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11/22/63
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【この小説が収録されている参考書籍】
11/22/63の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全101件 81~100 5/6ページ
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なかなかケネディ大統領までたどり着けません。 校務員の街に来た場面で読むのを止めようかと思ったのですが、そこを過ぎるともう面白くて止められなくなりました。 しかし、上巻を読み終えたところで大統領にたどり着けていません。大統領は助かるのでしょうか。気になります。 | ||||
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2011年にアメリカで発売され、大ベストセラーになったことは知っていたが、800ページを超える分量に圧倒されて手が出なかった。2013年に出版された翻訳版が、このミスでも1位になりアマゾンのレビューを見ても好評だったので、金欠ながらも長い正月休みを充実して過ごすため、思い切って安い方の原書を購入。読み始めたら面白すぎて、結果として4日で完読。 一つ間違えると破綻しまう、SF的なプロットであるが、著者の優れたディテールの描写力とストーリー展開の絶妙な組み合わせにより、読み進めるうちに引き込まれていく。 アメリカの黄金期とも言える50年代、60年代カルチャーと歴代の大統領の中でも未だに絶大な人気を誇るケネディー大統領、それも暗殺をテーマにもってくるのは反則技だと思う。しかし、これらの設定を陳腐化させず魅力的に料理するキング氏の構想力と筆力には脱帽。 50・60年代のアメリカンカルチャーや時代背景への造詣が深いほど、面白く読める。アメリカンカルチャーへの造詣が浅い一般の日本人にとっては、真の面白さを理解することは難しいと思う。しかし、知らない部分をネットで調べながら読むのもまた楽しいでしょう。 | ||||
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上下2段組み1100頁はさすがに読み応えがありました。上巻を読んで「これは」と感嘆し、すぐに下巻をとって「すんげえ」と思っていたものの、最後の第6部、ケネディ生存後の未来(現在)に帰ってきてからの描写があまりにもなんだか陳腐で腰砕け。グリーンカードマンの説明も何だか冗漫。ここまで読んできて、これかよって感じがしました。面白いことは面白く読んだんですけど。 それにしても「狡猾な日本の〜」的な表現が2,3個所に出ていましたが、わざわざ「狡猾な」という修飾語を入れたのはなぜなんだろう。本筋とは関係ないけど、結構気になりました。 | ||||
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キャロライン・ケネディー駐日大使就任と「共鳴」するかのような本書の登場は、キングファンならずとも読書家なら捨て置くわけにはいかないはず。あの日を、キングがどう捌いてくれるのか、誰だってそう思うはず。その関心でいささか冗長な上巻を読み進めているうちに、物語は、いつしかうっとりするような恋愛小説となって下巻は怒濤の展開。本筋であるべき63年11月22日の教科書ビルに向かう事柄すべてが、かえって煩わしく邪魔にさえ思えてしまうほど。キングの筆力と文学臭に改めて感服しながら、読了してみると、ケネディーについてあれこれ思いめぐらすより、あぁセイディー、と誰もがきっと、そう思う仕上がり。訳も上質。読み応えあり。ただ、本作が、このミス1位、というのはどうなのかなぁ、ということで☆は三つ。 | ||||
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クライマックスに向けて物語の展開もスピードアップ。さまざまな感情を渦巻かせるラストも圧巻ですが、ところどころに見せる20世紀のアメリカの描写が強い郷愁を誘います。 物語の収束のさせ方には好みが分かれるかもしれません。が、認めざるを得ない強いメッセージ性が込められていると思います。 | ||||
