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さよならの空
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さよならの空の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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ホラーものが多い直木賞作家・朱川湊人にしては珍しい近未来SF。と言っても本格的なSFではないので、広義のファンタジーですね。 オゾン層が破壊され、世界各地でオゾンホールが確認されるようになる。そこで、国連とある科学者が新発明の薬品を散布したところ、オゾンの破壊は防げても思わぬ副作用が・・・というお話。 おもしろい設定で、それなりの切迫感もあったのだけれど、やはり朱川さんにはホラーを書いてほしい私です。こういうお話もたまにはいいですけどね。 決定的な欠点は、準主人公のハッカー青年の心の動きがまるで描かれていないこと。これでしょう、この物語の核は! そこを無視してなんの小説かと、私は思うのであります。 | ||||
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SFです。初期の作品だそうです。 そのころから朱川ワールドの片鱗が見えます。 オゾンホール拡大を食い止めるために開発された のは「ウェアジゾン」という化学物質。 しかもこれも珍しく、開発者は米国人科学者。 しかし舞台はほぼ日本だし、他の登場人物も日本人。 ここまではフツー。 ここからが朱川作品。 「ウェアジゾン」には、副作用があった。 日本人なら郷愁、哀しさ、切なさを思い起させる 「夕焼けがなくなる」というものだ。 SFながらノスタルジーを感じさせる。 朱川作品の色をつけている「ノスタルジー」、既に このころから片鱗を見せている。 ただ、登場人物をもう少し掘り下げてくれていたら、 言うことなし。「伊達じいさん」や「キャラメル・ボーイ」 「マーサ」。今の筆致力だともっと魅力的にできるだろう。 ラストはこれも著者お得意の「奇跡」が起きる。 静かに、そして徐々に壮大にそれは人々の間に起こる。 長編ならではの感動だ。 SFが苦手という方も一読してもらいたい。 新たな朱川湊人に触れられるだろう。 | ||||
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何でしょうねぇ。 何でこんなもん書こうとしたんでしょうねぇ。 朱川湊人らしさはほとんど感じられません。 環境問題について書いてくれ、と編集者にでも言われたんでしょうか。 特筆すべきことなし。 残念。 と言うことで星一つ。 | ||||
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朱川さんの作品を読むのはこれで4作目だ。今までの短編集とは違い本作品は長編で、舞台も今より少し未来であり、SFちっくな始まりだったので、結構期待して読み始めた。 朱川さんの短編は、つらい過去を背負った人が思いがけない経験に遭遇して癒されるというテーマが結構多く、その経験の描き方が実に鮮やかで気に入っているが、本作品もその部類に入る。夕焼けが消えるというシチュエーションは面白いし最後の場面は結構感動したが、長編の本作品では登場人物や物語の背景の掘り下げ具合に若干の物足りなさを感じた。次回作に更なる期待です。 | ||||
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これを読む以前に一冊でも朱川作品を読んだことのある人には、 期待はずれかもしれません。 朱川さんお得意の昭和の懐かしい香りのするホラーとは違い、 SFテイストのおとぎ話とでもいうのでしょうか・・・? 「夕焼けがなくなってしまう」なんて最高に面白そうなテーマを用意しておきながら、 こういうテイストのストーリーに仕上げるなんて なんだか朱川さんらしくないような気がします。 要は夕焼けを失うことではなく、 愛する人を失うことの悲しみの方を主に書きたかったのでしょうが、 特別な思い入れはなくても、夕焼けというものは 誰の心の中にも「美しいもの」として位置づけされているはず。 それを失う心の空虚感や空しさもきれいに描いて欲しかったです。 | ||||
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朱川氏の作品を読むのはこれが初めて。 80歳のおばあちゃんの日本での逃亡記とも言える。 私も映画タイタニックを思い出しました。 夕焼けに対する登場人物のそれぞれの気持ちがよく 書けていています。 自分が抱いている夕焼け空が良く浮かびノスタルジック な気持ちにもなれます。 2時間映画かアニメ映画にはGoodな作品でしょう。 ただ、主人公の心情をもう少し掘り下げて欲しかった。 | ||||
