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白夜行
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白夜行の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全711件 581~600 30/36ページ
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この小説は分類が難しい。犯人や人物の関係は一応伏せてはいるものの、あえて比較的早い段階でわからせてしまう。そういう意味で、事件のその後日談であり、結末への過程をなぞる物語であるが、最後までその心情を明確に語られるわけではない。同じベクトルを持つ二本の糸を語りつつ、決してその交わりを語らない。なぜなら、この交わりこそがこの小説のテーマであり謎だから。 これは映画化はともかくドラマ化は難しい。少なくとも小説と同じ視点で1クール引っ張ることはできないだろう。と思っていると、恐るべし、ドラマはラストをいきなり最初に持ってきた。そしてドラマを観てわかったことは、ドラマは、小説で語られることが無かった主人公たちの心情や交わりを中心に語るということ。確かにドラマ化するにはそれしかないだろう。しかし、その時点で読者は気をつけなければいけない。 ドラマで語られている心情は、製作者や脚本家が感じた彼ら自身の視点によるもの、または脚色したもの、作り上げたものであるということ。本小説を先に読んだ私はドラマとは違った印象を持っていた。しかしながら、ドラマを観たときに「そういう視点もあるな」と感じた。確かにいろんな見方ができる構成や表現方法を用いている小説である。 もし、私が今読み返したら、初めに読んだ時とは違った視点で読むだろう。そしてそれは確実にドラマの視点に影響されているはず。ましてや、ドラマを観た後に初めて読む人はどういう視点で読むのだろう。 本作は非常に暗く、絶望に満ちた、暗い作品である。そして、ドラマは主人公たちの立場に立ち、心情に視点を当てているために、少なからず希望やさわやかさを強調している。しかしそれはドラマの特性であり、いち読者の解釈に過ぎないという事を肝に銘じて、今から読む人には自分の視点や感性を大事に読んでもらいたいと思う。 | ||||
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読書好きには当たり前のように認知されていたものの、読書に縁のない人には まったく知られていなかった「東野圭吾」という作家が、今年(2006年)いよいよブレイクしそうである。 某色ボケ作家の私怨によって受賞を阻まれていた直木賞もようやく獲ることができ、 名作『白夜行』もゴールデンタイムに堂々のドラマ化! まるで憑き物が落ちたかのように、東野はその才能を広く世間にアピールする機会に恵まれたと思う。 そんな東野圭吾の才能が結集された作品が、この『白夜行』だ。 暗い過去をひきずりながらも太陽を求めて必死に生き抜く二人の男女の生き様を、 心理描写を一切廃して描くことで、より生々しく浮き上がらせる高度なテクニック。 「小説」の持つ魅力を最大限に生かしたこの小説は、東野圭吾の代表作、というよりも ミステリー小説史に残る大傑作といってもおかしくないのではないか。 | ||||
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ドラマの1話を見てあわてて原作が読みたくなって購入。文庫本なのにコンパクトでない!第一印象です。弟9章で半分に切っちゃおうか迷ったほど、重かった。(>_<)で、作品自体は良かったです、読むのが遅い私が3日間仕事後に没頭して読みました。主人公2人の心のうちが全然表現されてなく、雪穂のために犯罪を重ねていく亮ちゃんがどう思っていたのか・・知りたいです。 | ||||
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最近のミステリーは犯罪の動機が決定的に甘いものが多い。 無秩序な犯罪が世間で横行しているのと同じように、 人が人を殺めてしまうことの大きさ、深さを全く描ききれない 《犯罪者》が増殖してしまっている遺憾な現状だ。 そんな中、東野圭吾は数少ない例外といえよう。 彼の描く罪にはいつも哀しすぎる理由と切なすぎる罰がある。 ドキドキワクワク読み進めてきたのに、最後には必ず涙が出てしまうのだ。 胸を詰まらす重たい余韻。ただ呆然と深く考え込まされる。 今回映像化されたことによって、この分厚い本もかなり攻略し易く なったのでは。自分の中で描いていた亮司と雪穂は別の俳優さん達 だったのでかなりショックなのだが、これを機にもう一度白夜の路を たどってみたいと思う。 | ||||
