に存在しそうな馴染みやすいキャラクターと緻密な描写で描かれてており、違和感なくストーリーに入り込める。
登場人物に共感して一緒に気持ちが揺れる。ワクワクしたり、感傷的になったり、当たり前と思い込んでいたものが、置かれた環境によっては容易にそうでなくなるものかもしれず不安になったり葛藤したり・・・。私自身、安全なところにいて真の共感はできないのはわかっている。それでも、戦時中での惨状や緊張から悪魔的な高揚感や快感に囚われて、平和下で築かれた価値観が壊れていくくだりやその逆に精神的に耐えられず戦争神経症に侵されるくだりはショックだったし、新鮮な学びでもあった。

謎解きを標榜しながら謎のインパクトが弱いという指摘もあるかもしれない。しかし、曲でいうサビに当たる第5章まで読めば不可欠な要素である信頼の醸成にしっかり効いている。戦争を国どうしから人間どうしの視点に落とし込んだエピソードは珍しくないのだろうがやはり感銘を受けた。
どのシーンも印象的で小説を読んで高揚感で鳥肌がたつほとゾワゾワしたのはひさしぶりだった。

最後に解説について。大抵解説は不要なものが多いもの。しかし、本書は最後の解説も作品の秀逸ぶりに相応しくしっかりしていて、私には新たな視点を与えてくれた有益なものだった。

読んで損無しの一冊だと思う。
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No.53:
(4pt)

良い

本の汚れも無く、良い買い物でした
内容も面白いものです
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No.52:
(5pt)

重い話です

第二次世界大戦のアメリカ軍のコックが主人公です。ヨーロッパ戦線をドイツに向かって進む。ユダヤ人の収容施設
の悲惨な光景。次々と戦友が亡くなっていく。今 中国のウイグル人の拘束を聞くと 本の描写とかぶります。
最後に生きてうちに帰れて おばあちゃんに肩をたたかれる。最後まで読めてよかった! と思う本です。
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No.51:
(5pt)

作者の発想力に脱帽

戦場に行ったことは、恐らくないと思うが、なぜ、こんな作品が書けるのか想像の外。日本の関わる戦場ではなく、ヨーロッパでの対ドイツとの戦いが舞台。その中で、戦いの推移や戦術、戦略もおりこまれている。作者の頭の中を
想像できない。ただ、ちょっと、納得したのは、巻末の膨大な参考文献を見て、発想の源がわかったような気がします。
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No.50:
(5pt)

〈矛盾し非統一な人間世界〉の反映として

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本作は、いろんな意味で「引き裂かれて在る人間世界」の「矛盾」を、体現的に表現した作品だと言えるかもしれない。

一般に、作品には「統一感」というものが求められる。「現実世界」そのものではない「作られた世界」では、その世界の「世界観(統一原理)」によって、その世界の隅々まで無矛盾的に構成されていなければ、その作品は「破綻している」と評価されてしまう。

例えば、ごく普通の日常生活を舞台にした「本格ミステリ」作品において、(適切な伏線もなく)犯人が「宇宙人」であったとか「超能力者」であった、というようなオチは許されない。
「日常的な世界観」を揺るがす「不可能性(の犯罪)」を、論理的な解明によって解体し、日常性に回収することで、その作品世界の統一性を回復し確立することこそが「本格ミステリ」の作法であるし、「本格ミステリ」にかぎらず、「作品」というものには、多かれ少なかれ「世界観の統一性」というものが求められるのだ。

だが、本作はいわば、そうした「安定的な世界観」への「懐疑」を主題とした作品だとも言えるだろう。「戦争という非日常と、日常の謎(的な謎解き)」あるいは「戦争という殺し合いとしての非日常と、食事という日常」(あるいは、内容の残酷さと、一見呑気に見えるタイトル)という具合に、本作には、相反する要素が並立的かつ対立的に配置され、同居させられている。だから、そこに「違和感」をおぼえる読者も、当然いよう。