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このストーリーに関係がないにもかかわらず1958年に「ジャップの性奴隷」という本のタイトルが出てきます(140ページ) スティーブン・キングも韓国の反日プロパガンダに乗せられた口でしょうか? このような日本人を侮蔑する表現が出てきたところで不愉快になり読む気が起こらなくなりました。 このミステリーが面白いの海外作品1位というから期待したのですが、残念ながら、その表現がなくても退屈な作品でした。 大騒ぎして持ち上げる作品とは到底思えません。 | ||||
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いったいぜんたい、どうやったらこんな面白い小説を書けるんだろう! On earth, would do such a write interesting novel How do I! タイムトラベルもので最も優れた作品『夏への扉』に匹敵する! Comparable work the best in the time travel thing in "The Door into Summer"! ハインラインにある、20世紀底抜けの明るさがないかわりに、これが21世紀のリアリティなのだろう。 Instead there not to Heinlein, the brightness of the 20th century Nutty, this is probably a reality of the 21st century. そのうえで、主人公にこう語らせる、アメリカン・ウェイが胸を打つ。 Moreover, to speak to this hero, American Way hit the chest. 「実体験をもとにいわせてもらうと、自分が未来を変えるいちばんの責任者という自覚があれば、人はいつもより速く走れるようになる。」 "If you let me say based on real experience, if there is an awareness that the person responsible for the most to change the future myself, man. That will let run faster than usual" そそ。これですよ、これ。「未来は過去よりよいものだ。この世界は徐々によりよきものへと成長している。」(『夏への扉』のダン) Oh yeah. It 's this, this. (Dan of "The Door into Summer") "something is better than the past future. This world. Has grown into something good by gradually" 世界で最も読まれ、親しまれる小説を生み出す作家に、文学賞が与えられるとするならば、 f to the most read in the world, a writer to produce a novel got close, literary prize is given, 2014年のノーベル文学賞は、わが国の「万年候補」ではなくて、スティーブンに渡すべき。(しつこい?w) The Nobel Prize for Literature in 2014, but not the "candidate million years" of our country, to be passed to Stephen. (Persistent? ;>) (英訳はGoogle先生にお願いしました。) (English translation. Was to ask Google teacher) | ||||
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SFではないが、いわゆる「タイムトラベル」もの。 そのリアリティを支えているのは、主人公の独白形式で語られる日常の風景と、抜群の心理描写。翻訳もこなれて読みやすく、上下2段組の500ページにおよぶ前半もあっという間に読める。 さすが、現代最高の書き手、スティーブン・キング。 《過去がどれだけ強く変化に抵抗するかは、その特定の行動によって未来がどれだけ変化するという要素に比例する》。この設定の巧みさ! わが国最高の書き手「万年ノーベル賞候補作家」の、「1Qなんとか」より1万倍は面白いと断言できる。下巻が楽しみだ〜 | ||||
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1963年を思い出して、感傷にふけりながら、読みました。過去を修正することはいいことか、悪いことか?たぶん、さわってはいけないと思いました。 | ||||
