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ケンネル殺人事件



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【この小説が収録されている参考書籍】
ケンネル殺人事件 (創元推理文庫 103-6)

ケンネル殺人事件の評価: 3.62/5点 レビュー 13件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.62pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全13件 1~13 1/1ページ
No.13:
(2pt)

作品自体も翻訳も感覚が古く、あまり楽しめませんでした

まず最初に、アマゾン側の設定ミスなのか?この「カブト虫殺人事件」に対するレビューは、2020年10月現在で20個中、9つだけですね。他の2つの作品のレビューがごちゃ混ぜになっています。半数以上のレビュアーさんが投稿作品を間違えたとは思えないので、何かで各作品のレビューが一緒になってしまったのでしょうか。

ヴァン・ダインは10代の頃に「僧正」と「グリーン家」だけ読んだことがありました。内容はあまりおぼえていないのですが、おもしろかった、名作だったという印象は残っていました。というわけで、期待大でこの「カブト虫殺人事件」を久しぶりに読んでみたのですが、古い作品せいか、そして翻訳ももう感覚が古くなってしまったためなのか、あれこれ目につくところが多くて正直あまり楽しめませんでした。

まず、探偵役のファイロ・ヴァンスに好意が持てなかったことは致命的でした。相手にはまず理解できないであろう外国語やラテン語を会話にちらほらはさむところが嫌味でキザで鼻につきました。また、「掘り出された美術品に一考の価値のあるものはめったにない。真の古代美術品は中国のものだけだ」と言い放ったりして、とても独善的です。
自分は一民間人に過ぎないのに真相が見えていると主張、けれどそれがどうしてなのかは何も説明もせず、まわりを見下した態度でだんまりを通し、捜査に指示を出したり逮捕を止めたりします。探偵が真相を明かさないというのは探偵小説の常道とは言え、もうちょっと捜査仲間である検事や刑事を公平に扱って、きちんと説明すべきではないのか?などと思ってしまいました。

また、エジプト学がテーマになっていますが、エジプトやエジプト人に対する蔑視の匂いがして読んでいて気分が悪いです。この作品を書くに当たって、作者は古代エジプト文明についてかなり下調べしているとあとがきにありましたが、エジプトについての知識も決して正確とは言えず、たとえば、エジプト人の登場人物にメリイト・アメンという古代風の名前をつけて、そちらの血筋を引いているということにしていますが、現在、コプト教徒(キリスト教の一派)やイスラム教徒の一神教であるエジプト人にこんな名前はありえないです。古代エジプトの宗教は偶像崇拝の迷信とみなされますから。これはただ作品のエキゾチックな雰囲気を盛り上げるためだったのでしょうか。

エジプト観光は日本でもとても人気があるので、今は古代エジプトについて知識豊富な人も多いと思います。この作品が翻訳された1960年当時はそうではなかったのか、翻訳の誤解や発音表記違いが目立ちます。皆さんも気がついておられると思いますが、まずタイトルのカブト虫ですが、作品中に出てくるのはカブト虫ではなくフンころがしのスカラベのことなので、現在なら「スカラベ殺人事件」の方が誤解がなくていいと思います。
スケラブ=スカラベ、諸王の墓の谷=王家の谷、プトレメオス=プトレマイオス、カデシ=カデシュ、アムン=アメン、オジリス=オシリス、ジゼのピラミッド=ギザのピラミッド、サフメット女神=セクメト女神 パピラス=パピルスなどなど数え上げたらきりがないですが、現在一般的に通用している名と異なるものがあまりにも多く、いちいち気になってしまいました。こういうことがあるので、やはり時代にあわせた新訳が必要なんだろうと思います。

アガサ・クリスティのエジプトものは、ひっかかるところもなくすっと入ってきたのですが・・・この作品はいろんな点で楽しめなくて残念でした。
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No.12:
(5pt)

