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Xの悲劇
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【この小説が収録されている参考書籍】
Xの悲劇の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全107件 61~80 4/6ページ
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| 逆に「やられた!」という騙されたときの快感がありませんでした。「え、ふーん。そうなの・・・」で終わりです。第一の殺人が一番の謎でキモです。なので、コレだけに注目して鮮やかに解決する短編にしていたら間違いなく名作となっていたでしょう。ドルリー・レーンは設定からして長編には合いませんね。安楽椅子探偵として、短編で活躍させた方が良かったと思います。ちょっと残念です。 | ||||
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| 高評価につられシリーズ全作買ってみたが、開始早々、 1作目のこれをして、自分には合わないのでは・・・と感じました。 当然ながら、素晴らしい点とその真逆の点両方があります。 秀逸だったのは、確かに読者にも作者が意図した真実に辿り着けるよう、 各所に非常に巧みにヒントが散りばめられていた点。 物語の最後、レーンが事件を解説していく上で、 「なるほどそう言われれば!」と唸ってしまいました。 この作品が発売されたミステリー最盛期の頃は、 本気でこの謎に取り組んだ読者もいたのかも知れませんね。 それくらい非常によく練られており、また整合性と分かりやすさ、 両方が素晴らしいバランスで存在していると思います。 しかし一方で、そのトリック、その捜査方法は、 あまりにもご都合主義過ぎると思わざるを得ませんでした。 読者が探偵役よりも先に真実に辿り着けるかどうかではなく、 レーンのその行動があまりにも非現実的な点に違和感を感じました。 そもそもリアリティに徹していながら、 ことレーンの行動全てが誰にも露呈せず自然に進行したこと、 そこがあまりにも腑に落ちませんでした。 大胆な手法と、読者に対する挑戦姿勢、当時としては画期的なトリック等、 確かに素晴らしい点は多々存在します。 それと同時に、個人的には諸手を挙げて評価するには あまりにも都合がよすぎる展開は評価できません。 以降の作品も自分には合わず、過大期待だったようです。 それでもミステリーの名作であると言われても確かに納得はでき、 その点を考慮しまして☆3つとさせて頂きます。 | ||||
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| 高評価につられシリーズ全作買ってみたが、開始早々、 1作目のこれをして、自分には合わないのでは・・・と感じました。 当然ながら、素晴らしい点とその真逆の点両方があります。 秀逸だったのは、確かに読者にも作者が意図した真実に辿り着けるよう、 各所に非常に巧みにヒントが散りばめられていた点。 物語の最後、レーンが事件を解説していく上で、 「なるほどそう言われれば!」と唸ってしまいました。 この作品が発売されたミステリー最盛期の頃は、 本気でこの謎に取り組んだ読者もいたのかも知れませんね。 それくらい非常によく練られており、また整合性と分かりやすさ、 両方が素晴らしいバランスで存在していると思います。 しかし一方で、そのトリック、その捜査方法は、 あまりにもご都合主義過ぎると思わざるを得ませんでした。 読者が探偵役よりも先に真実に辿り着けるかどうかではなく、 レーンのその行動があまりにも非現実的な点に違和感を感じました。 そもそもリアリティに徹していながら、 ことレーンの行動全てが誰にも露呈せず自然に進行したこと、 そこがあまりにも腑に落ちませんでした。 大胆な手法と、読者に対する挑戦姿勢、当時としては画期的なトリック等、 確かに素晴らしい点は多々存在します。 それと同時に、個人的には諸手を挙げて評価するには あまりにも都合がよすぎる展開は評価できません。 以降の作品も自分には合わず、過大期待だったようです。 それでもミステリーの名作であると言われても確かに納得はでき、 その点を考慮しまして☆3つとさせて頂きます。 | ||||
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| 犯人はおろか、トリックまでもが巧妙、 動機は何とか、かも知れませんが 推理しようにも推理ができない作品です。 なぜならば強力な 「文章」のためにそれを信じてしまう 用、読者を操ってしまうから。 なので結末がばっと出てきてしまっても 「え…?」と唖然としてしまうことでしょう。 まさか、とも思ってしまうかもしれませんね。 今回出てくるレーンは エラリイとはまた違った雰囲気を持っています。 冷静そのもの。 そして的確に、犯人を追い詰めていきます。 決して派手さはないのです。 だけれどもエラリイの作品には 読者をひきつける 「力」があるんです。 充実な読後感に、完敗いたしました。 | ||||
