九尾の猫

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評判

九尾の猫の評価:

4.30/5点 レビュー 50件。 A ランク

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平均点4.30pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全65件 21〜40 2/4ページ
No.45
(3pt)

エラリー完全読破挑戦中

連続通り魔殺人鬼(猫)が
真夏のニューヨークを恐怖の
どん底に突き落としても
エラリーはなかなか
腰を上げない。
被害者の中に悲惨な人生を
送った男の話を聞いた
エラリーは涙ぐみ
立ち上がり(猫)に挑む!
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.44
(4pt)

「十日間の不思議」の後に読むこと

「エラリークイーン全作品解説」本にあるように、本書は読むべき順序がある。「十日間」とは正反対に登場人物が、ページを進むごとに増えて、こと名前に関しては途中からカバーページとにらめっこ状態となった。  内容に関しては、犯人らしき人物がかなり早く特定されてしまい、「傑作とかいうわりにあんまりおもしろくないなあ」というのが正直な感想だったが、そこから再び事件が様相を変え始めて、最後には「やっぱりおもしろかった」という終わり方をする。「十日間」同様に一種の異常性格者がでてくるのだが、物語のうまさで不自然さを軽くすることができているように思った。  そんなわけでもうしばらくクイーン再発見を続けようかと思う。
九尾の猫 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8NA3W
No.43
(4pt)

「十日間の不思議」の後に読むこと

「エラリークイーン全作品解説」本にあるように、本書は読むべき順序がある。「十日間」とは正反対に登場人物が、ページを進むごとに増えて、こと名前に関しては途中からカバーページとにらめっこ状態となった。  内容に関しては、犯人らしき人物がかなり早く特定されてしまい、「傑作とかいうわりにあんまりおもしろくないなあ」というのが正直な感想だったが、そこから再び事件が様相を変え始めて、最後には「やっぱりおもしろかった」という終わり方をする。「十日間」同様に一種の異常性格者がでてくるのだが、物語のうまさで不自然さを軽くすることができているように思った。  そんなわけでもうしばらくクイーン再発見を続けようかと思う。
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.42
(3pt)

ちょっとくどいかな

ミステリーとしては仕掛けや構成すばらしいです。
犯人逮捕以降の再展開は吸い込まれてしまいました。
ただ、表現や描写が多く、少々くどさを感じました。
仕掛けや構成で4、くどさで2、総合3ですね。
九尾の猫〔新訳版〕 Amazon書評・レビュー: 九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.41
(4pt)

ミュージカル・キャッツ!?

ミュージカル・キャッツが封切されたニューヨークという風景もあるマンハッタン!という設定自体が戦後っぽいので、なかなか面白い。「なんで猫やねん?」っていうご感想も出てくるかもしれないけど、そこはそれ、前半のだらだらした展開を我慢して読み進めれば、後半一挙にスピードアップ。で、お決まりの大どんでん返し!
九尾の猫〔新訳版〕 Amazon書評・レビュー: 九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.40
(4pt)

サイコ・キラーものの源流

1949年発表の本作品は、クイーン中期の傑作とも呼ばれる作品でありながら、若い頃からクイーンの作品を読んできたにも関わらず、オジサン化する現在まで未読であったものです。

物語の舞台は、ニューヨーク・マンハッタン。
ここに、通称<猫>と呼ばれる絞殺魔が出没し、市民を恐怖に陥れる。
現場に残されたものは、首に巻き付けられたシルクの紐だけで、証拠は一切なく、もちろん目撃者もいない。
そんな中、<猫>は次々と殺人を犯していく。
前作、「十日間の不思議」で心に傷を負ったエラリー・クイーンは、周りからの強い勧めで捜査に乗り出すが…といったお話。

驚いたのは、クイーンと言えば、「本格ミステリ」の巨匠であるのに、本作品はどちらかいうと、サスペンス、中でもサイコ・キラーものであることでした。

現在、「ボーン・コレクター」を始めとした「リンカーン・ライム」シリーズを執筆しているジェフリー・ディーヴァーの作風に近いものがあり、彼の作品群の源流は、本作品にあるのではないか、と感じてしまったものです。

