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ムーンズエンド荘の殺人



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【この小説が収録されている参考書籍】
ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)

ムーンズエンド荘の殺人の評価: 3.30/5点 レビュー 10件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(2pt)

「そして誰もいなくなった」に比べて、

足元にも及びません。

しかし、一つだけ大きなトリックが使われています。この作者オリジナルではなく、他の作家も使っています。
このトリックは大技なので、このトリックを使った作品は、内容の割に、おおむね評価が高くなる傾向があります。
このトリック「一●●●」を使って、私も、何かミステリーを書けないかと考えたことがあります。(笑) 「一●●●」以外は、当然ながら、登場人物像、各設定等、全て変えて。  あらっ、この作者がそうだとまでは言いません。

なお、「そして誰もいなくなった」とはトリックが違います。
さて、どんなトリックかは、読んでからのお楽しみ。
ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)より
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No.9:
(3pt)

緻密だが、新規性に欠ける

古風な作風は好みだが、その上で新しい要素が無いとダメだと思う。その点、本書はフーダニットのネタに新しい要素が無く、密室トリックは論外。正直、新本格に馴染んだ日本のミステリマニアには物足りないと思う。それでも構成はしっかりしているので、ミステリ入門者向きというのが正しい位置づけではないだろうか。そう考えると、宣伝文句が間違っているだけという結論に辿り着く。しきりに手がかりを強調する文体や作者がゲーム作家であるという事実からも、本来マニア以外の幅広い人達に向けているのだろう。

以下、蛇足。作者がゲーム作家であるという事実から導き出されるのは・・「そして誰も居なくなった」だけでなく、おそらくこの作者はどこかで「かまいたちの夜」に接してると思う。。
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No.8:
(1pt)

死ぬほど面白くない。

「綾辻行人作?」(最近の)というほど面白くなかったです・・・・・orz
「アガサ・クリスティーに挑戦!」的なことが書かれていたので、まずは「そして誰もいなくなった」を
もう一度読み返して・・・・・・

簡単に言ってしまえば、アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」に比べて冗漫。
アイディアとかは丸パクリなのに、もっと簡潔にしようよ・・・・・っていう・・・・・・

やはりアガサ・クリスティーは天才、そして「そして誰もいなくなった」を超える作品はこの先しばらく出てこないかな・・・・

と思わされた作品でした。
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No.7:
(5pt)

ミステリーの鬼も狂喜させる名作「そして誰もいなくなった」に挑戦した稀な傑作です。

ゲーム会社のパズル製作者として活躍されたアメリカ人作家キース氏が著した黄金時代の名作にも引けを取らない巧緻なデビュー作です。本書は今から3年前の2011年に出版されたとはとても思えないクラシックな雰囲気の漂う本格ミステリーの傑作で、昨今現代ミステリー作家の多くが謎解きパズルのトリックや仕掛けの構築に関して最初から諦め切っている様に思え殆どが薄味な作品ばかりの残念な現状に於いては、著者は今時の世の中に滅多にいない誠に貴重な存在だと思いますね。
探偵学校の卒業生達に元校長から同窓会の案内状が届き、雪の山荘に集まった彼らが発見したのは意外な人物の死体と殺人ゲームの開始を宣言する手紙だった。やがて吊橋の爆破と電話線の切断により外界との接触を断たれ孤立した彼らが一人また一人と次々に殺されて行く。
本書の推理の肝は名作「そして誰もいなくなった」に於ける一番肝心な問題点「死者の復活」を実現させない為の「死者が確実に死んでいる事の確認」でありまして、その点をクリアーする為に単純ながらも実に効果的なトリックが仕掛けられています。著者は早い段階で読者がそのからくりを見破れる様にと数々の伏線や大胆なヒントを示してくれていますが、それはありふれたごく些細な出来事ですのでよっぽど注意深く勘の鋭い方にしか気づく事が出来ないでしょうね。冷静に考えればこの大量殺人を可能にする方法はこれしかあり得ないだろうなとわかるのですが、残念ながら私には駄目でわずかに最後に残る二人が誰と誰かだけは何とか予想が当たりましたね。本書で不満なのはあまりにもコンパクトにまとめすぎて人間ドラマを書く事に費やす余裕がなかった点ですね。死者はそれぞれ人生に思いを抱いていながら道半ばで突然に進路をスパッと断たれてしまう訳で物語が未完結のままになりますし、犯人の動機についてもかなり屈折していてややこしく狂気としか説明がつかないわかり難さがありますが、でも全てを満足させる事は無理にせよミステリー・パズラーとしては一級品の出来栄えで「ミステリーの鬼」と呼ばれる方をも狂喜させるだろう文句なしの傑作だと思いますよね。
著者はその後第2作をまだ発表されておられないようですが、これだけの巧緻なトリックを施された傑作を書くとどんどんハードルが高くなってファンから次はもっと素晴らしい内容の作品をと望まれるでしょうから、もはや並みの秀作レベルでは許してもらえなくなるのは本当に辛くお気の毒に思えますが、でも実力のある著者ならばまた再び期待に応えてくれそうな気がしますので何時か次回作が紹介される日を急がず気を長く持って楽しみに待ちたいと思いますね。
ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)より
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No.6:
(3pt)