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この小説の設定は凄く面白いものだったと思います。 オゾン層による壊滅的危機、それを救うための化学物質の発明とそれの散布…、それによる副作用。その副作用の設定が凄く面白いものだと思って購入したのですが…。 夕焼けを失うことのが、人類にどんな影響を及ぼすのか。 そこをもっと掘り下げて欲しかったです。私達が今まで当然のように享受していた夕焼けの価値を改めて考えさせられるような内容を期待していたのですが…。人間関係は、何だかおざなりで中途半端でしたし…。 駄作とは言いませんが、期待外れであったことは否めないですね。 | ||||
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今までの朱川作品からは一味違ったSFファンタジー小説。 読み始め(出だしもケンにエレンとか横文字から入るのも違和感大でしたが)はいつもの朱川さん作品と違う空気に違和感を覚えますが、中盤からそれ以降はあのせつなさ感は健在、ラストも希望を抱いて終わるので、爽快感につつまれたまま読み終えられると思います。 個人的には夕焼けにはあまり思い入れがないので、ぴんとこない感じでしたが、終盤のある出来事にはとても考えることが多い展開でした。私はそのとき誰を思うのかなあと。これだけでは意味はわからないと思いますが、それは本書を読むときのお楽しみとしてとっておいてくださいまし。オゾン層問題にも軽く触れており、決して読んで損のない作品ですよ。 | ||||
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テレサの恋はタイタニックの物語を見ているようだ。人はそう出会わない。人生はキレイゴトじゃないねと時折みせる作者の皮肉がまた心地よい。本当に愛した人に肉体が離れたあとも愛され続けてもらえて、まだやることがあるよと言われれば、残された者の悲しみなんてきっと消えていってしまうのだろう。夕焼けは消えても、愛する心は決して消えていかない。いろいろな哀情が絡み合って、最後にまた強くなるテレサにとても人間の素晴らしさを感じました。レイチエルカーソンやキューポラロスの話も織り交じっているところも面白かったです。 | ||||
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SFとファンタジーとミステリーとの要素が溶けあった“朱川ワールド”。荒唐無稽ではありながら、鼻白んでしまうような話ではない。 今日、私の町では綺麗な夕焼けが見られた。読後数日たつが、夕焼けを見ながら、当たり前のように享受してきたこの美しいものが消滅するとしたら……と、小さな戦慄を覚えた。 近未来の世界で深刻化しているオゾンホールの問題と夕焼けの関係が、作品を支える土台として提示される。 オゾンホールの問題を解決し得たテレサ老教授はある日、トモル少年、謎の男キャラメル・ボーイに出会うこととなる。この三人の出会いが、縺れあうように一気に物語の流れに勢いをつける。三者三様の抱える問題や立場が謎としてしばらく舵取りの役目をする。 夕焼けが最後に見られる期限の時刻まで、追い立てられるようにじりじりと気が急く。三人の会話や関わり方に、読む方は謎の糸口を見つけたくてたまらなくなる。 理路整然とは決していかないけれど、この三人の、内面の葛藤が話に血を通わせるものとなっている。私は特に、テレサという老女(研究者・教授)の過去や心情に強く惹かれた。 ラストは胸に応える。最先端の科学と人間の心情のバランスが切なく痛々しい印象だ。 「さよならの空」という意味を噛みしめてしまう。150年後なんて、永遠に近い時間に思いを馳せながら。 | ||||
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ホラーを書く人だと思っていたのに、SFタッチもいけるんですね。でも、やっぱり書かれている世界は懐かしい感じで、安心して読めます。これが現実の話だったら、自分は誰とどこで最後の夕やけを見るかと、真剣に考えてしまいました。 やっぱりクライマックスが泣けます。でも、この人の場合、読んでからが、ずしんと来るんですよね。こういうの好きです。 読んで絶対に損はない本ですが、ちょっと突っ込み不足の部分もあるので、星は四つ半で。 | ||||
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