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ホロー荘の殺人
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ホロー荘の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 21~40 2/3ページ
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小説で近年ぶっちぎりのNo1。 アガサクリスティという人は流石に世界的な文筆家だと心底思い知った。 類稀な洞察と、それを物語として展開させる力を持っている。 何度も、読みながら作者の力量に感動し、裏表紙のアガサクリスティの肖像写真に「参りました」と頭を下げました。 これはポワロシリーズの中で、最も文学的と言われる異色の作品なのですが、これがもう、下手な文学小説などより重厚で胸に迫ってくるものがあります。 作者自身、後で「この作品にポワロを登場させるべきじゃなかったかもしれない」と思ってとても悩んだそうで、実際僕が読んだ感想でもポワロの存在はかなり余計に見えました。 でも、そんなん抜きで面白い。というか文学としての凄味がある。 この作品が凄いのは全く「ストーリーありき」に見えない事。 通常、ミステリー本というものはどうしても筋道が先に出来上がり、その後キャラクターを配置して行くからでしょう、そのストーリーを生み出す人物の動機や性格描写は後付バリバリで薄っぺらいものが殆どでは無いかと思います。 しかし、この作品は、完全に人物主体に見えるのです。 それぞれのキャラクターが本当に作品の中で生きており、各個人の性格からの言葉や行動が、ごく自然につむぎ出される感じなのに、 それぞれの思惑や過去の傷から生まれるちょっとしたズレから、本当に奇妙なドラマが生まれていく。 それが神業としか思えない。 そして、その人達の心の奥の機微まで見抜いたような絶妙な心理描写に何度も打たれました。 それぞれの各人はちゃんと自分を生きているのに、それによって不可避的に事件がおきて、奇妙な結果として表れ、そして最終的に解決されていく。 それらが一切無理がなく、全部ごく自然。 どうしてここまで色んな人の心が手に取るように分かり、それを再現し、ドラマとして見せられるか、 神の視点でしかあり得ない。 あまりに凄すぎて、何度も椅子からズッコケ落ちそうになった程でした。必読。 | ||||
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クリスティは暇つぶしにちょうどいい、読んだ時間分は確実に楽しませてくれる作家、というイメージ。 いくつかの超有名作品のトリックはさすがミステリーの女王!と思うけれど、 それを除けば気の利いた小噺あるいはバカ話を器用に手際よくまとめて、ハズレはない、けど感動もない。 たとえ破綻してたり途中でこけてても心にグサッときてずっと忘れられないような小説とは対極にある。 と思ってた私がまさかクリスティで泣くとは思わなかった、しかもごきぶりで(笑)。 もちろんいちばんじーんときたのはジョンの「ヘンリエッタ」の意味が分かるところだけど。 読み終えた瞬間にはこの作品についてはミステリーは目的でなく手段なのだなと思えた。 なにか書きたいものがあってそれを読ませるための手段としてのミステリー。 そういうのじゃなくミステリーそのものを楽しみたいんだ!という人には冗長と感じられるかもしれない部分、 個性的な人物の造形、それぞれの心の揺れの丹念な描写、その結果としての不思議な行動、それがこの作品のメインだと。 でも、はたから見れば奇妙に思える行動をとってしまう人の心そのものがなによりミステリーなのだ、と気がついた。 やっぱりミステリーの女王だわ、クリスティ。 ひとつ前に読んだ『メソポタミヤの殺人』とは、レビューでは同じ高評価でも方向はまるっきり逆。 あれを読んで「しょうもねえなあこれがバカミスか」と苦笑したばかりだったのでびっくりですよ。 | ||||
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クリスティのポワロものを読むのは本作で7冊目ですが、その中で一番謎解き要素が薄いと感じる作品でした。途中からは推理をせず、普通の小説を読む姿勢で読み進めてしまいました。 また、クリスティには珍しく、お話上もトリック上もほとんどスポットライトが当たらない、また特に彫り下げられないキャラクター(ヘンリー卿やデイビッド)がいたのも、少し物足りなかったかなと思います。 ポワロの出番も本当に少ないですね(<モナミ>ヘイスティングスは名前さえ出てこない)! クリスティの推理ものは、謎解きの面白さと人物描写の上手さのバランスの素晴らしさが好きなのですが、今回は写実主義の恋愛小説にちょっと推理がからんでいるだけと言っていいくらい、文学部分の比重が大きいです。なので、直球の<探偵ポワロの名推理>ものを読みたい!!という方には、個人的に本作は余りお勧めしません。 ただ様々なタイプの愛や、すれ違う恋人たちの心の描写に関する洞察や観察の細かさは、さすがクリスティだなと思わせられました。 それにしても、ルーシーのキャラクターは心に残りますね! | ||||