クリスティへの挑戦状

シンプルかつ平易なクラシックの名著「そして誰もいなくなった」と
比較すると、本作は背景や展開がやや込み入っています。

クリスティを超えてやろう、という熱意まで伝わってきそうです。

背景は、犯罪王アントニオ・カパルディの悪事、私立探偵ブライアン・ウエストの
妹の誘拐事件、探偵学校卒業試験でのスタントマンの死、ハッター・ケーツの
講演会場で起きた出来事、ジルとアマンダの秘められた関係などがからんでおり、
ひとつを除いては動機としての誤誘導的な機能を果たしています。

本家同様のクローズド・サークルもので、徐々に人が減って行くという展開に
なっていますが、加えてこれでもかとばかりに複数の密室殺人を用意しています。

しかし、他の方々も書いているように密室トリックはお粗末で、なかには
トリックにさえなっていないものまであります。

元々、クリスティ作品が読者に対して「手がかり」をじゅうぶん提示せずに(例外はあるにせよ)
犯罪が完遂するので、本作がその点でアンフェアにみえたとしても、
宿命ではないでしょうか。

雪の山荘ならではのトリックの妙技が光ります。
ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)より
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No.5:
(3pt)

期待はずれ、軽すぎる。

クリスティファンとして、たとえオマージュ作品であってもはずせないと思い読んでみましたが、期待はずれでした。
まず、ひとつキャラクター一人一人の掘り下げが軽く、人間関係もわかりにくく全体の関わりがイメージしにくい。
あと、人間の死について軽すぎる、そこに至るまでの描写が足りない。それぞれの場面に臨場感が感じられず、犯人とそのトリックも
わかってしまえば単純でとても残念です。とはいえ、フロストなんかにくらべたら短いし、カバーデザインも今の季節にぴったり。
なんとなくミステリーが読みたい人にはもってこいの作品かも・・・。
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No.4:
(4pt)

クリスティへのオマージュ?

クリスティの「そして誰もいなくなった」へのオマージュとも受け取れる孤立した山荘での連続殺人事件。違うのは、全員が昔に起きた事件の関係者であること。最初の殺人が料理をのどにつまらせてというところまでは、殺人方法まで同じやり方をするのかと一瞬ドキッ。でも早とちりデシタ。一人ずつ殺されていき、スリルとサスペンスは次第に盛り上がるけど、登場人物一人一人の現在の状況と過去の追憶とをあまりにも頻繁に行き来するため、わかりにくくなっているのは残念。最後の犯人の告白で、密室の作り方が明らかになったときにはズッコケた。ナンジャ、ソレハ!実にクダラン、情けない。本格モノデショ、シッカリしてよ。でも楽しめたから許してあげよう。
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No.3:
(3pt)

大きな欠点がある訳ではないけど、特に優れたところもなし

いわゆる「そして誰もいなくなった」形式の作品。特徴としては、集められたメンバー同士が知り合いで、互いにいろいろな感情を抱えていることだろうか。そして、お約束通り、徐々に人数が減っていく、というパターンをたどる。

巻末の解説にもあるように、この種のある意味使い古されたネタをやるにしては、インパクトに欠ける、というか、パンチが弱いと感じる。それこそ、本家『そして誰もいなくなった』とか、あるいは『アリスミラー城殺人事件』の方が鮮烈だったと思う。パズル作家という情報はまさに、本作の印象と合致するかな、という感じ。ただ、こちらの方向へ進むならば、もっと緻密にするなり、ひねるなりする必要がある。

また、個人的には、クリスティの「そして誰もいなくなった」に小説版と戯曲版とで異なる結末だいう、解説記事が一番興味を引いた。
ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)より
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No.2:
(5pt)

雪の山荘での連続殺人

エリック・キース著、森沢くみ子訳『ムーンズエンド荘の殺人』(創元推理文庫、2013年)は外界から遮断された雪の山荘での連続殺人を描くミステリーである。校長の別荘での同窓会に招かれた探偵学校の卒業生達が連続殺人事件に巻き込まれる。

閉鎖空間の連続殺人はミステリーとして、よくある設定であるが、殺され方に意表を突かれる。連続殺人を描く上で、登場人物が逃げ出したり、外部に応援を呼んだりしないように閉鎖空間に閉じ込めておくことは有効な設定である。ところが、情報通信技術の発達した現代では地理的に隔絶したというだけでは必ずしも心理的な孤立にならない。リアリティのある閉鎖空間を描くことは難しくなっている。本書では山荘が携帯電話の圏外という設定になっている。

