■スポンサードリンク
鴉
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
鴉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.32pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
元々本格ミステリ大好きだったものの、麻耶雄嵩にどハマりして以降、麻耶雄嵩以外のミステリを全く楽しめない身体になってしまった自分ですが、実は本作はあまり好きではあまりせん。 この作品が書かれたのは1997年。 麻耶雄嵩の長編作品としては、翼ある闇、夏と冬の奏鳴曲、痾、あいにくの雨で、に続いた5作目。 確かにこの5作品の中では一番「まとも」で、当時の新本格の流行に乗った作品だったのだと思います。本格ミステリベスト10で1位になってもおかしくないとは思うのですが、今になって見れば、麻耶雄嵩ではなくてもこの鴉という作品は書けると思います。 個人的には最初の2作(翼ある闇、夏と冬の奏鳴曲)は破格の出来として、その後は光る物はありつつも作風が定まらず迷走する中、メルカトルと美袋のための殺人、名探偵木更津悠也、木製の王子、神様ゲームなどを経る中で、「本格ミステリの精緻なロジックと作り込み」「本格ミステリの命題との対峙」を両立させた独自の作風を確立、2010-2015年ごろの全盛期に繋がったと感じています。 とは言え、鴉も出来が悪い訳ではありません。特に伏線を全然説明しないのは好きです。他の作家がが鴉を書いたなら、伏線をいちいち説明したでしょうから。 読み返すと結構びっくりするぐらいあからさまな伏線がたくさんあるので、もしお時間があれば再読ください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
叙述トリックに関しては最初訳がわからなかった。真相は相変わらず無茶苦茶 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作はおそらく麻耶雄嵩作品の中で最も舞台の空気醸成に成功している一編である。 閉鎖的な環境での特殊な宗教は、彼が好んで取り上げる題材だ。『夏と冬の奏鳴曲』、『木製の王子』、『隻眼の少女』。しかし正直なところ麻耶雄嵩はミステリ作家としては超一流だが小説そのものはそんなに上手くない。だから閉鎖的な宗教集団の描写もどうしても書き割りっぽくなってしまう。 ところが本作は、かなりの枚数を村の描写に割いていることもあり、また探偵の登場場面が極端に少ないこともあり、閉鎖的な山村の空気がとてもよく表現できている。しかも、「よくできている」だけではない。ミステリとしての仕掛けと閉鎖集落・特殊宗教の真実とが結びつき、美しいビジュアルイメージをも伴って開示される解決シーンは秀逸の一言。 メルカトルは出さない方がより雰囲気を大事にできたと思うのだが、そこは作者のこだわりなのでやむを得ないところだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初の方は面白いかと思ったんですけどね…。 あらすじにも書いてある通り「カインとアベル」の名前を使うだけに兄弟のある目線で書かれています。 そして、兄カインが特殊な村にたどり着き村の独特な風習や事件に巻き込まれていく…。そして結末は驚きの結果に! みたいな。正直読み終わっての感想「は?」ってなりました。最後のトリックが雑というか。え、急にどうした?いやそれは無理があるだろってなりました。あまりミステリが読みなれてないからというのもありましたが、もう少し丁寧な話の締めくくりにしてほしかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
設定が好み&叙述トリックものということで読んだみた。フェアとかアンフェアは置いといて...①トリックに無理がある(殺された弟のくだり) ②何かある感を漂わせる”鴉”が肩透かし ③読後感が悪い など,文字量に見合う読後満足感がとても低い。終盤は「締切に間に合わなくて適当に終わらせた」感がすごい。この作家さんの著作はもう読まないでしょう(笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
