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ドクター・スリープ
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ドクター・スリープの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全58件 41~58 3/3ページ
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シャイニングの続編待ってました。 でもちょっと年がいきすぎか? | ||||
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何が残念って? 話は面白いと思います。 娯楽小説として楽しく読ませていただきました。 でもねシャイニングの続編ならホラーを期待するじゃないですか。 だからこそドキドキしながら読み始めたのですが。 あれれ、なんか話が変な方に行ってない? なんか変な敵が出てきたけどそういうの期待してたわけじゃないんですけど。 ファンとしては肩透かしを食らった感じです。 シャイニングの続編というよりは主人公だった少年のその後を描いたものであることにご注意ください。 面白いけど怖くないです。 | ||||
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ストーリーにのめり込み掛けている所で、WTCに飛行機が突っ込んだというニュースを聞き泣いている人々の描写があった。 何をアホな、と思うと同時に、アメリカ人全てが憎たらしくなり、一気に興が冷めて読むのをやめた。 くだらん。途中まで楽しめていただけに悔しい。思わずレビューを書きたくなるレベルだった。是非読んで欲しい。 | ||||
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この小説は、著者がサイン会で「シャイニングの少年はその後どうなりましたか?」と 聞かれたのをきっかけに書いた本。 そうです。これは映画化もされた「シャイニング」の続編でした。 私は「シャイニング」を読んでいないにもかかわらず、読み始めたのです。 ホラーはちょっと苦手なので、小説のオープニングでシャイニングの悪霊が出てくるところで ちょっと挫折しかけたのですが・・・読了しました。 シャイニングを読んでなくても、映画を見ていなくても十分楽しめました。 小説「シャイニング」で生き残った少年は、父親のようにアルコールにのまれない!と 思っていても、結局アルコール中毒となり・・・とある街にバスでたどり着きます。 そこで、彼に残った能力(シャイニングーかがやき)を使って、その街のホスピスで 死に行く人々を安らかに逝かせる仕事をしていた。 別の街では、特殊な能力(かがやき)を持った「アブラ」という女の子が生まれていました。 そして、「かがやき(シャイニング)」を持つ子どもたちを 誘拐し、忌わしい犯罪を繰り返す「真血族」という人々がいた。 アブラがある新聞の「行方不明」の広告を手に取ったところから 物語は一気呵成に進んでいきます。 「グリーンマイル」も彷彿とさせる、「かがやき」の能力! ラストも単なる「終わり」でなかったところも、良かった!! さすがは「スティーブン・キング」 で、読み終わっても、小説「シャイニング」映画「シャイニング」は 怖そうで・・・・私はまだ、読む気、観る気にはなれません。。 | ||||
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その後かれはどうなった? キングの作品において、旧作登場人物の初の後日談(登場人物が錯綜する「暗黒の塔」シリーズは別として)。ダニー・トランスの波乱の青春時代~落ち着いた青年時代が語られる。 「11/22/63」や「アンダー・ザ・ドーム」よりも気楽に読める分、確かに内容は薄く感じる。超能力少女アブラが初めて敵の首領(女)と精神世界で対決するシーンはキング作品というより宮部みゆきの小説みたいだ。「シャイニング」の張り詰めた緊張感など無縁の娯楽小説だ。 しかし、これはこれでいいのではないかと思う。これはキングが「I t」の作中で取り上げた「三びきのやぎのがらがらどん」だ。「ああ、ヤギたち(アブラとダンとビリー)はトロール(トゥルーノッツ)に食べられちゃうのかな、それとも生き延びられるかな」。無責任に手に汗握って読める。各所に張り巡らされた伏線が回収されていくさまも心地よい。キングはあとがきの賛辞で、読者をその筆頭に挙げなくなっているが、内容は読者サービス100%のエンターテイメント小説だ。 | ||||