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たとえば、クリスティ作品の感想で時々「なかなか殺人が起こらなくて読むのが苦痛だった」などと書かれているのを見ると、なら別にクリスティを読まなくてもいいじゃないか、と思ってしまう。 それこそヴァン・ダインなどのもっとパズル的要素の強いものを読めばいいじゃないか、と。 中期以降のクリスティ作品において殺人やトリックはむしろ添え物として考えたほうがいいのではないかと思うような作品がある、この「ホロー荘の殺人」もそんな作品の1つだ。 殺人事件が起きるまでにかなり長い時間を費やしているけれど、それまでに描かれる登場人物の描写のなかに犯人を特定するための手掛かりや動機とかかわりのありそうな事柄がいくつも明記されている。 殺人のトリックそのものは単純と言えば単純だが、それでいて心理的な盲点を突くものであり無理なく効果的に組み込まれている。 ある人物は被害者を完全に束縛しようとし、ある人物は被害者を盲目的に崇拝していた、そしてある人物は被害者を”ありのままの姿”でしか見ようとしなかった。 被害者は死の間際にようやく自らが本当に必要としていたものが何であったのかを知ったのだろう。 クリスティの得意とする人間の内面の描写、それとミステリとを融合させた作品として本作は高く評価できると思う。 ただ、やはり「パズル的」なミステリを期待する人々にとっては退屈かもしれない。 | ||||
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ポアロシリーズの中でもかなり好きな作品です。ミステリー描写は控えめですが、人物造形が素晴らしく、恋愛描写も盛りだくさんです。ラストの登場人物の心情は、クリスティー自身の気持が投影されているような気がします。 | ||||
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ポアロシリーズの中でもかなり好きな作品です。ミステリー描写は控えめですが、人物造形が素晴らしく、恋愛描写も盛りだくさんです。ラストの登場人物の心情は、クリスティー自身の気持が投影されているような気がします。 | ||||
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短編でいい内容を無理やり長くした感じ。クリスティの悪いとこが存分に発揮された作品。平凡な作品も多いクリスティだが、この作品はワーストだと思う。 | ||||
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トリックそのものが、美しく、 感動的な、珍しい作品です。 一度読んだら、忘れられない 作品になると思います。 普通小説と、推理小説の融合は、 よく言われますが、通常は、 動機レベルの結合に思われます。 この作品は、さらにもう一歩 踏み込んでいると思います。 | ||||
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トリックそのものが、美しく、 感動的な、珍しい作品です。 一度読んだら、忘れられない 作品になると思います。 普通小説と、推理小説の融合は、 よく言われますが、通常は、 動機レベルの結合に思われます。 この作品は、さらにもう一歩 踏み込んでいると思います。 | ||||
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アガサクリスティの事件で、個性的な人物がいる場合は、 ポアロはいなくてもいいのではと思うことがある。 もともと、アガサクリスティを読むようになったのは、 テレビでポアロものを見たことによるのだが、 全小説を読んでみると、ポアロはひとつのアンチテーゼのような気がした。 ポアロは一人歩きしている。 作品にとってはいいことなのだろう。 | ||||
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本書は作者ミステリー作品の中で最も「文学的」と評価する声の多い作品であるが、「文学的」であるかないかについては私は評価することはできない。 しかし、ただひとつ言えることは、本書は作者作品中で最も退屈な作品で、冗長なばかりで読むのが苦痛であった。これは、軽妙で読みやすい筆致であるはずの作者作品では通常考えられないことで、「文学的」とやらと何やら関係があるのかも知れない。 推理作品としても評価に値しない作品で、ポアロは事件の真相を「わかった」だけであって推理したのではない。私もポアロと同様、何となく真相はわかったが、真相を推理するための手がかりは何一つなく、恋愛がらみの単なる事件小説に過ぎない。 前評判(レビューの高評価)で期待して読むと、私のようにガッカリする人も多いだろう。 | ||||
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謎解きがほとんど存在しない作品。 これってミステリー?と思ってしまうことでしょう。 読者にそう思わせてしまうぐらい、 今回の作品にはポアロの出番はほとんどありません。 あったとしてもごくわずかです。 メインは人間描写、 それもおなかがいっぱいになりそうなぐらい、 たくさんの描写が出てきます。 もちろんそれには事件の要因となる人物の 描写もあります。 これは人ゆえの出来事でしょうね。 残念なのは この作品に関しては ハッピーエンドは迎えないこと。 どこまでも暗鬱な雰囲気が漂い 幕を閉じます。 | ||||
