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茶色の服の男
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【この小説が収録されている参考書籍】
茶色の服の男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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この作品は、冒険家に憧れる元気いっぱいで好奇心旺盛な女の子の、恋と冒険の物語です。 クリスティの作品というだけで、勝手に本格ミステリだと思って読みはじめたため拍子抜けしてしまいましたが、これはこれでとても楽しめました。 とはいえ、何度窮地に陥っても懲りず、明らかな罠にも単身突っ込んでいく主人公には、ちょっとイライラさせられます。 そのうえ、こんなに上手くいくわけないでしょ!といったご都合主義な展開も多く見られます。 でも、考えるより即行動という明朗快活な主人公のおかげか、最後まで楽しく気持ちよく読めました。 また、主人公の手記の合間合間に別の人物の手記が挟まれるのですが、その書き手がやたらと主人公の脚にこだわるスケベなおっさんです。 このおっさんが作品の面白さの肝と言っても過言ではないくらい、ユーモアたっぷりで大変気に入りました。 うら若き乙女の冒険活劇にスケベなおっさんの手記が挟まれるという、言葉にすると何ともわけのわからない構成なのですが、これが絶妙なテンポを生み出して作品全体の面白さに大きく貢献しています。 クリスティの他の作品に比べると荒削りで物足りなさはありますが、読んで決して損はしない作品だと思います。 | ||||
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アガサ・クリスティーの作品と知って読んでさえ、「ええっ! これ、ほんとにクリスティーが書いたん?」と大声をあげたくなってしまうそのくらい、本作は異色の冒険スリラーでした。 確かに、〈トミタペ〉シリーズでのタペンスや、『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』のフランキーのような、嬉々として冒険に飛び込んでいくおきゃんな女性が登場します。本書の主役、アン・ベディングフェルドですね。それにしても、この若きヒロインの行動力、命がけの冒険に身を躍らせる情熱は、ちょっと尋常じゃないくらいエネルギッシュで、あっけにとられることもしばしばでした。生き生きした魅力にあふれてるのは間違いないんだけど、クリスティーの登場人物にしてはブレーキが効かな過ぎるというか。後年のクリスティー作品にはない〝はっちゃけ感〟が、半端なかったっす。 作品の構成として「これ、うざくないか。ちょっとイラッとくるわ」思ったんは、アン・ベディングフェルドの語りの合間に、サー・ユースタス・ペドラーの手記が挟まること。でも、この同時並行的な書き方こそが、クリスティーがやりたかった本作品の肝(きも)的な趣向とも言えるので、「サー・ユースタス・ペドラーの手記、なんか邪魔やねん。取っ払ってまえ」言うたら、身も蓋もなくなってしまうんやけれど。 深町眞理子の訳文。 生き生きとしたリズム感が、とても良かったです。とりわけ、擬態語、擬声語の用い方が気が利いていて、はっとするものが多かったです。 文庫本表紙カバーも、素敵ですねぇ。谷口ジロー描く、船上のアン・ベディングフェルド嬢の絵が、いかしてるやないですか。イメージ写真の多い【クリスティー文庫】の表紙のなかでは超異色ですが、私はとても気に入ってます。 | ||||
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ポアロではなく、こういうヒロインが活劇する小説を書きたいという、クリスティの思いが伝わってきます。 また、こういう男性との恋愛も描きたかったんでしょうね…。 (後年、こういうタイプは、恋愛からほぼ確実に除外されるようになりましたが) | ||||
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ロンドンの地下鉄で、男の奇妙な死に方と、医者だと言って死んだ男に近づいた男を見た主人公アンが、事件を調べるうちに、ダイアモンドを巡って“謎の敵"との攻防戦に巻き込まれていく……。冒険と、ロマンス、アフリカの大自然と、道具立ても整ったユーモアのある、上質なスパイ小説で、誰が敵か味方か、最後まで分からないという、スパイ小説ならではの面白さも満喫できます。……ただ、一連の事件の背景·原因として、“何の邪気もない”イギリス青年が“わるいやつ”の手に掛かって、せっかく掘り当てたダイアモンドを奪われ、その上泥棒の濡れ衣を着せられて苦しめられるという"事実"が、伏線になっていますが、アフリカにあるダイアモンドは、アフリカ人のものなのではないのかなあという疑問が残ります。それと、主人公が、客船で、部屋を替わるとき、同じ部屋を、外の二人の男と取り合いになって、誰も譲らずに、船の責任者に掛け合って自分の希望を通すという場面がありますが、幾らスパイ戦だといっても、ちょっと意地張りすぎの感じがします。船室ぐらいのことで、しかももっといい船室があるのに、意地を通し、しかも、人が引き下がるのが当然で、意地を通すほうが偉いという考え……勿論、紳士の国イギリスでは女性に男が譲るのが当然なのかもしれないけど、その割には後で嫌がらせされたりして、決してただでは済まされない……、イギリス人て、消して付き合い易い人たちじゃないということが、よくわかる感じがします。こういう場面が、小説の中で描かれるということは、イギリスでは日常的に、こういう意地の張り合いや見栄の張り合いが行われているということであり、それが普通だということになります。……夏目漱石が、ロンドンを呪っていた理由が、わかる気がします。 | ||||
