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図書館の魔女
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【この小説が収録されている参考書籍】
図書館の魔女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全138件 81~100 5/7ページ
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分かる者だけが読めば良いというような高飛車な文章。自分の賢さを誇示するような・・・。 話が面白いだけに残念。 | ||||
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描写がとても細かく、繊細です。 本に書いてあることが、映像のように頭に浮かびあがってきます。 ただ、少し回りくどいような気がする。 飽き性の自分は最後まで読めませんでした。 | ||||
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軽い気持ちで読み始めると積みます。果てしないファンタジーを読みたいときに最適です。私はサクッと長いファンタジーが読みたいという心でページを開いてしまい、ドボンと深穴に飛び込んでしまった感がありました。本当に深い穴です。飛び込む際はお気をつけて。 男の子が女の子と出会う、と簡単に言って仕舞えばそういうあらすじにはなりますが中身は難しい内容になっております。 文字の羅列が続いているので正直、 難しい言葉遣いや国との争い系のファンタジーを読みなれていない人にはオススメできないかもしれません。途中で挫折してしまったり、内容が頭の中で想像出来なくて話自体が詰まらないという印象を持たれてしまう人も少なくありません。 作者はよくこれを書き上げたなと読了したあとの達成感とともに関心しました。 キリヒトとマツリカのやりとりが時間の経過でだんだんとマッチしていくのが堪りません。関係が【打ち解ける】というのには語弊があるんですよね。お互いが無くてはならない存在になる、【一体化する】っていう感じです。 今まで読んだことのないファンタジーでした。 本がお好きなのでしたら尚更、しっかりと読了してほしい。言葉とは何か、話すとは何か。 私たちが普段から使っている言語、文字。 この本を読むと不思議な気持ちになります。 ぜひじっくりとこの世界観に浸ってもらいたい。 途中で読むのをやめてしまうのはもったいない。 | ||||
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非常に緻密な心理劇の異世界ファンタジー。図書館が国の最重要な場所として崇められる世界と言う設定も面白いし、その中枢であり魔女として恐れられるのが、口の利けない障害を持つ少女。そして彼女の付き人として話す役割を担う事になる肉体労働者上がりの少年、と言う設定が斬新で意表を突かれた。 この巻は序章であるためか初めはかなり読み辛かったが、少年と魔女の出会い辺りから面白くなりどんどん読む速度が上がった。ただし、外交の使者との心理戦は非常に面白かったが、独自の手話を編み出す少年との共同作業や、古代地下水路を一緒に探検して思索を巡らす辺りは緻密過ぎて正直退屈を感じた。もちろんこの小説の根幹を成す部分であり、又少年と魔女との淡い恋愛も描かれて悪くはないのだが。これから外交の権謀術数が中心の話になればそんな不満は一掃されるに違いない、と期待させる序章であったと評しておく。 | ||||
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図書館の魔女というファンタジックで中二病的なタイトルに一目惚れして購入 序盤は理屈っぽくひたすらに世界観を垂れ流すだけでしたが2巻後半から一気に流れが変わりました 改めて知識の偉大さを感じさせてくれた本です どんな知識も直接的には役に立たなくともそこから派生して奥の奥にまで辿り着くことができることを学びました これを読んでもっと勉強しなきゃなと思わされましたね | ||||
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言い回しは晦渋ですが、僕は好きです。読者を選び、読者を悩ませますが、それだけのことはあります。 | ||||
