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疾走
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疾走の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全273件 201~220 11/14ページ
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シュウイチが壊れていく…からから空っぽの宮原雄二…の描写はとてもよかったと思う。 が、登場人物に変態が多すぎて、正直疲れてしまう。 それでも一気に読まずにはいられない作品だった。 当然読後は脱力感でいっぱいだ。 | ||||
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ちょっとした事で人生は大きく変わる生き様を、第三者の視点で描いた物語です。日々、最悪・絶望に引きずられていく主人公。 ラストは涙が止まりませんでした。100冊に1冊あるかないかの名作だと思います。 | ||||
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非常に読ませるし、物語のスピード感がとてもいい。 いたいけな少年。家族のもろさ。性の目覚め。激しい暴力。地方都市が持つ閉塞感。 様々な要素が、でもちょっとご都合主義的で力技的なストーリー 展開の中、ぐつぐつとごった煮にされて進んでいく。 かっこいいヤクザの兄貴がいて、人生とセックスを教えてくれる姉貴がいて、 どれだけ悪態をついても真摯に少年と向き合おうとしてくれる神父がいて、 神秘的だけど、結局は自分と運命を共にする少女がいる。 時折、無理やり、ときには聖書を引用し、 死とは何か、生きることとは何かを考えさせるようなくだりが出てくるけど、 十分な説得力を持たないように思えた。無理やり物語に意味を取ってつけているような気がした。タイトルどおり、物語は疾走することに成功している。 だが、作者は、この小説を、登場人物たちを、疾走させることで、 これでもかというほど饒舌に、暴力を、性を語ることで、 読者に何を与えることができると思ったのだろうか? | ||||
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重松清といえば「青春小説」「少年小説」あるいはニュータウンを舞台にした「家族小説」というイメージがありますが、この作品はそれらとは一線を画した別物であると思います。異質なものを感じます。 とにかく負の要素が強いです。青春の輝き、少年の清々しさのようなものがまったくないです。 主人公のシュウジの背負っていたものの大きさはシュウジ一人では手に負えないものです。それが神父さんの言葉を借りれば「宿命」だとしたら、なんて悲しい物語なのでしょうか。 鬼ケンが感じさせた「スピード感」 エリが見せた孤高の「ひとり」 シュウジが頼れるのはそれだけでした。そして、それだけを胸に、皆が歩く中、「ひとり」で走りました。 15歳でゴールしたマラソンに果たしてどんな意味があったのでしょうか?それとも人間が、元々人生に意味を求めるなんてことは無意味なのでしょうか? 色々なことを考えさせられる小説でした。 | ||||
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一気に読み切った。というより、だらだら読むのは辛かった。 映画化されたということだが、映画でこの小説の詳細を表現するには、少なくとも年齢制限を設けないと無理だろうと思った。 主人公が経験するさまざまなことが、非現実的とは言えないだろうが、それでも、ストレートに映像で表現されたものを見続けるのは厳しいかもしれない。 そういう観点から、多分、映画より小説のほうが、面白いといえる。 下巻の最後、クライマックスは予測できるものではあるが、「救われた」という気持ちにはなれなかった。 「人間」という生き物の、弱さも残虐さも、「どうだ!」といわんばかりの迫力ある小説だったと思う。 映画も見てみたい(期待はほどほどにして)。 | ||||
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ほつれはじめて止まらなくなった人、家族、村。 人間の愚かで哀れで醜い様子をたっぷり描き、 少年にのしかかる運命は絶望に溢れているのに、 最後は「生」の希望に着地しているところはさすがだと思う。少年と一緒に絶望を見たはずなのに、その最後の希望を信じられるのは、 暗闇の中にいて初めて分かる本当の光のように、 その揺るぎない確かさを認識するからだろう。鈴木成一デザイン室の装丁も相変わらずすばらしい。 書店で表紙を目にした時も鳥肌が立ったが、 読了後にもう一度表紙を見て、改めてまた鳥肌が立つ。 この長い物語を見事に表した装丁だと思う。 | ||||