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まずはキングの「シャイニング」を 読んでいれば、 よりこの「ドクター・スリープ」の上巻を 楽しむことが出来ます。 特に「シャイニング」の後日談を含めて 物語の因果関係が 上巻にて集約されてくるので。 登場人物への思い入れも変わってくる はずです。 怒涛の後半へは「ドクター・スリープ」 そのものの物語を追っていれば 楽しめるのではと 思いますね! | ||||
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大好きなシャイニングの続編。ゆっくり楽しみたいのに読む手が止まらない。 | ||||
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楽しんだ。 が、「ハラハラどきどき」、も、「わくわく」も、ガッタ虫湧いて出る事もなかった。 多分、アブラが余りに突出して「強い」為、対決にはきわどさも危うさも感じられなかったからだと思います。ついでに、アブラのキャラそのものに余り好感が持てなかったらしい。「危うい所で危ういバランスを取っている少女」だと気遣いたくなるが、どっちかというと「触るなキケン」な少女だと捉えてしまった。 年を重ねるごとに「上手く」なっているのは感じるが、キングに惹かれていた一番の要素、「郷愁」や「抒情」がこれまた年を重ねるごとに薄れていく。のが再確認できた。と、いう感じでしょうか。 キングがあとがきで書いている様に、読者である自分自身が、「若く感受性豊か」な歳は越してしまってるという要素も多分にあるとは思います。が、キング作品に期待する者としては「及第点」位な感じでした。 | ||||
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序章に少し「がっかり」した。内容じゃなくて、「あれだけの思いしてやっと逃げたと思ったらまたこれかよ」みたいな方向に。 「上」の感想は「はい。これで説明および設定完了」。 さて、これから本筋。が、「上」の最終ページって…。話動くまでまだるっこしすぎw 少し冗長に感じたのは否めない。 特に「シャイニング」を知らずとも、本書は本書で楽しめると思いますが、シャイニングの詳細分かってた方が「ちょっとした楽しさ」が増えると思います。 本当はシャイニングを読み返してから取りかかろうと思ったんですが、新刊への欲を抑えきれずwが、やっぱり復習しとけば良かった。余りに記憶が古過ぎて、すぐにピンと来ない自分がこれまたまだるっこしくて。 「下」が楽しみです。 | ||||
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ミッシング・チャイルドを発端として、特殊能力を持った少女が、広義での、いわゆる吸血鬼と対峙してゆく。 キング親子で”お題”を決めてダークファンタジー小説対決を試みた.....なんて深読みしてしまった。もし判定を求められれば、 上巻読了した限りでは、躊躇いなく”本作”の勝ち。(もちろん、これは私見ですので...) 実は、115ページぐらいまで、アル中の青年の話が続く件で何度も本作読み止めようとしました。つまらんのだよ...そのあたりまで。 所が、この青年が改心して、ドクター・スリープとして名を馳せてゆくあたりから、俄然ボコボコにハマり始め、ついに最後まで一気読み! いやっ、いやっ 眠り・信頼・財務などなど各々専門技術を有する化け物軍団 vs 桁外れの(超能力)早打ちガンマンとその師匠という キング版西部劇の香りを振りまき、物語は映画[ハイ・ヌーン]を彷彿とさせ刻々と、約束の地<オーバー・ルック>ホテルへと流れてゆく。 私の中で下巻への期待がいやが上にも盛り上がっている。[シャイニング]続編ではあるが、36年も前の本で、私などは、ほとんど内容覚えていないが、問題ない。この前読んだケネディに纏わる歴史改変作も重厚でよかったが、今回の様な、(キングにしては)軽めのウエスタン 楽しんでいます。 | ||||
