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(短編集)
夜市
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夜市の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全265件 161~180 9/14ページ
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すごく読みやすくて、ゾクッとするような圧倒的な世界観に引き込まれます。 おばけや妖怪など、割と聞きなれた怪異がテーマのありきたりなホラー小説かと思いきや、そんなものは飾りに過ぎません。 見せ掛けだけのホラーに飽きた人には絶対おすすめです。 すぐに読み終えてしまいますが、何度も読み返したくなる傑作です。 | ||||
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ホラー文庫なのですが、 ホラーというよりも、ファンタジーでした。 不思議な雰囲気で、むしろ泣けると思いました。 出会わなかったはずの世界が出会うことや、 時の経過に思わずほろり。 | ||||
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表題作「夜市」も、同時に収録されている「風の古道」もどちらもすごくおもしろいです。 両作とも、ホラーとは言っても決してスプラッタ系の怖い話ではなく、不可思議な世界で繰り広げられる昔話や民話のような感じ。設定こそ奇抜でユニークですが、ストーリーは人の生死の哀しさを叙情的に語り、それが幻想的な空気と合わさって、何とも深い余韻を残します。 ホラーという宣伝文句にひるまず、ぜひ読んでほしい作品です。 | ||||
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表題作は、主人公が女の子と二人で<夜市>に行き、異様な世界が徐々に明らかになっていく、静かな序盤の立ち上がり。この静かさが不気味で、ジワジワと盛り上がってくる感じが良い。途中から予想外の怒涛の展開があり、別の男によるもう一つの世界での苦闘の記録が展開していく。その別世界感と物語りが繋がる様が実に見事で圧倒された。そして最後のシーンが美しくも哀しくドラマを締めくくる。とにかく大変な手腕だと思う。 「風の古道」は、現代の社会の‘隣’にある古道で繰り広げられる異世界感が実に見事で、子供時代に寝物語で聞きたかったような話。表題作に劣らぬ質の高い物語だ。 | ||||
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【夜市】 <あらすじ> 欲しい物は何でも手に入るという≪夜市≫。 幼い頃、偶然≪夜市≫へと迷い込んでしまった裕司は、≪人攫い≫の店で「野球の才能」を買った。 しかし、その対価は自分と一緒にいた弟だった。 ≪夜市≫から元の世界へと戻ると、弟は最初から存在しないことになっていたのだ。 「野球の才能」を買ったことで、リトルリーグのエースとなった裕司だが、弟を売ったことへの 罪悪感は日に日に募っていく。 そして、いずみと共に再び≪夜市≫を訪れた裕司は、弟を買い戻そうとするが―― <感想> ストーリーの流れやオチ等は、わりとよくあるのでは……と評されると思います。 しかし、この作品の魅力は、ストーリーのオチや巧みな物語展開といった、物語を評価する上でよく 語られる概念の外にあると感じました。 難しい単語を使っているわけでも、複雑な表現を使っているわけでもないのですが、抒情的に綴られる 物語は、読み手を自然とここではない世界へと導きます。 気が付いたら異界に迷い込んでいた、そんな不思議な体験を登場人物と共に体験できるのが、この作品の 最大の魅力だと思います。 【風の古道】 <あらすじ> ≪古道≫――それは、私たちの身近に存在しながらも、通常は視ることすら出来ない、物の怪や神様の通り道。 そんな≪古道≫に、偶然にも足を踏み入れてしまった少年たち。 彼らはそこで何を見て、何を感じるのか―― <感想> 前作の『夜市』と同じように、この作品においても、いつの間にか異界へと迷い込む様が、シンプルかつ幻想的な 文体で描かれています。 そこで起こることは不可思議なことばかりなのですが、不思議と作り物めいた嘘っぽさを感じません。 日本古来の異界の捉え方、日常のほんの裏側に存在する身近な異界を、とてもよく表していると思います。 物悲しくも美しい世界に触れたい方に、お勧めしたい一冊です。 | ||||
