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能面殺人事件
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能面殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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それなりに面白く読んだが、海外ミステリのネタバレがひどい。戦後まもない作品で、当時はネタバレへの意識が低かったろうけど、じゃあ江戸川乱歩や横溝正史もそうだったかといえば、そんなことはない。要はデリカシーの問題だと思う。 しかもネタバレをやったうえで、まさかのパクリ。よく言えば名作への挑戦なのだが…(読んでいる途中から薄々感じさせるものはあった)。また、精神疾患に対するすさまじい偏見は、時代というものを考慮する必要はあるけれど、バカバカしい限り。 と、気がつけば文句しか書いていないが、本当は思いのほか面白かったということを言いたいのだ。あまり期待せずに読んだら意外に楽しめた、ということをもっと強調したいのだ。それを帳消しにしてしまうデリカシーのなさ、ということなのだろう。 短編が2作、併録されている。『第三の解答』はポーの『盗まれた手紙』への挑戦で、一応なるほどねと思わせる。そして『大鴉(おおがらす)』は「顔のない死体」という横溝正史お得意のトリックへの挑戦。いずれも若書きの作品だけに意欲や熱は伝わってきた。 | ||||
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二組の男女の恋愛が悲恋に終わる。片思いの恋に殉じた女性もいた。胸を締め付けられるような切ないエンディング。 | ||||
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二組の男女の恋愛が悲恋に終わる。そして片思いに殉じた一人の女性もいた。謎解きよりも余韻たっぷりのエンディングが心に残る。高木彬光は理知的な作家という印象だったが、感情も決しておろそかにしていないことがわかった。 | ||||
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どうしてみんな、この作品をトリック云々だけで採点するのかな? 僕は強烈な抒情性と、ラストのほの哀しさが好きで、それだけで何度も読めてしまえるんだけどなあ。 | ||||
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満足しています | ||||
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素封家で発生した連続殺人事件の謎を、名探偵の推理が解き明かす本格ミステリ。 ドロドロの人間関係、狂気に取りつかれた家人、密室殺人、曰く因縁ありの不吉な能面、探偵と探偵助手という如何にもな設定だ。担当検事の過去の悲恋話や、探偵戦意喪失の途中交代など、横道にそれたかに見せてきっちり最後は収束させてくれる。真犯人は意外や意外だけれども、アンフェアぎりぎりのところで踏みとどまった感があるね。 昭和二十年代の作品なので、科学捜査の観点では隔世の感が否めない。 どんでん返し、さらにもう一度の返しは好み。【推協賞】 | ||||
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もっと評価されても良い作品なんじゃないかな。何といっても日本推理作家協会賞作品なんだし。当時は功労賞的なものではなく、純粋に良い作品が受賞していたんだから。 他の作品との類似が指摘されている。それはね。このての設定にしたら、みんな似てるわけだよ。大事なところは、あのミスディレクションだ。初読のときはすっかり騙されたよ。でも、心地よい騙されかただったね。 ストーリーについては、あまり詳しいことが言えない。でも、典型的な本格ミステリだし、デビュー間もない著者がこれをやろうとした、そのチャレンジ精神は尊敬に値する。普通はもう少し様子を見てから、自らの評価が定まってから、というものなのにね。 これだけでも、ネタばらしになってるかもしれない。何も考えずに、とにかく作品世界に浸ってほしい。そして昭和20年代のテイストにも、 | ||||
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本作品は、作者の処女作『刺青殺人事件』に次ぐ長編第2作にして、第3回日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)受賞作品である。 『刺青殺人事件』は前年にやはり同賞の候補作品として坂口安吾『不連続殺人事件』、横溝正史『獄門島』と最後まで争った作品で、最終的には『不連続〜』に敗れはしたものの、片や文壇の巨匠、片や無名の新人作家では、審査員が安吾の方に肩入れしたのは当然で、そうでなければ『刺青〜』が受賞したであろうと思われるぐらいの傑作である。 しかし本作品は、どうやら『刺青〜』で同賞を受賞しそこなった作者に対する審査員たちの計らいでしかなかったようで、密室トリックこそ前作『刺青〜』の肩透かしなトリックに比べ秀逸ではあるが、前作を凌ぐのはこの点だけである。 作者が仕掛けた叙述トリックは、おそらくクリスティーの『アクロイド殺し』を意識したものだろうが、『アクロイド』と違って、アンフェアな虚偽の(としか思えない)記述が随所に見られ、その点、同年に発表された横溝の『夜歩く』と同じ失敗をしている。 また、『夜歩く』との類似は驚くべきばかりである。 『夜歩く』は顔のない死体、本作品は密室トリックをメインにした作品だが、『アクロイド殺し』を意識したプロットに加え、犯人の動機、狂女の存在と発狂の原因など、全体の設定がそっくりである。 『夜歩く』は昭和23年2月に『男女』に前半が、後半が翌24年6月〜12月『大衆小説界』に掲載され、本書は昭和24年4月『宝石』に掲載されている。始まりは『夜歩く』が先で、完結は本作品の方が早いわけだが、このように近接した時期に非常によく似た設定の作品が掲載されたにも関わらず、よく問題にならなかったものだと、別の意味で感心している。 | ||||