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少年ダニー(ダン)の父ジャックが一杯の酒以上に愛していたのは、十杯の酒だけ。ダンは、そんな悪習には決して染まるまいと自分に誓っていた。そんなダンも、やがて、人生とはひとつながりの皮肉な待ち伏せ攻撃のようなものだと達観するようになる。 そう、あの「シャイニング(かがやき)」をもった少年も大人になり、その持って生まれた能力がために、見たくもない死者たちに悩まされ続け、そこから抜け出すために酒の力に頼るようになっていたのです。 キングの最高傑作で、かつとてつもなく怖い小説でもある「シャイニング」の続編ということで、いやがおうにも期待が高まります。 しかし、キング自身あとがきで「なにをもってしても、すばらしい恐怖を感じた記憶と互角に張り合えるものではない」と述べているように、最初に体験した強烈な印象が強ければ強いほど、どんな続編でもあの恐怖の瞬間を上回ることは不可能なのです。 それでも、キングはこう言っています。 「パワフルな物語を書く。わたしは、ダニー・トランスを見つけ出し、ダニーの冒険を追いかけることで楽しい思いをした。読者の皆さんにも同じ思いを味わってほしい」 本作は、前作「シャイニング」の直後から始まります。 この導入部分については「シャイニング」の雰囲気そのもので、コックのディック・ハローランも登場し、懐かしい心霊ホラーの怖さを感じることができます。 ところが、それから一気に数十年の月日が過ぎ、すっかりアルコール依存症になってしまったダン。 あの輝き(シャイニング)を持った利発な少年が、いまや飲んだくれのおっさんになってしまうとは。 それでも酒をやめねばとの思いもあり、酒瓶に手が出そうになると「あと一日だけ待ってみよう。お前自身にあと一回だけチャンスをくれてやるんだ」と言い聞かせ苦悩するダン。 このアルコール依存のどん底状態のパートが少し悲しい(読書ペースがいったんダウンしてしまいます)。 それでも、そのダン以上のとてつもなく強い輝きを持つ少女アブラが登場するようになってからは、一気に面白さが加速し、読書スピードもぐんぐん上がっていきます。 下巻に突入してからは、上巻の半分の時間で読了してしまいました。 ここ最近のキングは、初期の頃の傑作(「シャイニング」「呪われた町」「デッドゾーン」「スタンド」「ペットセマタリー」などなど)を連発していた頃の雰囲気を少し感じさせつつも、エンターテイナーとして読者をぐいぐいと惹きつける、初期とはまた少し違った魅力を持つ作品(「11/22/63」「アンダーザドーム」など)を連発する新たな黄金期に突入した感があります。 本作はわりとストレートに悪との戦いを描きつつ 「人がどれほど多くを乗り越えることができるか」 「人はその家族を愛し、家族のために最善を願う」 「一日一日を着実に」といった人生感をも感じさせる、読後感が良い作品です。 | ||||
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久しぶりのスティーブン・キング読書を楽しんだ。私はキングがまだ日本でブレイクする直前にパシフィカ刊行の 『シャイニング』を1980年の映画公開前に読んだというのが自慢で(高校生だった)、これが最初のキング体験 だったので、当時のまだ数少なかった翻訳はほとんどすべて追いかけた。 その頃はまだ邦訳も少なかったので、村上春樹のキング評論「疲弊の中の恐怖――スティフン・キング」(「海」 1981年7月号)まで読んだ。 しかし、そういうマイナー時代のファンの悪癖で、メジャー作家になってからは離れてしまい、80年代半ば以降 の作品はほとんど読まずに来てしまった。『ファイヤースターター』は熱狂した。『クージョ』は私にとってイマ イチでこのあたりで離れた。『スタンド・バイ・ミー』は映画としてずっとあとになって、午前10時の映画祭で見た。 そんな私であるが、本作には大変感動した。 ダニーやハローランという名前を見ただけで、大きな感動がある。物語に引き込まれる体験を楽しんだ。とくにダニーが 父親のジャックと同じく酒に対して弱さを見せるところにおっさんとなった読者の私は大きく反応した。 前作を未読でも、年若い読者でも楽しめると思いますが、でも本作は前作を読んだ上で(映画は不可)、そして、できれば 30年のインターバルをおいた上で最大限ダニーに感情移入して読むべき作品に思えます。 | ||||
