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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1022件 621~640 32/52ページ
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ほとんどの村上春樹作品を読んでいるので、今回の書評なども読まず、先入観なく読んだわけですが…、確かに、今度の作品はどうコメントしたら良いかよくわかりません。 ただ、村上春樹だから、彼の独特の表現だから、この正直あまりどうってことないストーリーが興味深く読めるのであって、このストーリーを別の作家が書いたら、どう感じるだろうか…と思いました。 なんとなく中途半端で、途中で消えてしまう人物もいたり、結局結論が出ないで終わってしまう展開もあり、読んでいるほうが、この主人公のつくるくんのように悶々としそうです。 それにしても、読み終わってからのAmazonの書評をみたた、面白いの何のって!書評のほうが面白い作品は久々です!それだけ、村上春樹に対する期待や思いがあるんだろうと思います。 どうも、最近の村上作品は小説よりエッセー的なもののほうがとても納得し、共感して読めます。 「僕が走る時に…」はとても良かったし、昨年あたりに朝日新聞に寄稿した国際問題へのこめんとなどはとても素晴らしかった。 次の新たな展開を本当に期待して、少し評価ポイントを上げました。 | ||||
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前作もだけど 取りあえず初版購入。 でも なーんか読む気になれず・・・ ドリーさんの否定的なレビュー読んで逆に背中押されました(^^; そ、そんなに面白いの??? 王様のブランチも見てたので思わずふいてしまいました。 ドリーさんありがとうございます!!! だって全部共感できちゃうんだもん(読む前から) ちなみにIQ84は読まずに売っちゃいました☆ なので何十年ぶりかの村上作品です。 はじめは1日5~6ページで寝てしまうほど 身体が拒否反応を起こしました。 「一気に読めました」という方はよほどのファンの方なのでしょうね。 私もそうだったはず・・・多分。 村上作品に出合ったのは 高校生の時、 村上春樹と同世代の現代文の先生の授業でした。 村上信者の一人でした。 カッコイイのにあこがれる思春期ですからその頃は読みましたよ。 村上春樹以外にも都会的でカッコつけた軽い感じの作品が売れた時代だと思います。 そういう意味では何十年たっても期待は裏切りませんね☆ 未だにそんな感じの登場人物がでてくるので ある意味 懐かしく安心できます。 マイノリティー?トムクルーズの映画? 少数派でいいじゃん。 ケミストリー?そういえば解散しちゃったなぁ この まどろっこしい言い回しの翻訳って何十か国も正確にできるのだろうか? 全く内容と関係ないことを感じながら楽しく読み終えました。 で 最後 え?ここで終わりかよ。 予想通りの終わり方。 やはり期待は裏切りません。 1785円の価値はあるのかどうか? うーん どうかなぁ 描写は思いうかびやすいので 連想しやすく 微妙な映画1本観たと思えばまーいいのではないでしょうか?! | ||||
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ジョークや比喩などでププッとするところがなかったのが自分としては残念。いつもそれを楽しみにしていて、ドッグイヤーするので。アダルトな要素も少なく、まだ読んだことのない女友達には気軽にオススメできるという点で、これまでとちょっと違う。 | ||||
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やはり前評判が読者の期待を増幅させたのか?在庫が一冊だけあったのを、ザッと内容を拝見しました。村上春樹氏の作品は、まだ読んだ事はないのですが、余りにも{1Q84}が世間を騒がせたので、私は比較的読みやすいページ数の本書を期待を持って、初版だし購入をふまえて流し読みしましたが、余りにも描写が私の感性には相応しく無いと感じて、購入をあきらめました。次に読む時は図書館で済ますかな。 | ||||
