クイーン警視自身の事件



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初公開日(参考)1976年05月
分類

長編小説

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クィーン警視自身の事件 (ハヤカワ・ミステリ 375)

1976年05月31日 クィーン警視自身の事件 (ハヤカワ・ミステリ 375)

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

クイーン警視自身の事件の総合評価:7.00/10点レビュー 5件。Cランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

リチャード・クイーンの我が世の春

シリーズの主人公エラリイは全く登場せず、純粋にその父親リチャード警視―本作では既に定年退職しているので正確には元警視―が事件解決に当たる物語。
これは現在世間ではエラリイ・クイーンシリーズの1つとして扱われているが、現代ならばスピンオフ作品とするのが妥当だろう。

クイーン元警視が主人公ということで物語の趣向は従来のパズラーから警察小説、いやプライヴェート・アイ小説に変わってきているのが興味深い。つまり証拠を元に推理するプロセスではなく、足と刑事の勘で捜査を進めていき、容疑者を犯人と断定する決定的な証拠がない時点でも直接的に自身の推理を披瀝し、容疑者にプレッシャーをかけるという手法を取っている。これがクイーンのシリーズ作品としては実に珍しいことだ。

そして警察小説ではなく、プライヴェート・アイ小説と訂正したのは既に警察を退職したリチャードがなかなか口を割らない容疑者を落とすため、警察が踏むべき手順を逸脱した捜査方法を取るからだ。
捜査令状を抜きにした不法侵入に証拠捏造。エラリイが活躍する作品では良識という存在だったリチャードがこれほどまでぶっ飛んだことをやるとは思わなかった。

これは思うに作者クイーンが私立探偵小説なるものを書きたかったに違いない。そこで理詰めで考えて行動するエラリイではその趣向には合わないとしてリチャードを退職警官と設定して著したのではないか。

だから肝心の事件の真相は私の予想したとおりだった。これは恐らく当時としてはショッキングな真相かつ驚愕の真相だったかもしれないが、現在となっては別段目新しさを感じないし、恐らく読者の半分くらいは真相を見破ることが出来るのではないだろうか。
もしかしたらそれ故に本書が長らく絶版の憂き目に遭っているのかもしれない。

しかし本書でもっとも面白いのは物語のサイドストーリーとしてリチャード・クイーンとハンフリイ家の保母ジェッシイ・シャーウッドの恋物語が語られることだ。前妻を亡くして30年後に訪れた我が世の春。熟年男女の恋愛が物語の横軸になろうなんてかつてのクイーン作品では考えられなかった演出だ。
63歳という年齢でありながら50代の夫人を魅了するリチャード。やもめが長かっただけになかなか本意を伝えず、不器用で拙い付き合い方を示す彼と看護婦一筋で人生を送ってきたジェッシイのようやく訪れた春を受け入れようか入れまいかと葛藤する熟年同士の恋模様は、今では稀有な純情恋物語としても読め、物語の絶妙なスパイスとなった。

とまあ、今回はリチャードが実は無頼派の気質を持っていることや老境に至ってなお女性を魅了する雰囲気を備えていることなど、シリーズでは垣間見れなかった意外な一面が見れたことで個人的には面白かった。そしてジェシイ・シャーウッドとの関係が次回作以降、どのようにシリーズに関ってくるのか非常に愉しみである。

今までどおり何もなかったかのようにいつもの様子で物語が展開するかもしれないが・・・。


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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

クイーン警視自身の事件の感想

エラリー・クイーン2冊目。フーダニットよりも物証に重点を置いている印象で面白かった。

水生
89I2I7TQ
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No.3:
(4pt)

警視の・・・

この作品には探偵エラリーは出ていませんが、警視の退職後の物語で、警察官としてではなく事件に巻き込まれていくという話しと、珍しくロマンスもあったりして、中々面白かったです。 今まで年代順に読んできたのですが、今までの感じでは、警視は相当なお年だと思っていたのに、この作品を読んでみると、まだまだそんな感じではないのかな、と警視のイメージが私の中で変わりました。
クィーン警視自身の事件 (ハヤカワ・ミステリ 375)Amazon書評・レビュー:クィーン警視自身の事件 (ハヤカワ・ミステリ 375)より
4150701040
No.2:
(3pt)