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シャイニングは文春文庫初版が1986年、コピーライト1977年、上下合わせて850頁余と読んだにしても昔の長編ですし、キングは勢いで読めてしまって、意外と細部は覚えていないもので、「幽霊屋敷で、ウサギの植木が動くの」程度の記憶で「ハローラン、そんな登場人物いたっけ」という人は、まずシャイニングを再読して、その勢いでこの続編を読み始めることを勧めます。 正編から読めとか面倒なことを言うなと思ったら、「ダーク・タワー」が新潮文庫で再販されたときの混乱を思い出してみてください。「IT」や「ザ・スタンド」の続編のことを想像すれば、まだよいではないですか。 | ||||
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もう何十年もキング作品を読んできて、最愛の作品といえば多分「ファイア・スターター」だろうなと思っていますが、それに続くのは「シャイニング」であり「セイラムズ・ロット」であり「IT」であったりします。 ただ、個人的にですが「IT」あたりからだんだん作品にワクワク感が薄れてきて、もういいかなと思い、その後も続々と出てくるキング新刊にもそれほど興味を抱くことはなくなっていました。 そんなときこの作品!発売日に書店で見るまでは続編が書かれていたなんて知らなかった! すごい!「シャイニング」まさかの続編。うれしいことにKindle版も同時発売だったので即座に購入、数日で読みました。 続編であることや、アブラという新しいヒロインの登場等のワクワクさせる内容で最後まで楽しんで読めました。 他の方のレビューを読むと、賛否両論で物語的な部分で否定的な感想が多いですが、決してそんなことはなく、かつて「シャイニング」を読んで楽しんだ方は必読ではないかと思います。 あの幼かったダニーが人生を取り戻す物語であり、失われた家族であるトランス家を取り戻そうとする物語でもあります。 作品に関してはいろいろあると思いますが、今回いちばんうれしかったのは、Kindle版の同時発売です。 特にキング作品はほとんどが長い物語のため、これまで文庫以外の新刊では本が大きく重く、気軽に読むことができませんでした。 持ち歩いて電車の中で読むなんて無理だし、ソファに寝ころんで読むなんてことは無理でした。 キンドル版であれば、どこにいてもどんな端末でも読むことができるので、いつもよりも短時間で最後までたどり着きました。 この作品でまたキング熱が再発したようなので、この数年サボっているキング作品を読んでいこうと思っています。もちろんKindle版で。 | ||||
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多分、原作より映画のほうを見られた人のが多いと思いますが、まず、読者はこれが映画「シャイニング」の続編だということを知っておいてください。 キューブリックの映画は閉鎖された古ホテルで父親のジャックひとりが勝手に狂気にさいなまれていき、最後には家族殺しへと爆発するホラー映画となっていて、ホテルの亡霊も病んだジャックの心の闇か実際に存在する超自然的なものか曖昧になっていますが・・・ 原作にはキューブリック映画ではほとんど語られない家族としてのトランスの葛藤(アルコール依存、DV、それでもぬぐいきれない夫婦、親子としての愛)が詳細に描かれており、ホテルの亡霊たちは実際に存在し、彼らの心の隙につけ入りながら、ジャックを狂気へと導き、息子であるダニーのシャイニングを手に入れようとします。小説「シャイニング」はホラー小説であるとともに、いや、もしかしたらそれ以上に家族の絆の物語なのです。 