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だれがコマドリを殺したのか?
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だれがコマドリを殺したのか?の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 21~21 2/2ページ
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眉目秀麗な青年医師ノートンと、カソリックの大執事の娘で“コマドリ”というあだ名をもつ美女ダイアナは、それぞれに大きな財産取得をともなう配偶者候補がありながら、ひと目あった瞬間から燃えあがった恋の炎に突き動かされ、衝動のままに結婚をする。しかし、遺産相続に関するノートンの虚言の発覚をきっかけに、熱病のような恋情は急速に冷えきり、険悪に翳ってゆく結婚生活のなか、やがてダイアナは原因不明の体調不良を訴えはじめる…。 『赤毛のレドメイン家』や『闇からの声』といったフィルポッツの代表作はもとより、ミステリとしてそれほど高い評価を得ていない『灰色の部屋』『溺死人』などの作品も結構面白く読めたフィルポッツ作品と相性のいい筆者は、本作も飽くことなく楽しんで一気に読了できた。定規を当てたようにガッツリとした文体とプロット、腰の据わったジックリとした展開のなかで、ジワリジワリと盛りあがってゆく犯罪劇のスリルと謎解きの面白さを味わえた。 しかし、畳みかけるようなスピード感のある現代ミステリとは違う。前述のあらすじから、ようやく美女が怪しい死を遂げるのが、全編340ページほどある作品の半分以上を読み通した、200ページ近くに達してからである。フィルポッツ作品に特に親しみがあるわけではない方、古典ミステリになじみの薄い読者には、クダクダしい叙述にモタモタした展開が重い、古臭くて冗長でシンドイ作品と感じられるのではないかと危惧される内容でもある。 新幹線でのスピーディな旅や、ジェットコースターなどのアトラクション的な面白さを求める人にはオススメできない。黒煙に黒ずんだSLのズッシリとした鉄の車両の振動に、ミステリアスな悪意の鼓動をジックリと聞き取りたいという方には、一読の価値のある作品ではないかと思う。後半、ようやく探偵役が乗り出してからは、外連味が少ないフィルポッツ作品にしては、なかなか楽しめる謎解きになっていると思う。とりわけ、童謡殺人を錯覚させる本作のタイトルは秀逸―。 | ||||
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