■スポンサードリンク
夜また夜の深い夜
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
夜また夜の深い夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
書簡形式で始まり、ミステリー仕立てで物語が進む。 途中ではま圧巻なのに、結末がそこに着地する?と不可解な終わり方。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野夏生さんの小説です。外国が舞台ですが、主人公は日本人です。 書簡体の小説ですが、実質は一人称の小説ですね。 海外を転々とする生活をするマイコとその母。 母は整形をくりかえし、どうやら誰かから逃げているようだ。 やがて、イタリアナポリの貧民街で、マイコは漫画喫茶を見つけ、そこで母国のマンガを読んで、人間的に成長。母から家出をする。ひょんなことから知り合ったエリスやアナとともに、犯罪などをしつつ、なんとか生きていく。 実は、エリスやアナも、大変な思いをしてイタリアに流れ着いていた。 マイコは、自分がいったい、どういうわけで、海外にいるのか、知りたくなるが、その真相は、だんだんと明らかになってくる…。 最初は、重信房子とか重信メイとか、そういう流れの話かな、と思ったのですが、実はそれはフェイクで、別の真相がでてきます。 とはいっても、マイコが書いている手紙は、重信メイなのかな、と思わせるものではあります。 真相というか、マイが逃げていた理由というのが、宗教団体で…みたいな展開になってきて、だんだんと話が小さくなっている感じがしました。 また、マンガがマイコの人格を作るところがあるのですが、そのマンガの緩さに気づき、それをのりこえるところが、なんとなく桐野さんのマッチョっぽさを感じさせてくれます。 マンガなんかじゃ、現実に向き合えねえぞ!ってなもんですよ。 海外からみた日本という視点で、日本の矛盾をあぶりだしているところは、さすが桐野さんですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は日記調の内容が苦手で、途中までは本当に読み切れるか不安であった。 半ばからようやく登場人物も増え、話は進んでいく。 中身が濃く、スピード感を持って読み終えたが、このような終わり方で正直理解ができない。 終わる直前までは、良かった。 ただ、結びは本当にそれだけ?何を言いたかったのかわからない。 この後続きがあるのであれば、もちろん理解できる。 今の状態のままならば、読み終えた後、何も残らない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
海外を生まれ育ち,母とともに転々として育った娘には国籍がなかった. 母の正体と,母と別れた娘の運命は? ナポリのスラムに住む日本人母子の奇妙な生活の描写からストーリーは始まる. 明らかに犯罪の背景を匂わせつつ,一方で社会へのあこがれから行動範囲を拡大し, その過程でさらにアンダーグラウンドな世界に足を踏み入れてしまう娘の姿が描かれている. 十分な教育を受けず,道徳観念もない娘の短絡的な思考過程や未成熟な情緒など, 一人称で描かれる心理は読み応えがあり, 中盤で仲間となった2人の女性が語る物語にも衝撃的な描写が多く, 母親の正体とともに,娘の行く末への興味がメインテーマとなって引き込まれる展開である. しかしながら,母親の正体と過去の犯罪,逃亡生活の理由が暴かれてからは少々尻切れトンボな印象. ラストにどんでん返しもあり,これが本当の真相かどうかも明かされないのだが, 率直に言ってどちらでもいい. この物足りなさはやはり真相の弱さに起因しており,中盤までの強烈なインパクトに比べると 期待はずれの結末. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
わたしが期待していた展開は マイコによって、スルスルと裏切られました。 もっとマイコに 別の判断をして欲しかった箇所がいくつかある。 でも、それって 日本の社会の善悪とか、義理、価値観ではないかと思って それを知らないマイコにはわからない。 そして最後に 「もう日本語も少しずつ忘れています」 「私は今の自分に満足しています」と。 わたしは、マイコが日本人だから そのアイデンティティを期待したのかもしれない。 物語の、出来不出来じゃない。 透けて見える「日本人」というもの。 「世間一般」がそうあるべきだという感じる全て。 人生は、あっけないからこそ。 読み終えた時に、自身の輪郭を見失いそうになりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