スカラベ殺人事件

翻訳当初は「スカラベ」という単語が日本で馴染みがなかったためのタイトルなのでしょうか。個人的には、カブト虫殺人事件というタイトルでやや損をしている気がします。ストーリーは古典的よさに溢れていて、期待を裏切らない展開です。細かなアリバイや容疑者の行動の意味を一つ一つ解明していく過程は、現代のDNA鑑定などの科学捜査ものにはない味わいがあります。
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No.11:
(4pt)

ツタンカーメンの呪い(1923)が背景 ヴァンス第5の事件 1930年作 翻訳1960年

井上勇先生の翻訳は格調高く、しかも版の異動まできっちり記載しています。最近JDCの無茶苦茶2冊を目の当たりにしたので、ここでのヴァン ダインのフェアプレイぶりは非常に好印象。ヴァンスが好き勝手に振る舞い、マーカム(&ヒース)はおろおろするだけ、というのがちょっと不満。二人の緊迫した対立が見られず残念でした。作者も疲れちゃった、というわけでしょう。曜日から判断して1923年の事件ですが、時事ネタでトスカニーニ批判が出てきて時期が合わなくなっています。(トスカニーニがニューヨークフィルを初めて指揮したのは1926年。批判内容はいつもの薄い床屋政談)
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No.10:
(3pt)

重厚でサスペンスも満点だが解決が今一つか…

私設エジプト博物館内で起きた殺人事件。その現場に残る証拠は全て博物館長であり有名なエジプト学者であるブリス博士を指し示していた。早速逮捕しようとするヒース部長刑事たちに対しヴァンスは待ったをかける。地方検事マーカムはヒース部長とヴァンスの間で揺れ動く。そして第2、第3の事件が…

関係者からの証言を丹念に引き出して真相へと進む展開はいつもながら重厚でサスペンスも十分にありグイグイ引き込まれていく。しかし全体的に納得感が今一つであった。犯人側から見た時ここまでやるかという非現実感がある。犯人像もぼやけており読後感としては興ざめであった。
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No.9:
(3pt)

密室での奇妙な殺人と怪我をした犬が印象的

中国陶器の収集家アーチャー・コーが自宅の寝室で拳銃を片手に持ち頭を撃たれて死んでいた。現場は内側から閂のかかっていたため自殺かと思われたが、部屋着を着ているのに靴は寝室用スリッパに履き替えていない等から名探偵ヴァンスは自殺説に疑問を呈する。案の定、死因は背中からの刺殺によるものであり他殺と判明するが、ではなぜ頭を撃たれたのか、犯人はどうやって密室から脱出したのか等が疑問となる。さらに別の部屋に大怪我をした犬(スコッチテリア)が倒れているのが発見されるが、誰もその犬のことを知らないという。昨夜何かの間違いが起こったらしいのだが事件はこれだけではなかった…

前半は関係者への尋問や捜査陣の推理が丹念な会話劇で展開されグイグイと引き込まれる。このへんはヴァン・ダインの右に出る作家はいないのではなかろうか。現実感のある大人の会話がスムーズに進んでいく中で超然としたヴァンスの名推理が光る。しかし後半からはやや冗長さがある。密室のトリックもタネを明かされればそれほど驚くものではなかった。もう一つの不可能トリックは推理小説の中で採用するのはいかがかと思う。

事件の全体像は奇妙さがあって独創的であるが、なぜかこじんまりとした小粒の感があり短編か中編の方がよかったのかもしれない。また犯人の人物像があまり見えてこない。動機も希薄でありその記述もあっさりとしていて残念であった。ヴァンスがあくびするシーンが多いのは作者の余裕を見せたかったのかもしれないが作品としての格調を落としていてあまり愉快ではなかった。
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No.8:
(4pt)

