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バスカヴィル家の犬



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バスカヴィル家の犬の評価: 4.22/5点 レビュー 96件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.22pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全96件 41~60 3/5ページ
No.56:
(5pt)

見る人をいかにも暗い気持ちにさせる荒漠な土地と、不気味な呪いの魔犬の伝承、そして名探偵。

ホームズ作品には4つの長編があるが、本作はその中でも最も長い長編小説である。ほかの3作品がいずれも第一部で事件と犯人確保を描き、第二部で事件のきっかけとなった物語を過去にさかのぼって描くという二部構成になっている中で、本作だけが例外的に二部構成を取っていない。その一方で、呪われた魔犬というわかりやすいテーマゆえに、児童向け作品としても広く普及している非常に有名な長編小説でもある。個人的には小学校の図書室で、確か「のろいの魔犬」というタイトルの児童向けホームズ物を読んだ覚えがあり、夜の霧の中から巨大な恐ろしい犬が登場する場面は印象的だった。
 物語は、ホームズ作品の短編でもよくつかわれる手法、ホームズとワトソンがある人物の忘れ物から持ち主がどういう人物かを予想し、それぞれ自説を展開してプロファイリングしていくという定石パターンからスタートしている。今ここで「プロファイリング」という言葉を使ったが、これは現代風の表現で説明するならこれをプロファイリングと呼ぶのだろうという意味であって、ホームズ作品が書かれた当時や現代でも80年代くらいにはそのような言葉は全く存在していなかっただろうと思われるのは言うまでもない。
 ともかく、ホームズとワトソンの推理合戦(ホームズの言葉を借りるならあくまで「観察合戦」である)は例によってホームズの勝利に終わり、物語は伝説的な魔犬の影におびえるある一族の悲劇へとつながっていく。
 沼沢地という、見る人をいかにも暗い気持ちにさせる荒漠な土地と、不気味な呪いの魔犬の伝承。そして名探偵。舞台装置は十分に整っている。面白くないわけはない。
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
4102134077
No.55:
(4pt)

バスカヴィル家の犬

深夜、銀幕のような濃霧のたちこめた西部イングランドの荒野に、忽然と姿を現わした怪物。らんらんと光る双眼、火を吐く口、全身を青い炎で燃やす伝説にまつわる魔の犬は、名家バスカヴィル家の当主ヘンリ卿を目がけて、矢のように走る――。きわだった叙景によって舞台となる特殊地帯を一種の密室のように仕上げ、息づまるばかりの緊張を生む、ホームズ物語中最大の長編。
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
4102134077
No.54:
(5pt)

意外と発見がありました

子供向けに書き直されたバージョンなら、何回と無く読んでいますが、オリジナル(からの翻訳)を読むのは、初めてでした。
もちろん、話の大筋は同じですが、訴訟好きのおじいさんや、勘当されたその娘など、記憶にない(子供向けでは出てこない)脇役が何人もいました。
記憶にある人物も、ホームズに助けられるヘンリー・バスカヴィルがかなり短気で思い込みの激しい人物として描かれており、悪名を残したご先祖と同じ傾向かもなぁと読んでいてひいてしまいました。また、ネタバレになるので詳しくは書けませんが、子供のころは優しい人(善人)という印象を持っていたある人物も、一皮向けば嫉妬深い、激しい気性をもっていると、あまり明確ではありませんが示唆されていて、子供のころとだいぶ異なる読後感が残りました。
現代の感覚からすると、伏線やひっかけ(レッド・へリング)が少なかったり、容疑者が限られていたりとミステリとしての話の広がりはあまりありません。しかし、魔犬の伝説を巡る冒険譚として読めば、序盤のロンドンを舞台に起きる不思議な出来事の数々、怪しげな人物たちの登場と荒々しいムーアを舞台にした中盤の冒険、終盤に向けて明かされていく謎にクライマックスの対決と、起伏に富んだストーリーを大人が読んでも楽しめると思います。
バスカヴィル家の犬 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (角川文庫)より
4041012627
No.53:
(5pt)

舞台設定が見事で、ホームズもののベスト

1年前入院中に読んだ。レビューを書いてなかったので、思い出しながら書いてみる。予想以上の面白さに、消灯後の病棟で貪るように読んだ。
 夜の病院と言う環境もあったと思うが、おどろおどろしい荒野に現れて咆哮する魔犬の印象が強烈で、ワトスンとの書簡でしか登場しないシャーロック・ホームズが、実は…と言うストーリーは素晴らしくスリリング。明智小五郎に影響を与えたものと思われる。
 冷静に考えればアラも見えるのだろうけど、舞台設定が見事で大いに感心。私が読んだ中ではホームズもののベスト。
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
4102134077
No.52:
(4pt)