証言として使う 使われる証言 流れる襞を留め置くパントマイム 誘惑 そして廉価

1956年作。 あきることなく独占できたのに いきなり待っている分岐点 悪徳によって幸福がシンボル化されていく おおっぴらに資料集には
のっていないまあそういうコマーシャルとサンプルの間のある男性 歓迎と終焉の間のある女性 夫婦のものになったある姿態(死体)
百万長者島で起こる赤ん坊の不可解な死 事故死として片付けられるようで・・・記憶に残るすでに見知った像・・・・・見過ごすことは
できない!しかしあれいつものエラリー君がいない(笑) 事件に立ち向かうは定年退職したクイーン警視!免れることはできない告知システム
同じく退職した元警官達 老いて適切に評価するすべがない まだまだ貢献できるぞ!足で処理していく警察小説的に派生した私立探偵・ハード
ボイルド風に準じるおろそかにできない探偵団!イケイケなオヤジギャル・・・じゃなくてオヤジ(笑)
それもそのはずまじめ一筋のおやじさんがかつての警察的使命から逸脱してもっと偏愛的に・・・・・?ボートのガソリンがきれた やむをえず
から生じた出逢い 突破口としての相関性 恋! そして最後(いいなあ)浅い幻滅の感情高まる愕然の(笑)つかみどころのない感激をもって
しておわり・・・
なんだけど(笑) なぜかその後の作品ではまた警察主義者の興奮(笑)をやっているという...ただ『真鍮の家』では分かちがたく結びつく
基本方針でこの二作だけは他の作品と粒度が違うんだね 結局のところ職業病から解放されてるのやらされてないのやら・・
じゃ今回もヒントを Alex Winstonの「Velvet Elvis」のなかにあるよ
さて移行期における課題についてね 考えたりするね とはいえ流れがあっていつまでも特化できるわけもなく 有り体にいってオヤジ文化って
本当に馬鹿げてるわけだから(笑) ただ他方またこれからを決定づけるものについて なんか転換期の彩りにおいて開かない花が存分に確立
久遠かのような助長 そういう宣伝体得利益 大体女子高生が文化になるってのがどっかしら鎖国根性のあらわれで そんな必要以上にオソロ
オソロ広報して騒がなくても 必要以上にウチらウチらお祭りして共感しあわなくても もっと動乱期におけるロールモデルというか
10代起業女子でも サッカーにおける本田みたいな ビジネスの場にもヒーローがいていいわけだから 客観的流動性を担保したワンマン
間違いなく順番を念頭に置いて90年代の話 奔放過ぎるのかもしれないつまり距離が近すぎるというか ストイックに内省するんだけど知恵が
ない 生きることに言い訳がましいよね ねじこみかたが 典型的具現 だからわかりやすくいえば(なんかごめん(笑)いつもの)
「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」における草薙素子みたいな これは高度に発達した技術云々のことではなく距離感のことで でも逆に
いえば小難しく振りかざすんじゃなく示すその造力は認めざるを得ない どれだけナンセンスでもそこから初まってる だから尊敬できる人間
に一番尊敬って言葉が似合わないというかフランクだよねもっと まあリスペクト(笑)
故にそれはそれで立て役者に対して正当な評価をしていない面もあって全景を網羅するように普及すればもう豊富に尽きてて 最後に残るは
一族郎党あつめて典型的なお山の大将 孤独の裏返しだから
そこにもう少し不安感に対する広範な調整誠実さがあると同義ニュアンスで「serial experiments lain」 神気取りのネクラ 糾弾する方も
ネクラ(笑) まさに今の養分であって岩倉玲音 無形における道路と街づくり 最後は人間愛なんだよ 出自と結果の上で二重に皮肉だけど
第一あれは間接的な体温なわけだから気づかせてくれる方にそれがあるところが これが「電脳コイル」の小此木優子になると直接的な体温
なわけよ 自分で気づけるんだから 入り込んでもはや届かないんでもなく 境界線をひいて終わりでもなく 当然否定するんでもなく
それでもつまり心が震えるわけだから その変遷が判れば次どうなるかも手に取るように解るじゃない もうひとつlainの安倍さんつながりで
「灰羽連盟」って作品があったでしょ あの最後のラッカがレキを助ける あの人間の流れるように連想されるタイプ ドラマ これが
優子が勇子を助けるのとまったく同じだよね 往々にしてすぐ精神科の領域に行列(笑)ってことになっちゃうんだけど そういうアプローチ
じゃなくて 贖罪にとらわれているわけではなくて 贖罪そのものになってるんだから 最後は体温なんだよ わざとらしいことはやめて
認めればいいんだよ その上で罪を憎んで人を憎まずだから 誰の意見にも耳を傾けてね
救いたいじゃない 救われたいじゃない 時折ね(笑)
クィーン警視自身の事件 (ハヤカワ・ミステリ 375)Amazon書評・レビュー:クィーン警視自身の事件 (ハヤカワ・ミステリ 375)より
4150701040
No.1:
(4pt)

親父さんリチャード・クイーン奮闘のロマンス・サスペンス満載の異色作

エラリー・クイーンの長編25作目ですが、この本には名探偵
エラリー・クイーンは登場しません。
エラリーは旅行で留守で、親父さんのリチャード・クイーンは退職しており
親父さんのクイーン元警視が解決する体裁をこの本ではとっています。
だから厳密には本のタイトルは『クイーン元警視自身の事件』ですねw

富豪のハンフリーに雇われた看護婦ジェシー・シャーウッドが、
ふと胸騒ぎを覚えて富豪の養子として迎えた赤ん坊の育児室に飛び込むと、
赤ん坊は冷たくなっていて、枕には殺人の跡と思しき手形が残っているが
枕は騒ぎの最中に無くなっていた。
不審に思った看護婦ジェシーとクイーン元警視が調査を始めたが
行く先々で殺人事件が起こっていく……

この本での特徴はクイーン元警視と看護婦ジェシーとのロマンスです。
普段は嗅ぎたばこをやり、唾を飛ばしまくっているクイーン元警視ですが
この本では一切(?)やりません。
やはり女性を前に気を遣っているのだろうか?

サスペンス色の強い作品ですが、ちゃんと謎は解けるように
提示されているので本格好きの人にもお勧めですが、
サスペンス色の強いが故に本格が嫌いな人、エラリー・クイーンって
なんかまどろっこしいと思っている人こそお勧めです。

なお、『クイーン警視自身の事件』とこの本の続編『真鍮の家』は
通常のエラリー・クイーンのシリーズとパラレルになっており、
通常のシリーズでは、クイーン警視は退職していないし、
看護婦ジェシーも存在しません。
クィーン警視自身の事件 (ハヤカワ・ミステリ 375)Amazon書評・レビュー:クィーン警視自身の事件 (ハヤカワ・ミステリ 375)より
4150701040



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