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僕が初めて読んだ小説です。ストーリーは中盤からご都合主義、というか転がし方に無理やり感があり、僕の興味の対象は主人公であるシュウジの心理描写一点になっていきました。特筆すべき点は、著者が痒い所に手が届く一流の観察者だということです。つまり、普段見落としがちな人間の言動の“行間”や“過程”を拾い、言語化するのが抜群に巧いのです。人間の本質を執拗に、えぐる。その力技に唸りました。スラスラと読ませる文体、そして読後感も含め“疾走”している感じはよく出ています。ただ、シュウジの姿は能動的に“疾走”したというよりも、足掻いても“運命”の掌の中で転がされてしまう、否が応にも周りの変化に巻き込まれていってしまう不可抗力さの方が色濃く映りました。オトナの世界との出会いや、家族の崩壊などの「自分の周りの世界」の急激な変化と平行して、自慰行為などの「一人称の世界」が膨張していき、少年の心は後戻りできないぐらい、老ける。そんな抜け殻になった自分すら、どこか他人事のように見ているシュウジ。そこがリアル。この話は、悲劇としてはやし立てるのではなく、ただ在りのままに受け取る物語――僕はそう思いました。 | ||||
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この本は今までの重松本とは違っていた。今まで、たとえば「ビタミンF」、たとえば「日曜日の夕刊」は短編集だが、収録されている短編の一つ一つを読む途中から涙腺がゆるんで涙が出てしょうがなかった。一方、この「疾走」は、あまりに悲惨な人生をシュウジ少年が担うことになり、途中全然泣けない。しかも原稿用紙千枚を越える畢生の大作。それがラストの結末部分で一気に涙が出てきた。この小説の主題のひとつは、「孤立」「孤独」「孤高」、つまり「ひとり」。でも「ひとり」と「ひとり」のふたりが一つになって、もはや「ひとり」ではなくなるという物語。聖書の文句もふんだんに出てきて重松もここまで人生の深みを増したか、と感動した。星5つとしたいところだが、内容があまりにも悲惨で、最後の一筋の光明に辿り着く前に脱落してしまう読者も多いだろうからあえて4つに。 | ||||
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大江健三郎の「燃え上がる緑の木」と似ている。 そのためレベルが違うと感じてしまう。 正直、パクッてると思う。 | ||||
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設定、登場人物は確かにすごい。 読み進めるたびに心が不安定になるのが分かる。ただ様々な部分で大江健三郎氏の「燃え上がる緑の木」との類似点が見られる。 そして似た内容を扱っているため単純にレベルの違いを痛感してしまう。 残念だがパクッたという印象を受けてしまった。 | ||||
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本当のことは分からないですが、著者にとっては 避けては通れなかったテーマだったのではないでしょうか。 実際に起きた事件とそれを取材した著者が抱えた苦悩が 作品全体を通して伝わってくるようです。 1人では到底かかえきれない苦悩を背負ってしまった人間は、 果たしてどのような境地に至るのか。 モデルとなったであろう事件は最悪の結果となってしまいましたが、 少なくともこの作品には多少の救いはあったように思えます。 本作品読了後は、是非「世紀末の隣人」をお薦めします。 | ||||
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著者の作品はだいたい読んでいます. 氏の得意とする,ニュータウンに暮らす,どこにでもいそうな家族の,どこにでもありそうな物語…とは一線を画す作品でした. とにかく重たい,悲しい,そして痛かった.主人公が中学生という設定も,またそういった感想の所以でしょう. 家族離散,犯罪,復讐,レイプ,殺人,逃亡…どれをとっても無縁としか言いようのない生活をしている者としては,それが例え平和ボケした人間の偽善・戯言であると失笑されたとしても,人は生まれてきたからには幸せになる権利があるなどと,祈るような気持ちになってしまうのです. 実際に起こる,少年犯罪(少年に限らずかもしれません)の背景に,この作品にあるようなことが少しでもあるとするなら,解りきったことですが,世の理不尽を再認識すると同時に,自身の無力を思い知る他ありません. 小説としては文句なし.痛すぎて,途中何度も読むのを止めようかと思いましたが,最後まで引きつけて離さないのは「さすが重松清」です. | ||||
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重松氏の個性なのでしょうが、文が短く、段落が多いんです。 そのためストーリー展開が速く、重い内容なのにスイスイと読み進めていけます。 この本だけでなく、エイジもそうだったと思います。これホント個人的なんですが、その書き方が苦手です。 で、今回も上巻の5分の4あたりまでその書き方が鼻についていました。 が、上巻の終わりあたりから下巻の半ばまで、かなり強烈な内容のあたりになって、段落が長くなりました。 一気にひきずりこまれるように読めました。内容的には圧巻だと思います。 家庭が、家族が、一人ひとりが壊れていくその様子がまさに恐ろしいほど的確に表現されています。 ただし読後はあまり良い気持ちではありませんでした(私だけかな) | ||||