しかし、作者が描きたかったのは、そうした「矛盾」を内包している、この「人間世界」であり、「戦争」という人間的な営為に典型的に示される「人間世界の矛盾」であり、その「リアリティー」だったのではないだろうか。
つまり、作者は「収まりの良い物語」を、描きたくなかったのではないか。「矛盾」を孕むが故に「収まりの悪い物語」。気持ちよく「完結することを許さない物語」。つまり、私たちのこの「人間世界」を象徴的に描く、「寓話としての物語」を書きたかったのではないだろうか。

私たちのこの「人間世界」は、多くの「矛盾」を含みながら存在している。そこでは、統一感ある説明など、容易に許されてはいない。だからこそ、私たちは、せめてもの「救いとしての統一的世界観」を、「物語世界」に求めて、そこに逃避しようとするのではないだろうか。

しかし、作者の想いは、この「多くの矛盾を抱えた、人間的な現実世界」において「矛盾の中で生き、そして死んでいった人々」へと向けられているのではないだろうか。
「誰が正義で、誰が悪だ」などといったわかりやすい結論を、金輪際与えてはくれないこの「人間世界」で、それでも「真実」を求めて格闘し、死んでいった人たちへの「鎮魂歌」として、この物語を書かれたのではないだろうか。

作者も、人間である以上、「本格ミステリ」が指向する「秩序回復」の物語をもとめる嗜好は持っているだろう。しかし、そうした「楽園」には安住しきれない「人間的な歴史に対する後ろめたさ」を感じてもいるのではないだろうか。
作者は、そうした「矛盾」に引き裂かれており、だからこそ、その矛盾を「物語」の中にも持ち込むことで、この「人間世界」をありのままに受け入れようとしたのではないだろうか。

昔、本作と同じ版元から刊行されたミステリ作品に『死は走る者から襲う』(山崎純)という作品があったかれども、人間は「死」に象徴される現実に、背を向けることで逃げきることなどできない。同様に、この世界の「矛盾」から逃げきることもできはしないのだ。

「ならば、それと対峙するしかない」と、作者はそのように感じているのではないだろうか。

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No.49:
(5pt)

ミステリーの形を借りた啓蒙小説

作者は本当に日本人なのか?と思わせる程の、圧倒的なリアリティーでヨーロッパ戦線を著述されている。しかもプロフィールからは、作者はかなり若く、戦争を知らない世代とのことで、なおの驚きである。確かに小説として成立させるためにミステリーの形は借りているが、そこには戦争故、もしくは人間の愚かさ故の背景が潜んでおり、それ故にこの小説の物語としての厚みを増している。各種大賞にノミネートされているのも頷ける良作である。作者の今後の活躍に期待する。
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No.48:
(4pt)

二度と戦争をしてはいけない、と強く感じた

とにかく描写が細やかで世界観が確立されています。ミステリ自体はどんでん返しのようなものではないですが、戦争の段階が進むにつれシリアスになっていく登場人物と環境の表現にどんどん引き込まれました。
本を読み終えて驚いたのは、ほとんど恐怖に近いほど絶対に戦争を起こしてはいけないと強く感じていることでした。
いつぞや議員が「土地を取り返すために戦争をするしかないのではないか」と発言し、大問題になったことがありました。戦争を生身の経験として知らない世代の私は「軽薄だな、何を言ってるんだろう」とは思いはするものの発言に対する怒りや事の重大さの認識をいまひとつ欠いていた程度の人間です。
しかしこの本を読んだ後、もちろんそういった意図も表現も本作には無かったと思いますが、戦争のもたらす底のない暗闇、人間の破壊を生々しく感じ、初めて心から戦争を怖ろしいと思ったのです。
これまでいくつもの映画や本で、もっと直接的な残忍さや悲愴さに出会っていたと思います。本作が何をもって私の中でそれらを凌いだのかは分かりませんが、「戦争を起こしてはいけない」という当たり前の感情を強く抱いた点でも、おすすめしたい一作です。
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No.47:
(5pt)