通常、本格ミステリでは、複数の容疑者が提示され、名探偵がその容疑者の中から犯人を指摘するのですが、この作品では、被害者は、性別も職業も年齢もバラバラで全く接点がなく、どうやってエラリーが犯人を絞り込むのかという、これまでにない展開が、新鮮で大変に面白かったです。

結局のところ、犯行に隠された、「ある法則」を探っていくことで、推理を進めるのですが、この法則の奇抜さ・意外さが、この作品の肝で、後半にそれが明らかになった時、本作品が傑作と呼ばれる理由がよく分かりました。
また、その法則を知ることで、犯人の真の動機が分からなくなっていく――つまり、新たな謎が発生するところは、さすがミステリの巨匠だけのことはあります。

今回は、うれしいことに、角川文庫で国名シリーズの新訳を手がけた訳者が、本作品の新訳も手がけています。
巻末解説を読むと、最近のエラリー・クイーン研究の成果も踏まえての訳出になっているとのことなので、クイーンの初期作品を読んでしまった方には、中期の優れた作品として大いにオススメしたいと思っています。
九尾の猫〔新訳版〕 Amazon書評・レビュー: 九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.39
(4pt)

九尾の猫って…狐の間違いじゃないの?

この作品では、猫とは、姿なき殺人者のこと。N.Y.の街の暗闇から現れ、被害者の首をシルクの紐で絞め殺し、まったく痕跡を残さず立ち去る。
 九尾というのは、被害者の数。すごいね。9人だよ。野球チームができちゃうよ。
 エラリイは、5人目が殺された後、事件解決の手助けをしてほしいと、正式に依頼される。 そのあと4人も殺されるので、「役立たず」と陰で罵られるが、本当に被害者には、見事に共通する部分がないのだ。
 殺人鬼は、どのように被害者となる人間を選別しているのか? 行き当たりばったりな犯罪ではない。手際が良すぎる。何かがあるはず。この9人の共通項が。
 偶然だが、その共通点らしきものが発見される。
 そうか、そういう事か。だから、被害者の年齢が、だんだん若くなっていくんだ。だから、被害男性に既婚者はいるが、被害女性は独身ばかりなんだ。

 最後のどんでん返しは無駄だと思う。作者としては、読者サービスのつもりかもしれないが、もともと大した物証はない。何とでもいえる。だから、スッキリ完結した方が、読後感がいい。
九尾の猫〔新訳版〕 Amazon書評・レビュー: 九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.38
(4pt)

九尾の猫って…狐の間違いじゃないの?

この作品では、猫とは、姿なき殺人者のこと。N.Y.の街の暗闇から現れ、被害者の首をシルクの紐で絞め殺し、まったく痕跡を残さず立ち去る。
 九尾というのは、被害者の数。すごいね。9人だよ。野球チームができちゃうよ。
 エラリイは、5人目が殺された後、事件解決の手助けをしてほしいと、正式に依頼される。 そのあと4人も殺されるので、「役立たず」と陰で罵られるが、本当に被害者には、見事に共通する部分がないのだ。
 殺人鬼は、どのように被害者となる人間を選別しているのか? 行き当たりばったりな犯罪ではない。手際が良すぎる。何かがあるはず。この9人の共通項が。
 偶然だが、その共通点らしきものが発見される。
 そうか、そういう事か。だから、被害者の年齢が、だんだん若くなっていくんだ。だから、被害男性に既婚者はいるが、被害女性は独身ばかりなんだ。

 最後のどんでん返しは無駄だと思う。作者としては、読者サービスのつもりかもしれないが、もともと大した物証はない。何とでもいえる。だから、スッキリ完結した方が、読後感がいい。
九尾の猫〔新訳版〕 Amazon書評・レビュー: 九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.37
(4pt)