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最初の方は、淡々と進んでいくところから「熱球」みたいな感じかと思っていたら後半は真逆。他の重松作品には無い筆致で、主人公や周囲の人の逃げ場の無い絶望感は凄惨でした。そして、主人公の心は表紙絵の通りだったのかもしれません。しかし、「走る」事、最後の最後まで「誰かを守る」事に対するピュアさはすごかったです。重さ、主人公のピュアさという点において、映画「レオン」を思い出しました。 また、「走りたいだけなのに」っていう気持ちでは、川上健一「ららのいた夏」 のららや、荻原浩「なかよし小鳩組」に出てくるチンピラなども同じだと思いますが、「疾走」の主人公には、もう少しだけでも走らせてやりたかったと思いました。 | ||||
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幸せになってほしいと思いながら1ページ1ページ読んでいました。あまりにも悲しい結末に涙が止まりませんでした。 | ||||
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この物語は激しい。いや、激し過ぎませんか。ここまで人間のもっている”いわゆる心の暗黒面”に次々と堕ちていく人達の姿には圧倒されます。登場人物はほとんど崩壊していきますが、中でもシュウイチの壊れ方、崩壊していく様の描き方は秀逸です。 読み出したら止まりません。これは本当です。特に下巻は止められません。でも読み終わった後、激し過ぎてこの結末しかないだろうな、と思うとそれなら最後の最後まで全員崩壊もありかな、とも思いました。 | ||||
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「浜」と「沖」、「かたぎ」と「やくざ」、「生」と「死」等、きわどい二項対立をテーマにすえているのにもかかわらず、 読んでる間中、まるで教科書を読んでいるかのような気分になりました。文体は極めて読みやすいためページを めくる手が早まりますが、それはスピード感があるってのとはまたちょっと違う気がします。全体的にもう少しはっ たり気味の"艶"みたいなものがあっても良かったかなと思います。 | ||||
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「なんで、誰一人、シュウジ(主人公)を救ってやれなかったんだよ!」という怒りとむなしさの感情の後に、「じゃあ自分なら救えたのか??」という自問自答が必ずやってくる小説である。筆者が「おまえ」と書くのは、主人公シュウジのことだけではない。読者自身のことだ。 「おまえは思う」「おまえは感じる」 「おまえ」と語りかける言葉には、「常に自問自答することを忘れるな」「物事のうわべだけを真実と思うな」という筆者の警告と、「いつも誰かが見てくれている、語りかけてくれている、つながっている。誰かが待っているんだぞ」という筆者の呼びかけがこめられていると思う。 板橋の両親殺害事件の容疑者の少年は、事件後草津の温泉に一人きりで宿泊した。少年の素性に気づいた宿の主人は、通報するのに2時間悩んだと言う。でも、宿帳に彼が書いた本当の住所を見て、「本当は、誰かに早く見つけて欲しいんじゃないか」と考えたとTVで言っていた。彼が自殺を考えないよう、隣の部屋で一晩待機したことも明かしていた。 どんなに不幸な人間にも、思ってくれる人がいる、つながってくれる人がいる……その可能性を信じたい。にんげんだから。 | ||||
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出張に出かける前に、ふらっと購入した。 往復の電車(約2時間)で上巻を読みきった。 ページをめくる手が止まらなかった。壊れていく兄シュウイチと平行してシュウジの住む町も家族も壊れていく。 シュウジは、しっかりと正しい心を持った男の子だったが、 兄が事件を起こしたのを境に「いじめ」の渦中におかれ、 父も母も親の責任を放棄し失踪してしまう。 シュウジは「ひとり」で耐えていたが、上巻が終る頃には 「穴ぼこ」のような暗く虚ろな目をした子供になってしまった。下巻も一緒に買っておいて本当に良かった。 | ||||
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「穴ぼこのような目」になってしまったシュウジに残っているのは 不思議な縁でつながれたヤクザの情婦「アカネ」と元クラスメートの 「エリ」だけだった。 故郷を捨てたシュウジはアカネを訪ねて行くが、ダンナであるヤクザに アカネとの関係を見破られ、追い詰められて事件を起こしてしまう。 逃亡したシュウジはエリに会いに行くが、エリもまた心に闇を抱えていた。 結果的にシュウジはエリを救ったが、過酷な運命を疾走し続けたシュウジの ゴールは、あまりにも哀しいものだった。巻頭から一貫してシュウジのことを「おまえは……」と語っているのは 誰なのか確信が持てなかったが、ラストで納得した。中3の息子に読ませようか、刺激が強すぎるか真剣に迷っている。 | ||||
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