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作者の博識な言語学(言葉)の知識と 人の叡知の発露たる書籍への思い入れを核にして 東洋文化と西洋文化が全く違和感無く融合されて ことほがれた素敵な空想冒険物語です。 本好きな私には堪らない一冊です。! | ||||
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空想力の飛ばし方が半端なく綿密でしかも広範囲に渡っている。凄いとしか言い様がない。 | ||||
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分散と分断.意図的に散ったはずが陰謀と不運によって少しずつ孤立をしていき, そこへ疑心暗鬼が重なっての罵り合いや,見えない敵たちの企みに戸惑わされる中, 当初は仕事であり,諍いもあった者たちが,いつの間にか当たり前のように助け合い, さらには,苦しんできた子供たちに対し,大人が真正面から向き合う姿が胸を打ちます. また,そんな様子をこまめに切り替え,追い,追われとなる街中を駆ける冒険活劇は, 面白さはもちろん,何気ないやり取りが後に窮地を救う展開に驚きと興奮を隠せません. そして,魔女らが出てこないことへの不満も薄れ,すっかり彼らに魅了されていきました. とはいえ,そこは千両役者である彼女.ようやくのお目見えから物語は一気に加速, 口の立つ男とのやり合いが時にコミカルであり,時にハッとさせられる謎解きを見せ, 役回りとしては偶然の合流と助言役という感じで,半分を過ぎての登場となりましたが, 全てを怒濤のごとく看過し,遡って始まりに帰結する真相には軽く震えを覚えるほどです. 言葉や文字など,このシリーズにおいて重要な意味合いを持つであろう要素については, こちらも彼女の登場から踏み込まれる場面はあったものの,やはりいささか少なめの印象. しかしながら,言葉を話せない男の観察眼や,言葉の通じない異国の子供とのやり取りなど, 伝えること,考えること,言葉と文字,意思の疎通や表現の一つの形を見たように感じました. 物語はここでの出来事を踏まえ,再び,国々の思惑のぶつかり合いとなっていきそうで, 確かに 前作 との繋がりは弱めでしたが,思いのほか,重要な数日だったのかもしれません. | ||||
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季節や風景,自身が鳥になったかのような滑空の様子と,その描写に引き込まれる冒頭. 確かになじみの薄い言い回しや言葉も多く,時には意味や読みを調べることもありますが, 読みづらいことはなく,存在しない世界のはずなのにイメージが浮かべやすくなっています. その一方,続篇と謳われ,場所や時系列,国々の情勢は確かに繋がっているようですが, 魔女の登場はその存在が何度か,言葉や文字もむせ返すほどだった前作ほどのものはなく, 上巻までですが,続篇というよりは,世界設定を同じくした別の物語という印象を受けます. また,広い世界と少年と少女から,狭い地域を舞台にしたある一行へと色合いも変わり, 中心と思われる鳥飼の男も,話せず,前作とは違って彼に関わる人間もあまり居ないため, 話を回すのも一行のリーダ格らとなり,これまたここまでは特別に目立つ何かはありません. とはいえ,囚われた貴人を巡る動きをはじめ,追われながらも相手が見えない不気味さ, このほか,謎の子供や男など,裏切りの街を上へ下へ,エンタメ寄りの展開は目が離せず, まずは,いよいよ動き出しところで下巻へとなった,貴人の救出作戦の行方が気になります. そして,鳥飼の男に対して,言葉,さらに手話へと前作を意識する流れに向いた終盤が, そこで触れられた魔女を含め,どういう広がりを見せるのか,下巻への期待が膨らみます. | ||||