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| 犯人はおろか、トリックまでもが巧妙、 動機は何とか、かも知れませんが 推理しようにも推理ができない作品です。 なぜならば強力な 「文章」のためにそれを信じてしまう 用、読者を操ってしまうから。 なので結末がばっと出てきてしまっても 「え…?」と唖然としてしまうことでしょう。 まさか、とも思ってしまうかもしれませんね。 今回出てくるレーンは エラリイとはまた違った雰囲気を持っています。 冷静そのもの。 そして的確に、犯人を追い詰めていきます。 決して派手さはないのです。 だけれどもエラリイの作品には 読者をひきつける 「力」があるんです。 充実な読後感に、完敗いたしました。 | ||||
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| はじめてクイーンを読みました。 2人の作者の合同著者名であることを始めて知りました。 アメリカの探偵ものとして楽しめました。 次はYの悲劇を読もうと思いました。 ps. Yの悲劇を読みました。次はZの悲劇を読もうと思いました。 | ||||
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| はじめてクイーンを読みました。 2人の作者の合同著者名であることを始めて知りました。 アメリカの探偵ものとして楽しめました。 次はYの悲劇を読もうと思いました。 | ||||
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| 聾者の老シェークスピア俳優、ドルリー・レーンを探偵役とした「レーン四部作」の第一作。エラリー・クイーン(バーナビー・ロスというべきか?)の記念碑的作品です。 満員電車の中で株式仲買人が殺害される。凶器はポケットに入れられた毒針のついたコルク玉。犯人は誰か?第二の殺人に続き、容疑者と目された同僚もまた殺される。彼が残した左手のサインの意味は? 正直、現代のスレた読者にはすぐ犯人の見当はついてしまうでしょう。ダイイングメッセージも肩すかし気味ではあります。 しかし、すべての事実がつながり犯人が特定される論理の展開は今読んでもあざやか。謎解きのカタルシスは十分すぎるほど味わえます。 良い古典は現代においてもその価値は揺るぎません。本作は推理小説を語る上で必ず押さえておかなければならない一作であります。 なお、本作はあくまで「レーン四部作」の第一作です。これを読んだ後は必ず残りの「Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)」「Zの悲劇 (創元推理文庫)」「レーン最後の事件 (創元推理文庫 104-4)」も読まなくてはなりません。順番通りに読むことも必ずです。 「レーン四部作」をすべて読み終えたとき、エラリー・クイーンの謎解きの末の意外な犯人という推理小説の「型」への狂おしいまでの執念に感動することでしょう。本作はまだその幕開けなのです。 | ||||
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| 聾者の老シェークスピア俳優、ドルリー・レーンを探偵役とした「レーン四部作」の第一作。エラリー・クイーン(バーナビー・ロスというべきか?)の記念碑的作品です。 満員電車の中で株式仲買人が殺害される。凶器はポケットに入れられた毒針のついたコルク玉。犯人は誰か?第二の殺人に続き、容疑者と目された同僚もまた殺される。彼が残した左手のサインの意味は? 正直、現代のスレた読者にはすぐ犯人の見当はついてしまうでしょう。ダイイングメッセージも肩すかし気味ではあります。 しかし、すべての事実がつながり犯人が特定される論理の展開は今読んでもあざやか。謎解きのカタルシスは十分すぎるほど味わえます。 良い古典は現代においてもその価値は揺るぎません。本作は推理小説を語る上で必ず押さえておかなければならない一作であります。 なお、本作はあくまで「レーン四部作」の第一作です。これを読んだ後は必ず残りの「Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)」「Zの悲劇 (創元推理文庫)」「レーン最後の事件 (創元推理文庫 104-4)」も読まなくてはなりません。順番通りに読むことも必ずです。 「レーン四部作」をすべて読み終えたとき、エラリー・クイーンの謎解きの末の意外な犯人という推理小説の「型」への狂おしいまでの執念に感動することでしょう。本作はまだその幕開けなのです。 | ||||
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| 読んだ。面白かった。四十年ぶりの再読だった。 ミステリーは読んでいるが、本格ものはずいぶん久しぶりだった。よく本格ものはパズルに譬えられるが、最近は、いまさら味もそっけもないパズルなんて、とどこかで感じていたような気がする。 ドルリー・レーンの何と個性的なことか。引退した偉大なるシェイクスピア俳優。耳は聞こえなくなったが、驚異的な読唇術で、ハンディをほとんどカバーしている。シェイクスピアの台詞の飽くことなき引用や蘊蓄も、その設定のおかげで自然である。 謎の設定や解明は、言うまでもなく申し分ない。今読んで改めて感じるのは、執筆時のアメリカの青年期ともいえる時期のダイナミズムである。あるいは、いかに小説中のこととはいえ、レーンが警察当局の代理人になるような行為を描いているのも驚きだった。 これまで読んだことのない人には、本書は本格もののみならずより広い意味でのミステリーとしても極上のものであろう。だが、若い頃読んだ記憶がある、という人にこそ勧められる本でもある。自分の中にあるミステリーの基準が再確認され、新たな発見があるに違いない。 | ||||
