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白夜行
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白夜行の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全711件 561~580 29/36ページ
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| 冒頭の質屋殺人事件に始まり、19年にも及ぶスケールで被害者の息子亮司と被疑者の娘雪穂2人の白夜行が描かれます。事件後、雪穂は表向き華やかな道を進み、亮司は文字通り社会の裏街道を進みます。彼らの周りで起こる様々な怪事件を、老練な刑事が追っていきます。 特筆すべきは、主人公2人が直接会話することは一度もなく、彼らの内面も最後まで描かれず、周辺人物達の視点でのみ描かれていることです。しかし、一見赤の他人である2人の接点は様々な場面で暗示され、2人の心理も少しずつ明らかになっていきます。特に印象深かったのが、雪穂の台詞で、自分の人生には太陽がなかった、だけどそれに変わるものはあって、その薄明かりの下、白夜を生きてきた、というものです。痛ましい事件で人の心を失ってしまったかのような亮司と雪穂は、それでもお互いに暗い夜を照らす存在だったようです。 | ||||
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| 仕事の合間を縫って、2日間ほどで読み終えました。 最近この本を手にした多くの方と同様、私もドラマを見て、関心を持った一人です。 (売り切れの書店ばかりで大変でした) 読み終えて、真っ先に思ったのは、「ドラマを見る前に読めばよかった」という後悔でした。 ドラマの最初のシーンが本のラストにあたり、更に徐々に浮かび上がってくる二人の関係が、ドラマの初回で既に描かれてしまい、 読みながら考えていく楽しみが減ってしまいました。 また、読みながら俳優さんたちの顔が浮かんできて…(苦笑) 雪穂と亮司のふたりを決して同じ場面に出さず、出来事と周囲の人間の発言だけでつながりを浮かび出させていく… 笹垣の口を通して描かれる解釈すら真実なのか? あくまで最後は読者それぞれで彼らの人生を考えろ、というのが作者の狙いなのでしょうか。 確かに雪穂には人間の「情」というものが微塵も感じられません。 心を失った彼女が、分身である亮司まで失ってしまった。 美しいただの抜け殻であり、これから先の彼女の人生は、延々と続く悲劇でしかないでしょう。 全く救いがない物語ではありますが、救いのない悲劇をここまで描ききったことは見事としか言いようがないと思います。 最後に、この本とドラマは、全く別物として、それぞれ楽しんだほうがいいと思います。 | ||||
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| 読み応えのあるすばらしい小説です。大変多くの章にそれぞれ犯罪がちりばめられているわけですが、執行の現場がうまくブラインドされており想像力を掻き立てられます。すべての犯罪は雪穂の金銭的援助と進む道の露払いにつながる訳ですが、難をいえばその中に陳腐な動機とみられるものが多すぎる事です。特に最後のミカに対するものは雪穂本人の心理が解せず、ただ雪穂の冷徹さや残虐さをアピールする作者の演出にすぎないともとれました。個人的には、雪穂がビジネスマンとして飛躍する過程で障壁を排除していくところにもっと犯罪を絡ませたほうが共感が持てたと思います。 | ||||
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| 書評を読んでから小説を購入し、読みました。 主人公の二人からの細かな視点は、この小説に必要では無い、 と私は感じました。 なぜなら、たくさんの登場人物たちの複雑に絡み合った関係。 過去の事件の真相を探る上で知りえる情報。 二人の台詞。 事細かに描かれており、たくさんの章があって大変だとは思いますが それらをしっかり読み取ることで、二人の関係や想いを感じることは、できるからです。 この小説に、「雪穂はこう思った」「亮司は雪穂に対してこうこうこういう気持ちだった。」なんて視点があったら、 野暮だしおもしろくはありません。 それから、ネタバレになるので詳しくは書けないけれど、 二人がそれぞれ違うシチュエーションで、違う相手に向かって言う、 同じ意味の言葉があります。 それが唯一、二人の関係を示すものとなるのではないでしょうか。 この小説を読み終わったとき、私は村上龍氏の「コインロッカー・ベイビーズ」を読んだときと同じような気持ちになりました。 生きるため、自分を守るため、誰かを守るためのエネルギー。 様々な策略が感じさせるダークな部分。 そういう点が共通してるのではないでしょうか。 素晴らしい小説だと思います。 小説の内容とは無関係だけど、文庫本は上下に分けて欲しかった。。。 あのページ数の文庫本は手に持って読むのに向いてません。 | ||||