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最初はよくわからなかったのですが、読み進めるうちに面白くなってきました。 話の進め方も2つの角度から見ていました。 おそらく、普通のミステリーではないと思います! | ||||
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活発な若き女性をヒロインに据えたクリスティ初期の冒険小説。 考古学者の娘として地味に田舎で暮らしていた主人公は、父の死をきっかけに天涯孤独、かつて憧れていた自由な女流冒険家に転身、勇躍ロンドンに出発する。 亡父の知人宅に居候しつつ職探しをするさなか、地下鉄での人身事故に遭遇、そこから新たな冒険への世界が開けていく。 事故のさい拾った紙片には、謎の数字と何かの場所を表わすような名称。 手がかりを追ううち、事件が南アフリカ行きの船に関係あることを突き止める。 舞台は一転、手持ちの有り金をはたきケープタウン行きの船に乗った彼女の前に、次々と姿を現す謎の人物たち。 女流冒険家アン・ベディングフェルドは、事件の真相を突き止め、無事冒険を完遂できるのか? 本書のヒロイン、アンは魅力的な容姿を持った活動家。 抜け目なく知恵を働かせ、ときには女の魅力で男性を利用しつつ、事件の真相に迫っていく。 若さゆえの失敗を恐れぬ行動力は、ときには危なっかしく見えるものの、そこには未熟さよりも爽快さを感じさせる明るさにあふれている。 伏線に満ちた構成、ユーモラスな会話の数々、ひねりの利いた真相など、今でいうライトノベルのような作品ではあっても、さすがクリスティー作品というだけあり、読書の楽しみを満喫できる充実した中身が詰まっている。 | ||||
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図書館で読んでいて全作品読みたくなり、購入。さすが一気に読ませますね。おもしろかったです。 | ||||
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ほとんどのアガサ クリスティーは読破しているのですが、キンドル版で集めています | ||||
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二人の視点を交互にみせる技術、どんどん引き込まれるストーリー、素晴らしいです。 | ||||
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おなじみの名探偵のかわりに若い女性が活躍する。茶色の服を着た謎の男を追って、息もつかせぬ展開と スリル満点のストーリー。最後に作者得意のどんでん返しが待っている。クリステイー作品の中でもかなり 上位にランクされる作品。楽しさとロマンスを盛り込んだミステリー。 | ||||
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読み始めてすぐ思ったのは、「あー、宝島だー」という、漠然とした感じでしたが、中盤で、仄めかしていたので、やっぱりそうなんだと。幼い頃に血沸き肉踊らせて読み耽った、あの興奮を、人まねやリメイクとは一線を画した、彼女の「宝島」を生み、世に残したいと熱望したんでしょうね。 駆け出し作家の頃としては、雄大な野望ですが、流石、後のミステリ女王らしく殺人事件を第2主題に置いて、宝物の謎、初めての航海、戦いと駆け引き、裏切り満載の「恋と冒険」をスリリングに展開してくれます。 クリスティの名声無くしては、残らなかったでしょうが、「彼女の宝島」として、心に残ります。 | ||||
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ハヤカワミステリのクリスティシリーズは、全作持っていますが、よく読み返す本とそうでない本があって、 「茶色の服を着た男」は何十回読んだかわかりません。寝る前とか、気分がめいったときに読むと、元気をもらえます。 なので、当然、ボロボロになり、何度も買いなおしています。 クリスティの冒険小説は、イギリスならではの、無鉄砲で超プラス思考の上流階級の風雲児たちが描かれています。 この本の主人公のアン・ベディングフェルドも、高名な考古学者の娘で、肉屋や八百屋に借金をしているほど貧しいけれど、 気にしない。それでも、家にはメイドがいる。こういう日常とかけ離れたところが、クリスティの世界の魅力です。 推理小説としては軽い読み物ですが、赤毛のアンやキャンディキャンディのように女の子の愛読書になってほしい本です。 | ||||
