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64(ロクヨン)
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64(ロクヨン)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全542件 21~40 2/28ページ
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警察官の組織内の暗闘、警察官と新聞記者の駆け引きを中心に描いた横山秀夫の長編小説。 昭和64年に起きた少女の誘拐殺人事件は、警察に重大な捜査ミスがあったため未解決のまま。警察を辞めて引きこもる者、警備員で糊口をしのぐ者、14年経っても当事者のなかで「ロクヨン」は終わらず。当時事件の捜査に加わっていた県警の広報官の三上は警務部と古巣の刑事部との間で板挟みになりますが、警察庁長官が未解決事件の被害者を視察する段取りを進めるなかで、険悪だった被害者と新聞記者との関係を自らの誠意でなんとか修復。長官の視察の目的が明らかになるところで下巻へ続きます。 | ||||
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警察庁長官の視察の前日になって県警の管内で少女の誘拐事件が発生。視察は急遽取りやめになり、14年前のロクヨンと共通する何かを三上は感じ取ります。 上巻が助走とすれば、下巻は三上のテンションの高さに引っ張られる怒濤の展開。三上の娘のあゆみが行方不明のままで終わるところ、最後の謎解きがやや唐突で都合が良すぎると思うところはありましたが、体を張って仕事をしているからこそ生まれる仲間どうしの信頼、時には激しく敵対することがあっても互いへの敬意を忘れない警察官と新聞記者の関係、帰る場所である家族の存在など、行間から熱いものを感じ続けながらの読書となりました。 | ||||
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主人公の心理描写、警察組織内の隠蔽体質、救いのない登場人物たち、いったい本というものは何らかの娯楽や楽しさを期待しながら読め進めていくものだと思うのだけれど、前半は特にずっとどす黒い煮え湯を飲まされ続けられるようなストレスを始終感じていました。 一度読めばもうお腹いっぱい。リアルに気の重い案件を抱えている人はよけいに重くなるので、手に取るのは控えたほうが良いと思います。 この本を読むことの意義がさっぱりわからない。 | ||||
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マニアックな警察内部でのやり取りを、詳細に表現している点では面白かったです。 | ||||
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未解決誘拐事件での捜査ミス、事後の対応ミス、先伸ばしにした故の隠蔽工作 …その時点で公表できない(事件解決優先、被害者のみならず加害者の匿名問題その他諸々の)事情ありきでも、基本的には警察組織の都合 現実にそうなのだろうと改めて思うところですが、で、主人公の三上(警部でも刑事でもなく市民ファースト)と部下の美雲(市民に開かれた窓でありたい)のような、市民の立場で物事を判断するスタンスは…他の人にも少なからずあったにしても、行動原理は組織内の派閥であったり、上からの命令順守だったり(仕方ないけれど) 散々動き回って、結局は組織内抗争とは別件(64関連ではあるが)で殆ど無駄骨になるけれど、それが警察組織の現実描写になるのは、そこが作品としての要だから? 最後にあゆみの行方も釈然としないもどかしさもあって、もやもやとした印象が残ってしまいました | ||||
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特になし | ||||