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| 独特な世界観があり一気に読み終えてしまいました。残りページ数が少なくなるのが切なかった、というか終わらない物語としてずっと読んでいたい、と思うほど引き込まれてしまいました。 | ||||
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| 今ドラマでやっていることから読んでみたのですが、登場人物の数が多すぎること、雪穂と桐原二人の視点から全く描かれていない事にちょっと不満を感じました。 これでは二人の関係が全くと言って良いほど分かりません。一章進むだけで時が何年も進んでいるというのもちょっと・・・。 最後もちょっと急ぎすぎてかなり淡白になっていますし。無理矢理終結させた感じがします。 せめて、なんらかの描写があれば良かったと思います。これは登場人物を多く出しすぎたツケではないでしょうか? | ||||
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| ようやく読み終わりました。長かったです。 すごく重い内容の物語でした。 展開は長い月日のいろいろな話から少しずつ 主人公の雪穂、亮司の子供時代の事件の 謎が解けていくというような感じになって います。 読み終えて、亮司の方はなんとなく人間 らしさ感情というものが残っていたような 気もしましたが、雪穂は最後まで何を 考えているのかわかりませんでした。 残った雪穂はこの先も生きている限り 人を欺き続けるのでしょうね。人生に 意味は無くただ世間に対する復讐のために。 | ||||
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| 共感できませんでした。主人公2人が、影の世界を生きていかなければならなかった背景が納得できませんでした。能力がないわけでも、向上心がないわけでもないわけでもなく、正当に競争しても十分表の世界を勝ち抜いていけそうなのに、姑息な手段で周囲の人間を陥れているように感じました。強烈な幼児体験がそうさせているのなら、その辺の記述がもっとあってもよかったかな。また女性を黙らせるのに、ことごとくレイプが用いられるというのも嫌悪感を感じました。全般的に、現代犯罪史というようにここ20年ぐらいの犯罪のオンパレードです。最後の最後まで「救い」も「償い」もなかったです。 | ||||
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| 雪穂が何を望んでいるのかよく分からなかった。 生き延びるためっていうのよりはるかに贅沢な野心を持った彼女という人は、あんなことがなくても、そんな人なのかも。 過去にキズを負ったからといって、あんな分かりやすい成功をリスクを犯してまで求める理由が分からないし、 亮司がなぜそんな彼女を支えようと思ったのか・・・・・・負い目? 愛? 自分も野心家だから? 幼いころの聖域を侵した社会への復讐? なんかそれじゃ説明つかない。 強い意思によって理想の人間(生い立ちから)になりたかったのかもしれないが、 その理想というのが本当にバブル的で底が浅いものを感じる。幼いころに形成されるべき「人間の核」というものが、 大人から教えてもらえなかったからかもしれないけれど・・・・・・。 他人からみた自分を一番に考えるって、幸せかな? 政治家でもめざしそう。たんなる目立ちたがり屋で自分一番じゃなきゃ嫌とか・・・・・・。 過去の傷を隠すというのよりはるかに目立つ行動はなぜ? それに雪穂みたいな人がいたら、意外に内面ってバレてると思う。 女子って偽善者とかってかぎ分けられるから。 男子はわかんないかも。 お話自体はリアリティがなくて白ける部分もあったけど、 本当に面白くて一気に読めた。 | ||||
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| 結局,主人公である雪穂や亮司の視点からは物語は最後まで描かれず,周囲の人々の視点から読み解くことしか出来ない.論理的な証拠は何も提示されること無く,戦慄のラストシーンを迎える.老刑事笹垣が状況証拠から推理し,辿り着いた結論は,所詮推論に過ぎない.物語の解釈は読者に委ねられる.真実は一体何処にあるのだろう.果たして雪穂は計算高い冷徹な悪女だったのか?亮司は利用されただけなのだろうか? 互いを偽りの太陽に見立て,白夜の中を生きた二人.相手を利用する,相手に利用されるといった損得勘定で計ることの出来る単純な関係ではない.二人とも互いを補完しあう存在を必要としたのだろう.切実に・・・ | ||||
