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ガーデン殺人事件
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ガーデン殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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ヴァン・ダイン作品は高校時代に前作読みましたが、その時点での自分の評価は、「『グリーン家殺人事件』に次ぐ傑作」でした。ただ1か所引っかかっているのが、ルーフガーデンで射殺された被害者が警察を呼べないように犯人が細工した電話線の切断でした。目の前に銃を突きつけられているときに、電話で警察を呼ぶことができるのか、という疑問からです。いまでも犯人の無駄な事前工作に見えてしょうがありません。 しかしそれ以外は、(作者としては)スピーディーな筋運び、ドラマティックな仕掛け、競馬をめぐる楽しい薀蓄、ニューヨークの摩天楼からの景色など、実に私の波長にぴったり合ってしまったのでしょう。欲を言えば、初期作品のように、ヴァンスとマーカムの論戦場面をふんだんに入れてほしかった。 絶版にならないよう、未読の方はぜひ買って読んで戴きたい作品です。 | ||||
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ヴァン・ダインの作品中、最も有名な『僧正殺人事件』は、読み物としては非常に面白いものの、果たして本格推理と言えるのか、と疑問視される作風であり、 そうした意味では、『カブト虫殺人事件』の方がよほど本格推理としてのレベルが高いとも言えるだろう。 が、読み応えを考えれば、やはり彼の代表作は、『僧正殺人事件』や『グリーン家殺人事件』であり、『カブト虫殺人事件』や『ケンネル殺人事件』辺りがその二作に準ずる。 (『ベンスン殺人事件』や『カナリヤ殺人事件』については、位置付けが微妙なので、とりあえずコメントは控える。また、その他の作品についても控えておく。) そして、残念ながら、この『ガーデン殺人事件』は、推理小説としても、単に読み物としても、それら(『カブト虫殺人事件』や『ケンネル殺人事件』)より更に下の位置に来るだろう。 だが…そうは言っても、ヴァン・ダイン作品のファンであれば、それなりに楽しめるだけのギリギリ最低限のレベルは保っていると言って良いのではないかと思う。 作品の前半で競馬の話にやたらとページを割く辺りに違和感を持つ人も少なくないだろうし、何より推理小説としては緻密さに欠けて穴も多く、高い評価を与える事は困難であるが、 元々ファイロ・ヴァンスを用いて読者を楽しませる事が得意なヴァン・ダインであるから、上述の作品群に劣るとは言いながらも、それなりの読み物にはなっているのだ。 (但し、ヴァン・ダイン作品を読んだ事が無く、ファイロ・ヴァンスにお目にかかるのは初、という人には、魅力が伝わりにくいかもしれない。) 最後に用意されたどんでん返しは、ファイロ・ヴァンスのキャラを考えるとこじつけっぽく感じるが、真犯人――異常な心理の持ち主を印象的に描き出す辺りはヴァン・ダインならではで、 途中で投げ出さず、最後まで読み切って評価して欲しい作品である。 | ||||
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ヴァン・ダインの名作です。 蛇足のように扱われてしまう後半6作品の中にあって、ひときわ輝くのが本作です。 往時の派手さはないものの、登場人物たちの性格造形ややりとりを、競馬に興じる当時のアメリカのセレブ達として印象的に描写しています。(でも放射性ナトリウムの説明は怪しいですが) この作品でも特異な犯人像を造形しているのですが、動機が釈然としません。想像を逞しくすると犯人に殺人の教唆をした人物が浮かび上がってきて、実は名探偵は大敗北を喫していたのではなどという裏のストーリーまで妄想してしまいます。 戯言はさておき、世評にとらわれることなく、ご一読をお薦めします。 | ||||
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作者自身の「6作限界説」を越えた9作目の作品。しかし、本作は大トリックこそないものの、パズラー小説としては上出来だと思う。 舞台は高層アパート(今の日本で言うとマンションに近いのではないか)。破産寸前の青年が最後の賭けに出た競馬で負け、その後、屋上で銃声が。青年が絶望の果て自殺したと思われるが、実は殺人だった...。動機を持つ者は ? そして、犯行が可能だった者は ? 犯人の正体を掴んだヴァンスが最後に捨て身の仕掛けを打つのが面白い。インテリの作者が競馬を取り上げるのも興味深い。しかし、恨みは建物の構造である。マンションの屋上に庭(=ガーデン)があると言われても、私などにはピンと来ない。建物の構造を想像しながら読む必要があるのだが、それもまた一興か。 | ||||
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作者自身の「6作限界説」を越えた9作目の作品。しかし、本作は大トリックこそないものの、パズラー小説としては上出来だと思う。 舞台は高層アパート(今の日本で言うとマンションに近いのではないか)。破産寸前の青年が最後の賭けに出た競馬で負け、その後、屋上で銃声が。青年が絶望の果て自殺したと思われるが、実は殺人だった...。動機を持つ者は ? そして、犯行が可能だった者は ? 犯人の正体を掴んだヴァンスが最後に捨て身の仕掛けを打つのが面白い。インテリの作者が競馬を取り上げるのも興味深い。しかし、恨みは建物の構造である。マンションの屋上に庭(=ガーデン)があると言われても、私などにはピンと来ない。建物の構造を想像しながら読む必要があるのだが、それもまた一興か。 | ||||
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ファイロ・ヴァンスシリーズ第9作目。屋上庭園でピストルに頭を打ち抜かれて死んでいる青年の謎を解き明かすお話です。謎の電話によってヴァンスが事件現場に呼び寄せられたり(前作は手紙)、他にも前作「カシノ殺人事件」との類似点が認められますが、前作がいささかゴテゴテしていたのと比較すると今回の方がスマートに仕上がっていると言えるかもしれません。全体的に芝居がかった雰囲気がありますが、普通の推理小説として十分楽しめる水準であると思います。ギャンブルに対する箴言も上手く物語と絡めてありますし、ここ数作の中では出来が良い方ではないでしょうか。 | ||||
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