読みやすいフーダニット

物語は、すでに、連続絞殺事件が五件起こったところから始まります。犯人は通称〈猫〉と呼ばれ、ニューヨークに住む人たちを恐怖の渦に叩き込みます。ニューヨーク市警とエラリイ・クイーンが犯人を追っている間にも、一件、また一件と絞殺殺人は起こります。一見ランダムに襲われている被害者たちですが、エラリイは、幾つかの法則性を発見していき、〈猫〉と呼ばれる犯人に辿りつくが。
と、いった内容です。越前俊弥氏による新訳がとても読みやすかったです。しかし、エラリイ・クイーン特有のペダンチックな文章ともってまわった台詞が、小説全体を、ほんの少しだけ読みにくくしているような気がします。だから、★四つにしました。それでも、『エジプト十字架の謎』と比べると、衒学的なところが大分抑えられていると思います。

あと、面白いと思ったところは、この小説は1949年発表なので、サイコキラーによる連続殺人事件が小説の中でも現実の世界でもほとんど起こっていないため、小説の中のニューヨーク市民はかなり事件に対して怯えます。なので、ニューヨーク市民は同時多発的にいくつもの自警団を組織するのですが、ニューヨーク市長やニューヨーク市警はそのことに難色を示します。ニューヨーク市長は、「世界一の大都市の警察権を民間人が法の権威を無視して奪ってよいはずがない」(p208)や、「それ(自警行為)が民主主義的な制度を脅かし、当初は高い志に基づいていたものが私刑となって、結局は最低の者たちの最悪の激情を満足させることになりかねない」(p215)と言っています。最終的にこの自警団は、集会のときに、誰か女性の「猫! 猫よ!」という声で集団ヒステリーを起こし暴動にまで発展して、死者を39人も出してしまい、解散します。
人によっては、市民による自警団の組織は、自立した市民やプロ市民といった言葉で賞賛すると思いますが、どうやら、エラリイ・クイーンは、市民による自発的な集団行動のネガティブな面を冷静に見つめていたようです。
九尾の猫〔新訳版〕 Amazon書評・レビュー: 九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.36
(5pt)

名探偵の挫折と苦悩を感動的に描いた名作

原題 Cat of Many Tails (原著1949年刊)
何度読み返しても感動する。中期クイーンを代表する長編であり、現代的なリッパー物の先駆的名作の新訳版。
前作『十日間の不思議』(1948年)で手厳しい挫折を味わったエラリイ・クイーンが再起を賭け挑む、ニューヨークを震撼させる無差別連続殺人。猫と呼ばれる犯人に翻弄され焦燥するエラリイの姿は初期作品に見られるような超然たる論理の執行者ではなく、失敗し苦悩する一人の誠実な青年として描かれる。その煩悶する様が、恐怖と猜疑に苛まれマスヒステリーとパニックに陥るニューヨーク市民の迫真の描写(特に物語の中盤、流言により引き起こされる暴動のシーンは戦慄的)と相まって小説としての見事な奥行きの深さを見せている。
主要登場人物が限られている事もあり、フーダニットとしての興趣には若干乏しいが、意外な犯行動機の解明など終盤の畳み掛ける展開は迫力に満ち、そのダイナミズムはクイーン作品中屈指。そして結末において或る登場人物がエラリイに問い掛ける会話に生と死、罪と罰をめぐる本書の主題が集約されている。(今回の版では大庭忠男訳に比べ、台詞の中の言葉が持つダブル・ミーニングがより活かされた訳文となっている)
飯城勇三氏の解説にもあるように重要な繋がりを持つ『十日間の不思議』を未読でも本書の価値は充分堪能出来るが、可能ならば先んじて前作を読まれる事をお勧めする。名探偵の挫折と再生という感動的なドラマがより豊かに味わえるだろう。
九尾の猫〔新訳版〕 Amazon書評・レビュー: 九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.35
(5pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

とても・・

ストーリーはとても面白かったです。私的には面白く一気に読み切ってしまいました。・・・が、読み終わった後に、女性が男性を背後からとは言え絞殺できるものなのだろうか?絶対、抵抗するだろうし、無抵抗はありえないでしょうし・・とかも考えない訳ではありませんでしたが・・火事場の馬鹿力とも言いますし?数名は昏倒?気絶?しているところを絞殺と確か書いてあったので、それは納得出来ましたが・・ともかく、ストーリーは派手だし良く考えられていると思いますし、面白いのは間違いなしです。
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.34
(3pt)