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| 東野圭吾の作品をはじめて手に取りました。きっかけはTVドラマの結末が知りたかっただけと安易な発想でしたが、文庫本の2倍以上の厚さの本を「あっ!」ですわ・・・映像に近い感覚で伝わってきました。ヒロイン雪穂。彼女をあれほど強い人間にさせたものが想像では解りませんが、ヒロインに引かれて殺人などの罪を犯すたぐいの軽い話では片付けられない・・・・真意が知りたい雪穂と亮司のと思いましたが、雪穂本人にもわからないのかなぁ・・・・ | ||||
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| テンポのよさについ気になって先をいそぐのだが、ほっと気が抜けたりする部分や爽快感といったものが、ひとつもでてこない話。 ドラマのキャストを聞いたせいもあって、登場人物のほとんどだれにも感情移入しきることができないまま進んでしまったせいもあるかも? ――ま・それこそが東野さんの作風だといわれたら、まだ全然読破していないのでなんとも反論しようがないけど。 でも終わった後の、このどうしようもない空虚感。 事柄の裏面を知れる立場にいるせいもあるけれど、そこまでして得たいものがすごく痛々しいというか。 二人に共感できるところがなく、言いようのない不快感というか居心地の悪さを覚えてしまって。 自分が能天気なせいかもしれないけれど、あまりに不幸な、忘れたいような物語だったなぁ………。 なぜこれがドラマ化されたのか。 その意図をはかりかね、なんとなく物悲しく終わってしまった。。。。 | ||||
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| 私は読み終えた瞬間、嗚咽をもらした。 私は基本的に殺人などが含まれている小説は苦手な方で避けてきたが、父親に勧められて土曜の昼間に読み始めた。 すると、ハマった。 読み終えたのは夜中の3時を回っていた。私は1日足らずで読破してしまった。 最初は次々に登場してくる人物に多少悩まされたが、全てはひとつに繋がるものだった。 雪穂と亮司、二人のあまりに悲しすぎる過去。 生きる希望を与えてくれた亮司は最後の最後まで雪穂を守った。 雪穂は亮司の僅かな光を頼りに懸命に落とし穴から這い上がろうとした。 そこには心を失った彼らの決して結ばれてはいけない愛があった。 純愛とは言いきれない、冷血で残酷な運命。 それなのに、これは真実の愛の形だとしか言いようがなかった。 女の目線から見て確かに吐き気がする場面が多々ある。可哀想・ひどすぎるなどの感情を通り越して寒気さえした。 それにも関わらずページをめくるのをやめられなかったのは19年と言う月日に隠されていた。 二人は犯罪者だ。でも私は本を閉じた時、不覚にも「犯罪なんかじゃなかった」とむしろ魂を奪う行為を肯定してしまうほどだった。 その理由を知るには、もう一度1ページ目から開く必要がある。 そして私は、再び生きる空しさと生きていく強さを二人から学ぶのである。 | ||||
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| 作品としては確かに面白い。先をどんどん読みたくなるのですが、読んだ後には読まなきゃ良かったと思ってしまいました。 現実にあるとは思えない、行ってはいけない世界に連れていかれた感じ。読んでいてかなり気分が悪くなりました。 この小説のファンは圧倒的に男性が多いかと思われます。女性でも、全てを前向きに解釈して何にでも切なさを見出せる方にはお勧めかも。 私はこの物語からは切なさも純愛も感じませんでした。それは多分雪穂に女性を感じなかったから。彼女は男性が想像する女性であって、女性からみた女性ではないからかな。美佳をレイプさせた後の美佳と雪穂のシーンは特に気持ち悪かったです。 又、亮司、雪穂ともに緻密ですばらしく賢いのに、犯罪が比例しない感じ。こんなに賢ければ、過去がどうであろうと太陽の下を歩く人生も選択できたはず。どうも自ら白夜を選んでる感がぬぐえず、本当は明るい人生を歩きたかった的な彼らの発言とは矛盾している感じがしました。 追記:純愛を前面に出したドラマの影響からか、女性ファンが増えてきてるようです。 | ||||