人間という決して解けない謎

文庫版で530ページをこえる大作なので手に取るのを躊躇していたが、久しぶりに引き込まれるような読書体験を味わった。そもそも単行本は2015年刊、文庫の初版は2019年8月9日だがわずか4か月後にはすでに6版を数え、世の読書家たちはすぐれた作品を見逃さないなと自分の不明を恥じるばかり。

いわゆる日常の謎を戦争という非日常で扱うという着想がまず素晴らしい。そうすることで過酷な軍隊生活を和らげる清涼剤を提供してくれる(だけだと思っていた)が、生き延びるための人間の決死の覚悟を見せつけ、戦争の非人間性をより一層強調している。

さらにこの小説において、ミステリは、全5章をつなぐライトモチーフのひとつに過ぎないことにも驚かされる。教養小説のように主人公の精神的成長(それはワトスンがホームズになる探偵としての成長でもある)を描き、戦争小説として兵士たちの友情と連帯、別れを描写し、歴史小説としてナチス降伏寸前の戦況を克明に再現する。これらの側面が絡み合ってすぐれたエンターテイメントとして成立している。そして人間の極限的な状況をくぐりぬけた主人公の前には、いまだ人間という決して解けない謎が立ちはだかっている。
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No.46:
(5pt)

タイトルから連想するような軽い話ではない

作者を知らずにタイトルだけ見て購入。もっとお気楽な話だと思っていました。ナポレオンのお抱えシェフだったデュナンが、戦場のありあわせの材料で鶏肉のマレンゴ風を発明したような。
ところが、とにかく重い話で、多少ミステリーの味付けがしてあるものの、本日は戦記物だと思う。しかし、重厚な話であっても読み進まずにはいられないのは、作者の力量の高さゆえだろう。
アメリカの側からヨーロッパ戦線を読み解くという意味でも稀有な本だと思った。
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No.45:
(5pt)

サイコーです。

うまく、表現できないけど、とっても読んだ後のじんわりとした感じがとてもよかった。 戦争の醜さと、それでもなんとなくミリタリーものに憧れる男の気持ちをバランスよくまとめた文章が巧い。 本当の筆者は第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を体験したアメリカ人で、その翻訳本を読んでいるような気分で読んでました。ミステリーとしてもよく出来ており、最後まで飽きることなく、いつまででも読んでいたい気分でした。
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No.44:
(4pt)

戦場で日常ミステリをやる凄い作品。面白さは並かも

序盤のいかにも面白くなりそうなワクワク感と違う方向に行ってしまうような、そんな感じがちょっと惜しかった……が、意外とライトな作風で読み易く、日常ミステリーとしてもなかなか
めちゃくちゃ面白いという感じではないが、楽しめて読めました
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No.43:
(5pt)

ミステリー+反戦小説!

"僕は賢くもなければ、交渉が上手いわけでもない。銃撃も下手だから戦場の英雄にもなれないだろう。けれど覚えているレシピだけはたくさんあるんだ。"2015年発刊の本書は、様々に話題となった第二次世界大戦中のヨーロッパの戦場という非日常を舞台にした日常謎ミステリー、反戦小説。

個人的には合衆国軍の特技兵(コック)たちが主人公という目新しさと表紙の食イラストにひかれて手にとったのですが、これが予想以上に面白かった。

その理由の一つは読んでいるだけで実際の映像が浮かんでくるような人物や風景の【描写の厚さ、細かさ】これにより、主人公たちを架空の薄いキャラクターや絶対的ヒーローでもなく【あくまで等身大の若者たち】として説得力をもってリアルに描く事に成功していて、人気ドラマ『バンド・オブ・ブラザース』の様な群像劇好きな私にとって、ペーパーをめくるのが止まらない面白さでした。

また、ノルマンディー上陸作戦から始まり、ホロコースト、ドレスデン爆撃など第二世界大戦で何度も映画や作品となった場所や出来事を本書はまるで【俯瞰的な歴史ダイジェスト】の様に主人公たちの【謎解きと共に追体験させてくれる】のですが。こちらも舞台が変わる都度に他作品を思い浮かべたりしながら、一冊の本として【バランスよく収める事に成功している】と感じました。

