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女神記
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女神記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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古事記を下敷きに,ともに男に裏切られた2人の女性のストーリー. 古代の風習やしきたりを丹念に描き, 自分の運命に抗って最後に愛した男に裏切られた女と, イザナキに裏切られて復讐し続けるイザナミ. 男の身勝手さと女の葛藤という,ややステレオタイプな男女の姿が描かれ, ラストでは,人間の女は男を許し,女神であるイザナミはイザナキを許さない. 許すのは女の弱さであって,許さないのがあるべき姿だというのが, 桐野氏の考える女性像なのだろうか? | ||||
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初めての桐野作品です。 不思議な小説でした。 古事記を新しく解釈したものらしいのですが、古事記に疎い僕にはどこを継承し、どこを創造したものなのかはわかりませんでした。 摩訶不思議な世界にも関わらず、読み進めさせていく筆者の力量はさすがだなあと思いました。 わけのわからないままでも、しっかりした世界観がある。 男と女、生と死をテーマにした物語。 ただ、残念なのは、これで何を訴えかけようとしているのか、僕には伝わってこなかった。 エンターテイメント性が高いわけでもなく、読み進めさせる力量は関心するものの、後に残るものがない。 そんな感じでした。 最初に読む本としては違ったのかな。 | ||||
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次々に新しい活動の領域を開拓している気鋭の著者によって、「古事記」の解体と再構成、語りなおしが敢行された。 ここでは「古事記」における神話的な伝承と言葉が、現代にも通底する男と女、女と男のかかわりあいの生々しい対立とぎりぎりの対決の問題として解釈され、語りなおされている。 私たちは著者とともにイザナギ、イザナミの二神になりかわって、国や山河や八百万の神を、つまりはこの世を、全世界を、産み直すのであり、そのことを通じて、父母未生以前の原始的な創世期における、人と人、とりわけ男と女、女と男の相関関係についての記憶と認識を新たにすることになる。 いっぽうそれは、国土未生の状態から初源の国産みにいたる全プロセスの追体験でもあり、柳田國男や折口信夫などの民族学者たちによって考察された南方諸島文化と本土文化の相関関係に対する現代文学からの清新な回答でもある。 「古事記」では諸神中の神として鎮座ましましているイザナギ、イザナミの二神は、ここでは愛と憎悪、怒りと悲しみの化身となり、黄泉比良坂をいくたびも往還しながら、人間的な、あまりにも人間的な、男神と女神の壮絶な争闘を繰り広げ、とどのつまりはギリシア神話にも比定すべき氷のように美しい女神の哀切な勝利宣言で全編の幕を閉じる。地球と宇宙は、母なる子宮と原子心母を軸にして繋がっているのだろうか。 私はこの下りを目にしながら、ムラビンスキー、レニングラードフィルによる「悲愴」の息も絶え絶えな終楽章の断末魔の響きを確かに聞き取ったのである。 | ||||
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