推理よりもサスペンスに重点を置いた怪奇冒険ものとして楽しめる。

荒涼としたムーア地方の風景や迫りくる濃霧の執拗な克明な描写が、文学的な雰囲気もありすごく印象に残る。そして怪奇ムードのサスペンスを盛り上げる。登場人物たちも、ちょっと変わった(特異な)人たち。ホームズものとしては、異色な感じだが、そのいつもと違うところが面白い。推理よりもサスペンスに重点を置いた冒険もの(特にワトソンの)の読み物として大いに楽しめた。解説によると本書はフレッチャー・ロビンスンという人に謝辞が捧げられており、実はロビンスンが大半を書いたのではないかという噂もあるらしい。なんていう話も興味深かったです。
バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)より
4488101216
No.51:
(5pt)

スリル満点のミステリー&サスペンス

BBCのドラマSHERLOCKで、バスカヴィル家の犬のスリリングさがとても好きで、原作が気になり即購入。小説もスリル満点で、どんどんのめり込める感じがとても良かった。サスペンス要素も強く、長編でも全然飽きずに読み進められる。
ワトソンがホームズに放置されながらも、自分の仕事を全うしようと懸命に行動している姿が、なんだかちょっと可愛くて面白い。
バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)より
4488101216
No.50:
(5pt)

他のシリーズも購入したい

キンドル版、初めての購入。実に読みやすい。
翻訳もすばらしい。本作が読み終わったら、他のシリーズも購入したい。
バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)より
4488101216
No.49:
(5pt)

シャーロック・ホームズ シリーズの最高傑作

いまだに人気の衰えないコナン・ドイルの「ホームズ・シリーズ」だけあって、「バスカヴィル家の犬」は、2018年6月現在、入手可能な文庫本だけでも、新潮文庫、創元推理文庫、光文社文庫、河出文庫、角川文庫と5種類出ています。

その中で私が読んだのは新潮文庫(延原謙 訳)と光文社文庫(日暮雅通 訳)だけなので、もとより5種類の文庫を公平に論じる資格はありません。
が、新潮文庫と光文社文庫の2つにかぎって言えば、(私の好みに過ぎないかも知れませんが) 翻訳で選ぶなら新潮文庫、豊富な挿絵で選ぶなら光文社文庫です。
→ただし挿絵の豊富さという点では、河出文庫版のほうが上らしく原作の挿絵をすべて収録しているようです。(原作にあるシドニー・パジットの挿絵採用枚数は、光文社文庫版が30枚、河出文庫版が全60枚)

「バスカヴィル家の犬」は、何しろ私の愛読書のひとつであり、ミステリーに加えて怪奇小説的な要素もあるので、しばしば夏 (怪談の季節) になると読んでいます。
それでも飽き足らずに、新潮社のCDブックス (2枚組 [長編縮約版]) まで買って、これも夏になると愛聴しています。
いやがうえにも恐怖をあおる効果音や不気味な劇伴音楽に、時々背筋をゾクッとさせながら聴いています。

ストーリーはもう分かっているのに、何がそんなに面白いかといえば、その理由はざっと以下の3つです。

(1) 霧ふかく荒涼とした、いかにも怪事件が起こりそうなダートムアの沼沢地帯がドラマの舞台であること

(2) 次から次へと謎めいた出来事が起こるため、読者はズンズンと物語の深間にハマって行かざるを得ないこと

(3) ホームズとワトソンの名コンビは言うにおよばず、血気盛んなヘンリー・バスカヴィル卿、誠実なモーティマー医師、バスカヴィル館の謎めいた使用人バリモア夫妻、いっぷう変わった隣人ステープルトンとその美貌の妹、頑固ジジイのフランクランド、プリンスタウンの監獄から脱走してバスカヴィル館の近辺に潜伏している凶悪殺人犯セルデン、等々、個性豊かな、あるいは謎めいた、あるいは危険な人物たちがドラマを大いに盛りあげていること

ミステリーが好きで、なおかつ「ジーキル博士とハイド氏」のような怪奇小説も好きな方には、まさしく垂涎の逸品だと思います。
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
4102134077
No.48:
(1pt)

もうホームズ長編は読みません

緋色の研究、四つの署名と読んできましたが、どれも遅々として読み進まなくて参りました
つまり私には面白くなかったのでしょう。
読み終わってもなるほどーとかそうだったのか!という爽快感のかけらも感じられず、
すべてが超人ホームズが凡人読者にその慧眼で謎の真相を披露する、という感じでした。
なんか読んでて腹立ちました。
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
4102134077
No.47:
(1pt)