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村上春樹の一部の者を不愉快にする少説 彼は心を病んでいる。ちょうど村上龍が「限りなく透明に近いブルー」を書いたときのように。「生きることとはなにか?自分はいったいなんでここにいるのだろう?」彼の作品は、精神科医からみれば、単なる心の病で片付けられるだろう。 そして、また、それは正解であろう。心を病む原因は必ずあるからだ。聡明な村上春樹は自分の存在というものを 追求してきている迷路にはまった人間である。考えても考えてもわからない。あるいは考えれば考えるほど迷路にはまる。境地というものは考えることによって得られはしない。 心の置き所を変え物をみることにより得られるのだろうが、それは心を病んだ人間には困難である。 彼の今回の「多崎つくるとその巡礼の年」は今までの村上春樹の作品と一環して変わらない。心の闇をシチュエーションを変えて表現したにすぎない。丁度テンプレートにあてはめるように。 彼の作品の特徴は1.分析的であること2.比喩が多いこと3.いいまわしに「あるいは」という表現が多いこと。彼はそのテンプレートに従って、自分の心の迷路を描いたにすぎない。 この小説の中に書かれているように1000人に一人かあるいは2000人に一人(何人かは忘れたが)の人間が、この作品を読めば、嗚咽がはしり、心臓が彼が言うように止まりそうに、不快になるだろう。 それは読んでいる者も同じく開けてはならない(ある意味パンドラの箱)を開けてしまい、迷路にはまり、未だに自分の存在というものが分らないでいるものにとっては、病状を悪化させるのみだからだ。 その1000人か2000人に1人から漏れた人はそこまで考えず、欲しいものを買い、食べることを楽しむ人達は、彼の作品を理解できず、すごく聡明な作品だと思うだろう。小説というものは、心の内を分析的に書いてはならないと思う。 そして、読むものを幸せにする(すくなくとも不愉快にしてはならない)ことだと思う。彼は今回の作品で小説では表現できない、音楽にしか表現できない旨を語っているが、ここで僕は確信した。彼の心は病み、そしてこの作品は愚作であると。 彼がマスコミに顔を見せないのは社会適合障害だからではないか?とまで思わざるを得ない。 そしてそれが、出版業という商業ベースにのせられてお金儲けの道具に使われていることを。 一方、こういう考え方もできる。 彼は強欲で名誉欲の強い男で、たまたま書いた本で儲かり、蟻的人間をだまし、お金儲けをして楽しんでいるとも。 | ||||
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変なタイトルだな〜と思いながら、何の先入観も無く読み始めた。ところが、多崎つくるを取り巻く4人の友人達の「色彩」青赤白黒が示された時、えっ?これって五行では?と思う。つくるは、五行相関の中央に位置するあの色では‥と。そして予感は、主人公の4人の友人の末路を追うに従って恐ろしい確信に‥途中から、暗示と言えばあまりに直接的に仏教を想起させる名前のガールフレンドが登場してきて、自分の中で、ん、中国?、ん、インド?と乏しい東洋思想についての知識の断片の中で混迷しましたが。。いろいろ批判も多いようですが、個人的に中国とインドに関心がある私にとっては非常に面白い作品でした。 | ||||
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ここにレビューを書くのは少々、勇気が要りますが。 私は初めて村上春樹作品を読みました。 購入のきっかけは発売日の盛り上がりをニュースで見て、流行りに乗っかりです。 しかし、気に入れば購入のきっかけは何であれ良いと思います。 従来の村上春樹作品がどのような深さで内容だったのか知りませんが この作品だけに関しては、率直な熱いメッセージが伝わり、 自分が主人公と同世代30代半ばという事もあり共感できる部分も多々ありました。 生々しい人間描写で入り込めました。 すごくストレートな物語で、とても心地良い余韻を残してくれた作品です。 村上春樹氏入門作品なのかも知れませんね。 人それぞれでしょうけれど、私は気に入りました! | ||||