500ページ越えの大ボリューム。作品によって文体が変わるので本によって読みやすさに波がある作家なのですが、そういう意味で今回はハズレを引きました。読みにくい。とにかく読みにくい。既読の中ではメルカトル最後の事件も苦心した口ですが本作はそれよりも読みにくいです。中ほどまで読んだところでこれがあと半分も続くのか…と疲弊してパラ読みになってしまいました。三つの視点に散らばり話の大筋が掴みにくい上に展開がやたら遅いのでもう限界でした。 結局ネタバレ感想を漁ってストーリーの大枠を知るという反則技を使いましたが、やっぱり麻耶雄嵩だなという感じの大味なトリックが炸裂してました。相変わらず「それはないだろ(笑)」となるような納得しにくい仕掛けを考えますねぇ。普通に考えたらまずありえないけど、絶対ないとは言い切れないギリギリのトリックだと思います。一部のタネについてはある神話を知っていたら一発で見抜けるかもしれません。個人的には都合よく感じて苦手なトリックが一部含まれていたので総合評価は差し引き☆2。文章がもう少し読みやすければおそらく☆3つけたと思います。 兄弟がよく出る話でしたが、序盤の弟に嫉妬する兄のくだりは生々しさがよく出てて面白かった。あるあるこういうこと。たまにハッとするほど人間性溢れるキャラを書くからハズレを引いても作家買いをやめられないんだなぁ。次回作に期待。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まず小説として面白くない。寝食を忘れてとはならない話し運び。 主人公がヨソモノでちょっと精神が変だから、積極的に事件に関われなかったり、 視点変更、特殊設定の村描写の多さなどが原因だろうか・・・。 ミステリとしても微妙。手がかりからアタリをつけても、 あれこれ推理するでなく、村暮らしの生活描写やらでだらだらと 水で薄めたように話を引っ張るので、集中力を維持できなかった。 1つ2つは、構造やトリックとして印象に残るものはあったが、それだけ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
摩耶氏の描く登場人物、特に女性はどうしてこうも儚げで健気で美しいのだろう。弟の死について探るうちに辿り着いた、世間とは隔絶された村落。そんな中で権力争いに巻き込まれたり事件の下手人にされたりと、閉鎖された空間においての人の醜さや残酷さがまざまざと見せ付けられ、ページを捲る手が止まらなかったものの…500ページ超はやや長く中弛みするもなんとか読み切る。本作を気に入ったら、次は"隻眼の少女"を読むといいよ! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
麻耶雄嵩の誕生日から読み始めてやっと読み終わった。殺人事件のトリックや村の秘密は凄かった。ここまでなら確かに。 一方で松虫との関係と庚と櫻花と鴉、これの答えほんとにあれでいいの? 松虫との関係は感情移入出来ないし、庚のそれはありなの?だし、櫻花は推理小説としてはやっちゃダメなやつだし、鴉に至ってはなんも関係ないやんけ! これから読む人はオチに期待はしないように。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
10年ぶりくらいに読み返し。 高校時代、今みたいにAmazonで、など出来なかったので、 手に入った時はとても嬉しかったな、云々思い返しながら (1)舞台設定 (2)読み返して気付かされる綺麗な叙述トリック (3)華麗なる探偵 名作ですね _φ(・_・ ☆5評価としました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
オーダー前の時点で、残すメルカトル物はこれ1つ。 それまであまりフックしなかった作品でしたが、まぁ舞台は面白そうだし、No.1の触れ込みもあるし、とりあえず・・・。 読んでる途中は、一応気になる事象が散りばめられてはいるけれど、寝る時間を惜しむほど先が気になるほどではない。 というか・・・500Pに至らんとしても、全然盛り上がりを感じない。 これほんとにNo.1に選ばれた作品なんだろうか? 話は逸れますが、メルカトル関連の作品でよくあるパターンが、主人公が内省的で、自分探し系な旅をしてること。 如月烏有しかり、種田静馬しかり(これはメルカトルではないが)。 あと作品舞台中、相当な影響力を持っている、独特な教義と伝統ある架空の宗教。 ”和音”教、ヨハネの教、岩屋荘の新興宗教(”かく語りき”収録)、メルじゃないけどスガル(隻眼の少女)にしてもそう。 