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横山秀夫を初読み、 なかなか軽快な文体でさくさくと読了してしまった、 もっと重厚な文体で読むのに時間のかかるタイプかと勘違いしていた、 本作は主人公の精神的な凹状態が延々と続き、クライマックスで解消するが、書き込みの詳細さは純文学調にけして落ち込むことなく娯楽小説の範囲で極めて上質にまとめられていると感じた、 物語は県警内部ならびに県警広報・記者クラブの醜悪な派閥争いを基軸とする、 構成員のほとんどが売り上げを気にせずに済む組織ゆえの職員たちの組織内人事への非公務員には理解しがたいレベルの忖度が微に入り細に入りうんざりするほど繰り返される、 膨大な登場人物たちには漆原のような卑劣漢も、幸田のような正義漢も、そして二渡のように格調を湛えて組織運営を模索実行する知恵者も混在している、 そんな中、主人公三上は新任部署で袋小路に追い詰められ、それ故に刑事であればカンがひらめくはずの事態に対しても思考の広がりが残念な方向に綴じて行ってしまう、 クライマックスでは三上の勘違いはあらぬ方向へ向かって打ちのめされてしまうのだった、 結果、見苦しい職場関係の物語にも関わらず、いくつもの爽やかな人間関係が構築されることで読後感にも強い爽快さがある不思議な物語であった、 そして縷々記述されるほどに三上が物事を考える過ぎる知性と教養をもつ人物であるなら、刑事の適正がありこそすれ、努力しても松岡のような最優秀な刑事にはけして成れないタイプのようにも感じたのだった、 だから見苦しい派閥争いの果てに三上が見出したものこそ新天地だったという爽やかさもあるのだと思う、 本作はNHKで連続ドラマ化、その後に東映で映画化されている、 私は映画版のたゆたうような時間の流れと大作感あふれる美しい映像の大ファンで、NHK版も含め、どのように原作が脚色されたかに注目しながらの読書だった、 本作で繰り返される単語を引用すれば外道の読み方をしたとも思うが、映像では語り切れない点を含めいろいろと楽しめた、 映画版は前編後編の二部構成で、前編のクライマックスが交通事故被害者の人生を辿るシーンだった、 原作でも記者たちが情にほだされる様は上手に書き込まれているが、映画版の当シーンで鑑賞者の胸中に醸され湧き上がる得も言われぬ情緒はまさに監督の独壇場と言ってよい見事さだった、 他人の人生を垣間見ることで己の行く末を同時に思いながら心で泣きたい人にはぜひ映画版前篇を鑑賞してほしいと思う、 原作では詳細に記述されながら映像化で希釈されていたのが三上と二渡の高校時代からの因縁と三上と美那子のなれそめの二点、 短いカットによる挿入でもそれぞれ3分以上、観客が悩まずに済ますためには15分必要と思われ、省略もやむなしだったと思う、 上巻の後半ですでに主人公三上は精神的に破綻寸前である、 周囲に気の利く人物がいればそのまま心療内科の診察を受けさせると思うが、やはり思い詰めている妻を含めだれもそこまでの気遣いはできないキャラクタばかりが登場してくる、 気晴らしに週末に一泊旅行することなどもってのほか、内食ばかりでは夫婦関係が煮詰まるからとちょっと外食する程度の気遣いさえできないまま日常が過ぎてゆく、 結果、64模倣犯の出現によって、かろうじて三上は精神の平衡を取り戻す、 劇中、三上の感情が何度か小爆発を繰り返し小競り合いが起こるが、最終的に決定的な爆発場面の次に長い小説のクライマックスと思われる名セリフを置く名人芸は素晴らしいと思う、 映像作家が本作映像化にこだわる理由もその辺にあると思う、 三上の遭難と復帰は”レディ・ジョーカー”の合田がやはり事件を通じて心の穏やかさを取り戻すのとまったく同じだ、 両作ともにある組織の重要な時点で誘拐事件が起こり、事件によって主人公が救われる物語である、 ”64”は横山秀夫から高村薫に向けた小説体の”レディ・ジョーカー”への返信レターのような作品であり、作家同士が作品を通して対話している可能性を考えてもあながち間違いではないと思う、 両作に靴・柱に巻かれて紐など同じモチーフが登場するのも意図したものに違いない、 本作では男の警察官たちが双方入り乱れた暴力沙汰を繰り返す、 対して犯人を含めて”レディジョーカー”登場人物たちの非暴力的な穏やかさはどうしたことだろう、 自身が非暴力主義であっても創作されるキャラクタまで非暴力主義を広げるのは舞台となる場所によっては極めて不自然であり、本作の臨場感の高さと”レディ・ジョーカー”の詳細であり極めて高度の面白さがありながらも臨場感が欠ける原因になっていると改めて感じた、 そして物語は精神的に破綻寸前のキャラクタをもう一人登場させている、 キャリア官僚にして警務部長の赤間である、 面白いのは赤間の腰ぎんちゃくとして県警生え抜きの秘書課長石井を登場させていることだ、 