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岬の近くの森の中で、夜な夜な市場が開かれる。そこでは様々な妖怪が、面妖な品々を売りに出す。 リーダビリティが非常に高い。こういった新人賞の作品はたとえ大賞受賞作であっても、テーマを偏重していて読みにくく、作品の面白さを壊してる作品が多い中、素晴らしい出来だと思う。 作品に漂う世界観も圧巻だが、欲を言えば、オチはもう一ひねり欲しかった。 「ホラー小説大賞史上最高傑作」の謳い文句に恥じない作品。ただ、私の中では「黒い家」方が上。 | ||||
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日本ホラー小説大賞受賞ということでワクドキして読んでみる。 ホラーというかSFファンタジーホラーと言ったほうがいいのかな。賞の選考段階でもそっちにカテゴライズされそうになったとか。 オチよりも世界観を重視する僕にぴったりの作品でした。風景の描写だけでワクワクし、登場人物の個性もちゃんと立ってた。宮崎アニメの雰囲気に近いかな。たぶん影響されているような気もする。世界観だけじゃなくちゃんとオチもついてたし満足。 もうちょっとボリュームを増やしてくれるとより楽しめたかもしれないなぁ。宮崎アニメ好きな方は是非オススメ。あと同時収録の「風の古道」もかなり良作。どちらかというとこっちがメインみたいな。 | ||||
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とりあえず、ホラーではないと感じました。和風ファンタジーといった内容の短編が二作入ってます。どちらもシンプルでスタイリッシュな文章が爽快な物語です。 『夜市』 表題にもなっているホラー大賞受賞作。あまり読んだことのない種類のお話で、ちょっとだけ読んだら別のことをしよう……なんて思っていたのに気がついたら読み切っていました。謎とちょっと不思議の入り乱れる展開が心地良かったです。 『風の古道』 あまり期待してなかったですが、こちらのほうが私は気に入りました。少年期にありがちな、未知への期待や、夏の情景が目の前に浮かびあがってくる文章。オチもありきたりなものではなく、納得することができました。 どちらも「夏と夜」が舞台です。読むならぜひその季節に! | ||||
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ホラー大賞受賞作ということで怖いのかと思っていたら、ホラーではなく ファンタジー・幻想小説でした。しかもきわめて日本的な郷愁を誘う幻想 小説でした。 表題作『夜市』も、一緒に収録されている『風の古道』も短編か中篇の類 ですが、この長すぎない展開が、何とも不思議な余韻を残し、ちょうど良 いと感じます。 幻想小説はあまり不思議系に走りすぎるとついていけませんが、このくら いの不思議さが私にはちょうど良く、心地よい読後感でした。 | ||||
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子どもが一人で公園に行けるようになったころ 抜け道っぽい道があってもね、絶対に入っていってはいけないよ そう話しした なんで? 元の場所に帰れなくなるからね 真顔で子どもに答えてた。 あとで、どうしてそんなこと言ったんだろ、、、と思ったらこの本のせいだった。 何年も前に読んだ本なのに、道の中の匂いと風がまだ体に残ってる。 | ||||
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「よいち」と読む。学校蝙蝠の知らせで、「夜市」があることを知った二十歳の祐司は、高校の同級生・いずみを誘って「夜市」に向かう。 祐司が「夜市」に行くのは2回目で、初めての時は幼い弟を連れていき、自分の欲しかったものと交換に弟を売ったのだ。それがトラウマとなり、今度はその弟を取り返そうと思って行くのだが――。 日本ホラー大賞受賞作品で、その幻想的な雰囲気と予期しない結末に圧倒される。物語作家というのは、こうでなくてはいけない。 しかし実のところ、本書にはもう一編「風の古道」という作品が収録されており、完成度においては一歩譲るとしても、個人的にはこちらのほうが好きだ。 | ||||
