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さよならの空
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さよならの空の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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SFです。初期の作品だそうです。 そのころから朱川ワールドの片鱗が見えます。 オゾンホール拡大を食い止めるために開発された のは「ウェアジゾン」という化学物質。 しかもこれも珍しく、開発者は米国人科学者。 しかし舞台はほぼ日本だし、他の登場人物も日本人。 ここまではフツー。 ここからが朱川作品。 「ウェアジゾン」には、副作用があった。 日本人なら郷愁、哀しさ、切なさを思い起させる 「夕焼けがなくなる」というものだ。 SFながらノスタルジーを感じさせる。 朱川作品の色をつけている「ノスタルジー」、既に このころから片鱗を見せている。 ただ、登場人物をもう少し掘り下げてくれていたら、 言うことなし。「伊達じいさん」や「キャラメル・ボーイ」 「マーサ」。今の筆致力だともっと魅力的にできるだろう。 ラストはこれも著者お得意の「奇跡」が起きる。 静かに、そして徐々に壮大にそれは人々の間に起こる。 長編ならではの感動だ。 SFが苦手という方も一読してもらいたい。 新たな朱川湊人に触れられるだろう。 | ||||
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朱川氏の作品を読むのはこれが初めて。 80歳のおばあちゃんの日本での逃亡記とも言える。 私も映画タイタニックを思い出しました。 夕焼けに対する登場人物のそれぞれの気持ちがよく 書けていています。 自分が抱いている夕焼け空が良く浮かびノスタルジック な気持ちにもなれます。 2時間映画かアニメ映画にはGoodな作品でしょう。 ただ、主人公の心情をもう少し掘り下げて欲しかった。 | ||||
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今までの朱川作品からは一味違ったSFファンタジー小説。 読み始め(出だしもケンにエレンとか横文字から入るのも違和感大でしたが)はいつもの朱川さん作品と違う空気に違和感を覚えますが、中盤からそれ以降はあのせつなさ感は健在、ラストも希望を抱いて終わるので、爽快感につつまれたまま読み終えられると思います。 個人的には夕焼けにはあまり思い入れがないので、ぴんとこない感じでしたが、終盤のある出来事にはとても考えることが多い展開でした。私はそのとき誰を思うのかなあと。これだけでは意味はわからないと思いますが、それは本書を読むときのお楽しみとしてとっておいてくださいまし。オゾン層問題にも軽く触れており、決して読んで損のない作品ですよ。 | ||||
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テレサの恋はタイタニックの物語を見ているようだ。人はそう出会わない。人生はキレイゴトじゃないねと時折みせる作者の皮肉がまた心地よい。本当に愛した人に肉体が離れたあとも愛され続けてもらえて、まだやることがあるよと言われれば、残された者の悲しみなんてきっと消えていってしまうのだろう。夕焼けは消えても、愛する心は決して消えていかない。いろいろな哀情が絡み合って、最後にまた強くなるテレサにとても人間の素晴らしさを感じました。レイチエルカーソンやキューポラロスの話も織り交じっているところも面白かったです。 | ||||
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SFとファンタジーとミステリーとの要素が溶けあった“朱川ワールド”。荒唐無稽ではありながら、鼻白んでしまうような話ではない。 今日、私の町では綺麗な夕焼けが見られた。読後数日たつが、夕焼けを見ながら、当たり前のように享受してきたこの美しいものが消滅するとしたら……と、小さな戦慄を覚えた。 近未来の世界で深刻化しているオゾンホールの問題と夕焼けの関係が、作品を支える土台として提示される。 オゾンホールの問題を解決し得たテレサ老教授はある日、トモル少年、謎の男キャラメル・ボーイに出会うこととなる。この三人の出会いが、縺れあうように一気に物語の流れに勢いをつける。三者三様の抱える問題や立場が謎としてしばらく舵取りの役目をする。 夕焼けが最後に見られる期限の時刻まで、追い立てられるようにじりじりと気が急く。三人の会話や関わり方に、読む方は謎の糸口を見つけたくてたまらなくなる。 理路整然とは決していかないけれど、この三人の、内面の葛藤が話に血を通わせるものとなっている。私は特に、テレサという老女(研究者・教授)の過去や心情に強く惹かれた。 ラストは胸に応える。最先端の科学と人間の心情のバランスが切なく痛々しい印象だ。 「さよならの空」という意味を噛みしめてしまう。150年後なんて、永遠に近い時間に思いを馳せながら。 | ||||
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ホラーを書く人だと思っていたのに、SFタッチもいけるんですね。でも、やっぱり書かれている世界は懐かしい感じで、安心して読めます。これが現実の話だったら、自分は誰とどこで最後の夕やけを見るかと、真剣に考えてしまいました。 やっぱりクライマックスが泣けます。でも、この人の場合、読んでからが、ずしんと来るんですよね。こういうの好きです。 読んで絶対に損はない本ですが、ちょっと突っ込み不足の部分もあるので、星は四つ半で。 | ||||
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