田舎暮らしが嫌で嫌でしょうがないから手柄を立てて一刻も早く本庁に凱旋したい、つまり東京に帰りたいと焦る赤間、 我々はここで名前に赤の付く日本文学史上最も有名なキャラクタを想起しなければならない、 それは漱石”坊ちゃん”に登場する赤シャツである、 赤間・石井のコンビが赤シャツ・野太鼓コンビのパロディであることは指摘するまでもないだろう、 つまり”64”の物語そのものの底に”坊ちゃん”が仕込まれていると考えて間違いない、 長い物語のクライマックス、とうとう三上は”坊ちゃん”と同じように暴発してしまうが、原作では精神の平衡を取り戻し職務に復帰する、 だから”64”が”坊ちゃん”のパロディという発想を採用すれば、暴発後に県警を退職した三上がどんど焼きの炎を夫婦で見上げる映画版のラストは”坊ちゃん”最終ページ並に感動を誘うのだった、 原作を読んでようやくに映画版ラストがなぜ泣けるのかに思い至ったのだった、 長編であるから読者其々読むたびに新たな発見があると思う、 ある事象の観察はデータ量と判断力の相違によってどれほど違った結論になるか、無言に存在を感じられるか否か、匿名電話と匿名報道、匿名が実在を保証できるのかできないのか、そして人の持つセンスの鋭敏さはどこまで高度でありえるのか、そしてセンスは永続可能なのか、組織内の派閥対立と同時に勃発する都鄙の強烈な対立など、 私は群馬は南部しか訪問したことがなく、上野(こうずけ)地方は上越新幹線の車窓の景色しか知らない、 ”64”は山脈が近い寒冷そうな景色だからこそ拡がっているような人生の苦みに震える小説であった、 | ||||
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彼の長編はたぶんすべて読んでいるが、しばらく新刊が出なかった。 体調不良かと心配していたが、快作をもっての復帰である。 時効直前の誘拐殺人事件。 不本意にも広報官に異動させられた腕利きの刑事。 その妻との間に設けた娘は、自分の父に似た顔を醜いと言って泣き叫び、引きこもり、あげくに出奔する。 そこに生じた、地元県警の叩き上げ最高ポストである刑事部長職の中央キャリアポストとしての召し上げの策動・・・。 と並べると、複雑な伏線やしがらみが絡み合い、ねじくれ、やがて動き出していくことがいやでも分かってしまうだろう。 しかし、横山秀夫は、組織の中で煩悶し苦悩する人間を書かせると、右に出る人がいない。 大沢在昌の場合は、新宿鮫シリーズにしても、組織からはぐれた一匹狼だが、横山の作品の登場人物はどれも違う。 宮部みゆきの場合は、世間のしがらみは見事に描くけれど、組織のしがらみとは少し違うような気がする。 強いて言えば、時代小説の藤沢周平が描く宮仕えの理不尽さに近いのかもしれない。 まあ、とにかく、久しぶりに堪能させてもらった。 | ||||
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刑事と警務、キャリアとノンキャリアなど警察内部の組織問題に鋭く斬り込んだ作品です。 最後の最後まで結末が見えないワクワク感に久々に触れました。 | ||||
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横山秀夫さんの本です。 警察ネタですね。警察のなかでの、人事やら派閥やら、はたまた新聞記者対策などの話が主軸になっています。 主人公は、元刑事で、今は強面の広報官、三上。刑事魂があって、だけど、人事異動で、不本意ながら広報官をしているという立場。 さらに、三上の娘が家出をしている状況。 匿名報道をめぐって、記者達からの突き上げも厳しい。 そんな中、迷宮入りになりかけた「64」の事件の被害者遺族のもとに、警察庁長官が表敬訪問をすることに。 「64」事件とは、誘拐事件で、子どもがさらわれ、身代金をまんまと奪われて、殺されて発見された事件。 警察庁長官が線香をあげに、遺族のもとにうかがうことによって、事件を風化させない意図があった。 ところが、記者達は取材ボイコットの動きを見せる。 さらに、遺族のもとにうかがうと、「警察庁長官には来ないでほしい」と拒まれる。 いったい、遺族感情がどうしてこじれるのか? そんな疑問を抱いた三上は、「64」の事件をめぐって、警察内の不祥事を耳にする。 それと同時に、県警の刑事部長のポストをめぐって、本庁と県警の激しいつばぜり合いが。 