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読み書きを教わってこなかったキリヒトに対して、「図書館の魔女」が言葉とか書物とか図書館とかの意義を説くシーンが長くて面倒だと思う人には向いていないと思う。でも、そういったところに読み応えを感じる人にはおすすめ。第一巻は、ボーイミーツガールとエスピオナージュを軸に、伏線をどんどん張り進んで行く段階。お楽しみはこれからだ。 再読に耐える物語で、読みやすい文体。これが読みづらいと思う人は、ほかにも読みづらい本が多いんじゃないかな。スルメだとでも思って気長に噛み続けてみたら、だんだん美味しくなってくるかも。 一度目は電車の中でがつがつ読んでしまったけれど、二度目からは部屋でゴロゴロしながらゆっくり読み返している。そうしていると、最初は見逃していた細かいところに気がついて、それがまた楽しい。 | ||||
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まず魔女、図書館という言葉でハリーポッターの様な物を期待すると的外れ。 1巻目をまもなく読み終わる所で子どもと共有しようと思い購入し先に読み始めましたが、文章がまわりくどく漢字が難しくて子どもは飽きてしまいそう。 もう少し読みやすくできたんじゃないかと思う。作者の頭の中では絵が浮かぶんでいるのだろうが、読み手はなかなか浮かばない。 2巻目を買おうか迷い中。 | ||||
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この本を読み始めようか悩んでられる方の参考になればと思い、 私もレビューを書かせて頂きます。 この本は、ある種の世界観にとっぷりと浸れる長編小説を読みたいと思っていた時に たまたま見つけました。 しかしながら、分厚い本4巻からなるので、 希望通りでない場合(ありきたりな恋愛話や先の読みやすい展開)を危惧して、 私は手を出すのにかなり悩みました。 結果的には、4巻全て、プラス番外編的な「烏の伝言」まで 全て読んでしまうほどハマってしまっています。 ただ正直、最初の1巻を読み終わるのは学術的且つ理屈っぽすぎてかなり大変でした。 ですので、薦められる人を選ぶ作品だと強く感じます。 1巻読了後、1巻の読み疲れもあり、2巻を買うべきかもまた悩みました。 でも、その時には既に、この小説の世界観に完全に引き込まれてしまっている自分に気付いてしまったため、 読み進めることに決めました。 2巻の序盤も、1巻同様冗長に感じられる部分が多少続くのですが、 その後事態は急変し、登場人物たちの安否や今後の展開が読みにくい状況に発展していくため、 それ以降はそれまでの理屈っぽさも学術過ぎる感も気にしていられなくなっていきました。 結果的には、全てがきちんとした伏線とされていたことが分かり、 理屈っぽさもそのためには仕方が無かったのだと思えて感心しました。 話の種類としては、宮崎駿監督に(理屈っぽさをうまく削ぎ落して頂いて) 映画化して頂けたら素敵だろうなぁと思える種類の作品だと感じました。 私の周りにはあいにくこの本を薦められる人が見つからず、 この本の楽しさを共有できる人がいなくて残念なため、 理屈っぽさが気にならない方には是非チャレンジして、 一緒に楽しんで頂きたいです。 | ||||
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軽くファンタジーを読みたい人には敬遠されるかもしれない。だけど、2巻、3巻と読み進めていくともう止まらず、最後まで行き着いた時、また1巻を手にしないではいられなかったw あれだけ遅々として進まなかった1巻の内容がすんなりと入ってくる。 伏線を要所要所で匂わしているが、気にせず先へと進めてもらいたい。またここに戻ればいいのだからw | ||||
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本屋さんでこの本を見つけ、「4冊もあるのか!」とびっくりしつつ、試しに1冊だけ買って読みました。 1巻を読み切ったところで、「一体この物語はどこへ行くのやら」と、挫折しそうになりました。 1巻の終わりが「地下水道の探索」だったので、一体この探索はどうつながるのか?「ここから敵でも攻め込んでくるんかいな」とか、分からないまま読み終え、ど~しようかな~と、思いつつ、残り3冊はAmazonでまとめ買いして読みました。(なるほど。地下探索はそう役に立つワケか!詳細は本の3巻以降をお読み下さい。) 4巻までほとんど斜め読みで、ストーリーを把握するのに務め、冗長な箇所はすっ飛ばしながら(でもストーリーが分からなくならないように)読み、全体像が見えたところで、二回目はもうちょっとゆっくり読みました。