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ケネディ大統領の暗殺事件というのは、多くのアメリカの人にとってトラウマなのでしょうか。「ケネディが生きていれば。」「暗殺事件がなければ世界は違っていた。」という話が語られる事は多いと思います。 スティーブン・キング自身も、「ケネディの大統領就任式の時、私は13歳でした。ほかの政治家たちは白髪なのに、彼の髪はまだ濃い茶色だったことをはっきりと覚えています。彼のスピーチは20代、いや10代にさえもわかる印象的なもので、この国を変えるんだと訴えていました。彼の言葉が真実になると信じていましたので、彼の命が突然終わってしまったことにひどくショックを受けました。」と述べています。(雑誌「PEN JFK特集号」) ケネディの暗殺を阻止する、というテーマにひかれて読み始めましたが、主人公が訪れた50年代〜60年代のアメリカの町での生活やトラブルやラブロマンスが中心に見事に精緻に描かれ、ぐいぐいと読ませてくれました。 しかし、ストーリーの主軸は やがてケネディの暗殺を止める事から、そこで出会った素晴らしい女性セイディとの恋愛の方に移って行き、ケネディの暗殺を阻止するというテーマは背景へと変わってしまい、やや(かなり)展開の予想を裏切られました。 終盤、ケネディも恋人も救おうとする主人公が切なく美しく、そして、この物語は素晴らしい「愛」の話なのでしょう、特にラストシーンは涙を禁じえませんでした。 「あとがき」によると、なんとスティーブン・キングは、あの「シャイニング」の続編も執筆しているという事で、また期待して待つ楽しみが増えました。 ところでアメリカでは、50年を経過した情報は公開されるというという事ですが、2013年11月以降 なにかJFK暗殺事件についても発表される事があるのでしょうか? 丁度50年めの同じ11月に お嬢さんのキャロライン・ケネディ駐日大使が着任するのは、なにか不思議なめぐりあわせのような気がします。 | ||||
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やっと、あのモダンホラーの帝王ことスティーヴン・キングが戻ってきてくれました。 二十年以上のキングファンとしては、近年の、もっとはっきりと言うなら、あの忌まわしい事故以来、キングの書く作品は、所々にキングらしさは見えたものの全体と してはちょっとピンぼけ?そう感じてしまう作品が多かったように思えました。あの、ねっとりと絡みつくような描写と笑えないアメリカンジョーク、そして、アメリ カの日常に即した皮肉、偏執的な心理描写をふんだんにちりばめながら、読者を徐々に、そして確実に真っ暗闇に突き落とし、しかし最後は・・・。 そんなジェットコースターのような心と体を揺さぶる作品がキングの真骨頂であったと思います。今作品のキングはまさしく、その往年のキング復活と言っていいかと 思います。昔のキングの方がおもしろかった。そう思っている人にこそ今作品は楽しめるのではないのでしょうか。お勧めします。 | ||||
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本当に久しぶりのスティーヴン・キングの翻訳本で年甲斐もなく徹夜に近い状態で夢中で読みました。 相変わらず、どく者を夢中にさせるところはさすがにキング!こんな見方をし、物語の展開もありか、と感心もし、思考の柔軟さに参った。 昨日71歳になって、また、キング病をぶり返した老人より | ||||
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技術では、相当、読ませてくれます でも、いまいち物語のノリが悪いような気が なので、何とも、分離したような印象を受けます また、アル=キング、ジェイク=読者と捉えると 結末は相当、悲観的なものだと思いました あのキングが帰ってきた!とは、言えないような気が ジョーヒルもアドバイスしたようですし 上巻のITとクロスするシーンは、よかったですけど | ||||
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場の設定を楽しみ・空想しつつ物語の中に入れる物語 考えさせられた。歴史にタラ・レバは可能のか?等々考え・悩みつつ楽しんでおります。 | ||||