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初めて村上作品を読みました。 暇で、ちょうど話題になっていたから 有名な作家だし買ってみるかと思って読んでみました。 結果、結末はない。 無駄に官能小説みたいなくだりがあるし、 どうしたいの?って感じです。 結末が無くていいのなら素人でも書ける。 村上ファンは何に惹かれているのか、 正直分かりません。 作中に興味を引かれる単語が多く出て来ました。 新宿、赤坂見附、小金井、フィンランドと、 自分の行った事のある場所ばかりで少し驚きました。 フィンランドで主人公がこのへんにプールはないか?とたずね、 プールは無いと言われていたシーンがあったのですが。 ホテルの近くにトラムがあり、ヘルシンキ内にいるのなら、 トラムでプールまでいけるはずなんだけどな〜と俺は思ってしまいました。 映画「かもめ食堂」でも使われたプールがあるはずなんです。 中央駅にも行っているし、 そこから歩いて行けない距離ではないんです。 トラムは中央駅で交差して八の字に街をめぐっています。 一日券を買うと乗り放題なので実に便利です。 話を戻しますが、 この作品は、なぜあそこで話が終わっているんでしょう? 6本指のくだりで、灰田の存在は必要だったんでしょうか? 金縛りのくだりも必要だったのか? 解決しないようなものなら、 話に入れる必要がないと思う。 この作者には何か深い意図があるんでしょうか? 解決しないなら、話にならないと思います。 解決しないのが有りならば、 この世の全ての物語は途中で話をおわらせれば村上春樹になります。 | ||||
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アオもアカもシロもクロもグレーもつまらないと言うと断言できる | ||||
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個性や自分らしさというものがもてはやされつつある今、自分の色って何だろう、 個性ってなんだろうと悩む人は少なくはないのだと思う。 自分自身もその一人で、自分なりの色を持ち自信を持って生きる人をうらやましく思うとともに、ふと自分を振り返ってみても、 自分が分からず自分は空っぽではないかとふと思うこともあって、同じように言っているつくるの言葉はとても共感した。 そして、それに対してそんなことはなく誰しも色は持っていて自信と勇気を持っていいのだというメッセージには勇気づけられた。 全体を通して非常に読みやすく、僕自身はとても主人公に感情移入しながらスムーズに読める作品だった。 そして読み終わった後、村上作品独特の何とも言えない読後感を感じている。 賛否両論はあるようで、確かにすべての読者に感動を与えるような作品でもないし、 大々的にもてはやされる程文学的に素晴らしいという作品ではないのかもしれない。 だけど今の私にとっては今後も心に残る一冊になりそうだと感じている。 | ||||
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村上春樹氏の作品を理解出来る歳になったかなと思い購入して読んだがこれは読者の覚悟がいる。 こういう「文学作品を目指してます」的な作品が受け入れられる人はいいが、「地に足が着いてない作品」を嫌う人は受け入れられないと思う。 こう何と言うか全体的に「孤独になった事が無い人が、孤独な俺はかっこいい。」という雰囲気が漂っていて自分は受け入れられなかった。ここまで読むにに苦労した作品に出会った事が無かったので、読み終わった感想が疲労感しか残らなかった。 | ||||