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| 読んだ。面白かった。四十年ぶりの再読だった。 ミステリーは読んでいるが、本格ものはずいぶん久しぶりだった。よく本格ものはパズルに譬えられるが、最近は、いまさら味もそっけもないパズルなんて、とどこかで感じていたような気がする。 ドルリー・レーンの何と個性的なことか。引退した偉大なるシェイクスピア俳優。耳は聞こえなくなったが、驚異的な読唇術で、ハンディをほとんどカバーしている。シェイクスピアの台詞の飽くことなき引用や蘊蓄も、その設定のおかげで自然である。 謎の設定や解明は、言うまでもなく申し分ない。今読んで改めて感じるのは、執筆時のアメリカの青年期ともいえる時期のダイナミズムである。あるいは、いかに小説中のこととはいえ、レーンが警察当局の代理人になるような行為を描いているのも驚きだった。 これまで読んだことのない人には、本書は本格もののみならずより広い意味でのミステリーとしても極上のものであろう。だが、若い頃読んだ記憶がある、という人にこそ勧められる本でもある。自分の中にあるミステリーの基準が再確認され、新たな発見があるに違いない。 | ||||
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| 新約の良さがあまりないように感じるが、読みやすい約文ではありました。この機会に、レーン四部作の新約を期待したい。 | ||||
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| 新約の良さがあまりないように感じるが、読みやすい約文ではありました。この機会に、レーン四部作の新約を期待したい。 | ||||
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| 《バールストン・ギャンビット》と《ダイイング・メッセージ》という クイーンにおける二大モチーフが、はじめて提出された作品。 読者にデータがフェアに提示され、それを起点に推理することにより、 ある事実を特定可能にするといったクイーン一流のロジックも健在で、 本作においては、第一の殺人における凶器を扱うための道具や第二の 殺人における死体の手術痕、そして第三の殺人における死体の上着の 内ポケットにあった列車の回数券などにその特徴を見ることができます。 なかでも、法廷において殺人の罪に問われた無実の被告を救うために 展開される彼の右手の傷をもとにした論理は明晰で、クイーンの本領を 存分に味わえます。 また、外国での因縁話という背景を持つ犯人は、いわゆる 《見えない人》で、当時としては衝撃的だったといえましょう。 《顔のない死体》トリックが偶然に頼っていたり、犯人が不自然な多重生活をしていることなど に対し、現実的でないとツッコミを入れるのは可能でしょうが、ミステリにおける「論理」が所詮 レトリックに過ぎない以上、それを了解した上で、説得力ある解決を提示し得ているかどうかを みていくべきだと私は思います。 | ||||
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| 《バールストン・ギャンビット》と《ダイイング・メッセージ》という クイーンにおける二大モチーフが、はじめて提出された作品。 読者にデータがフェアに提示され、それを起点に推理することにより、 ある事実を特定可能にするといったクイーン一流のロジックも健在で、 本作においては、第一の殺人における凶器を扱うための道具や第二の 殺人における死体の手術痕、そして第三の殺人における死体の上着の 内ポケットにあった列車の回数券などにその特徴を見ることができます。 なかでも、法廷において殺人の罪に問われた無実の被告を救うために 展開される彼の右手の傷をもとにした論理は明晰で、クイーンの本領を 存分に味わえます。 また、外国での因縁話という背景を持つ犯人は、いわゆる 《見えない人》で、当時としては衝撃的だったといえましょう。 《顔のない死体》トリックが偶然に頼っていたり、犯人が不自然な多重生活をしていることなど に対し、現実的でないとツッコミを入れるのは可能でしょうが、ミステリにおける「論理」が所詮 レトリックに過ぎない以上、それを了解した上で、説得力ある解決を提示し得ているかどうかを みていくべきだと私は思います。 | ||||