この前提なくして本作は成立しないので、読まれる前に映画は忘れて必ず原作「シャイニング」を読んだほうがよいかと・・・。 本作そのものは雪のホテルでの惨劇から生き残った少年ダニーが、事件のトラウマと己の超能力との葛藤と戦いながら成人し、ホームレス同様に放浪したあげくとある町の住人たちの善意によって立ち直ってゆく過程とシャイニングでリンクしあった少女アブラを餌食として狙うトルゥー・ノット(映画「ニア・ダーク 月夜の出来事」のように放浪する吸血鬼ですが、こちらは血そのものではなくダニーやアブラが持っているようなシャイニングを糧に生きている)との戦いが描かれます。 吸い込まれるような語り口、ついついページを繰ってしまう展開は健在ですが、キング全体の作品としてはイマイチ・・・そもそも「シャイニング」を超える・・・気はもともとないみたいなので、それを期待すると裏切られます。キング自身が言及しているように「意味あの人は今?」で始まった物語ということもあり・・・ホラーを楽しみながらダニー(成人してダン)のあれからと今を見守る物語として読むべきなのでしょう。ここには「シャイニング」に代表される初期作品群に流れる底辺生活の焦りと怒りはありません・・・苦悩、苦難を乗り越え円熟し、幸せをつかんだ作家が、過去からの同志であったキャラクターに、自分の幸せをおすそ分けしている姿を見るような気がしました。 キング・ファンとしてはトルゥー・ノットの連中がある意味シャイニングを持っているともいえるキャリー・ホワイトとチャーリー・マッギーを何故ターゲットにしなかったのか突っ込みを入れたくなりますね。(あいつらも食べようと思ったけど、キャリーは目覚めてすぐ死んじゃったし、チャーリーは捕まえる前にマスコミデビューして手が届かなくなっちまったし、ジョン・スミスのは後天性だし、それに歳取りすぎてる・・・とかね) なお、本書よりちょっと先に息子のジョー・ヒルが「NOS4R2」発表しており、こちらも超能力少女と魂を食い物にする吸血鬼との戦いを描いたものです・・・それ以外は本書とは似ても似つかぬ物語ですが、「NOS4R2」の悪役チャーリー・マンクスは自分の同族としてトルゥー・ノットを名指ししたり、その他にも本書を意識したお遊びが随所見られます。本書のほうを先に読んだのでわかりませんが、こちらにも同様のお遊びがあったのかもしれません。合わせて読むことお薦めです・・・というか、「NOS4R2」のほうが面白いです・・・。 | ||||
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多分、原作より映画のほうを見られた人のが多いと思いますが、まず、読者はこれが映画「シャイニング」の続編だということを知っておいてください。 キューブリックの映画は閉鎖された古ホテルで父親のジャックひとりが勝手に狂気にさいなまれていき、最後には家族殺しへと爆発するホラー映画となっていて、ホテルの亡霊も病んだジャックの心の闇か実際に存在する超自然的なものか曖昧になっていますが・・・ 原作にはキューブリック映画ではほとんど語られない家族としてのトランスの葛藤(アルコール依存、DV、それでもぬぐいきれない夫婦、親子としての愛)が詳細に描かれており、ホテルの亡霊たちは実際に存在し、彼らの心の隙につけ入りながら、ジャックを狂気へと導き、息子であるダニーのシャイニングを手に入れようとします。小説「シャイニング」はホラー小説であるとともに、いや、もしかしたらそれ以上に家族の絆の物語なのです。 この前提なくして本作は成立しないので、読まれる前に映画は忘れて必ず原作「シャイニング」を読んだほうがよいかと・・・。 本作そのものは雪のホテルでの惨劇から生き残った少年ダニーが、事件のトラウマと己の超能力との葛藤と戦いながら成人し、ホームレス同様に放浪したあげくとある町の住人たちの善意によって立ち直ってゆく過程とシャイニングでリンクしあった少女アブラを餌食として狙うトルゥー・ノット(映画「ニア・ダーク 月夜の出来事」のように放浪する吸血鬼ですが、こちらは血そのものではなくダニーやアブラが持っているようなシャイニングを糧に生きている)との戦いが描かれます。 