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村上春樹作品を多く読んで来ましたが、今回の本は例えると「ノルウェイの森」と「スプートニクの恋人」のミックスにあたります。最初の書き出しから最後まで宿命的にしがみついている「死」というテーマ(「シロ」と「クロ」などは直子とミドリさんを彷彿させる)、非日常的なキャラクターを出現させず、「暴力」をなるべく現実的に描いている点など共通する箇所も多く見られます。1Q84と比べると分量も少なく、さっくり読めました。 他のレビューにもある通り、村上春樹特有の勿体ぶった言い回し、乾燥した文章は健在です。しかし、別にそれに対していちゃもんをつけなくてもいいかとも思います。わざわざ「村上春樹を読まない俺超イケてる」と格好つけた文章をAmazonレビューに掲載する必要はないのではないでしょうか。 ただ、この本は、一度読んだ感想では、決して大ベストセラーになるような本ではないと感じています。本人も京都大学で「新作はは文学的な試みだ」とおっしゃっているので、あくまで「最新のハルキを知る」ために読むべきでしょう。 結論として、「以前から村上春樹を読んできた人は読むべき」、そうでない人はスルーしてもよい、ということになりそうです。 | ||||
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僕はドリー氏と違ってノルウェイの森を完読し涙した口だ。つまりそれは、控え目に言って、ハルキストという名誉なのかはたまた不名誉なのかよく分からない分類に属しているということなのだと思う。しかしである。そんなハルキストな僕ですらドリー氏の書評を読み終えて、心の奥底に潜んでいた何かが氷解するような爽快感を覚えるのはなぜなのだろうか。 思えばハルキストとしての自覚が芽生えたのは「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を読み終えた時からだった。この作品は彼の一つの集大成だったのではないか。そしてその延長線上に「ノルウェイの森」があった。そして「国境の南と太陽の西」という傑作でハルキのすべてが結実しそして果てた。 その後に続くのは地球の芯から湧き上がってくるような深い虚無感に襲われる作品ばかり。美しいけどメンヘラな女性をデススターが放つ牽引ビームよろしく吸いつけてしまう人物が登場するたびに「あれ、この本読んだっけ?」という既視感に似た感覚に襲われるのは僕だけではないだろう。そしてこの作品も、ごくごく控え目に言って、その例から漏れることはなかったし、どちらかと言えば、エヴァンゲリオンを見終えた後と同じような倦怠感に包まれてしまって「やっぱりね」と思った時に、そういえばハルキの作品の楽しみ方って「木を見て森を見ちゃいけない」ってことを思い出した。 筋書とかそういうことはどうでもいいのだ。伏線が放置されているとか、空気さなぎとネコの街の関係とか、そういうことに思いを巡らせず、ただただ次々と押し寄せてくる木の美しさとか珍妙さとかそういうことを一つ一つ丁寧に楽しんでいく。ある意味それは、米国ドラマのロストの楽しみ方に近いものだと思う。とはいえ、森を構成する木々にもこの作品ではスプートニクの恋人同様に息吹も鼓動も感じられなかったのだが、僕の大好きな「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」に書いてある通り「欠点の多い人間は同じように欠点の多い人間に対して同情的になりがちなものなのだ。」ということで、所詮この書評は欠点の多い戯言に過ぎないのかもしれない。 「本当の天才というのは自分の世界で充足するものなのよ。」ということで、自分が凡才でありハルキが天才であるというとっても当たり前なことを気づかされた。そんな五月日和。 | ||||
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『その瞬間、橋の上には、文字通り狂ったような馬車の往還があった』『ぼくはあのとき猛烈な射精のことを考えていたのだ』坂内正『カフカ解読』より フロイトの本で、乗物は射精の象徴であると書いてあるのを読んだことある。この本の14ページにおいて「多崎は電車に強く心を惹かれる」と書いてあるところを読んだとき、私はすぐに射精後の精液の匂いがプンプン匂うのを感じた。 35ページにおいて、多崎が他の4人から放逐されたところを読んだとき、私は、その遠因は多崎が他の4人を名古屋に残して一人東京に行ってしまったことにあると思った。 この小説は、最初のちょっと読むだけで筋書きが見えてしまう。 この人の小説は初めて読んだが、他の小説も、こんなにミエミエなのか? この村上龍之介という作家は文章が下手だ。小説の構成も悪い。