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| 本書で展開される論理的な謎解きは、かの名作「Yの悲劇」をも上回る究極の推理といってよい。ただしそれは、あくまでも本書をパズル小説として見た場合だが。 本書でレーンが指摘する数々の証拠は、まさしくこの人物しか犯人ではありえないということをことごとく論理的に証明するもので、その論理から指摘される犯人にもかなり驚かされる。 しかし、第2の殺人における犯人の行為(まだ生きている被害者を船から投げ落としたこと)は犯人の行動論理としてはまったくおかしなもので、ありえないといってよい。 私は殺人動機には重きを置かないが、犯人の行動論理は重視する。なぜならそれもまた謎解きの論理のひとつであるからだ。 犯人の行動が非論理的である以上、本書は完全に論理的とはいえず、その点で本書はやはり「Y」に較べると落ちる。 | ||||
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| 本書で展開される論理的な謎解きは、かの名作「Yの悲劇」をも上回る究極の推理といってよい。ただしそれは、あくまでも本書をパズル小説として見た場合だが。 本書でレーンが指摘する数々の証拠は、まさしくこの人物しか犯人ではありえないということをことごとく論理的に証明するもので、その論理から指摘される犯人にもかなり驚かされる。 しかし、第2の殺人における犯人の行為(まだ生きている被害者を船から投げ落としたこと)は犯人の行動論理としてはまったくおかしなもので、ありえないといってよい。 私は殺人動機には重きを置かないが、犯人の行動論理は重視する。なぜならそれもまた謎解きの論理のひとつであるからだ。 犯人の行動が非論理的である以上、本書は完全に論理的とはいえず、その点で本書はやはり「Y」に較べると落ちる。 | ||||
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| 犯人は、今となっては意外性はありません。それだけ今のミステリが充実しているということだと思います。しかし推理の組み立て等は見事なもので、これだけは今も昔も同じ水準ではないかと思えるほど。もちろん、当時は今ほど科学捜査のことを気にしないで書けたのでしょうが。推理小説としての☆は4点ですが、2点にしたのは理由があります。なんと!!後書きで、他のミステリ(黄色い部屋の謎)の犯人のネタばれをしているのです。また、「Yの悲劇」の後書きでも、この訳者は続編2冊のネタばれを(少々)しています。あまりにもヒドイ。また、相手に対して「・・と申しますと?」というような文法間違いもあり、「Xの悲劇」を読むにしても、この本ではなく他の訳者の本を推奨します。今となってはしょうがないですが、日本語が古く、読みにくいです。この訳者は、他の小説(ヘミングウエイなど)でも何回か読んでいたので、ここまで露骨にネタばれされたのはショックでした。 | ||||
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| エラリー・クイーンの「Xの悲劇」の新訳ということで、思わず衝動買いしてしまった。訳者は「ダ・ヴィンチコード」の翻訳で一躍有名になった越前敏弥。クイーンの文章はオリジナルのセンテンスも簡潔明瞭で、誰が翻訳してもそれなりに、読みやすく出来ているようだ。私がはじめて「Xの悲劇」を読んだのは、今から数十年前のことで、どの訳者のものを読んだのかも定かに覚えていない。今回それ以来の再読である。名作ミステリーはたとえプロットが割れていても、いいものはいい。 本書を読んで再発見したことだが、この事件当時、ドルリー・レーンは、な、な、なんと60歳だったらしいのだ。 クイーンの「悲劇」シリーズは、最終ページの、それも最後の最後に重要なプロットが明らかにされる。本作もその例にもれず、最後の最後の文章に要注目。 | ||||
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| 本書は、良くも悪くも同年発表の『エジプト十字架の謎』によく似ている。 過去の復讐というモチーフによる連続殺人、メイントリック、唯一この人物しか犯人ではありえないというロジック...。 しかしながら本書は『エジプト十字架』と同樣、この人物しか犯人ではありえないというロジックに合わせんがためのご都合主義が、随所に見え隠れするのである。 まず第一の事件では、犯人が身に着けているのが自然な物を、身に着けていないために怪しまれるはずのところを、誰もそれを理由に怪しんだりしないのは不自然である。 これはレーンのみが犯人に目星をつけるようにした作者の都合によるものである。 第ニの事件はとくにひどいもので、犯人は殺人とは別のある目的で被害者を船から投げ落とすのだが、たまたまうまくいったものの、もしも失敗して目的とは逆の結果になっていたら、誰が犯人であるか露呈しかねない極めて危険な方法である。 普通なら犯人は絶対にこのようにリスクの高い方法を選ぶはずがないにも関わらず、犯人にもっと確実で安全な方法でその目的を果たさせなかったのも、レーンにデヴィッドが無実であることを証明させるための作者の都合である。 そして第三の事件で犯人はピストルが発見されても何の不都合もないにも関わらず現場にピストルを残さず、誰かに見られるかも知れないというリスクを冒してまでわざわざ川に投げ捨てさせたのも、コリンズが犯人ではないとレーンに証明させるための作者の都合である。 これらのように、不自然でご都合主義に満ちた本書だが、アンフェアな記述がない分、『エジプト十字架』に較べればマシである。 | ||||
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