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七瀬ふたたび
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七瀬ふたたびの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全78件 61~78 4/4ページ
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エスパーであるという理由だけで、その人たちが国家権力に狙われ、追い詰められた末、仲間すべてが、隠密のうちに皆殺しにされるという、不条理で、残酷な物語。 国家権力が、どうしてエスパーたちを憎み、抹殺しようとするのかの理由について、この物語は全く触れていないので、より不条理さを強く感じる。 考えられるのは、日本人の民族性として、異質者を好まないということ、きわめて現世的で真の宗教が存在せず、物理学の教科書に書かれていること以外は迷信と思い、エスパーや霊能者、心霊研究者までをも、うさんくさいものとして排除する傾向があること。 総じて、守旧に固執し、感情的で、未知のものを探求しようとする論理的思考が西洋にくらべ劣っている。 西洋、特に心霊研究の先進国で、降霊術の会合や、霊媒による霊界との交信、その記録文書の公開、出版などで知られるイギリスであれば、エスパーは、少なくとも排除されることはなかっただろう。しかし、そのイギリスにおいてさえ、国家権力による弾圧で霊媒が亡くなったケースがある(潮文社刊、シルバー・バーチの霊訓第7巻所収、「悲劇の霊媒ヘレン・ダンカン」) 近年の米英では、エスパーは、超心理学の研究対象、或いは研究アシスタントとして厚遇されている。 七瀬たちの戦う相手が、国家権力でなく、単なる民間の闇組織ならば、まだ納得できる。現在放映中のテレビドラマは、そのように修正されているように思われる。さらに、七瀬が死ななければもっとよかったのだが。 | ||||
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筒井ストであった、なつかしいとおもった。 七瀬は今も通じる、いや今の時代にピッタリだ。エスパー少年も今必要とされている。 こんなうれしいことはない。筒井さん、まだ老け込むのは早いですよ。 なんて、叱られるかな? わたしはおそらく全巻持っている読んでいると胸張って言える。 それほど多才であり時に脳が私と同じに世間と違う動きをしているのではないかとさえ おもうような、奇想天外な作品も多い。その中にありて、ふたたびこの作品が 日の目をみるというのは大歓迎だ。皆様、ぜひお買い求め、お読みになってください。 ぐいぐいひきこまれますよーー 推薦いたします。 | ||||
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他人の心を読むことのできる精神感応能力者(テレパス)、火田七瀬(ひだ ななせ)を主人公にした三部作、『家族八景』『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』。その第二部にあたるのが本書『七瀬ふたたび』で、七瀬のような超能力者の孤独感と苦悩、同胞意識が、スリリングに描き出されています。 七瀬サイドに立つ超能力者として、同じ精神感応能力を持つ男の子、未来を予知できる青年、物体を遠隔操作できる念動力(サイコキネシス)を持つ黒人青年、時間旅行者(タイム・トラベラー)の娘の、総勢五名。特異な能力を持つが故の彼らの孤独感と葛藤、互いに心を許し合える同胞にめぐり会った喜びがリアルに描き出されていて、読みごたえがありましたね。なかでも、時間旅行者という超能力者を登場させたことが、話に変化と深みを生み出す上でバツグンの効果を発揮しているなあと思いました。 <とてもいい書き出しだ。夜汽車で火田七瀬の見た予知場面なのだな、と気づいたとたん――それは最初のページで気づくのであるが――スイと作品の流れに乗っていける。>にはじまる平岡正明の文庫解説文も、作品のツボを押さえたナイスな語り口。読みごたえ、あります。 | ||||
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主人公の魅力による人気で、作家としても予想外に続編を書くに至ったのではないかという気がする作品だ。 今度の作品では、主人公は孤独から解放され仲間を得る。それぞれ特殊な能力を持つ、エスパーたちだ。エスパーものの作品では能力を持つが故の不幸、迫害、逃避というのが付き物だが、本作品も例外ではない。特殊能力を有する仲間たちとの邂逅から始まって、彼らを狙う謎の組織からの逃避が始まる。 全国を舞台にした逃避行は映像的なドラマ性十分だ。三部作の中では、第一作が二時間ドラマの連作とすれば、この第二作はサスペンス映画かSFアニメと言ったところで、一番映える作品だと言える。それだけに結末は非常に悲しい。 続編であれば、七瀬の生い立ちをたどったりすることで、いくらでも再度ストーリーは創作できそうに思える。敢えて七瀬を追われる立場にして物語にけりを付けたかったというような意志を感じるあっけない作品だ。 | ||||