特別に美しい文章でなくも良いが、せめて読みやすい文章書いてよ(ちゃんと推敲してネ!) この小説は、ほぼ多崎の視点から書かれた多崎私小説(村上の私小説ではない)なのであるが、語り手は一人称で語っていない。全知全能の語り手は、登場人物を「多崎」とか「彼女」とか、三人称で語っている。それならば、登場人物の内面や内省や意識を直接書くことができる。もっと、人物描写、もっとちゃんと書いてよ! アカ、アオ、クロとか・・・色で人物を名指ししているが、誰が誰だか分かんなくなる(アカって男だったかなぁ? メモしないとごちゃごちゃになる)。三人称で登場人物を呼ぶなら、ちゃんと本名で呼んで欲しい。全知全能の語り手は、変な呼称を普通使わない。「意識の流れ」みたいな高度な技法じゃなくても良いけど、もっと上手な技法で人物・性格描写をしないと、ダメだよ、村上潤一郎さん! 君の人物描写は拙い! はっきり言って、多崎以外は色が見えない(しかし、題名が、色彩を持たない多崎とは、こりゃいかに?)。 16年の歳月と、複雑な人間関係を描くなら、もっと明快で深く、技法的/明示的/暗示的、時間的/空間的、人物描写が必要だ。私には、この村上淳之介という作家の文章は凡庸な作文に見える。 6本目の指は、ペニスの象徴だろう。この指は白根柚木も私有している。多崎が夢精するとき、黒埜ではなく必ず白根の膣に挿入し、白根が彼のペニスを奇麗に後始末してくれる理由。それは、白根が多崎のペニスに、その6本目の指を接合するからだ。この6本目の指がないと、多崎は女性を満足させることはできない。彼にできることは射精することだけだからだ。だから、6本目の指が要る。 小説の構成について 小説の構成については、やっぱり拙い。多崎は大学2年のとき、4人の仲間から惨い仕打ちを受けたとき、何故すぐに行動しなかったのか・・・(それを言っちゃオシマイ???)。私なら、4人の家に殴り込みに行くだろう。多崎は、お金持ちのボンボン、マザコン坊やか? 結局この小説は、お金持ちの息子の射精の話か? 16年の年月の後、多崎と黒埜は和解する。でも16年の歳月は長過ぎないか? この小説は中身が薄い割には長ったらしい。そして、しつこい。 読み終えたとき、私は「こんなしょうもない小説、生まれて初めて読んだ」と思った。 白根柚木は、ある意味、この作品のヒロインである。読者である私も彼女には性的魅力を感じる。ストーリーの上では、柚木は核でもある。しかし、作者は白根柚木を、ぞんざいに扱っている。作者は柚木を死なせることによって、真相を書く手間を省いているように私には思える。柚木は、本当にレイプされたのか? 彼女は男性と同意の上で関係を持ち、妊娠したのではないか。そして彼女は妊娠した後に「多崎からレイプされた」という狂言を思いついたのでは? そして出産しようと決意した。そして「流産」した(「流産」という言葉は出産を前提とする言葉だ)。出産したあと「この子の父親は多崎である」と主張できる狂言芝居・・・。白根柚木は、セックス依存症ではなかったのか? 浜松における白根柚木殺害事件も男女関係のトラブルの臭いがする(この殺人事件は動機は怨恨だから)。しかし、それじゃ、安物のミステリー小説だ・・・ああ、もうどうでもいい・・・村上由紀夫さん・・・白根柚木をあさはかに扱って欲しくなかったです・・・。 さて、ボロクソにけなした後で、少しだけこの小説を読む価値を書こう。 それは、多崎がフィンランドから帰国後、少しだけ成長したこと。 彼の自分探しは、これからもずっと続くだろう。 しかし、348ページに書いある新宿駅9、10番線のベンチに座る多崎は、この巨大駅を、射精の代償であるだけでなく、文化として見る目を持った。私にはそう読める。 彼は、時間に几帳面な人間のようだが、その夜、新宿駅で時を過ごした後、夜中の4時半に、沙羅に電話する。それは、かつての彼には見られなかったことだろうと思う。やっと一人前の男になったかな。 彼はいまでも、木元沙羅、黒埜恵里の玩具である。 彼は、木元沙羅に、万事手はずを整えてもらって、やっと16年間の苦痛と重荷を下ろす日を迎えることができた。 彼は、黒埜恵里に「ねえ、つくる、君は彼女を手に入れるべきだよ」と言われて、やっと、沙羅にプロポーズする決意をする。 彼は、かつては、白根柚木の玩具だったかも知れない。 彼はまた悪霊に取り憑かれるスキを持っている。 しかし、彼は36才なのだから、まだ若い。何度でも悪霊に取り憑かれ、暗い海を彷徨して下さい。 最後に、村上慎太郎さん。さっさとノーベル賞とって、さっさと引退して下さい。 | ||||