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本書はまぎれもなく、S.キングの後期における最高傑作である。 同時に、迷作でもある。分厚いハードカバー上下の、上巻の半分あたりから、時間旅行者であるジェイクが1960年のジョーディという人口1280人の町に定住するあたりから、迷走が始まる。ある意味では迷走を貫いて、最後まで突っ走った名作とも言える。 ケネディ暗殺を阻止する決意のもと、何度となく過去へ旅してきたジェイクが、美しくも愛らしい図書館司書・セイディーと恋に堕ちてからというもの、ケネディもオズワルドも、「11/22/63」も、どこかへ忘れ去られてしまう。 教職に就くジェイクを温かく見守る町の人々。現在=2011年よりも、素直で、教え甲斐のある生徒達。ハイスクールのダンスパーティ、演劇祭。 さらに、セイディーの恵まれない生い立ちや結婚生活、元夫がもたらす災厄がエンエンと続く。 が、しかし。 これはこれで、また読ませるのだ。セイディーはいい娘だし、脇役陣は個性豊か、会話はユーモアにあふれている。時にはうるさく感じられるキングの常套手段ーーテレビ番組や映画や広告のうたい文句の列挙も本書では抑えられ、ぴりっとしたスパイス風味なのもまた良い。 スラング、子どもの縄跳び歌も時代をよく現している。 が、しかし。読みながら、「11/22/63」はどこへ行っちゃったんだ?という感は否めない。 変えられることを頑固に拒否する「過去」も、なりを潜めたままだ。 本書を傑作たらしめている一番の要素は、あまたの陰謀説を退け、ケネディ暗殺をリー・H・オズワルドの単独犯としていることだ。シンプルにして大胆、新鮮な見地。 オズワルド本人も、ロシア人の妻・マリーナも、2人を苦しめるオズワルドの母親も活写されている。 美人のマリーナに取り入ろうとする亡命ロシア人達は、オズワルドから見れば「母なるロシアに背を向けた中産階級」なのである。 そこへ、CIA,石油の利権、人種差別廃止問題をからめ、大きなうねりとなって、キューバ危機へとなだれ込んでいく。 酒場で、街頭で、テレビに釘付けになる人々。当時のアメリカ市民の恐怖が、ひしひしと伝わってくる。 が、しかし。並行して進むジェイクとセイディーの物語は、とどのつまり恋愛小説なのである。この部分がなければ、半分の長さで収まっただろうし、もしかしたら「ジャッカルの日」を超える作品となったかもしれない。 キングがタイムトラベルものを書いたことも意外だったが、キングに恋愛小説がーーそれも上質なーー書けるとは思っていなかったので、これは良い意味で裏切られた。おそらくキング本人も書いているうちに、ついつい夢中になってしまったのではないだろうか。 以下はネタバレを含むが、これは下巻のレビューなので、ご容赦いただきたい。 まず、後半のジェイクが暴行され、記憶喪失に陥る部分にもっと枚数を割いてほしかった。 数度にわたる実験と検証を経て、満を持して過去のダラスにやってきたにも関わらず、肝心の暗殺犯の名前も、それが起きる時と場所も思い出せないというのは、本来ならスリリングな展開である。それがセイディーへの愛、ジョーディの町の人々とのハートフルなふれあいへと筆が逸れてしまい、あっさり解決されてしまう。 これは実に、もったいない。 その上、自分が未来からやってきたということをセイディーに告白してしまうとは! 「ジャッカルの日」の乾いた迫真さは、女が登場しないことにあるというのに・・・ 次に、ここまで長いと伏線が機能しない。いくらゴチック体で強調されても、「これって、どこに出てきたんだっけ」となってしまう。 過去へ行くたびに現れる似たような車、似たような人物のことを、ジェイクは「共鳴」と呼ぶが、こちらはさっぱり共鳴せず、分厚い頁をめくり直すことになる。 また、本書におけるタイムトラベルの理論というか、ルールもよくわからない。 過去へ戻るたびに、過去が「リセット」されるのなら、なぜ旧紙幣が手元に残っているのか? これについては、当ののジェイクが「わからない。ぼくにはわからない」とつぶやくのだから、どうしようもない。逆に、携帯電話などはもっと面白い使い道があったはず。 大体、バタフライ効果にしても、パラレルワールドにしても、すでに使い古された概念であり、真新しさは一つもない。 もっと言えば、過去と現在をつなぐ「兎の穴」というのが、よくわからない。いや、まったくイメージできない。ダイナーの食品貯蔵庫の?奥に小さなドアがあって? その奥の階段を登る?降りる? でも、その階段は目には見えない、、、って? キングはコニー・ウイリスを読んでいないのだろうか? あの斬新かつ緻密なタイムトラベル理論を。そして、視覚に訴えてくる「結露のようにきらめく」カーテンを。 もっと言ってしまえば、そもそも「過去がリセット」される必要があるのだろうか? 直線的に続く過去での5年間の出来事にしてもよかったのでは? 