吸い込まれるような語り口、ついついページを繰ってしまう展開は健在ですが、キング全体の作品としてはイマイチ・・・そもそも「シャイニング」を超える・・・気はもともとないみたいなので、それを期待すると裏切られます。キング自身が言及しているように「意味あの人は今?」で始まった物語ということもあり・・・ホラーを楽しみながらダニー(成人してダン)のあれからと今を見守る物語として読むべきなのでしょう。ここには「シャイニング」に代表される初期作品群に流れる底辺生活の焦りと怒りはありません・・・苦悩、苦難を乗り越え円熟し、幸せをつかんだ作家が、過去からの同志であったキャラクターに、自分の幸せをおすそ分けしている姿を見るような気がしました。 キング・ファンとしてはトルゥー・ノットの連中がある意味シャイニングを持っているともいえるキャリー・ホワイトとチャーリー・マッギーを何故ターゲットにしなかったのか突っ込みを入れたくなりますね。(あいつらも食べようと思ったけど、キャリーは目覚めてすぐ死んじゃったし、チャーリーは捕まえる前にマスコミデビューして手が届かなくなっちまったし、ジョン・スミスのは後天性だし、それに歳取りすぎてる・・・とかね) なお、本書よりちょっと先に息子のジョー・ヒルが「NOS4R2」発表しており、こちらも超能力少女と魂を食い物にする吸血鬼との戦いを描いたものです・・・それ以外は本書とは似ても似つかぬ物語ですが、「NOS4R2」の悪役チャーリー・マンクスは自分の同族としてトルゥー・ノットを名指ししたり、その他にも本書を意識したお遊びが随所見られます。本書のほうを先に読んだのでわかりませんが、こちらにも同様のお遊びがあったのかもしれません。合わせて読むことお薦めです・・・というか、「NOS4R2」のほうが面白いです・・・。 | ||||
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38年ぶりのシャイニングの続編の割には物語の進み方が軽く単調に感じました。 主人公以外の登場人物も深みがなく共感しずらかった。 敵もキングの本に今まで出てきた敵よりも弱いし、最後の戦いもサクッと終わりモヤモヤした不完全燃焼で読み終わりました。 重厚で壮大な物語だった「ブラックハウス」「不眠症」「悪霊島」以来当たりがないです。次回に期待します。 | ||||
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傑作シャイニングの続編で、大人になったダニーのその後が主役となれば期待は高まる。当然高まる。 ダニーはどうなってる?ディックは?ウェンディは?・・・・ 結論としては、その上がりすぎたハードルも災いしているとは思うが、満足はできなかった。 シャイニングはキング作品の中でもひときわすばらしい出来だと思っているし、文字通り 作品に特別な輝きがある。 それはシャイニングという作品が、冬のホテルに閉じ込められた一家が体験する怪異体験という 表面部分のその下に、より重要な「家族とその愛」というテーマが骨太に走っており それをノンストップの物語で最後まで運び抜いていく構造を持っているからだと思っている。 それだから、物語の展開や運び方そのものは見えてしまっても、自分が年齢を重ねても、何度か通読し直せばそのたびに発見があるし、 ジャック、ダニー、ウェンディのトランス一家とディック、それぞれに感情移入できた。 しかし、このドクタースリープは・・・。 自分が期待していたものとは違う、という感じが最後まで拭えなかった。 物語としてはけしてつまらなくはないものの(最後まで飽きることなく読めはした) どこか軽く、いってしまえば陳腐で、ツイストもぎごちなく あの作品世界がこんな風に展開している!前作のあの舞台に再び! というような続編ものならではの快感も薄い。 部分的にはどこかデッドゾーンのようでもあり、ある部分はファイヤースターターの感じもあり シャイニングの設定もなぞりつつも、でもそのどれにもレベルとしては追いつかない。 手応えが薄く、再読しようという気も今のところはあまり起こらない。 平凡な作品、という感想。 本当に期待が大きすぎたのかもしれないが、非常に残念に感じた。 | ||||
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