読み終えるのに疲れた

高校生の頃にエラリー・クイーンやクリスティにはまって、一通りの作品は読み終えていたけれど、もう30年以上エラリー・クイーンから離れていて、久しぶりに電子文書で読んでみました。こんなに長かったかなあと思いながら読み進めていました。ネタバレにならないよう、内容についての評価はしませんが、読後感は疲れた・・というもの。もちろん、トリックは秀逸だし、筆致は最後までよれることなく進みますが、エラリイってこんな感じだったっけ?と思いながら最後まで読みました。クリスティとの違いを実感しました。この本を読み終えた後、ドルリー・レーンものに会いたくなり、四大悲劇のシリーズを一気に読みました。エラリイものは、こんどは短編からリハビリしながら読んでみます。
九尾の猫 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8NA3W
No.33
(3pt)

読み終えるのに疲れた

高校生の頃にエラリー・クイーンやクリスティにはまって、一通りの作品は読み終えていたけれど、もう30年以上エラリー・クイーンから離れていて、久しぶりに電子文書で読んでみました。こんなに長かったかなあと思いながら読み進めていました。ネタバレにならないよう、内容についての評価はしませんが、読後感は疲れた・・というもの。もちろん、トリックは秀逸だし、筆致は最後までよれることなく進みますが、エラリイってこんな感じだったっけ?と思いながら最後まで読みました。クリスティとの違いを実感しました。この本を読み終えた後、ドルリー・レーンものに会いたくなり、四大悲劇のシリーズを一気に読みました。エラリイものは、こんどは短編からリハビリしながら読んでみます。
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.32
(5pt)

間違いなく、クイーンのベスト1

「間違いの悲劇」を読み、30年ぶりに再読。最後の意外な真犯人はなんとなく覚えていましたが、ニューヨークが猫によりパニックに陥る緊迫感、ミッシングリングの分からなさは、本当に凄い。悩むエラリーが本当に魅力的です。見方によってはいろいろ評価があると思いますが、私にとっては、クイーンのベスト1です。
九尾の猫 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8NA3W
No.31
(5pt)

間違いなく、クイーンのベスト1

「間違いの悲劇」を読み、30年ぶりに再読。最後の意外な真犯人はなんとなく覚えていましたが、ニューヨークが猫によりパニックに陥る緊迫感、ミッシングリングの分からなさは、本当に凄い。悩むエラリーが本当に魅力的です。見方によってはいろいろ評価があると思いますが、私にとっては、クイーンのベスト1です。
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.30
(4pt)

個人的には、かなり好きな作品のひとつ

クイーンの作品の中では『Yの悲劇』と並んで好きな作品である。
初めて読んだのは、20年ぐらい前だが、強く引きこまれた記憶がある。国名シリーズなどと違い、悩むエラリーの人間臭さとスリリングな展開が面白かった。
犯人などメインとなる部分を覚えていたけれど、今回再読してみたがやはり面白かった。極めてニューヨークという都市が重要なことが理解できた。なかでも自警団やパニックなど、人間の集団心理に関する部分など、興味深い。
他作品のレビューにも書いたが、1940年代後半、第二次世界大戦の戦勝国でありながら、アメリカ社会に満ちる「苛立ち」が読みとれる。ほかにも、エラリーと女性、宗教や心理学など、前期とは違った面からのアプローチもある。こういった主筋とは違う部分で面白い部分が多いのが、クイーンの中期・後期作品の魅力だろう。
九尾の猫 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8NA3W
No.29
(4pt)

個人的には、かなり好きな作品のひとつ

クイーンの作品の中では『Yの悲劇』と並んで好きな作品である。
初めて読んだのは、20年ぐらい前だが、強く引きこまれた記憶がある。国名シリーズなどと違い、悩むエラリーの人間臭さとスリリングな展開が面白かった。
犯人などメインとなる部分を覚えていたけれど、今回再読してみたがやはり面白かった。極めてニューヨークという都市が重要なことが理解できた。なかでも自警団やパニックなど、人間の集団心理に関する部分など、興味深い。
他作品のレビューにも書いたが、1940年代後半、第二次世界大戦の戦勝国でありながら、アメリカ社会に満ちる「苛立ち」が読みとれる。ほかにも、エラリーと女性、宗教や心理学など、前期とは違った面からのアプローチもある。こういった主筋とは違う部分で面白い部分が多いのが、クイーンの中期・後期作品の魅力だろう。
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.28
(5pt)