三上は、今は広報官で警務部だが、もとは刑事で刑事派なので、心情的には県警の刑事一派だが、刑事一派からは警務部一派とみられる扱いを受けてしまう。 そんななか、また事件がおこる!! とりあえず、三上の心情描写が、ねちっこく書かれているのですが、 いささか「書きすぎ」「考えすぎ」ではないかと思えないところもないです。 また、よくありがちな派閥抗争的な様相をていしてくるのですが、 こういう時の「心の動き」がよく描かれてはいます。 また「64」の事件の真相も、後半になってくると次々と明らかになり、さらに別の誘拐事件もおこったりして、 ここいらへんの、めくるめくドライブ感は、読んでいて爽快でありました。 でも、いささか考えすぎというか、心内描写をねちっこく描きすぎで、 また事件も盛り込みすぎているような気がします。 結局のところ、三上の家出娘はどうなったんねん、とか、尻切れトンボ感があります。 さらに、別の誘拐事件が、「64」とも結びついていくのですが、ここいらへんも、時効間際の事件の真相が!!といきなりくるところは、いささか強引な感じもします。 いくつか苦言を呈しましたが、でも、文章はとてもシンプルで、読みやすいです。 なかなかおもしろい本です。 | ||||
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特にない | ||||
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特にない | ||||
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ある日の22時頃に中盤に差し掛かり、ページを繰るのをやめられず眠れなくなってしまいました。その時点で「ものすごい作品に出会ってしまったのでは」と思い、決して穏やかではない行く末を暗示する穏やかな結末に至り、傑作だと思いました。多くの人に読んでほしい、自信を持ってお勧めできる素晴らしい小説です。 | ||||
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状態が良く気持ちよく読めました。 | ||||
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本が今日着ましたが新品をAmazonポイント使い安く買えましたが見たら新品じゃなく明らかに中古本でした。 楽しみにしてた64これから読みます!ポイント使うと中古扱いになるみたいです。 | ||||
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映画版の前編後編より面白かった。 映画では、結論が写されているが、本では、結論の前で終わっており、その後のふくらみを感じさせる。 | ||||
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状態が良く気持ちよく読めました。 | ||||
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とにかく長い。 もっとコンパクトにできなかったのか? 自分としては「クライマーズハイ」の方が面白かった。 | ||||
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64 そんなに面白いか?でもこれが絶賛される小説なのだろうか。 単なる内輪モメ、社内調整、社内政治 そこそこ大きい組織で社歴がある企業なら どこにでも大なり小なりあると思う。 まあ、でもよく作りこまれている時系列というか それぞれの場面場面が丁寧に 描写もこれでもかというくらいに。 人物描写、キャラはそれなりにわかる、映画にしやすそう。 だからと言って面白いというわけでもない。 2時間ドラマレベルのほうがまだ面白い 64より科捜研の女でいいわと。 | ||||
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文句なしに好きな作品。誰にでもお勧めできる。 濃厚だが決してこってりしていないストーリーは心地いい読後感をもたらしてくれます。 冒頭から散りばめられた伏線が最後に効いてくる感覚は病みつきになりますね。 | ||||
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