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「リンカーンの言葉で、「すべての人を短い時間だますことはできる。でもすべての人々をずっとだますことはできない」」 これは2010年夏号の「考える人」のインタビューでの村上氏が引用された言葉ですが、この発言が奇しくも3年を経た今、 この様な醜い評価の中で氏はどのように受け止めるのでしょうか。 才能を使い損ねてしまうと、このような事になるというお手本のような本書です。今からが人生のハーベストに 向かう年齢だというのに・・・彼の筆力のファンでしたが、気の毒に思いました。 まず、ご自身が、共依存関係の心の病を治して、真摯に、筆を洗ってから、もう一度「孤独」を突き詰めるなり 「生きる」という題材に向き合うべきでしょう。人の心を引っ掻き回すだけの小説に何の価値があるのか疑問です。 共依存関係の解決が、今後の小説家としての課題でしょうか。身体は鍛えておられるようですが、精神面では脆弱なんですね。 多くの人が感じているように「孤独」では無く、満たされた生活の中で「満たされない精神」を書いているだけでは、反感を買うのは当然だと思います。 でも、今更、村上春樹が自分の人生をやり直す(見直す)って事は無理でしょうね。つくる君の決心もあるんだか、ないんだか(笑) もしも奇跡的にそんな事が起れば、その時こそ、この方の文才が、人の心に、闇では無く光を与える事ができるものに劇的に変化を遂げると思います。 | ||||
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きのう、武蔵野大学三鷹で、村上新作の講義。目からうろこの驚愕の内容だった。本を読まないので読んだ気になった。しかも、村上の心境になった。目からうろこ・・。 | ||||
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私は、本をあまり読みません。 主にゲームとアニメ。 ライトノベルも読んだことがありません。 そんなわけで、読書の少なさがレビューにも現れると思いますが、 どうにか脳内で変換してください。 さて、文章あまり読まない私でも、 村上春樹の作品は、結構引き込まれて読めてしまうんです。 多崎つくるもしかり。 確かにリアルと比べるむずがゆくなるセリフのオンパレードです。 そのセリフに対して、 「こんなんぜってぇ言わねぇ」とツッコミいれたくなるのもわかります。 女性蔑視的と受け取られるようなセックスまでの流れもオンパレードです。 その流れに対して、 「こんなシチュエーション有り得ねぇ」とツッコミいれたくなるのもわかります。 むしろ、ツッコミ入れる人格が現在では正常なのだと思います。 ツッコミ入れない人って、バブル時代にボディコン着た女性と踊ってた人くらいなのかもしれません。 私の場合「いいなぁ」と羨ましく思いながら読んでるので、 ムーディーな雰囲気の片鱗に触れることはできているかもしれません。 文学的なセックスの位置づけというものはよくわかりませんけど。 変態的な射精シーンは、 生々しいというか、幻想的なのか? なんといっていいのか、よくわからないですけど、 一番近い言葉で表現するなら、 ”気持ち悪い”って言葉でしょうか。 でもアレですよ。 射精は、ウルトラマンのスペシウム光線みたいなもんです。 村上春樹の射精がスペシウム光線だというわけではありません。 アニメだと必ずキメ技みたいなのがあって、 それが出てこないとテンポ的にムズムズして訝しさが残るんです。 水戸黄門の印籠って言った方が分かりやすいでしょうか。 村上春樹と言ったら、気持ち悪い射精シーン。 これがないと、村上春樹を読んだって感じしないかもしれません。 読んでるうちに、独特のモヤモヤ感がクセになってくるんです。 次に、なぜ私がこれを読めるのか。ボロくそに言われるこの本をなぜ・・・。 ちょっと考えてみました。 それは、きっと私が厨二病だからだと思います。 それにバカだから? ドラゴンボールのカメハメ波に、 「そんなん出せねぇよ!」とかツッコミ始めたらキリがありません。 