第二世界大戦を舞台にした群像劇好きへ、また映像的な作品が好きな人、もちろんミステリー好きにもオススメ。
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No.42:
(5pt)

大変面白かったです

とてもおもしろく、一気に読んでしまいました。
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No.41:
(5pt)

戦友

とても良かった。
タイトルから想像したよりも、はるかに良い小説だった。
帝国陸軍軍人として太平洋戦線に従軍していたおじい様達が、戦いのモチベーションとして「戦友を守りたかったんだよ」と語っていたことを久しぶりに思い出した。
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No.40:
(5pt)

人間は平和のために戦争する。

これは久々にすごい小説に出逢った。
タイトルからしてお料理小説かと思ったが、バリバリの戦争小説。
裏表紙に「日常の謎」と書いてあるが、「非日常の謎」である、戦争中の物語なんだから。
舞台は第二次大戦中のヨーロッパで、連合軍のコック兵ティムを主人公とする物語。登場人物もみんな外国人なので海外小説を読んでいるかのよう。分厚い本だが、あっという間に引き込まれて読了した。

東京創元社お得意の連作ミステリ方式(5章からなる中編集)だが、ミステリよりも中身が凄い。戦争中の兵士の行動や心理、地獄絵図のような最前線の街の様子、極限の状況でどのようなことが行われていたか、史実を基によく描かれている。
一番うなったのは、アウシュビッツ収容所からのユダヤ人解放の場面。「夜と霧」の著者フランクルと逆の視点、解放する連合軍側の視点で描かれている。人間とは状況によっては、どんなことでもしかねない生き物だと、「善・悪」など二項対立では語れないのだと改めて思った。人間は平和のために戦争する愚かな生き物なのである。

この作品は時事ネタ、戦争ものにお決まり「お涙頂戴」のやらせ感、単調さなど全くなく、最初から最後まで沢山のテーマーと哲学を内包した、稀有な作品である。50年後100年後も読める古典となり得る力作である。
戦場のコックたちAmazon書評・レビュー:戦場のコックたちより
4488027504
No.39:
(5pt)

お勧めです

一気に読めて、面白かった。
好き嫌いがあるにせよ、人には勧めたくなる。
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4488453120
No.38:
(5pt)

陰惨でやりきれない戦争の中で試される人間性

ミステリを期待すると、謎の内容、謎解きと真相に期待はずれと思うかもしれません。長めの短編(Kindleのカウントで1300くらい)が収録されていますが、各作品の謎解きパートの比率はかなり少なめです。
しかし物語そのものは、戦争の非人間的で残虐な面を描き、フィクションとはいえ、そのなかで示されるやさしさや思いやりといった側面が美しく描かれていたと思います。
また登場人物たちが単なる通り一遍の善人、悪人ではなく、多面的な側面をもった人物として描かれていることも作品の完成度を高めていると思います。
例えば、降伏した兵士を捕虜を収容する設備が無いからと撃ち殺し、ドイツ兵に協力したといってご近所の同国人に復讐し、収容所を解放すれば薪の山かと思えばやせ細った死体の山と、陰惨で読者に嫌悪感を持たせるシーンがある一方で、子供のころ黒人を差別したことを後悔している主人公のように、誰もが残虐な行為をする側にまわりかねない危うさに目を向けている点も優れた要素だと思います。
このような要素があるからこそ、単独で見れば他の作品に比べて作り物めいた出来レースのように思える最後の短編や、エピローグに残酷な世界の中にも、大げさに表現すれば、人間性への可能性に救いを見出し、ほっとすることができるのではないでしょうか。
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No.37:
(4pt)

戦場がリアルに感じられる

第二次大戦の様子が垣間見れるようなリアルな描写。巻末の参考文献の多さも納得の内容でした。ミステリーを織り交ぜつつ、複数のエピソードが繋がっていく構成も楽しめました。主人公以外の人物描写がもう少し深くても良いかな。
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