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僧正殺人事件



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【この小説が収録されている参考書籍】
僧正殺人事件 (創元推理文庫)

僧正殺人事件の評価: 4.32/5点 レビュー 31件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.32pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

全体的に大げさで納得感が今一つ

学生時代に読んだ時は非常に高い評価だったので六十代となった今期待して再読した。犯人はほぼ記憶にあったので伏線や人物描写などに注目しながら読んだが、期待が高すぎたせいか読後の満足感は希薄だった。

マザーグースの歌詞と同じ内容の殺人が次々と起こるが事件自体としては荒唐無稽であり現実味が感じられない。「もっとも陰険で、もっとも奇怪で、見たところもっとも納得のいかない、確かにもっとも戦慄すべき事件」(p9)とあるが読後感はどちらかというと浅薄な印象だった。犯行の動機も一般論で片づけられており個人の内面までは明らかにされていない。「悪夢のような事件」(p215)といった記述が出て来るが全体的に深刻さに欠けており前半はあまり興味が湧かなかった。後半からは緊迫感が出て来るが解決は今一つ納得がいかなかった。

伏線はほとんどなく読者を惑わすだけのミスディレクションが多すぎる。数学や現代物理学の用語がたくさん出て来るが事件との関わりはなく「テンソルの公式」もそれほどの意味はない。ヴァンスが述べる心理学的な分析も数学者への偏見ではなかろうか。犯罪はやはり個人的な動機から生まれるものであり一般論での説明では納得がいかない。

数学や現代物理学に関する作者の博識ぶりには圧倒されたが、表面的な内容にとどまっているようにも思われる。実際の学者がこういう会話をするか疑問を感じる場面もあった。例えば「いつもポテンシャルだとか、スケラーだとか、ヴェクターだとかいってドラッカーに質問してますよ」(p183)という数学者のアーネッソンの言葉があるが、このような基本的な数学用語を素人相手に日常的な会話で使うだろうか。

実務家のヒース部長刑事と理論家の名探偵ヴァンスとの対立はこのシリーズの読み応えのあるところの一つなのであるが、本作ではヒースがヴァンスに迎合しているような場面もありやや興ざめであった。

なお、中島河太郎氏による解説が面白かった。ヴァン・ダインの人気がこれほどまでだったとは!
僧正殺人事件 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:僧正殺人事件 (創元推理文庫)より
4488103049
No.1:
(3pt)

名作ってのは認めるけどー

「グリーン家殺人事件」とならぶヴァンダインの代表作であり、両作ミステリー界の古典にして名作となってます。グリーンは昔読んだけど、こっちは最近になってようやく読みました。うーん、グリーン家の方が面白かったな・・・。天才数学者たちに天才のヴァンスが挑みます。クイーンとかと比較すると、要素にロジカルさが無いのが欠点ですね。たとえば犯人はなぜマンドリンを使って殺したのか?をクイーンは論理的に鮮やかに説明します。なーるほどな!と読者も驚愕するわけ。しかし、本書では、なぜ殺したのか?なぜマザーグースに見立てるのか?という点にたいした論理は見出せません。そういうとこにショボさを感じてしまいました。
あと根本にマザーグース自体がこっちじゃ馴染みが薄いんでピーンとこないですよねー・・。
僧正殺人事件 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:僧正殺人事件 (創元推理文庫)より
4488103049

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