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もう30年も前に小、中、高の学生時代、ミステリーにはまり、アガサクリスティは大好きな作家でした。定番のポワロやミスマープルも良いのですが、トミーとタンペンスもコミカルでロマンスが加わり面白かった作品でお気に入りです。中でも私の中のマイベストはこの茶色い服の男です。定番の探偵は出てきませんが、ミステリー、冒険、ロマンスと三拍子揃った作品!読後は余韻に浸れます。迷惑至極ですが友達や娘にまで買って押し付けた程。しかも就職面接でも語り巻くってしまったというあきれた熱の入れようでした。アガサ読破は、高校時代の3年間かかりましたが、とても幸せな時でした。面白い作品を残してくれたアガサに感謝です。 | ||||
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甘い恋とドキドキワクワクの展開が 特徴的な本作品です。 しかし、この作品、ロマンスだからといって 出てくる女性は決して薄幸の女性では ありませんのであしからず。 じゃあどうなのかって? 彼女はなけなしのお金まで使って 事件の真相を追っていくすごい女なのです。 途中危機に見舞われてもお構いなし、 事実に突っ込んでいきます。 途中、ロマンスもあります。 それはそれはとろけるような感じです。 そこはお楽しみです。 最後はやはりすごい女らしさを フルに発揮してくれています。 女史の作品ではかなりすごい女、だと思います。 | ||||
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ミステリーというよりは、ラブロマンスに近いかもしれない。 冒険心が旺盛な主人公は、アガサクリスティの分身なのだろう。 結婚するのかしないのか、 誰と結婚するのか、 犯人は誰か、 とっても、はらはら、どきどきしました。 ps.南アフリカの描写が、自分の経験と違うような気がする。 怖さと、想像を絶するような広大な土地に大地の響きがするような感じ。 イギリスの植民地にイギリス人が訪問している場合は違うことを感じるのだろうか。 | ||||
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本書は南アフリカまでの船上と南アフリカを主舞台にした作品で、よく作者作品には南アフリカ帰りの人物が登場するが、逆に南アフリカを舞台にした作品は本書ぐらいではないかと思う。 序盤は少しまだるっこしさを感じるが、主人公のアンが船に乗り込んでからというか、ペドラーの日記が織り交ぜられるようになってから、がぜん面白くなる。 事件の黒幕「大佐」が何者なのか、冒頭に登場したきりでラスト近くで正体が明かされるロシアの伯爵、さらに主要人物のひとりの隠された正体など、どんでん返しの連続で、文句なしの傑作である。 なお、本書の登場人物のひとりは後のポアロものの『ひらいたトランプ』『ナイルに死す』にも登場するが、できればこれらの前に本書を読んでおきたい。なぜならこの人物は「大佐」ではないかと疑わしい人物のひとりなので、先にこれらポアロものを読んでいると最初からこの人物を除外してしまうことになるからである。 私は本書を後から読んだ口で、それでも充分楽しめはしたが。 | ||||
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ミステリの要素が入った冒険小説です。主人公のアンを始め、魅力的な登場人物が多いです。ご都合主義的なところが何箇所か見られますが、冒険小説だと思えば、そんなに気になりません。 ミステリとしても、クリスティーのある作品と同じトリックが使われていて面白いです。その作品も読んだことがありますが、こっちのほうが成功しているのではないかと思います。 | ||||
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この本は、アガサ・クリスティのノン・シリーズ(ポアロやミス・マープルのような名探偵のいない推理小説)のなかでは一番好きです! 何よりも、主人公のアンに共感できます。彼女の考え方、悩みや冒険心は読者を常に楽しませてくれ、読者も彼女と同じように、ハラハラドキドキしながら冒険を楽しむことができます。ストーリーが終わっても、続きが気になるほど主人公を生き生きと、また物語をリズミカルに描き出すのは、アガサならでは。彼女の推理小説には少し珍しいロマンスも楽しめます! 推理小説と冒険が好きな女の子にはぴったりです。 | ||||
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初めて読んだ中学生の頃から今も変わらず大好きです。スピーディーな展開に、手に汗握って読みました。そして主人公の行動力に憧れました。いつか自分も冒険をするんだ!なんて思ったものです。あれからウン十年たってしまいましたが、読み返す度に性懲りもなく冒険の旅に出たくなってしまうのです。ミステリとしても、後の某作品より先に読んだのですっかり騙されました。たぶんこれからも何度も読み返すであろう一冊です。 | ||||
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ミステリーよりは冒険色の強い作品だと思います。主人公のアンは好奇心旺盛な女の子で少々向こう見ずなところもあり、その大胆さがスートーリーを盛り上げていくのですが、その中で、もちろんミステリーのドキドキ感があり、ロマンスのドキドキ感があり、で、なおかつテンポがよいので読みやすいことと思います。個人的には、女の方にオススメします。 | ||||
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