確証を得るため、つまり、改変した過去が確かに改変されているかどうかを確かめるために、ジェイクは頻繁に時間を行ったり来たりする。「リセット」されているので、その都度、同じ会話が交わされたりもする。 ストーリーが動き出す前の、この「行ったり来たり」は、読者としては結論がわかりきっているだけに、なんともじれったい。 ケネディ暗殺阻止をジェイクに委ねる老人・アルが死んでくれた時は、これでやっと先に進むと、ほっとしたくらいだ。 が。しかし。 本書は読む愉しみをたっぷり味わわせれくれる。中だるみはあるものの、それを抜ければ怒濤の進撃となる。 さまざまな町の片隅で繰り広げられる人生を垣間見せてもくれる。 特に、ジェイクの介入により大きな悲劇を回避できた人達が、ジェイクのことを「守護天使」と呼ぶ場面は胸に迫る。誰も未来を知らず、不条理な世界の崖っぷちを歩いているのだという想いがこみ上げてくる。 作中から引用すれば、「人生は一瞬にして変わる」 長さにめげずに、一読をお勧めする。 最後に、キングと同じ1947年生まれで、「ベン・ケーシー」や「コンバット」をリアルタイムで観た者として、ひっかかったことを挙げておく。 *60年代って、こんなに素朴だった? いかにジョーディが小さな町でも、これでは善人ばかりではないか。 *皆が皆、くわえタバコのヘビースモーカーのような書き方。 *女性が「おほほ」と笑うって??? *セイディーが、ここまで性に無知なわけがない(私の在籍していた学校では、中二の時に「めしべとおしべ」以上のことを教えてくれた) 最後の最後に:モダンホラーの帝王の座を守り続けているS・キングの筆力に脱帽!! | ||||
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ここ最近のスティーブン・キングは初期の頃の勢いが甦ってきたかのように,まさに代表作と言える大作を連発しています。 本作は,「アンダーザドーム」同様,70年代にすでにアイデアを持っていたが技術的な問題で頓挫していたといいます。 過去に遡り大統領暗殺を阻止する,という設定だけを聞くと,なんだかありきたりな感じを受けてしまいますが,そこはキング,数多くある他作家のタイムトラベルものと比べても最上の部類に入る内容だと思います。 また,本書を読んでいて思い出したのは,70年代のキングの代表作「デッドゾーン」です。 「デッドゾーン」では,未来が見える主人公が,将来大統領となってアメリカをだめにしてしまう候補者を暗殺しようとする物語でしたが,本書は,1958年の世界に行くことで,その世界から見れば未来である1963年のことを知る主人公が,大統領暗殺を阻止する物語なので,どことなく雰囲気の類似点を感じます。 本書において,まず面白いのは,兎の穴と呼ばれるタイムトンネルの設定です。 兎の穴を抜けると,そこは1958年9月9日午前11時58分。 そして,一旦現在の世界へ戻り,もう一度穴をくぐると,やっぱり1958年9月9日午前11時58分。 穴の向こうは,いつも決まって同じ時の同じ時間なのです。 更に,面白いことに,トンネルに潜るたびに,前回の過去への旅で起こったことがリセットされるのです。 つまり,過去の世界で大変な苦労をして何かをなしとげて現在に帰ってきても,再び過去への穴をくぐると,それまでになしたことがすべてリセットされてしまうのです。 また,過去を変えようとすると,まるで過去を変えることを望まないなにかが存在しているかのように,必ずなんらかの障害が発生します。 たとえば車で移動しようとしたら急にタイヤがパンクしたり,自分の体調が悪くなったり,といったようなことが,立て続けに発生するのです。 やはり過去は変えられることを望んでいないようです。 過去は非常に強情です。 また,目的の日時へ行くためには,その日になるまで過去の世界で生活しなければなりません。 主人公の最終目的は,ケネディが暗殺された1963年。 つまり,兎の穴をくぐって後5年間をこの過去の世界で生活する必要があるのです。 また,ケネディ暗殺犯人と言われるオズワルドについても,様々な陰謀説もあるなか,少なくとも報道どおり彼の単独犯行だということが確信できるまでは,安易にオズワルドを消すこともできません。オズワルドがもし単なる捨て駒であるのなら,オズワルドを止めても結局ケネディ暗殺を阻止できないことになるからです。 さて,上記のような設定の面白さもありますが,本書の最大の魅力は,なんといっても,この過去の世界で暮らす主人公ジェイクの生き生きとした教師生活の物語ではないでしょうか。 現在の世界で教師をしていた主人公ジェイクは,過去の世界でも臨時教師として働くことになりますが,ここでの生徒たちとのやりとりや,運命の女性との出会いなど非常に感動的な物語となっています。 