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超能力を題材にした作品。人の心が読めるとは、こうゆうことなのですね。筒井さんの作品はどれも飽きさせない。特にこの作品は感動がある。読んでいると、まるでSF映画を見ているような感じ。 | ||||
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ラストは、涙なしで読めません。 七瀬達の悲劇には。 | ||||
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なぜ、「ふたたび」なのか。『家族八景』という前作があるのを知ったのは随分あとの事でした。 さらに、超能力者の皆がひとりひとり倒れていったあとにまさかの更なる続編があるのを知ったの はもっとあとでした。だってタイトルだけじゃ判らないんですもの。 そんな『七瀬ふたたび』。やっぱり三部作の中では一番好きです。少年漫画や、長く続いた超能力 小説の様にどこまでも強さとスケールがインフレ化せずにうまくまとまっていたのが傑作との誉れ が高い所以だと思います。そういった意味では三作めは好きではないし、蛇足だと感じたのですが。 余談ですがこの作品が好きな理由を自分なりに分析してみたところ、一つの結論にたどり着きまし た。この物語の構成は、『水滸伝』です。ひとりひとり社会を追われたアウトローが集まっていき ユートピアを夢見るが、最後には奸計に遭い滅んでいく。個性的な主人公たちが集まっていく過程 のワクワク感や、滅びの悲壮感まで描いているところが水滸伝的で心に残るのだと思いました。ア メコミの『X-MEN』を好きなのも多分、同じ理由(笑)。 | ||||
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三回TVドラマ化されているが、 水野真紀主演のが一番好きです。 「邪悪な目」では筒井先生自身が透視能力者として登場しまっせ! 予知能力者の袴田吉彦も良かった。 多岐川裕美版はギリギリ許容範囲だが、 ショートカットの新人が七瀬を演じた作品は問題外。 火田七瀬(このネーミングセンスも抜群ですよね)は長髪美人なのが不文律である。 前作「家族八景」では孤独だったエスパー七瀬が、他の超能力者達と巡り合い、 敵対したり仲間になったりする話だが、 国家権力に敵視され、負ける話です。 七瀬たち超能力者にとどめを差すのが、 名無しの警官たちというラストは素晴しい。 雑魚でも集まれば、超能力者たちに勝てるという、 超能力をマンセーしていない素晴しいSFである。 超能力なんてものは悲劇の種にしかならんのだ。 死に行く七瀬が夢見た、超能力者が幸福に暮らせる国はまさに夢でしかない。 サイコアクションとして楽しんで、ラストは思い切り泣け! でも、続編あるけどなw どうでもいいが、赤塚不二夫が漫画化した「家族八景」はファンの間では無かったことになっているのか?w | ||||
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本作で七瀬ものはシリーズ化される事になった。前作では、エスパー七瀬を介して様々な家族の人間模様を描くという筒井にしては地道な作品だった。しかし、七瀬の魅力に抗し切れなかったのだろう、七瀬を中心とした超能力合戦を描くという本格SF風作品を次作として発表する事になった。 しかし、内容を見ると七瀬を中心とした超能力者達の孤独感、焦燥感等が中心に描かれ、やはり人間模様の描写がテーマだと思われる。特に七瀬を愛する超能力者が七瀬を庇って死ぬシーンは悲哀が漂ってくる。七瀬の苦しみは、むしろ諦観に近づいているように見える。こう考えると前作「家族八景」のテーマを引き継いでいるように思える。そして、七瀬の煩悶、孤独感は前作より強まっているのだ。 超能力合戦というSF的設定の中で人間ドラマを描き出した秀作。 | ||||
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家政婦を辞め、少しリッチにそして更に美人になった超能力者七瀬。 今回は長編で、超能力者との出会いがあります。 家族八景とは異なり、超能力者が沢山登場するので、テレパシーでの会 話のオンパレードです。 より強く行動的になった七瀬に出会えます。 しかし、家族八景の方が個人的には面白かったので星4っつにしまし た。 | ||||
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前作『家族八景』では超能力者・七瀬は主人公というよりは狂言回しであり、彼女が住み込む個々の家庭の住人たちが真の主人公でした。しかし、筒井康隆は七瀬をそれだけの存在にしておくには惜しいと思ったようで、彼女を本当の主人公に据えた続編を書きましした。それがこの『七瀬ふたたび』です。NHKでドラマ化されたりもして、私も見てました。本作は超能力者が登場する一般的なSF小説とは大きく異なります。七瀬を初めとする超能力者たちがバッタバッタと敵をなぎ倒すなんてことはありません。ひたすら描かれるのは、現代社会において超能力者が生きていくのがいかに大変なことかという、その苦労です。その辺りは筒井康隆による内部からのSF批判ととれないこともなく、ひねくれ者の筒井らしい作品と言えますね。 | ||||