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「夜市」「風の古道」ともに幻想的な作品で面白く読みました。 どちらも文章から光景が浮かび上がって見え、ぐいぐい引き込まれました。 特に「風の古道」の描写には魅せられました。 物語の筋立てや展開を追うよりも、この物語の世界の中に潜り込んでその中で遊ぶことが出来る、 そんな感じの作品だと思います。 雰囲気、ビジュアルが抜群ですね。 本自体の装丁も素敵です。 重厚な物語や巧みなストーリー展開を好む方にはなんだかな?って感じなのかもしれませんが、 小説にはいろいろなタイプがございますので、このようなイメージが脳に浮かびあがるような ファンタジックなものが好みの方にはお勧めします。 | ||||
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2つの話が収録されているが、どちらも人間と人間でない者が出会う場所について書かれている。人間のずるい部分を感じるが、読後はそれでも人間が好きだと思った。ヒャー!という怖さはなく、初期のゲゲゲの鬼太郎のような世界観の物語である。 | ||||
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この人が書くことについてどのような修練を積んできたのかは知らない。 ただ、書く(妄想をつづる)ということについて 天賦の才があることは間違いないと思う。 説教節における物語の展開的なものについての知識があるのかどうかは知らないが、 もし知らずに書いていたとすると語り部としての才能には正直驚くべきものがある。 しかし、これってホラーなの? 私自身は表題作より「風の古道」の世界に浸った。書き下ろしということにびっくりしたが、いくらなんでも書きためていた作品と思う。 もし、いきなり「風の古道」を書き下ろしていたとするなら、 それは恐るべきことだ。 この後、「雷の季節の終わりに」「秋の牢獄」と一気に読んだ。 この人の作品は、“世界”の中に浸ることが心地いい読み物だと思う。 すばらしい作家になると思う。 ここから、彼の作品を発表順に読んでいっている。 | ||||
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大きく評価が分かれるポイントは、ここでしょうね。 短編でデビュー作ということもあり、 後半の駆け足感、少々起伏に欠ける点を除いては 大多数の方に支持されるであろう、夜市と風の古道の2編。 自分は、ファンタジー色の濃いお話は割りと苦手にちかいタイプなんですが この話では、文章に目を通すと、自然と頭の中で場面場面が構成されるんですね。 誰にでもわかり易い言葉の選び方と、さして努力せずとも無意識的に浮かんでくる シーンの数々。 映画館のスクリーンで鑑賞しているかのような、気持ちいい感じがしました。 プラス、雰囲気作りも合格で、ほんとうにあるかも?と思わせる技量に驚嘆です。 それと、夜市と風の古道に共通する点で ご都合主義で物語を締めくくらず、「その世界にはその世界のルールがあるんだぞ」という 設定がしっかり生かされることでエンディングの何とも切ない余韻が 心をキッチリ掴んで離しません。 そよ風のように静けさ漂う本でした。 次の長編では、どんな異世界に誘ってくれるのか、ドキドキします。 | ||||
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「夜市」、「風の古道」の2つの中編を収めた作品。 「夜市」は、異界の「何でも市」に迷い込んだ兄弟の運命を、幻想的な雰囲気と巧緻な構成で描いた傑作。この市では不治の病用の薬のような実用品の他、夢、才能、教養、希望、絶望、信頼、裏切り、悔恨、復讐、愛憎、責任、諦観と何でも扱っている。作品の意匠とは別に、自分にとって大切な物とは何かを考えさせる作品でもある。また、不思議な郷愁を覚えさせる作品でもある。 「風の古道」は、死霊の道に入り込んだ少年とその古道で産まれた青年の道行きを描きながら、ある因果譚と世界観を綴ったもの。さりげない話から入り、次第に緊迫感を増して絵解きされて行く構成が巧み。人生とは、迷路を永遠に歩いて行くようなもの、と言った印象を受ける。 何れの作品も独特の世界観と巧緻な構成力が光る。異能の作家の登場と言うべきで、これからの活躍が楽しみである。 | ||||