また,キングファンにとってはうれしい,キングの他作品世界とのリンクが見られます。 主人公は,兎の穴を抜けた1958年9月,デリーという街へ向かいます。 このデリーという街は,そう,キングの代表作「IT」の舞台なのです。 「IT」では,デリーにおける1958年6月から7月にかけての時代が一つの舞台となっています。 そして,で主人公ジェイクは「IT」の登場人物であるリッチィ・トージアとバヴァリー・マーシュに出会うのです。本作と「IT」が完全にリンクする瞬間です。 こういった作品どうしのリンクに出会うのもキング作品を読むことの楽しみの一つかもしれません。 | ||||
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面白いです。 タイムスリップがテーマのこの作品、主人公は過去に戻りJFKの暗殺を阻止しようと奮闘します。 しかしそれだけではありません。感動のラブストーリーでもあります。 もちろんキング作品です。スリル、残酷描写、ホラーテイスト、たっぷりです。 それしにしても過去を変えるのは大変です。なぜなら過去は変えられたくないから。 うまく過去を変えることがでたら当然未来も変わります。 しかしそこに待っている未来は? 果たして主人公はJFKの暗殺を阻止できたのでしょうか。 過去を変えることによる代償とは。 最後に主人公に課せられた究極の選択とは。 ラストが切ないです。 | ||||
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上巻200ページ位までは(上下二段組ゆえ並の文庫本一冊分か...)キング作品では何時もの事なのだが, 話がどっちに行くのか定まらず、結構な睡魔との戦いとなったのだが、200ページを過ぎるとトイレに行くにも 手放せなくなり、土日殆ど眠りを忘れて上巻を読了してしまった。それくらい本作のキング節の吸引力は強力。 <ジョーディ>での楽しい、楽しい挿話のあとは、いよいよオズワルドの行動監視が始まるのだが、この部分に特段の 話の起伏が乏しく、ちょっと中ダレするが、終盤に向かっては、また威勢を回復、ラストまで一気呵成怒涛のスライマックスへ。 過去と現在の行き来について設定の捻り、過去が己の”改変”に、それはそれは厳しい抵抗をみせると言う捻りも秀逸。 [アンダー・ザ・ドーム]がTVシリーズとなっているとの事だが、本作こそTVシリーズには最適だな、”泡”はどこにでも設定できるから、 season 2 は[9.11]でも良いか... 上下4400円十分楽しめた。文庫になるのを待っても、全4冊位のボリュームで,お得感はあまり出ない。 | ||||
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これは、それが読書の時間を長くしてくれて面白いか、それとも長くかかりすぎと思うかにもよりますが、とりあえずひとつのことをつたえるのに表現を割くというかページを使います。さっさと先進んで(((^^;)。面白いかどうかは最初に書いたことによります。上巻だけでも二段組で500ページ強!なので読まれる方は、気をつけて読まれて下さい。 | ||||
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米国大統領ジョン・F・ケネディ暗殺の日にちをタイトルに迎えた今作。 荒々のあらすじは "高校教師ジェイクが米国大統領ジョン・F・ケネディ暗殺を2011年から1958年に タイムスリップして1963年の悲劇を阻止しようとする" と言うものです。ただ、ここは巨匠スティーブン・キング。 そう単純なタイムトラベルものではありません。 当然ながらSF要素とミステリそしてホラー要素を巧みに織り交ぜてきますので、 寝不足の日々を迎えることになります。 さて、ジェイクは暗殺を阻止できるのか。 5年間というタイムトラベルの中で婚約したセイディーとはどうなるのか。 彼女とのラストはジーンときます。 またこの作品を通して50年前のアメリカの様子が眼に浮かびます。 良い面も悪い面も。 恐らくJFK暗殺は私達日本人にはそれ以上でもそれ以下でもありませんが、 アメリカにおけるこの事件は、私達の想像の範疇を大きく超える事件だったはずです。 これを描くということは、恐らく勇気のいることだったのでしょう。 巨匠スティーブン・キングの新たな代表作に出会えてよかった!! | ||||
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