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「白夜行」は、もともと雑誌連載時に連作短編として発表した個々の物語を組み合わせて一遍の長編に仕上げた作品だそうである。一見バラバラに思えるエピソードが、まるでジグソーパズルのピースのように組み合わさり、人生裏街道まっしぐらの唐沢雪穂と桐原亮司という2人の関係を浮かび上がらせる。 電車の中で立ち読みしていると重さで脇腹がつるほどの長編(854頁)だが、ストーリーテラーの東野圭吾の手により、読者をあきさせない仕上りになっている。 しかし東野圭吾は抽斗が多いというか器用というか、いい意味で自分のスタイルに拘泥しない作家である。自らのスタイルにどっぷりつかって身動きがとれなくなっている文系作家が多い中で、青春物から推理小説までこなすオールラウンドな仕事ぶりは理系作家ならではの高い技術力を感じる。 | ||||
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2日間で一気に読み上げてしまいました。きっかけは、ドラマの第1話を見て、店頭に並んでいた分厚い文庫本とその売れ行きが気になったこと。 人間って、環境にここまで純粋に落ちていけるのか。育った環境がここまでストイックに人間を変えることができるのか-深く、恐ろしいと思いました。 東野圭吾さんの、軽いタッチのものとは全く違った、人間の真髄に接近した小説だと思います。 | ||||
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単行本の分厚さに驚きましたが、休みの日の朝から夜まで読み続けて、 一気に読み終わってしまいました。 それくらい引き込まれたという事だと思います。 ただ、ドラマを最初に見てから原作に興味を持って、というパターンだったので、 物語の中心部分(亮司と雪穂がつながってる事とか亮司の最後とか雪穂の少女時代とか・・・)が 最初にわかってしまってたので残念でした・・・ 何も知らずに読めば、???だらけでもっと引き込まれたと思います。 ただ、あれほどの世の中に対する悪意、他人を信じない、愛せない、 身近な人さえも邪魔者扱いする、 異常なまでの利己主義になってしまった原因の描写が、全体の長さに比べすごく少なく思いました。 雪穂についてはラスト近くに少し描かれていましたが、亮司については 十分ではなかったような気が。 実父が、自分の愛する者に対して取った行動が許せないのはわかるんですけど。 幼かった亮司と雪穂にとって、図書館だけが唯一落ち着けるこの世の明るい場所だった、 というような描写部分はぐっと来ました。 2人の心の動きや感情が一切書いていないので、説明描写もないのでしょうが・・・ でも引き込まれる小説である事は間違いないと思います。 先にドラマを見てしまった事が悔やまれます。(笑) | ||||
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東野圭吾が『白夜行』以前に使ってきたネタやトリックを全部詰め込んだ作品。 言わば彼の「ベスト盤」だ。 だが、やっぱり「詰め込みすぎ感」は否めない。 彼の作品の素晴らしい所は、1つのテーマについて、綿密に取材し、斬新な切り口で迫っていく天性の嗅覚。 そういう点では、『白夜行』は「このネタ、前に読んだぞ」という焼き直し感が強すぎる。 初期のスポーツ物(特に『魔球』『鳥人計画』)や最新作の『容疑者Xの献身』の方が、『白夜行』と同じように結末に救いがない作品だが、東野圭吾らしいスマートな筆致だし、読後感も良い。 | ||||
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854ページを1日半かけて昨日読み終わりました。 まだ余韻が・・・(・∀・;)凄い深く深く今も考えてます。 結局真相はどうなのか、謎が解けないとこが沢山・・・。 でもなぜかスッキリしました! こんなに心に残った作品は今までで初めてです!! 本当におもしろかった!!!深すぎて本来の目的を見失いそう だったけど・・・それもまたよかったぁ〜〜〜〜(′Д`)b なのにドラマ第1話を忘れる私って・・・・・・↓↓ 本当に本当にオススメ♪読み終わるのには少なくとも私には 忍耐力が必要でした―(笑) 絶対に読んでほしいです!!!!! | ||||