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謎解きがほとんど存在しない作品。 これってミステリー?と思ってしまうことでしょう。 読者にそう思わせてしまうぐらい、 今回の作品にはポアロの出番はほとんどありません。 あったとしてもごくわずかです。 メインは人間描写、 それもおなかがいっぱいになりそうなぐらい、 たくさんの描写が出てきます。 もちろんそれには事件の要因となる人物の 描写もあります。 これは人ゆえの出来事でしょうね。 残念なのは この作品に関しては ハッピーエンドは迎えないこと。 どこまでも暗鬱な雰囲気が漂い 幕を閉じます。 | ||||
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登場人物に厚みがあります。 人として悩み、考え、行動する。 繊細な感覚、経験、趣味趣向。 だから、単に推理を楽しめるだけでなく むしろ物語として人生とはなんぞや、 と問うことになります。 | ||||
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BBC制作のポアロシリーズを見てしまってから読んだ本書。 筋はおぼろげながらにしか覚えていなかったものの、 トリックの意外性に驚く楽しみは奪われての読書だった。 (トリックは正統派だと思います) ただ、それにも増してうならせてくれるのは登場人物の造型の深さとおもしろさ。 事件そのものを外れたところで、事件が終わったあとにも、 並の小説では味わえない感動的シーンがある。 痛切な悲しみの中にも生きることを喜ばざるをえない人間のサガや、 愛にあふれる瞬間に、ともに心ふるわせることができる。 クリスティはまことに偉大な「作家」であることを再認識することしきりの一品。 | ||||
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この作品では確かにポワロは登場するのだが、その役割は非常に薄い気がします。 クリスティー自身が、そもそも「推理小説」を書こうとしてなかったのではと言う解説があるように、この作品はあくまで「小説」を書こうとしているように思えます。 従って、トリックだとかそんなことに余り拘らず、心理描写に主体を置いて、そこで読者との勝負をしているように思えます。 それだけに、逆に、読み応えのある素晴らしい作品になったような気がします。 | ||||
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後にクリスティーが「この作品にポアロを登場させたのは失敗だった」と述べてるように ひじょーに影が薄いので、ポアロの活躍を楽しみにしてる方には物足りないと思います。 ただ…。 上質な文芸作品です。 ミステリー色や謎解き云々は途中からどうでもよくなってしまい、 愛憎の入り混じった人間関係のもつれにどんどん引き込まれ、 読後の切なさたるや、けっこー引きずりました。 ハーレクインのヒストリカルロマンス系がお好きな方なら、気に入るのではないでしょうか | ||||
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舞台は一昔前のイギリス 中、上流社会。にしても なんとまあ個性的なキャラクター群像 そのぶっとび方は半端じゃあございませんよ。こんな社交界にはまった日には 退屈しないどころか 正気を保てる自信有りますか?これがまた リアリティー豊かに描かれるものだから ひえぇ大変だわぁと思わずのせられて 一気読み。ちょっと変わった作品。 | ||||
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ロマンス(恋愛小説)とミステリの鮮やかな融合といえる本作は、本格推理としても推理マニアの盲点を突いている。 恋愛小説に抵抗が無くて、ミステリ好きな人は勿論本作は大いに愉しめるであろうが、ミステリが読みたかった人は100ページぐらいまで退屈するかもしれないが、それ以降引き込まれると思う。 登場人物は細やかに描かれていて、人物像はリアルであり、共感できる。 | ||||
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1946年作品。クリスティの自伝を読んでみると、この作品でポアロを登場させたのは失敗だったとクリスティは思っていたようだ。ミステリィという前に、恋愛小説としての表現力が心の機微をついている。登場人物の心理描写を示す表現力に感心してしまった。これは小説として既に一級品だ。確かに恋愛小説としてここまで極めて素敵な出来映えなのをポアロの登場がぶちこわしにしていると言いたかったのかな、とか思った。 女性ならではの細やかな心理描写(これがクリスティの場合、鼻につくことがない。そこがスゴイ。)。なんとなくクリスティ自身の恋愛感そのものが本作は溢れていて心を打つ。読後、心がざわつく傑作です。 | ||||
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