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| 圧倒的な小説である。 ミステリー小説にはあまり興味を持てないためそういう視点からの評価は出来ないが、人間というものを正面から描いた作品としての一つの到達点だと思う。 主人公2人の内面は一切描かれず、周囲の人たちの視点から見た2人が淡々と描かれていく。 だからこそ、主人公に対し読み手は下手な共感や反感を抱くことなく、 描かれたありのままを受け止めていくことが出来る。 その結果、直接は描かれない主人公の心理をより克明に感じ取れるのだ。あくまで読み手の推測であろうとも。 ドラマ版のアプローチは正解だと思うし、今のところ大好きなドラマである。 しかし、小説を読み返すとやはりこちらの方が惹き込まれる。ドラマ版が好きな人には、いつか必ず小説も読んでもらいたいと思う。 これは謎解きを楽しむ物語ではなく、平たく言えば人間のドラマを味わう物語である。 人によって好みはあるだろうが、すべてが明らかになるような終わり方だったら私はこれほどこの小説を好きにはならなかった。 原作者が考えた末にわざときれいにまとめずあのような結末にしたのは明白だし、個人的にはあれ以上の終わり方は無かったとさえ思う。 あのラストが気に入らない人は大勢いるだろうし、そのような受け取り方も一つの答えだ。 私にとってあのラストは納得のいくもので、そして最も感動した小説の一つとなった。 | ||||
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| セカチュー・イマアイなどとは到底比較できないほど 暗くとてつもなく恐ろしいほどまっすぐな純愛です。 そして、それ以上にせつない物語でもあります。 本当の愛とは何だろう。 本当に相手のことを想うということは何なのだろう。 と、考えさせられる話です。 ※文庫本の厚さに最初は驚くと思いますが、私は二日で読破してしましました。それほど、のめり込んでしまうストーリーですので、週末にゆっくりと読まれることをおススメします。 | ||||
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| 今回ドラマ化されるにあたり数年振りに読み返してみた。 面白い。出来すぎている。 東野圭吾氏の代表作というより日本のミステリー史における傑作である。 主人公2人の内面、動機を一切描写せず周りの登場人物の視点のみで描かれている。 さすがにドラマではこの手法は無理であろう。 ドラマで興味をもった方はネタバレ覚悟で小説も読んでいただきたい。 ドラマが終了してからでもいいんですけど。 東野圭吾の直木賞は本作品のほうがふさわしいと思うのは私だけでしょうか? | ||||
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| ドラマ化するということで読んでみたんですが、見て解るとおり長いです。 しかし長い割に周りの人間がどんな人であるとか、周りでどんな事件が起きたとかは書いてあるんですが・・・・主人公二人が何を考えて犯罪を犯した、とかどんな人である、とかの描写がないのでメインであるはずの主人公に関しては全く解りません。なんでもノワールという技法らしいんですが・・・・ その手のものに慣れてない私には意味が解りませんでした。途中で何度投げ出そうかと思ったくらいで・・・・ そういう解りやすさを求める人はドラマを見たほうがいいですね。ご都合主義とか子供向けなミステリーが嫌いな人には丁度いいです。 | ||||
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| 私はドラマ化される前にこれを読みました。 とてつもなく暗く、重く、長い作品です。 ドラマをきっかけに読んだらその違いに驚きますよ。 全然スケールが違いますから。 あんなセカチュー2号みたいな甘い話じゃないんですよね。 雪穂・亮司はあんなに弱い人間ではないんです。 ドラマでは感じることが出来ないであろう、二人の魅力を感じられますよ。 必ず心に何かが残ります。 | ||||
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| 作者の物語を読ませる力は素晴らしいと思う。 この本を読み終えた時、全ての人が、彼女のその後を想像するのでは ないだろうか・・・。 ただ、私が感じたのは、彼女の白夜は終わらず、いやむしろ、これか らは夜の道を歩いていかねばならないのではないか。夜を照らしてい てくれたぼんやりとした光さえ失って、彼女はどうするのだろう。 それでも彼女は生きていくのだろう。失ったことを悲しむこともない のかもしれない。彼女は失うものなどないと言っているのだから。 彼女が世間からどんなに認められ、これから成功を勝ち得ていったと しても、彼女の乾きは癒されないのだと思う。 それが、彼女の罰なのかもしれない。 自分の罪は自分が一番知っている。 「人間の証明」で最後は人間の心に賭けた刑事がいた。 でも、この物語の彼女は心を遠い昔に奪われたままの人形なのかもし れない。人形の最後はどうなるのだろう? 穿った見方をしてしまったが、本当は彼女にも心があったと思いたい。 | ||||
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