名探偵の苦悩と老精神分析学者の優しさ

前作「十日間の不思議」で心に深い傷を負ったエラリーがクイーン警視に頼まれ挑むのはニューヨークに現れた連続絞殺魔「猫」。国名シリーズや悲劇四部作のようなアクロバティックな論理展開はないし、ライツヴェルが舞台でもないが間違いなくクイーンの傑作の一つだ。当時のアメリカの人々の生活や文化に関する詳しい描写に加えてパニック映画のような「猫暴動」。そして、犯人の動機に迫る精神分析学的なエラリーの推理とどんでん返し。注目すべき点を挙げればキリがないがやはり一番の注目点は最後のエラリーとセリグマン教授とのやりとりだろう。自らの見識の至らなさで犠牲者を出してしまい感情的になり、今までの自分のやってきたことをなじり、もうこんなのはゴメンだと叫ぶエラリーに老精神分析学者セリグマンが優しく諭すシーンは心に染み入る。「十日間の不思議」に続いて待たしても傷を負ったエラリーだが最後にセリグマンの優しさが悩める名探偵の心を少しでも癒してくれたことを願わずにはいられない。
九尾の猫 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8NA3W
No.27
(5pt)

名探偵の苦悩と老精神分析学者の優しさ

前作「十日間の不思議」で心に深い傷を負ったエラリーがクイーン警視に頼まれ挑むのはニューヨークに現れた連続絞殺魔「猫」。国名シリーズや悲劇四部作のようなアクロバティックな論理展開はないし、ライツヴェルが舞台でもないが間違いなくクイーンの傑作の一つだ。当時のアメリカの人々の生活や文化に関する詳しい描写に加えてパニック映画のような「猫暴動」。そして、犯人の動機に迫る精神分析学的なエラリーの推理とどんでん返し。注目すべき点を挙げればキリがないがやはり一番の注目点は最後のエラリーとセリグマン教授とのやりとりだろう。自らの見識の至らなさで犠牲者を出してしまい感情的になり、今までの自分のやってきたことをなじり、もうこんなのはゴメンだと叫ぶエラリーに老精神分析学者セリグマンが優しく諭すシーンは心に染み入る。「十日間の不思議」に続いて待たしても傷を負ったエラリーだが最後にセリグマンの優しさが悩める名探偵の心を少しでも癒してくれたことを願わずにはいられない。
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.26
(5pt)

衝撃的なモーゼ論 フロイトを超えて

前作、十日間の不思議でモーゼの十戒をめぐる、
フロイトの語る原父のような、男と法、言葉をめぐる犯罪が描かれた。
この作品はその傷をめぐる話であり、そして、モーゼとは何かをめぐる物語です。
結論から言いますと、モーゼは水を流れてくる子どもです。
羊水の中に浮かぶ全ての母親にとっての名前をつける前に腹に抱えた赤子。
それがモーゼなのです。
厳しい父として、砂漠の荒ぶる声として、法を暴力を追い求める前作のモーゼのある究極な犯罪に先立つ本当のモーゼ。
しかし、クイーンの筆はそこにおいても逃れられない更に究極の犯罪を問い詰めます。
この作品も強い原父が出てきますが逃れられない罪の前に、ある運命を受け入れます。
私はいつもここのところで泣いてしまいます。
それを包む別の父はこう言います。
神の名は一つだと。 最後に登場人物の名前が一つ一つ記されます。名前を記すことの暴力。
記されない子どものための暴力。逃げることはできません。
それでも私たちは名前をつけ、言葉を交わす。法を作る。
登場人物の一つ一つの名前。かけがえのないものが、ここにあります。
キリスト論の間違いの悲劇と並ぶ。クイーンの掛け値なしの傑作です。
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18) Amazon書評・レビュー: 九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180