後者はやはり、事件を起こす舞台とルールが作りやすいからでしょうか・・・。 戻しまして本作での特色は、簡単に人が亡骸になる麻耶作品において、悲しい別れのシーンがあること。 メンタル弱ってたら泣いてたかも知れない。 そして、メルカトルの出生地が明かされ・・・・ あれ?これって今鏡家と整合性とれてる? そこで思いました。メルカトルって、一人じゃなくて、代替わりとかするものなのかも。 500Pあたりでの評価は星3つでしたが、終わりまで読んで変わりました。 大鏡の正体はいいでしょう。 御簾の向こうにヤツが居たのも、「それもあるかも」と予想してたのでいいでしょう。 ちなみに、「女性かも?」という予想もしました。 ただ橘花と櫻花の関係性誤認は必要あったのかな?それも珂充の正体に関係する形で。 んじゃ庚ってなんだったのか・・・。最後に作品を根底からぶち壊してませんかね? 納得いかないので、星は2です~。 そしてやっぱり、どうしてNo.1になったのか、まるっきり分からないのでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
麻耶さんが書いた物の常として登場人物の名前がほぼ当て字で読めないです 内容に関しては一連の事件の流れ、トリックはしっかりメルカトルから説明されており不満はありませんでした ただ推理しようがない感じがあるので推理に力を入れすぎないで読むといいのではないのでしょうか 終わりが救いようのない感じで後味が悪かったです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
旧約聖書「創世記」第4章の兄カイン、弟アベルに関する記述を読めば、 本書のネタが少し見えてくるかもしれません。 この物語は二重構造を成しており、時を隔てたはずなのに同じ連続殺人事件に 歳の異なる同一人物が遭遇したりします。 ひじょうに滑らかな叙述トリックで、この二重構造は、主人公の側では過去に遡行し、 一方の側では未来に飛躍し、一度、ひとえに単純化され、読者を欺きます。 名もなき僻村の二重映しの原因は、記憶喪失気味の主人公のあいまいな 心象にあったといえるのではないでしょうか。 罪悪感・劣等感などが歪曲された形で、過去と現在が入り乱れた「村」という 蜃気楼のような心象風景を彼の脳に内在させたのだと思います。 神出鬼没なメルカトルの幻惑的なふるまいもそれと無関係ではないでしょう。 また、主人公と松虫人形の逢瀬は、横溝正史の短篇「蔵の中」をほうふつとさせます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
癖のある作品の多い、麻耶氏の作品の中でも特に癖のある作品と言われている本作。 本格ミステリーベスト1獲得作品だが、孤立した独特の価値観に縛られた謎の村を舞台にした神話的ストーリーが展開する。この世界観の作り込みは見事だが、反面ミステリー的なドキドキワクワク感はあまりなく最後まで平坦な印象。 終章で驚愕の落ちによる論理的解決があるため一応本格推理の体裁を保っているが、世間で言われているような世界観がひっくり返るほどのサプライズエンディングというのはいくら何でも過大評価過ぎるのではないかと思った。 ページ数が多いのでこの世界観にハマれないと終わりまでかなりキツい読書体験になるかもしれない。個人的には麻耶作品は近年の貴族探偵などのオーソドックスな作品のものの方が好みである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
国語の教科書の文章を読んでいるような感じで、たんたんと話は進みます。 情景が浮かんでくるようで、こないというのが結構つらいです。 とにかく読者の想像力まかせというか かなり自分で創り上げて、うまく入り込まないといけないような感じです。 とにかく、ぐっと我慢して、最後の方まで読み続ければ、 「なるほど」と、とりあえず納得させられます。 が、本を閉じた後に、「で、どうだっけ?」 とこんがらがった内容をまとめなおす必要ありです。 完全に架空の世界の話なので、ある種の時代小説かと思えば、 まん中くらいまでは、読み続けられます。 まん中あたりから、ところどころ、邪魔な文章が入ってきます。 これいるの?って思います。この文章が訳ありです。 面白いかといわれれば、まぁまぁってとこでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