二回目は全体像が掴めたので、詳細を読んで前後のつじつまを確認しながら読めましたので、非常に楽しめました。低い☆を付けている人は、1巻目で挫折した人が多いのではないでしょうか。あるいは、途中途中の「講義」や「会議」がヤになったのか、あるいは本書のスタイルが合わないとか。。。 私もようやく、2巻目になって、ストーリーが大きく動き出しますので、それから、かなり話の中に入り込む事が出来ました。(二人の主人公が河原に遊びに行く、という事になって、はは~ん。ここで何かあるだろうなとは思っていましたが、なるほど、そう展開したか!(2巻後半をお楽しみに!) ストーリー全体は、「精霊の守り人」のような雰囲気(やや東洋的な雰囲気、とくにニザマ帝国)で、しかも、所々、指輪物語(映画ではなく原作)の「エルロンドの御前会議」のような延々とした会議(こういうの意外と好きです。)や、マツリカの偽書判定講義、所々に実際の西洋古代中世の錬金術書や言語(ラテン語、ギリシャ語など)が出てきたり(ダン・ブラウンとかジェームズ・ロリンズの作品を彷彿とさせる)、ファンタジーと言いつつ著者の言語学知識の講義が入っていたりと、それはそれはとても楽しめました。(これが冗長でヤダ、という人も出て来るでしょう。) そして、ファンタジーに欠かせない、そこはかとない人間関係もきちんと描かれており、二人の主人公の交流(地下探索のあたりが面白いですね。子どもの秘密基地探索のようで)や、4巻目には二人のもっと深く心の結びつきが描かれ、最後のある人物の救いが、今まで多くのファンタジーを読んだ中で「異色だなぁ」と思わせました。指輪物語のサルマンの末路のようになるかと思いましたが、そうならず、良かったなぁと。。。 イラムとアキームのもどかしい関係もとてもいいですね。(これぐらいはネタバレにならないからいいかな。) ☆5つ、としたい所ですが、やはり全体的に読みにくい(難しくない漢字にフリガナがあるかと思いきや、難しい漢字にフリガナがなかったり)、記述に何ともいえないバランスの悪さを感じたので、☆4つとしました。 | ||||
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読みはじめは何で難しい言い回しやこんな表現の仕方があるんだぁと。 でも主人公達のキャラクター等とても引き込まれていき、いっきによみきりました。 作者が言語学者だというあとがきを読んで納得 理路整然と説明をする図書館の魔女につい作者の性格を重ねたり、ストーリー以外にも楽しめました。 | ||||
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作者の方の知識が極めて広く、しかも深く正確な理解に基づいたものであり、それに裏打ちされた細かな世界設定が素晴らしい。実際、このような作品が投稿されたら編集者としてはどんな手を使ってでも何らかの賞を与えなければならないだろうと思う。たとえどんなに嫌いでも。 傑作であることを認めつつ、私はこの作品が嫌いである。文章は美しいが極めてくどい。段落単位で表現を変えただけの同じ話が繰り返される。それは作者の言葉の引き出しをアピールするのは確かだが、しかしやはり無駄である。ことさら最後の方になると全く必要とも思えない無駄なエピソードが散見され、早く読み終わりたくてたまらなかった。この無駄を省けば半分くらいの量に納まるであろう。図書館の魔女が示す名推理も全て「読者に公開されていない作品の舞台設定」に基づいているので、彼女の有能さよりも彼女を有能に描写しようとしている作者の影ばかりが見える。万事に於いて作者の得意顔が脳裏にちらつき、作品に集中させてくれない。集中していないので妙に冷静になってしまって、物語の細かい穴もチクチクと目に入ってくる。登場人物よりも作者にばかり気がいく作品であった。 このように私は好きになれなかったが、しかし業腹ながら傑作であることは認めなければならない。この本を読み終えた後に別の本を見ると文章が稚拙に思われ、読み進むのがとても楽で、むしろ物足りなさを感じてしまうほどである。読み進めるのは極めて苦痛であったが、読んでよかったと思っている。 | ||||
