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体育館の殺人
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体育館の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全172件 161~172 9/9ページ
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第22回(2012年)鮎川哲也賞を受賞した本作品は、題名からだけでは、読むことのなかった作品。 綾辻行人の「館シリーズ」を意識したのだとしたら、何と工夫のない表題だろう、と。 ところが、ミステリ通のブログなどを探っていくと、近年の新人作家の作品としては、評判は上々で、一読の価値ありと判断し、読んでみることに。 さて、その内容ですが、それは、まさに「体育館の殺人」としか名付けようもないものでした。 しかし、学校を舞台としても「学園ミステリ」によくあるような「青春」がテーマではなく、「完全な本格ミステリ」。 誰でもイメージしやすい、学校の体育館が「密室殺人」の舞台となり、その学校の風変わりな生徒が探偵役として、謎を解くというもの。 しかも、現場に残された、これもよくある「黒い傘」をヒントにロジックを展開し、推理を押し進め、解決を導き出すところは、エラリー・クイーンが処女作「ローマ帽子の秘密」で、紛失したシルクハットからロジックを展開した推理で、読者の心を掴んだことに通じるものがあります。 「エラリー・クイーンを彷彿とさせる」という、出版社の謳い文句に偽りはないと感じました。 なお、舞台となる「神奈川県立風ヶ丘高校」ですが、著者の出身地、横浜市によく似た名前の学校があります。 もしかすると、出身校かもしれません。 いずれにせよ、著者は授賞時、大学生とのことですから、社会に出た経験がなく、身近で記憶も鮮明な高校を舞台にしたのでしょう。 本作品で、ロジックを中心としたミステリの才能は実証されたので、今後は年齢を重ねる中で、経験や知識を蓄え、作品に深みと幅を加えていってもらいたいものです。 「本格ミステリ」への愛着が感じられる良作として、オススメします。 | ||||
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恥ずかしながら、本格モノは法月倫太郎くらいしか読んできていません、 本格素人の意見です。 ロジックに粗が目立つという本格ファンの方々のご指摘は、 熟練の目からはそう映るのでしょうが、 普段こういう作品を読んでいない者からしますと、 ものすごく緻密、細部に徹底的にこだわっているなという驚きがありました。 若い著者のデビュー作であることにも感心します。 殺人の動機が軽すぎたり、同級生がなくなったわりには 平然としている生徒たち、、、そういう世界観と割り切れば別ですが、 あまりにドライすぎて笑えてきました。これもある意味、 ロジック第一主義の本格を目指したからでしょうか。 (第2作、「水族館の殺人」も同様でした) カタルシスはないものの、やはり最初に思うことは、 よくぞこんな作品が書けるものだという感心です。 | ||||
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鮎川哲也賞受賞作であります。 いわゆる学園ミステリですが、青春ミステリにはあらず。舞台が学園というだけで、直球勝負、ロジック勝負、清々しい くらいにシンプルな本格物。なのでボーイ・ミーツ・ガール、青春ミステリ風味の甘酸っぱさを期待するとがっかりさせられるので御注意を。 現場近くで見つかった傘一つから展開される推理の数々は、正直なところ技巧や計算というより力技、勢いで犯人特定まで走り切ったという感じもしないではありませんが、作者の心意気やよし、今後もこの方向で執筆を続けていってもらいたいものであります。 でも、アニメネタは主人公がオタク知識を吐くくらいに自重してね。 | ||||
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本格ミステリ界に新星現るということで、期待をもって読み進めました。 ストーリーの展開力は見事と言うほかなく、評判どおりの秀作であると感じました。 ただ、ここのレビューでも指摘されているように、論理展開に粗さが目立ちます。 ロジックで魅せようというのであれば、これは決して無視できない欠点でしょう。 また、所々に挟まれるアニメオタクネタには少々ついていけませんでした。 こうしたネタを極端に嫌う人間も多いので、あまり好ましいものではないと思われます。 とは言え、青崎氏のような才能ある若い作家の登場は非常に喜ばしいことです。 将来への期待を込めて☆5つとさせていただきます。 | ||||
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高校を舞台にした本格的なトリックミステリー。 密室となった体育館の見取り図を何度も見ながら読みました。 なんてことない一本の傘から解決を導き出すアニオタ探偵(笑)、なかなか格好良かったです。 久々に読んだ本格モノで面白かった。 でも、この本の一番のミステリーはアニオタくんが何故、部室に住んでいるかだったりして・・・。 | ||||
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本格ミステリの新人賞である、鮎川哲也賞の受賞作です。 いわゆるクィーン風のロジックに、ライトノベル的な登場人物と文体でするする読めます。 各種ランキングにも入っていますし、本格ファンのみならず、これから本格を読もうという人にも勧められるのではないでしょうか。 ただ、選評で述べられている論理の穴が埋められていないのが気になるところです。 改稿はしなかったのでしょうか? それとも問題なしと判断されたのか? どちらにしても完璧さはないかもしれませんが、ロジックの妙は堪能できると思います。 | ||||