推理小説の醍醐味は探偵の活躍と犯人探しである。本書では探偵役は最後の最後まで明らかにならない。山荘に閉じ込められた登場人物は皆、探偵学校の卒業生であり、誰でも探偵役になる資格がある。また、本書は視点人物も固定されていない。多くの推理小説では視点人物が探偵か探偵の連れ(ワトソン博士など)に固定されているが、本書では山荘に閉じ込められた人々が次々と視点人物になる。誰が主役か分からないために全登場人物の一挙手一投足から目が離せない。

犯人探しの点でも探偵役が固定していないために、明らかに犯人候補から除外できる人物は存在しない(探偵役が真犯人という掟破りの作品がないとは言い切れないが)。登場人物は皆、何らかの後ろめたい事情を抱えている。そして、それらの事情が相互に絡まりあっている。このために全く予想ができない展開になっている。

最後に私は人権を重視する立場として、犯罪捜査では現実でもフィクションでも冤罪を生み出さないという問題意識を有している。この点で本書には興味深い会話がある(112頁)。

「おれに一人当たり十五分くれるなら、犯人から自供を引き出してみせるぜ」

「六人の無実の容疑者からもな」

自白強要が冤罪を生み出すという指摘である。このような価値観が娯楽作品の中でも普通に登場するところに日本と比べた人権意識の高さを実感した。
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No.1:
(4pt)

面白いストーリー、しかも意外な秀作

探偵会社と探偵学校を経営する男が所有している雪山の別荘に、かつての教え子である探偵学校の同窓生達が久しぶりに集まる。しかし、それはアガサ・クリスティーの
『そして誰もいなくなった』を彷彿とさせる、連続殺人事件の始まりだった。
そして、むかし探偵学校で同期だったという以外は年齢や現在の職業などもバラバラで一見何の関係もなさそうな同窓生達に、後ろめたい秘密による繋がりが見いだされていき…
というストーリー。

本作は、クリスティーの『そして誰もいなくなった』を彷彿とさせながらも、よりサスペンス・スリラー色が強い作品です。しかし、それでいながら、本格ミステリーの要素が
上手く融合されており、最終的な解明の場面でも、サスペンス・スリラー的な味わいを強く意識したものには珍しく、推理の方も、意外にけっこう緻密でした。
ですから、サスペンス・スリラーのファンも、本格ミステリーのファンも、双方が無難に楽しめる作品と言えるでしょう。面白いストーリーで、テンポ良くサクサク読めますので、
そこも良かったですよ。

但し、欠点もあります。
先ず、推理についてです。論法自体はちゃんとしているのですが、しかし本格ミステリーにおいて、読んでいる側が推理できるようにと求められる、読者への“しっかりとした手掛かりの開示”が、
やや不十分でした。

そして、上の問題とも関係しますが、本作において最大のミステリーとなっている、ディクスン・カーばりの密室殺人事件の真相も、残念なことに、わかってみれば、
本格ミステリー・ファンなら、「なんだそんなことか」と感じてしまうようなトリックです。
トリックというのは、えてして、知らされてみると「なんだ…」となりがちなものですが、本作のトリックでは、いささかその落胆度が大きいと思われます。

それにまた、事件の真相の全体に関してですが、あまり驚きがなく、やはりこの点でも、本格ミステリー・ファンには、やや物足りないかもしれません。

ところで、前述の通り、密室のトリックに託された最大の謎の真相もあまり大したことがない本作ではありますが、むしろこの作品の強みは、細かなところに工夫が凝らされていること、
そして全体的にそれらが緻密なパズルの様に組み立てられている“堅実派の作品”であることだと、最後に付け加えておきたいと思います。

以上、まとめてみますと、サスペンス・スリラーと本格ミステリーを上手く融合させたという点が特徴として挙げられ、また、ストーリーの面白さや緻密さは高く評価できる一方で、
手掛かりの提示が不十分であったり真相が驚きに欠けるという物足りなさもありますので、結果、星4つ位かなと。

この作品は、名作と言うよりはそこそこの秀作と言えるでしょうが、それにしましても、作者はこれがデビュー作であり、しかも本作はアメリカ本国でも出版されたのが2011年と、
一昨年のことですので、本格ミステリーという現在ではマイナーなジャンルの中から、東京創元社も上手いこと良い作品を見つけてくれたなと思います。
本格ミステリーのファンとしては、本作の出来がどうかはさておいても、この作者の今後の活躍を期待し、先ずは予め本作を読んでおくというのも良いかもしれません。
私は本格ミステリー・ファンとして、この作者に今後、大いに期待したいと思っています。
ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)より
4488252036

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