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ドストエフスキーやトルストイの著作に触れたことがあるなら、描写の多さは苦痛ではなく、物語の骨格を理解するのに必要十分だと思えると考えるのではないでしょうか。無駄な描写はなく、後の伏線となる言葉が詰まっています。 ファンタジー小説と軽い気持ちで手に取ると、嫌な本になるのは請け合いです。 難解な字や熟語が多く、久しぶりに辞書を手元に置きながらの読書となりましたが、それさえも楽しく一気に読める、それでいてまだまだ続きを読んでいたいと読後に思える一冊です。 実際、四巻すべて読んだ直後に再度読み直しを始めました。 第一巻目は、消化不良。 キリヒトはマツリカの『声』でいることに満足ができるのか。 こんな傲慢な少女が果たして、それほどまでの自己犠牲に値するのかと疑問のまま終わります。 伏線を撒きながら。 登場する地域や人々は多くはカタカナ表記です。 それでいて、主要登場人物には漢字を当て嵌めることができます。どんな漢字を当て嵌めるのがいいのか。 それを考えるだけでも楽しみです。 | ||||
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言葉、文字、伝えることについての深い洞察がここにあります。タイトルから軽い読み物を期待すると辛いかも。 誰でもすぐに文字にして世界に発信できる世の中で、"万人の批判に耐える覚悟"をもって残された言葉がどれだけあるのだろうか、と思うとともに、読む側の責任も大きくなっているのだと考えさせられました。 | ||||
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4巻まで一気に読みました。 冒頭の数ページで炭の反りを合わせないと荷が解けてしまうと描かれたあたりからずっと、この本の言葉使いと描写力に心を掴まれたのですが、 1巻を読み始めた時はまさかこんなに読み終わるのがもったいなく、終わってしまうのが寂しい本になるとは思ってもいませんでした。 1巻は主人公が生まれ育った山間の村を出て図書館に仕え、 そこで魔女と出会い、彼女と彼にしか伝わらない指話で距離を縮めていくまでのストーリーです。 ここで2人で編み出した指話が、物語を動かすきっかけになり、ラストまで引っ張る大事な要素になっていきますが、それは後のお楽しみ。 前半は世界の説明が続くプロローグで、 後半は敵国の宰相との謁見や、キリヒトとマツリカが秘密の手話を編み出したりと、物語が動き出します。 登場人物が少ないぶん描写が尋常じゃなく仔細に書かれており、難解な言い回しが多いわりに展開が遅いので、ここを超えたら素晴らしい展開が待っているとはいえ、1巻を読み終わるのは他の巻より時間がかかるかもしれません。私もそうでした。 ですがこの文章、難解な単語はあっても的外れな描写はなく、登場人物の機微ひとつまで丁寧に追っているから長くなっているだけの印象です。 国の高官達がイニシアチブを取ろうと腹の探り合いをしているシーンなどでは、むしろ細かい描写がとても助かりました。さらっと書かれただけでは私の頭では付いていけなかったかも。 何気なく読んでいた場面に伏線がちりばめられていて、 後になって「あれは伏線だったのか」と気付くことが多い本でもあります。 短いものは数ページで回収されますが、長いものだと数巻に渡ります。 4巻まで読み終わった私には1巻のどこに伏線があったのかわかるので読み返してニヤニヤしています。 キャラクターも魅力で、 キリヒトの並外れた観察力は気持ちが良くて、そんな彼と魔女のキャッキャウフフはこの本の清涼剤。(笑) 重厚な文章の中に爽やかなボーイミーツガール。 稀代の明晰な頭脳を持ち、普段は愛想のかけらもないのに信頼した人には幼さを見せるマツリカと、 平凡な少年かと思いきや、時折ものすごい目端の良さをみせるキリヒトが、 2人だけに通じる会話(指話)を通じて仲良くなっていく過程が微笑ましくてしょうがなかったです。 手話の特性上、今まで詩を歌いたくても歌えなかったマツリカが、同時通訳をしてくれるキリヒトと出会ったことで、思う存分歌ってノリノリになっている場面など可愛いのなんの。 最初は会話のため仕方なく繋いだ手が物語を紡ぎ出し、 2人が精神的にもっと深いところで繋がっていることに気付く次巻以降・・。 是非読んで欲しい本です。 | ||||
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