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読み終わって、「あれっ?どっかで似たような話を読んだ記憶が・・・」と来て思い出したのが、 何を隠そう今をときめく本格ミステリの巨匠有栖川有栖氏のデビュー作「月光ゲーム」でした。 「どんだけ登場人物の見分けつかないんだ」とか「こんな動機で殺人ってあり?」とか、 当時の感想も決して好ましいものではなかったのですが、いわゆるロジックに対する半端でないこだわりだけは 強く印象に残ったのがまざまざと胸に蘇ってきた気がします。 とはいえすごく変なところもあって、「何コレ?」って思ったのが次の表記(27ページ) 「〜さん、死亡推定時刻は?」 「一時間三十分前てとこだ」 「というと、今が四時三十五分ですから、午後三時五分ごろですね?」(原文ママ) ・・・・なぜ三時ごろっていわない?ちょい見ただけなのに5分単位で死亡時刻がわかるかっ! あと最終章で納得いかなかったのが、なんで「あんなもの」を工房が気にするんだろうか?ってこと。 あれにこだわるのは厨房までじゃないの?というのが神奈川出身の私の意見なのだが、まあ現役バリバリの大学生に 学生時代がウン十年前の自分がケチつけるのもおかしな話だろう。 ということでまだ若い作者の今後の飛躍に期待して星5つを進呈いたします。 | ||||
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鮎川哲也賞史上初の平成生まれの書き手の誕生である。舞台は高校の体育館。そしてクイーンタイプの論理展開というから本格ファンの心をくすぐる設定だ。読後の感想は確かにクイーンタイプのロジックだがやや論理に雑な面が見られるといったところだろうか。論理の粗は選考委員も指摘しているがクイーンのようにロジックで魅せようというならもっと徹底的にやって欲しかったというのが本音だ。しかし、何はともあれ一本の傘からあれほどの推理を展開させるのは見事だと言わざるをえない。新本格誕生から24年。笠井潔の言を借りて言えば第3の波の終焉を迎えた本格だが、ここに来て平成生まれの若き才能が現れたのは大変喜ばしい。この作品と作者が第4の波の始まりになることを願わずにはいられない。平成生まれの本格ミステリの書き手、青崎有吾氏と新たな名探偵裏染天馬の登場を拍手をもって歓迎したい。 | ||||
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アニメオタクの探偵ってどうなのかな。 そもそもアニメオタクの必要はあったのかな? 肝心の推理はまずまずって感じです。 しかし私が思っていた以上でも以下でもありませんでした。 それよりも殺人は本当に必要だったのか? 保健室の先生は迷探偵!? (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)ように殺人がなくても面白い作品になったのではないでしょうか。 そして何より、天馬が語っていたこの言葉がすべてを表していると思います。 「俺は、フェアプレイってのが嫌いなのさ」 以上を踏まえて星3つ。 | ||||
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放課後、体育館の舞台上で、放送部部長の刺殺死体が発見される。状況的には密室殺人。卓球部。放送部。演劇部。生徒会…。犯人は誰か?密室の方法は?二転三転する容疑者。論理的な推理と考察。堪能しました。 | ||||
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鮎川哲也賞をとった作品ですが、期待を裏切らない作品でした。 たった一本の傘から論理に論理を積み重ねて謎に至る展開は見事としかいいようがない手腕です。 ただアニメネタ?が少々あったので☆を一つ減らして4にしました。 ですが、他に不満点のない納得の大賞作品です。作者の今後の作品も購入したいと思います。 | ||||
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いやあ、こりゃなんとも出来の悪い、痛いライトノベルだな〜…。 『もぐもぐもーだも』『ちゃんと食べてから喋れ』とか、私が大嫌いな言葉、『苦笑した』『ため息をついた』とかの大乱舞。速読が得意な小学四年生のオタク小僧になら、もしかしたら受けるかも…。 ではなぜ私は千数百円も払って本書を手に入れたのか?もちろん、本格ミステリ界に新しい風が吹く瞬間を、リアルタイムで体験したいからです。 私は、綾辻も京極も森博嗣も、「すごい」と評判だったから知って読みました。だから、なんの予備知識なく、出版直後の『姑獲鳥の夏』とかを読んで、「な、なんだこの世界は!なんだこの新人は!なんだこの輝く才能は!ミステリ・ルネッサンスだ!私はこの作品を読んだめくるめく夏の日を、生涯忘れることはないだろう!」という衝撃体験を、一度でいいからしてみたいのです。だから新人発掘をやめません。 ですが、新人の面白い作品に出会う確率は0.2%くらい。 金をドブに捨て続けていると言っていいでしょう。 もうたくさんだ、もうやめようと思っても、「もしかしたら今回こそあたりかも」と思って過ちを繰り返すむなしさ。これがミステリマニアの業というものか。(パチンコをやめられないおっさんみたい) この作品、警察がスッカスカです。語り手の女子高生がスカスカです。探偵が、それなりに個性的ですがライトノベル仕様です。 ただ、証拠品の傘にまつわる論理展開だけは、なかなか面白いと言っていいでしょう。たった一本の傘だけで、よくここまで犯人を指摘する推理を構築できたものだ。これから15年くらいかけて円熟して、まともに読めるものを書けるようになってから、この『技』を披露してください。その時は、また買いますよ。 | ||||
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