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ドラマ(第1話)を見て原作が気になり、購入しました。 800頁を超える長編ですが、休みの日1日で読んでしまいました。 それぐらい、おもしろかったです。 小説では一番最後に種明かしされる部分がドラマではいちばん最初に出てきています。 したがって、小説には主人公二人の内面が全然記載されていませんが、ドラマを見た方は、最初から二人の内面を色々想像しながら、読み進めることができると思います。 | ||||
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面白かった。ただ、現実はここまでこうはいかないだろうけれど、この東野圭吾が描くモヤモヤ感は人生ははっきりはしない視界の中を歩く白夜行のようなものだと言っているような気さえする。テレビで視るよりも絶対活字で読んでほしいと思います。東野圭吾の代表作。私は一番群を抜いて面白いと思いました。 | ||||
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映画の「ロッキー」とか、 カセットテープで記憶するパソコンゲームとか、 ちょっと懐かしいような時代の描写が丁寧で、 ドップリ世界にはまってしまう。読み応えがある。 というか、20年近くにおよぶ二人の犯罪とその背景を ここまで丁寧に描写したミステリーというのは珍しい。 ただ、亮司と雪穂の生き方には「どうしようもなかった」という切実感が いまひとつ欠けていて、読後感があまりスッキリしない。 手法の似ている宮部みゆきの『火車』や 重い宿命ゆえの犯罪という意味で比べてしまう『砂の器』 などに比べると、同情の余地がない。 また雪穂に関してのみ言えば、 桐野夏生の『グロテスク』あたりを読んだあとだと、 現実感がない、男の作家が考えそうな女性像という感じがする。 | ||||
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東野圭吾と言えば秘密が有名だが、それ以外で読んだはじめての作品だったが、東野ファンになってしまった。幾重にもしかけられたストーリ展開が絡み合って、読むのがとめられなくなるような話の展開で、最後まで一気に読んだ。今度TBSにてドラマになるようだが、配役が不満だなぁと思ってしまう。 | ||||
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桐原亮司と西本雪穂。二人が小学生から大人になる十九年間の物語。高度成長末期からバブル経済の時代まで。彼らが歩む人生の周囲では、次々に不幸になる人々がいる。人々を絶望の泥沼に蹴落としながら、雪穂は睡蓮のように美しく咲き誇っていくのだ。 二人の主人公と読者の間には、レースのカーテンのような物が揺らめいていて、その姿ははっきり見えない。 特異な小説である。主人公二人の心だけが、一切描写されていないのだ。その周辺でもがく人々の主観を介してしか、亮司と雪穂に辿りつけない。 テレビドラマに引き込まれて、一気に読破した。過去にドラマ化不可能などという形容の小説は幾多もあった。しかし、本当に不可能な小説に出会ったのは初めてであった。 亮司と雪穂という主人公の人生には、殺人事件、レイプ、失踪、ハッカー犯罪などの事件が溢れている。最後のピースがはまった時、それらが純粋な魂から溢れ出た「果てしない悪意」だと読者は知る。 この小説と、放送が開始されたTVドラマとは、全てが違う作品になっていくだろう。小説だけの読者は、雪穂たちから、究極の悪意の快感を覚える。TVドラマだけの視聴者は、絶対的な純愛に感動するだろうからだ。そして両方を知った者は、鏡のように全てが正反対の、原作とTVドラマの特異なコントラストにくらくらと酔う。 小説とTVドラマが意図的に乖離せざるおえない作品。 昔、映画の「風と共に去りぬ」観た。その後に原作を読み、映画版のできの悪い模造品に感じた。これとは対照的に、百夜行は原作と映像作品が別個に独立した作品となっていた。両方とも鑑賞される事を強くお勧めします。 | ||||