こだわりが空中回転

訳文、とくに日本語がひどい。読みなおす過程で気づいていないのが、余計に悲しい。「上を見上げる」類いが多い。
そんな細かいことはともかく、「シャーロキアン」を打ち出した点が裏目に出た方が、もっと悲しい。くだらない注釈は、その最たる例で、畢竟「シャーロキアン」とは、衒学趣味にもオタクにもほど遠い、ミーハーに他ならないことを立証してしまっている。
思うに、作中に散りばめられた学問的言説、その多くはコロニアル状況に支えられ、ゆえに脱臼するのだが、それに追従した寄生虫の遠い鳴き声がノイズになって原作を障碍している。
バスカヴィル家の犬   シャーロック・ホームズ全集〈5〉Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 シャーロック・ホームズ全集〈5〉より
4309610455
No.46:
(2pt)

雰囲気がかわった

初版本がボロボロになってしまったので購入。言葉づかいや表現方法が大分現代的になってしまったので、原作の時代の空気感が薄れた気がする。(個人の感想です)
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
4102134077
No.45:
(4pt)

※ネタバレ含みます。

『緋色の研究』『四つの署名』に引き続きホームズシリーズの長編3作目。
毎度のことながら新潮版の表紙は素敵。

物語の舞台はいつものロンドンではなく、ダートムア。暗く寒く寂しい情景が延々と続くので、ロンドンの喧騒が懐かしくなる。
ワトスン博士が今までで一番活躍している回……と途中まで思っていたのだが、やっぱりホームズのかませみたいな扱いがちょっとなあ。思わず苦笑。
あれだけ長い手紙書いて頑張ったのに、褒められた箇所が少なすぎる。
とはいえホームズ登場シーンはやっぱり胸が躍った。あの演出は憎らしい、かっこよすぎる。

物語自体も起伏があってハラハラさせられたし、面白い。読了後調べたら本当に想像を絶するレベルの巨大な犬って実在するらしい。画像検索でびっくり。
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
4102134077
No.44:
(5pt)

面白かったそうです!

息子に頼まれて購入しました。面白かったそうで、あっという間に読み終えてました!
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
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No.43:
(5pt)

現在のホームズ全集の決定版

深町真理子さん84才。 卓越した女性翻訳家の最後のシャーロックホームズ個人訳全集になると思います。 非常にこなれた訳になっています。 そしてホームズ個人訳の全集としては,これが「最新」のものだと思います。2010-2014年に集中的に7冊訳されていますから。

Kindle版だと,文庫本よりかなり安くなっているのも有難いと思います。 いま現在のホームズ全集の決定版ではないでしょうか。

シャーロック・ホームズシリーズは,もう,この作品がどうのとか,そういうモノでは無いような気がする。 ホームズ好きなら,全巻持つだろうし,それなら一人の翻訳者による全集の方がいい。

深町真理子は,たぶん自分の最後の個人全集としてホームズ訳に取り組んだのだと思う。

深町真理子訳の全部のホームズ本に,同じ内容のレビューを書いたのは,「レビュー数を増やしたかった」からではない。 この最新の個人全集を多くの人に読んで欲しかったからだ。
バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)より
4488101216
No.42:
(5pt)

ペーパーバック版を買いました

あまり、amazonで本を買ったことがなかったので、購入媒体がKindle版とペーパーバック版があるのを初めて見ました。
「ペーパーバック版って雑誌みたいなカバーがない感じ?
ペーパーバックでも創元推理文庫がいいし、しょうがないか〜」
と、思ってたら普通の文庫でした。
よかった(^^)
なんでペーパーバック版を売ってるのだろうなとは疑問に思いましたが、
元は海外の本なので、そういうものなのか?と思ってしまいました。
分かりづらいよ!
本の内容は文句なしです!
バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)より
4488101216
No.41:
(4pt)

いいね。やっぱりシャーロック!