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たぶん、普通に本屋に並んでいても、きっと見過ごしてしまうだろう 地味目な表紙とタイトル。 評判が良いので、手が伸びた。 …というより、探して購入した。 結果、読んで正解。 とにかく、文体が読み易い。 そして、導入が上手い。 蝙蝠が夜市?ここで、いきなり引きこまれる。 導入に反して、奇をてらうようでもなく、静かに淡々と進む。 そして、いつのまにかこの不思議な異次元世界へハマってるのだ。 皆さんのレビューにあるように、ファンタジーの世界。 ホラー文庫だから、ダーク・ファンタジーになるのかな? タイトルの「夜市」は、オチが半分わかったような気になって読んでたら 全然思いもよらない展開になり 先が読めた気がした自分が恥ずかしくさえ思えた。 「風の古道」という、もう1篇。 これも夜市と系統は似ているけど、また違った意味で楽しめた。 子供の頃に、道に迷った記憶が蘇り、懐かしいような不思議な気持ちに させてくれた。 この哀しくて、綺麗で、面白い本に出合えて 素直に嬉しいと思える。 読み終えて、しばし余韻に浸れるホラーなんて そうそうあるもんじゃない。 | ||||
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発想と設定が素晴らし過ぎる。俺の頭をいくら捻ってもこんなん出て来ない。 これがまたデビュー作と言うのだから末恐ろしい。 独特で幻想的な雰囲気に引き込まれます。 夜市も良いが、風の古道の方が個人的には好みです。終わり方が美し過ぎる。 二作目も良かったし、素晴らしい作家が出て来てくれて嬉しい限りですね。 | ||||
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日本ホラー小説大賞受賞作ですが怖くありません。それが個人的によかったです。怖いの苦手なので(汗) 自分もそうなのですが読書慣れしていない人でも気軽に読めると思います。わかりやすく短くまとめている文章だと思いました。 逆に活字中毒な方とかですと作中の文章量が少し物足りなく感じるかもしれません。 この作品は『夜市』と『風の古道』という中編小説が2遍つづられています。感想としましては、小説としては夜市のほうが完成度が高く、好感をもてたのは風の古道といった感じでした。どちらも甲乙つけがたい出来栄えです。 興味がある方は一度手にとってみても損はないと思います。 | ||||
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タイトルの【夜市】も良いのですが、所収されている【風の古道】もなかなか。むしろこちらの方がレベルが上のものに思えます。どちらもモロにホラーと言う感じではなく、幽玄や寂寥といった独特の雰囲気をかもし出しています。 どちらも共通しているのは、現実の世界と隔てられた知る人ぞ知る異形の世界に足を踏み入れる。と言う事です。ま、簡単に言ってしまうと【千と千尋の神隠し】の様な感じです。あんなにコミカルではありませんが、あくまでもスタンスが似ているという感じです。しかもこの二作品は異形の世界の何処かでシンクロしているらしい表現がありました。 【夜市】は夜市を中心にして複数の世界と繋がっているという構造でした。そして、それ無しには後半のストーリー展開はありあえないとも思えました。 【風の古道】は現実世界のど真ん中に平行して網の目のように膨大に広がっていく道という構造でした。こちらの物語は複数の伏線が絡み合って一つの物語を形成しています。 本当に以前から気に成っていた作品だったので、偶然手に入れてから食い入るように読み、あっという間でした。何故、以前から気になり欲していたのか私にもよく分かりませんが、上手い事まとめられた商品説明と、この本に対する評価、そしていかにも幽玄そうな表紙。それらの組み合わせが作用して、私をこの本に巡り合わせたのだと思います。とても良い本でした。この作家の本を他にも読んでみたいと思いました。 なお表題作は 【第12回(2005年)日本ホラー小説大賞】受賞作。 | ||||
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