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ミステリとしては悪くない着想だと思いますが、どうも文章が良くないです。また、著者の有名作「刺青殺人事件」「人形はなぜ殺される」「破戒裁判」などと比べるとかなり見劣りしますね。 が、何より本書が悪いのは海外の古典有名作品のネタバレを平気でやっていることです!これはミステリ作家としての良識を疑います。 ネタバレされてる作品は ・クリスティ「アクロイド殺し」 ・ヴァン・ダイン「グリーン家殺人事件」「カナリヤ〜」「僧正〜」 ・クイーン「Yの悲劇」 です。注意してください。 著者は「呪縛の家」でも「グリーン家」のネタバレをやっています。どうもこのあたり、当時の高木氏はネタバレが未読者の楽しみを奪うという意識が薄かったのではないでしょうか? | ||||
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前年、作者はデビュー作の「刺青殺人事件」で協会賞を坂口安吾氏の「不連続殺人事件」と争い、惜しくも賞を逃している。それだけに本作に賭ける意気込みは大きかったであろう。2つの大きなトリックを用意している。1つ目は殺人の跡無き殺人方法である。現代の鑑識では識別可能だと思うが、当時としては果断な挑戦である。「ジャスミンの香り」がそれを象徴している。 もう一つのトリックは詳細には書けないのだが、日本ミステリとしては初の試みだと思う。ここにも作者の意欲が窺がえる。このトリックの影響もあってか、作者自身が作品に顔を出したり、展開に不自然な点があるのだが、まあ良しとしなければならないだろう。ただし、本作中で海外有名作品のネタを割っている部分があるので注意しないといけない(何故こんな事をするのだろう ?)。それを除けば、作者の意欲が溢れ出ている快作。 | ||||
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第三回日本推理作家協会賞受賞作、つまり日本の推理小説の古典の地位を占める名作です。旧家に伝わる秘宝伝説、激しく憎み合う家族たち、陰惨な伝説に血塗られた能面、素人天才探偵高木彬光などなど、90年代以降新本格派の作家たちが登場してくるまではもう死に絶えたかに見えたわくわくするような“典型的な”香り高い探偵小説です。私も期待して読み進んでいったのですーーーが。若き探偵小説の大ファンが、海外の大作家たちをお手本に密室の謎解きを主軸におき、専門の科学的知識を取り入れ、日本の探偵小説の主流であった怪奇趣味をも盛り込み、さらにいかにも若い作家らしくロマンティシズムの衣をかぶせーと、本当に盛りだくさんなのですが、いかんせんラストのどんでん返しがクリスティの超有名小説の焼き直しになっていることはやっぱり否めないと思います。さらに第二のどんでん返し、これもまた内容的にはヴァン・ダインの代表作が大きなヒントになったことは明らかで、解説に山村正夫さんが、世界でも前例のない独創的なプロットのトリックの妙が見られるーと、書いておられますが、元ネタがはっきりしている以上、それをさらに一歩押し進めてみたところで、どうしても“過ぎたるは及ばざるがごとし”という印象が拭えませんでした。 ただ、この作品を読むと、日本の昔の推理作家たちも海外の作品を模倣しながら日本独自の推理小説を生み出そうと試行錯誤していたのだなあーと、いい意味で涙ぐましい思いを抱かされます。推理小説を体系的に読んでみようと言う方には一読の価値ありでしょう。 | ||||
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高木彬光の2作目にして、第3回日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)の受賞作です。前作で登場した神津恭介は登場せず、作者の高木彬光とその友人が探偵役となっています。いくつかの殺人が起きるのですが、中でも密室殺人の現場に能面が残されていたという事件がもっとも印象的。だから『能面殺人事件』というタイトルというわけ。この能面という小道具の使い方もなかなか見事ですが、それだけには終わりません。作中でヴァン・ダインやクリスティのいくつかの作品が盛んに引き合いに出されます(いくつかについてはトリックや犯人を明かしているので、英米の黄金時代の諸作品を十分に読んでいない人は要注意!)。事件のトリックもそうした名作群のアイディアの寄せ集めなのかと思わせておいて、ラストにアッと言わせるところはさすがです。 | ||||
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この本は推理、内容、トリックは実に良く出来ていると思います。それに犯人の独白シーンにはアットさせられてしまう点や、今まで犯人だと思っていた人が犯人でなく意外な人物が名探偵に変身するという。新しい試みがされています。タダ難点を言いますと海外の古典推理小説のトリックや犯人の名前が事細かに出てきますのでこの本を読んでしまいますと三冊のミステリー小説の犯人やトリックがわかってしまいます。是非読みたいと考える人がいるならそういった海外小説を読んでからこの本を読むといっそう楽しめるかもしれません。また海外小説の古典を読んでいる方は是非そちらを読まれてからこの本をお読みになることをおすすめします。 | ||||
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本書を一言で云うと「古典的名作」しかし古典的なのは舞台設定がそう感じるだけであって、物語の「構成」は現代でも通用する巧さです。伏線のはり方も上手く、その数も多く、感嘆しきり。そしてラスト、或る人物の独白にジーンときます。 | ||||
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