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禁忌
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禁忌の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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今回舞台化にあたり、主演の真田佑馬さんのファンなので購入しました。 恥ずかしながら普段はミステリー小説などはほとんど嗜まないので、著者のことも何も知らずに購入し、一気に読みました。 長編と聞いていたので少し身構えていましたが、淡々とした文体で語られるのでとても読みやすく、逆にそのとっつきやすさ故にページをめくる指が止まりませんでした。 舞台化されるのはおそらく主に後半のミステリーと法廷劇の部分かなと予想しますが、時代錯誤で湿っぽく薄暗い少年時代とそこから脱却して理想の恋人を得てカメラマンとして成功するまでを描いた前半はまた違う魅力がありますし、そのバックボーンを知った上で舞台を見るのも一興かと思います。 もちろん、舞台を見終わった後で改めて読んでも楽しめるはずです。 私の頭の中ではすっかり弁護士=橋爪功さんの声と身振り手振りで再生されるようになってしまいました。 ただ、私と同じように真田佑馬さんのファンの方でこの小説を読まれる方は、結構過激なシーンもあるので、ご注意いただいた方がいいかもしれません。おそらく舞台にはないシーンだと勝手に予想しておりますが。 真田さんが演じられるエッシュブルクはとても魅力的でミステリアスなキャラクターなので、舞台がますます楽しみになりました。 | ||||
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私は、今回初めてフェルディナント・フォン・シーラッハの小説を読みました。その理由は、帯のキャッチ・コピーに魅かれたからです。 全体は、光の三原色、緑、赤、青、そして、それらが合わさった白の4章に分かれています。 物語の主人公は、ゼバスチャン・フォン・エッシュブルク、フォンが入っていますから、当然、貴族の出です。 彼は、常人以上に鋭敏な色彩感覚を有する、いわゆる共感覚の持ち主で、幼少期に父親を亡くしますが、 長じて、その感覚を生かし、芸術写真家として大成します。 物語の前半は、ドイツ小説によく見られる教養小説のような展開です。 後半は、そのエッシュブルクが、若い女性を誘拐、殺害した疑いで逮捕されます。 そして、エッシュブルクの依頼で、ビーグラーが彼の弁護を引き受け、 リーガル・サスペンス的展開になります・・・・・・・・・ いや、重い小説です。あまり長い小説ではありませんが、そう簡単に読み進める小説ではありません。私も何回も読みかえしました。 あまり書くとネタバレになりますが、帯にもあるように「罪とはなんですか?」、彼は一体どんな罪を犯したのか? 裁く側と裁かれる側、人間にとって芸術とは何か?・・・・・・等、深く考えさせられます。 聞くところによると、著者のシーラッハは刑事事件の弁護士として、ドイツでもかなりやり手な存在らしいです。 本書の弁護士、、ビーグラーはある意味、著者の人格の投影とも考えられます。 かなり内容の深い小説ですが、最後にすべての謎が見事に収斂し、ミステリーとしても読めますが、 本書は、ミステリーの姿を借りていますが、もっと深い人間の本質、性、、そして、芸術の深奥を描いているように思います。 私個人としては、小説の面白さを堪能しました!!! | ||||
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主人公エッシュブルグは、没落気味とはいえ名家の御曹司で、さらには、「共感覚」の持ち主という人物です。 「共感覚」物事や事象を色や音で知覚、認識する特殊な感覚のことで、この感覚の持ち主は大変稀有、とのことです。 物語の中盤というか、ほぼ後半に差し掛かるまでは、この主人公の幼年期から青年期までの生き様が主軸です。 父の自殺、生家の売却、母の再婚といった苦難を乗り越えつつも、有名写真家となり、恋人を得るまでの成長振りが描かれています。 主人公にとって苦難はあるものの、ストーリの展開や文調も、やや淡々とした読み易い展開ですが、主人公の持つ「共感覚」、また、表紙裏の作品あらすじでは主人公が逮捕されることが記されていることがと相まって、行間には何か深いことが隠されていそうな、不穏な気持ち、恐怖心さえ抱きながらで読み進めました。 何も考えずに読めば、ある若者の単なる成功記なわけですが、本作を読みながら苛まれる「不穏さ」、また、具体的な「結」を用意せず(おそらく、あえて、このように仕立てたと思いますが)読み手ごとに様々な解釈と賛否を生じさせるであろう展開に、かなり引き込まれました。 読み終わっての感想を言うと、いや本当に「怖い」です。 本編とあわせ、作者のメッセージ「日本の読者のみなさまへ」を読むと、さらに恐怖が増幅するように思います。ただ、これは私自身の感覚で、作者の意図するところを正確に汲み取れているかどうか、これには自信がありません。 翻訳作の国内出版が東京創元社さん、また、作品紹介には、あたかも法廷ミステリを思わせる記述もありますが、本作は、いわゆる法廷ミステリには、あたらないようにも思います。 ただ、本作は読み手に対して、色々な考えを想起させると思います。私としては、本作の本編と、著者あとがきの「日本の読者のみなさまへ」を読んで、重大犯罪と、稀有な感覚をもって生まれた人物に対する刑事訴訟法の限界など等を感じ、深く、重たい恐怖に苛まれたわけですが、作者の狙いはどこにあるのか。。。 いやはや、なんとも、評価に困る作品ですが、この頁数とクライマックスとで、ここまで強烈な「後味」を刻まれたか、という点で☆×4です。 繰り返しですが、いわゆる謎解き、法廷サスペンスとは趣きがかなり異なりますので、本書を手にするときは、このことを充分に踏まえておくと良いように思います。 | ||||
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