国語の教科書の文章を読んでいるような感じで、たんたんと話は進みます。 情景が浮かんでくるようで、こないというのが結構つらいです。 とにかく読者の想像力まかせというか かなり自分で創り上げて、うまく入り込まないといけないような感じです。 とにかく、ぐっと我慢して、最後の方まで読み続ければ、 「なるほど」と、とりあえず納得させられます。 が、本を閉じた後に、「で、どうだっけ?」 とこんがらがった内容をまとめなおす必要ありです。 完全に架空の世界の話なので、ある種の時代小説かと思えば、 まん中くらいまでは、読み続けられます。 まん中あたりから、ところどころ、邪魔な文章が入ってきます。 これいるの?って思います。この文章が訳ありです。 面白いかといわれれば、まぁまぁってとこでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
カバー裏の大袈裟な惹句に惹かれて読んでみましたが、正直期待はずれでした。 97年度No.1ミステリとは信じられない内容です。 発端の独特の雰囲気には少し心を惹かれ、小説の展開に期待を持たせるのですが、 読みにくい文章が549ページも延々と続き、長編ミステリに必須の「中盤のサスペンス」が 全く盛り上がって来ません。また気になるのは、読み進めるのに努力を要する程の、 主人公が心寄せる松虫へのロマンチックというより些か自己陶酔的な思い入れです。 それは終盤になるほど酷くなります。それやこれやで相当我慢して結末まで読みすすましたが、 「・・・・何?この不自然極まりない解決は?」との印象しか浮かびませんでした。 少なくとも「本格推理」とは異質の物ですね。笠井潔による噴飯物の解説と共に腹が立ちました。 正直、読んだ時間を返して欲しいです。本来なら★一つですが、独特の村の雰囲気の描写と 一部登場人物(頭儀・蝉子・橘花)等の描写に魅力があるのを考慮して、評価は★★とします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
麻耶さんの作品は初めてです。最後のトリックにはビックリさせられました。しかし、文章が読みにくい、登場人物の名前がややこしい等、小説として楽しめたかどうかというと「否」です。カインとアベルに複雑な漢字を充て、ややこしさに拍車をかけています。メルカトルという奇妙な出で立ちの人物が出てきますが、この人物は著者の他の小説にも出てくるレギュラーのようですね。私は読後にそれを知りましたが、この本を読む前に、メルカトルが出てくる小説を読んでおいたほうが、より理解しやすいかもしれません。が、私は著者の他の作品を読みたいとは思えません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
麻耶さんの作品は初めて読みました。 最後のトリックにはビックリさせられましたが、文章が読みにくい、登場人物の名前がややこしい等、 小説として楽しめたかどうかというと「否」です。 カインとアベルに複雑な漢字を充て、ややこしさに拍車をかけています。 メルカトルという奇妙な出で立ちの人物が出てきますが、この人物は他の作品にも出ているようですね。 私は読後にそれを知りましたが、この本を読む前に、メルカトルが出てくる小説を読んでおいたほうが、 より理解しやすいかもしれません。 が、私は麻耶さんの他の作品を読みたいとは思えませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
弟・襾鈴(あべる)の死の謎を追って、珂允(かいん)がたどり着いたのは、 現人神「大鏡」が君臨する、現代文明から隔絶された地図にない村だった。 珂允は、かつて弟が庚という名で大鏡に仕えていたことを知るのだが……。 珂允と襾鈴という名が示すように、本作では旧約聖書 を踏まえた、兄と弟の相克がテーマとなっています。 そして、本作を読み解く上で留意しなければならないは、その「語り」の構造。 基本的には珂允に焦点化した三人称の語りで進行していきますが、 その合間に、自由気儘な弟に憎しみを募らせる櫻花という兄の 視点で語られるパートと、「外」の世界に憧れる橘花という弟の 視点で語られるパートが、交互に挿入されます。 この「語り」に仕掛けられた、作者の超絶技巧を理解した時、読者は文字通り、 足元が崩れるような「世界」の崩壊の瞬間を目の当たりにすることになります。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!