逃亡を続ける親を持つ国籍もない子供っているんだろうけれども、この話はちょっとリアリティーがないですし、その分の引き込む力もない気がします。 終盤は加速度的に迷走している気がしました。 何が書きたかったのでしょうか? 私には分からなかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世界の様々な国で目立たないように暮らす母と娘。母の名前も自分の苗字も知らず、小学校しか通わせてもらえず、人に自分のことを話すのを禁じられ、外の世界がどうなっているのかも知らない少女の物語。 主人公のマイコが似たような境遇の七海に手紙で状況を伝えていく物語はMANGA CAFÉに通い始めるところから一気に加速しはじめる。徐々に外の世界のことを知り、悪事に手を染めながらも必死に生きて、最終的に自分は何者なのかを突き止めていく展開はぐいぐい引き込まれた。 ただ、終盤はこれからどうなっていくのか気になるところなのに、あっさり終わってしまったのが残念だった。七海との手紙のやりとりも中途半端に感じた。 著者の「優しい大人」が好きな人は楽しめると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
手紙形式で進んでいくスタイルの小説です。 桐野さんの作品は大体がそうなのですが、今作もハラハラしてページをめくる手がとまりませんでした。 舞子は街で知り合ったアナとエリスという2人の少女と行動を共にすることになるのですが、 3人はそれぞれ過酷な状況を生きてきただけでなく、見た目も性格もまったく違うタイプ。 この3人がうまく描き分けてあり、それぞれとっても魅力的です。特にエリスが素敵。 後半でやっと読者も舞子も気になっていた真実が明らかになるのですが、 それに関しては「まぁ、こんなかんじのことだろうな」とそれほど驚きはなし。 けど、最後の母の告白は真実なのかがはっきりしないし、まさか最終的にこうなるとは・・・。 ううーーん。梯子を外されたというか、中途半端感が残りました。 以前の桐野作品はその世界観の暗さや登場人物たちの中に立ちこめる悪意など読んでるだけで胃がキリキリと痛むほどの毒をはらんでいた。 だけど今作はディープな世界を描きながらも、それほどの切羽詰まる息苦しさは感じませんでした。 作風が少しずつ変化してるのでしょうか? 作中で舞子が手紙を書く「七海さん」のモデルは重松房子の娘・メイさんとのこと。 桐野さんのことだから誰か実在のモデルがいるんだろうなと思いつつ読んでいましたが、恥ずかしながら私はこの人達のことを知らず(^_^;) 読後にネット上の他の方のレビューを読んで知りました。 作品をより深く理解するために、この人物についてこれから調べてみます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なんだか物語の方向性がよく分からなかった。 前半は(最後まで姿を現さない)七海という人物への手紙文である。七海は女性テロリストの娘で父親が不明という境遇である。主人公マイコも似たような境遇ー父親が犯罪者で母親も追われている、そのため世界中を整形を繰り返しながら転々としているーであるため共感を抱き、見知らぬ七海に手紙を書くという形で物語が進んでいく。 後半は、偶然出会った二人、アナとエリスというやはり故郷喪失者と仲良くなり一緒に過ごすのだが、この3人はなんというかオトボケ三人娘という感じである。もちろん悲惨な人生を歩いてきてまた、悲惨な運命も待ち受けているのだが、書かれ方は軽い。 そして最後の数ページで一挙に終了。後日談になってしまう。著者らしいヒリヒリ感を期待したのだが、それはなかった。こんな話なのにほのぼの感が残る。著者には最近そういう作品が多いような気がする。少し丸くなった? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初は山の上から下に向けて、雪玉が雪だるまになるようにどんどん流れが急になり、妄想がどんどん膨らんで行きましたが… ラストシーンが終わってみれば…?という感じでした。 面白かった前半が後半の膨らみにつまずき、結局ラストも別物になったような感じでした。 もっと違った形の結末を期待していました。 残念です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文章もストーリーも、桐野ワールドだった。 それなりに楽しい作品では、あったと思う。 最後、少なからず失望させられた。もうひとつ工夫して貰いたかった!。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世の中から隔離されてきた主人公が、MANGAを通して別の世界を知ったことをきっかけに自分の足で外に踏み出したものの、様々な体験を重ねることと、壮絶な過去を持つ友人との交流を通じて、世界観が徐々に変わっていく様は読み応えがありました。特に友人のエリスの生き様は、主人公以上に魅力的でしたね。 一方で、最終的に明らかになるストーリーラインは、主人公の心理をプレーンな状態からスタートさせる為にこのような設定にしたのだと思いますが、ちょっと納得感がなく、主人公が手紙を書き続ける相手の掘り下げも不十分で物足りなさを感じました。 それでも一気に読んだのですから、書き方うまいんですね、この方は。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!