カメハメ波だけならともかく、 生き返るし、異星人は出てくるし、地球は壊れるし。 村上春樹なんて可愛いものです。 村上春樹なんて、 女「ビッグバンのこと?」 男「ビッグバンのこともよく知らない」 村上春樹の宇宙ネタなんて、これがせいぜいです。 これがもし、 女「ナメック星のこと?」 男「ナメック星のことはよく知らない」 と言ったら、さすがに私も度肝を抜かれます。 抜かれつつも 村上先生さすがっす!ナメック星のこと自分もよく知らないっす!って言いながら、 春樹の本を読みあさります。 でも、村上春樹はまだそこまでには達していません。 出てくるのは人間です。 (妖精とか人間じゃないのも出てくることありますけど、ナメック星人じゃないハズです。 主人公が地球を壊したことはないハズです。 精子は出してもカメハメ波を出したことはないハズです。) これが彼の世界観で、読者はそれを楽しむのでしょう。 『村上クエスト』として、 『村上ファンタジー』として、 『飛び出せ!村上村』でもいいです。 『新生活 村上コレクション』とか。 日常系と言われる「けいおん!」なら、実生活に近いかもしれませんが、 それでも、ありえないシチュエーションばかりです。 最新作の映画版エヴァンゲリオンなんて酷いもんです。 ある日目覚めたら、今まで仲間だと思ってた人たちがみんな主人公のシンジくんを敵視してるんです。 皆が皆、秘密主義者的な人格になってて、誰もその事情を説明しようとしないし。 そして、シンジくんは、周りの人間に不信感抱いて飛び出しちゃうんです。 そんでもって、後に、親しかった友人は死んでいることを知らされる。 シチュエーション的に意味不明な上に、 後半は「ぼくはキミに出会うために生まれてきたんだね」 なんて臭いセリフの連発で堪らず苦笑い。 全然感情移入なんてできませんでした。 って、どっかで読んだことあるような。 そ、それはさて置きですね、 アニメ視聴者は、「こういう裏設定があるんじゃないか」といろいろ解釈を加えたり、 脳内変換はよくやるんです。 これは客観的に描いている体裁をとりつつ、 実は主人公シンジくんの主観で描いているんじゃないかなどなど。 あと、わけの分からない横文字。 私の場合、村上春樹の何の作品か忘れましたがやたら連発される「メタファ」という言葉すら分かりませんでした。 読み飛ばしていたのですが、あまりにも出てくるので調べましたけど。 私はあまり知識がないので、知らない言葉ってかなり出てくるんです。 アニメやゲームだとオリジナルの造語やキーワードがバンバン出てくるので、調べようもないのですが。 そのため、わけのわからない横文字っていうのは、それほどきになりません。 バカだから読めるっていうのは、このような意味です。 それに、言葉はメロディと同じように、不協和音が心に響くことがあると思うんです。 日本語の会話に不自然に入ってくる横文字。 ルー大柴が普通に日本語喋ったらつまりません。 「トゥギャザーしようぜ!!」 いいじゃないですか。 これ、ケミストリーでも面白いと思うんですよ。 「ケミストリーしようぜ!!」 うん。いけてます。 変調したような、テンポが変わったような、 12/8のイントロで進行していた「戦場のメリークリスマス」がサビのところで4/4に変わったときのような感動。 とても感慨深くて、 感慨深くて、 私はもう、笑っちゃいます。 ルー大柴のギャグに飽きるのも分かりますけど、 「ケミストリーしようぜ!!」は結構面白いと思うんですよ。 そんなわけで、村上春樹を読む際も、彼の世界観に自分を合わせる。 カメハメ波が出せなくても、 「ここで界王拳10倍カメハメ波を出せ!」と思わず主人公に感情移入して応援してしまう。 横文字は村上春樹の持ちネタです。 そんなスタンスで読むと、案外充実した読書を味わえます。 それでも楽しめない場合は、読書の合間に「巡礼の年」なんていうクラシック聴きながら、 主人公の孤独に合わせるのではなく、 ゴールデンボンバーの「Dance my generation」を聴きながら読むと 登場人物の臭いセリフも楽しめます。 ちなみに、他の小説でも脳内変換は可能なのですが、村上春樹ほど楽しめない。 読書しない自分が言うのも説得力に欠けますが、 村上春樹の文章力っていうのはすごいものがあるんじゃないかと思っています。 ↑ 自分が楽しめたから「すごい文章力」って、かなりおこがましい理屈ですけど。 