過去に何回か読んだ本です。内容も知っているのに、読んでいるとハラハラドキドキしてきます。推理小説が好きということもあるが、コナン・ドイルの筋立てと文章が、推理ファンには魅力的なのだと思います。
バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)より
4488101216
No.40:
(2pt)

汚れ

内容は素晴らしいです。
コナンドイルは悪くありません。

ですが新品なのに表紙の汚れが酷いです
日本郵便の所為なのかウェットティッシュで拭いても落ちない汚れ(掠れ?)がたくさん

新品の本を買った気がしないです。
保存や発送には気をつけて頂きたいです
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
4102134077
No.39:
(1pt)

二回目の返品

1回目は破損していて返品願いしたら今回は大丈夫だろうと見てみたら後ろ側が明らさまに
汚損していました。
気にならない方は気にならないのかもしれませんが、新品で買っているのにこれはないと思います。
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
4102134077
No.38:
(4pt)

気味の悪い景色の描写がすごい

有名なバスカヴィル家の犬です。底なし沼のある沼沢地が気持ち悪い描写で、なんかイギリスの不気味な田舎を想像しました。
底なし沼って、日本にはあるのでしょうか・・・?なんてことを、考えました。
例によって、お話は、分かる前は謎また謎、という感じでドイルの描写はすごいです。
また、人物たちのやり取りの礼儀正しい気遣いが、読んでいて楽しいです。
最後に種明かしのあとの追想の記述が・・・ちょっと、やっぱりつじつま合わせ感は、ちょっとだけあるかも、と思いました。
この話は19世紀末期から20世紀初頭のイギリスの話ですが、
ホームズ物を読んでいて、今と変わらないなー、と思ったのは・・・
なんか、熟年夫婦が、ご飯を食べた後いつも夫が入れ歯を外して奥さんに投げてくるので!
それが嫌で、奥さんは離婚したいと言っている!・・・と、・・・
まず、この時代から入れ歯あったんだー、というのと、やはりそんなことが、長年夫婦を続けてきても、
離婚したくなるほど嫌になるものだなー、・・・もちろん、私だっていやです・・・ということ・・・このエピソードは
ホームズが、事実は小説より奇なり、の例として、出してきたのです!・・・笑えます
また、フランクランドという、訴訟ばかり起こして周辺の人たちと戦って、訴訟で財産を切り崩してでも、
裁判に勝って、喜びを感じている老人が出てくるのですが、
よく、日本でも私道を通らせない、と言って、警察や周辺の人たちと戦っている老人が今でもいますが、
そういうことに法律がらみで理屈を主張して喜びを感じる男の老人というものは、古今東西いるんだなー、と
妙に感心しました・・・
バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)より
4102134077
No.37:
(4pt)

角川文庫版『シャーロックホームズの冒険』の良翻訳に惚れて大量購入の一冊、ホームズ長編物第三弾

小学生くらいの頃、学校の図書室に置かれていた『ホームズ』の本を一度読んだ事があり、それが何とも古い言い回しというか
要領を得ないというか・・・とにかく引き付けられる要素が皆無で正直「スゲー面白くない」という印象が根強く記憶へ焼き付いてしまい
それ以来、意図的に遠ざけて来ました。

しかし、数年前に公開された『シャーロック・ホームズ』とその続編『シャドウ・ゲーム』、宮崎駿制作のアニメ『名探偵ホームズ』など
“ホームズ関連作品”を見る度、肯定的な考えと少しずつ向かっていき、「もう一度小説―トライしてみるか」になるまで回復。
そして決定打となったのが、角川文庫版『シャーロックホームズの冒険』に巡り合い、それは奇しくもかつて幼少時に読んだのと全く同名の一冊でした。
上述の印象を植え付けた本でありながら、表紙に惹きつけられ(不思議な程)遂に購入・・・はい、実に面白かったです。
翻訳の仕方でこうも違うのかとつくづく感じましたが、とにかく長年に渡った考えは霧散、「ならば他は?」となり、現在角川文庫で発売済みのシリーズを一気購入と相成りました。

『バスカヴィル家の犬』では、これまで2人一緒で事件を捜査していたワトスンとホームズが、今作では別行動をとっていたのが印象的でした。
ワトスンは不気味な伝承残る事件の舞台へ乗り込み、一方のホームズはワトスンの現地調査報告書を見つつ、独自調査を進めていきます。
中盤まではホームズは姿を現しませんが、ワトスンもまた優秀な探偵だった事がわかる活躍ぶりを見せてくれます。

ところで“あの2人が別行動をとる”なんて想像だにしなかったのもさることながら“自身で見聞きした物事をもって推理する”と思っていたホームズが
ワトスンに現地調査を任せきりだった事が本作一番の驚きポイントでした―ワトスンも驚いていた所を見るに初の試みだったようですが
それだけホームズが信頼を寄せていたという事なんでしょうかね、冒頭でワトスンの推理には駄目出しを入れながらも褒めてますし。

以上、推理小説の原点を評するというのは畏れ多いんですが、安定の角川翻訳は読みやすく、前2巻の長編より更に厚みを増した本作
是非におススメしたい一冊です。
バスカヴィル家の犬 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:バスカヴィル家の犬 (角川文庫)より
4041012627

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