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この作品は、面白い。 その証拠に、3度ほどドラマ化されている。 私は、短編ドラマ(世にもふしぎな物語)で見た七瀬ふたたびもよかったが、深夜にやっていたドラマ(渡辺ゆき主演)が一番好きだ。 この作品は、本に忠実に再現していた訳ではないが、読書したことない人はこれを見ることでも雰囲気を感じることができると思う。 なので、このドラマでも見てから、本を買ってみるのもどうだろうか? | ||||
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テレパスである火田七瀬という女性を主人公にした三部作の二作目である「七瀬ふたたび」に異端者の悲しみと憤怒を読んだ。一作目「家族八景」の七瀬はいうなれば貴種流離の悲哀であった。テレパスの能力を隠し孤独に漂流を続け、その先々で人間の剥き出しのエゴイズムのぶつかり合いを見て、また度々自分にも危機に巻き込まれそうになることでいよいよ厭世的になり且つ人への諦観の色合いを強めて他者への介入を避けていた。しかし、二作目では超能力を持つ仲間に恵まれ彼らとの共感に慰められ、また守るべき人の出現によって七瀬は強く美しく成長し展開が変わってくる。特殊能力のために「普通人」から命を狙われることになるのだが、そこで彼女の中でテレパスの使命や役割とは何か、といった超能力者としての自我もしくは正義感が芽生えることによって彼女の視野は広がりをみせた。ある側面から見れば古代遊芸民族の不条理な被差別の系譜が描かれているようにも見えるが、七瀬という女性はそれに敢然と立ち向かう、ここが現代的なテーマである。「普通人」による「超能力者」の排斥という構図はとりもなおさず、マジョリティがマイノリティを排除しようとする構図そのままである。それは人間の本能的な性質でもあるのだがそれに同情はせず諦めずに「それはどうしてか」と問いかけ猛反撃を企てる。火田七瀬シリーズは超能力者を扱っているためにSFとカテゴライズされるかもしれないがその実、人間の本性に焦点をあてたリアリズムの極致と読みとれる。 | ||||
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とりあえず、筒井作品読んだことのない人に一冊薦めるならコレですね。ジュブナイル=今でいう角川スニーカーノリ ですよね。その時代の若くてオタな読者向けに書かれているという。 しかし、今だと普通に大人向けエンタテイメントに入れられてそうな、この作品。しかも、この「七瀬三部作」筒井さんの大人向け作品の多くよりもストレートにおもしろいし。三部作中一番好きなキャラがへニーデ姫なのですが、 彼女のような良キャラがすぐ死んでしまうのに、まったく惜しくない位 主人公・ストーリーが力強いです。 | ||||
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僕はこの作品が三部作の中で一番好きですね。次の「エディプスの恋人」も作品の価値が高いことは認めるけど、ここで終わったほうが心に残る話になったような…それほどまでにこの作品のラストは痛切です。 | ||||
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家族八景の続編。美貌の女性火田七瀬は、相手の心を読むことのできる能力をもつ。そんな七瀬が出会う、いろいろな超能力者。そして七瀬たちの抹殺を狙う謎の集団。次々やられる仲間たち、七瀬たちは、生き残れるのか・・・。孤独な超能力者たちの邂逅、追い詰めながらも必死で反撃する七瀬の可憐さが、「追われる系の話」の暗さの中で光ります。これまた、何度読んでも、その度に、強い印象が残る本です。たぶん、一生忘れない本でしょう。 | ||||
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確か最初にこの本を読んだのは私が高校生の頃だったと思う。前後が定かではないが、偶然か必然かもわからないがNHKで多岐川裕美が演じているのを見た。その後再び読む事はしていないのだが17年経った今も本のイメージとドラマの中の多岐川裕美をはっきり覚えている。この本は読むほどにどんどん胸が痛くなり、七瀬の行く末を顔を隠しながら読まなければいけないくらいの切なさとどうしようもないくらいの悲しさを持ち合わせた本である。 | ||||
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家族八景、七瀬ふたたび、エディプスの恋人、この三作品を全て読むきっかけになったのがこの作品。 超能力者である「七瀬」の物語なのだが、彼女は様々な「美しさ」を備えている。 「七瀬」が触れ合う人物達との葛藤、自身との葛藤で魅せる美しさに、ドップリハマった思い出の一冊。 | ||||
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