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文庫版を解説している馳星周氏は本書をこう評している。 「人間の暗い側面、邪な断面、人間のそうした性質を助長する矛盾した世界。それを描くのがノワールだと定義したならば、『白夜行』はもはや、ノワール以外の何ものでもない」 そう、「白夜行」は紛れもなく上質のノワールなのである。 暗黒街やマフィアが登場する作品ばかりがノワールではないのだ。 20年にもおよぶ亮司と雪穂のダークで沈鬱な物語。 2人の人生には常に不気味な犯罪が見え隠れする。 しかし、読者は2人の心の闇、心の傷をうかがい知る事はできない。 小説には2人の内面はいっさい描かれていないのだ。 冷たく、重い物語だ。 出口がなく、救いのない物語だ。 読後の爽快感はない。 だが間違いなく後をひく傑作だ。 この名作がドラマ化されるという。 小説では2人の内面描写がなく、余計な説明もないからこそ、深い読後感を味わえる構造になっているのだ。 陳腐な純愛ドラマに貶められないか、非常に心配である。 この重い世界観は活字だからこそ味わえるものではないだろうか? 表現手段が違うのだから、ベストセラー小説を何でも映像化するのは反対だ。 活字だからこそ表現できるものもあれば、映像にしか表現できないものもある。 「白夜行」は活字でこそ生きる物語だと思う。 | ||||
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テレビドラマ化するとゆうことで、久々に読んでみました。 事件の真相に辿り着けそうで、辿り着けない。 目の前の霧が晴れそうで、晴れない。 まさに「白夜を行く」とゆう感じです。 | ||||
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東野作品ファンサイトの人気投票で1位になっているのを見て本書の購入に至りました。 この本で東野氏が利用した手法が主人公2人の心理描写を用いず、全て彼らを取り巻く人物による描写にとどめたこと。 謎めいた話を更に謎めかせるのに成功しています。 次から次に起こる怪事件、見つからない決定的な証拠、先が読めない展開の連続…読み出したら止まりません。 ただ話の内容はかなりダークなので好き嫌いは分かれそうです。 | ||||
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東野作品で、ここまでディープな内容の作品はなかったとおもいます。 例えば、「秘密」なんかもテーマとしては重いのですが、これは、その何倍も重いです。 この作品は、日本の、昭和という時代の闇の部分をえぐりだし、そして、「ここまでやるか・・・」というくらいの人間の悪意が描かれています。たしかに、これはフィクションなのですが、これは事実を濃縮した小説だと思います。事実よりも事実を描いている、そんな感じをすごく受けました。 だから、読んでいて、拒否反応がでてくる人もけっこういるとおもいます。人間の汚いところなどみたくはない、という心理は当然でしょう。 それでも、ぜひ読んでみてほしい作品です。 わたしの中では、「容疑者Xの献身」読んだ今でも、この作品が、東野作品の最高傑作だとおもっています。 | ||||
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面白くて、寝る間も惜しんで一気に読んでしまいました。読ませる本ではあります。とはいえ、ミステリーのひとつの形として、またある種の純愛ものとしては成功しているかもしれませんが、奥深さには欠ける気がします。人間のある一面だけが強調されて描かれているようで、テーマそのものに、若干「いびつな」感じがすることは否めません。 | ||||
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東野氏の小説は10作品くらいは読んだと思う。「天空の蜂」や「変身」は大好きだ。しかしこの作品は好きになれない。なぜならば後味が悪すぎるからだ。 私が憎んでいる犯罪の中でもとくに許せないのが殺人とレイプである。この作品の主人公は、いくら過去に辛い事があったとしても、他人を巻き込み最後に非道な行為をする。そのために感情移入ができなかった。 乱歩賞受賞作も後味は良くはなかったが、この作品は氏の中で一番好きになれない。作者に怒りを覚えたほどで、氏の作品で今後「白夜行」より私が下の評価をする物はおそらく無いのではないかと感じている。 | ||||
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