私何様?専門家?評論家?ゲーマーです。オタクです。自認してます。 褒めてるのか貶してるのか分からなくなってきましたが、 私は村上春樹の作品が好きです。 心の底から☆5をつけている人からは「参考にならない」って言われそうですし、 この本がゴミだと思っている人からも「参考にならない」って言われそうですし、 っていうか、☆5を見た瞬間に反射的に「参考にならない」をポチってしてく人いるでしょう。 私のレビューって位置づけが安定しませんが、 村上春樹を楽しむ見方の一つとしてレビューしました。 自分が楽しんでいる作品に対して、 みんなが怒っているので、ちょっと悲しくなっちゃいました。 なので、こんなレビューになっちゃいましたけど。 私のように、多崎つくるがカメハメ波を放ったとしても、 バーでナメック星について語ったとしても ついていける読者でない方。 そんな方は、捨てる前に、売る前に、 「Dance my generation」をYou tubeで視聴してから、再度読み返してみてください。 | ||||
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燃やしなさい、コメンテーター含めて!日本人の精神的レベルがここまで堕ちているとは、呆れ果てます。 | ||||
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たくさんの本をいままで読みました。 誰かに伝え聞いた評判のものやベストセラーといった、自分がもともと気に入っているものでなくてもそれなりに楽しめるのが普通です。 マスコミが連日村上春樹がどうしたこうした垂れ流すので、連休だったのもあり、ものは試しと買いました。 内容はテキトウに思いつくまま人物を登場させて、たまに性的描写をまぜて、途中であんまり関係ない奴はでなくなり、結論は面倒臭いから勝手に考えてって作品。 途中でなくなった人物は、察するに話を構成する上で面倒くさくなったのだろうという感じ。coitusの場面は映画とかにするならやっぱりお色気必要だよな、って感じ。 なにが面白いんだろう。 さっぱりわかりません。 身の回りでこの本を読んで、さすが村上春樹だ、とか言ってるヒトがいました。頭がおかしいとしか思えません。 金と時間の無駄であり、読み終わった後のイライラを何にぶつけていいかわかりません。なので初めてレビュー書きました。こんなおかしなヒトが書いた本(作家とは認められない)は2度と読みません。 | ||||
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極めて村上春樹的な作品と言える。 主人公は孤独を好み、欲望が少なく、マイペースに生きる青年。 音楽を聴き、料理を作り、コーヒーを淹れ、 特に何もしていないのに女にモテる。 もう、これは藤子不二雄の漫画の主人公がなにかと のび太っぽいのと同じで、彼の1つのスタイルとして考えよう。 さて、こういう主人公が好きか、嫌いか。 それで、この本を読むか読まないかは分かれる。 後者は読んでも時間の無駄。得る物はなにもない。 ベストセラーだからといって手を出さない方がいい。 前者は、得る物があるかどうかはその人次第だが、 本を読んでいる間は夢中になれるはずである。私は前者である。 内容のの好き嫌いを越えて、文章はとても素晴らしい。 どんどんと放たれる魔法のような比喩、的確すぎる表現、 長過ぎず短過ぎもしないセンテンスの数々がつくる軽快なリズム。 こと、文章という点に限っては素晴らしい。 今までのどの作品よりも文章はキレがあった。 小さな物語だった。 『1Q84』は社会全体を含むとても大きな物語で、 読むのに時間とエネルギーを要した。 これは非常に個人的な物語。サラりと読むことができた。 読了後は、腹七分目。しかし、適度な空腹は心地よかった。 その空腹を自分の想像力で満たすのが食後の一つの楽しみでもある。 さて以下は極私的に思ったこと。 「自分の傷にしっかりと向かい合いなさい」 それがこの本の言いたかったようにぼくは思える。 何かを大きく失い、傷ついた自分とってはとても深く響いた。 | ||||
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