今読んでも古さを感じさせないパズラー小説

派手さはないが、良くできたパズラー小説で、古い作品だが、今読んでも古さを感じない。
矛盾をはらんだ、不可解な状況が次々と示されるが、真相はそれを十分に説明しており、納得できるもの。
犯人特定や、中国人料理人がある事実を知っていたことを指摘するヴァンスの推理も論理的。
密室トリックの方法も、図があって、わかりやすい。
登場人物の数やその行為、ストーリーの進行、ヴァンスの捜査内容等、いずれも無駄がない(スコッチ・テリアや中国陶器のことも、真相解明に関係していた)。
犯行が行われた図書室と、死体が発見された二階の部屋とで距離が離れていた理由は突飛だし、犯人の意図しない、複数の要因が複雑に絡み合っているので、読者には推理困難な作品。
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No.7:
(3pt)

。。。

内容は可もなく不可もなくという感じでしょうか。ヴァンスの物知りぶりは犬までか、と笑ってしまいました。あくまでも私の視点ですので、気になる方は読んでみましょう。あきらかにベンスン、カナリヤには及ばないですが。。。
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No.6:
(3pt)

舞台のように動かない小説です

タイトルはちょっと違うんジャアない。
展開はあまりに都合よく進行して?でも確かにこの様な推理小説もありかな。
まあマンガチックなのもよしでしょうが、筆力で読ませている。
正直あまりに、うんちくがうっとうしくもある。
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No.5:
(4pt)

犬が寝るからkennel

シリーズの6作目。遠い昔、「犬が寝るからkennel」と覚えたものです...。本作以前から作者は「一人のミステリ作家に書ける作品は6つまで」と公言していた。その意味で、作者は本作を最後の作品とするつもりで気合を込めて書いたのであろう。実際は、出版社の要請で12作まで書く羽目になったが、結果は作者が予言した通りになった。
本書では、磁器や犬に関する薀蓄はあるが、やはりテーマはそれまでにない斬新な密室事件であろう。心理的トリックでもない、機械的トリックでもない、動物を使う訳でもない。このトリックを使うには、さすがのヴァン・ダインも度胸がいったろう。下調べも入念に行なった筈だ。それを隠すかのように、従来作品にも増してヴァンスの饒舌が目立つ。
このトリックが明らかになった時、確かに驚いたが、同時に「そんなのありかよ」という想いもした。しかし、アイデアは早い者勝ちなので、この時代にそれを活かして見せた作者の手腕はやはり褒め称えるべきであろう。作者の言う6作限界説に従えば、有終の美を飾る秀作。
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No.4:
(3pt)

犬です

ファイロ・ヴァンスシリーズ6作目。中国陶器の収集家が密室で死んでいる謎をどうやって解き明かすかというお話です。自身6作限界説を唱えており、その第6作目に当たるわけですが、良くも悪くもヴァン・ダインらしさが出ていると思います。密室云々は病気療養中に膨大な数の推理小説を読んだ作者らしく、また知識の多さも反映していて印象に残り、これだけなら星4つでも構わないかもしれません。ただ、難点は全体の構成。スコッチ・テリアに関しては作者の犬好きを披瀝したいだけのような感じで上手く物語とマッチしていない印象を受けました。犬の出自の判明を出来るだけ先延ばしにさせようという作者の苦労は感じられますが、インパクト・説得力が欠けています。惜しい作品ですが、密室に関する話は一読の価値があるでしょうか。
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No.3:
(4pt)

犬小屋

犬が事件の重要な鍵を握るヴァン・ダインの密室もの最初に読んだときは衝撃的なトリックでしたこんな事が本当にあっていいのか?って感じ
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No.2:
(4pt)

一人の作家は6作以上傑作は書けない

タイトルのような理不尽な事を言った挙げ句自分自身で実証したヴァン・ダインの6作目密室殺人とスコッチテリアの謎それに中国陶器事件のトリックは当時としては斬新な物で後に手を変え品を変え、他の作家がトリックとして使うことになります
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No.1:
(5pt)

これが密室だ

六冊まででやめると公言していた作者の送る第六冊目。密室というものはミステリーの代名詞として語られることも多いが本書ではその魅力を存分に味わあせてくれる。現代のコメディタッチの推理小説とは正反対の位置に属する古典の名作。
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