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女神記
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女神記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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古事記。この最古の名作を読むのは、なかなか大変だろう。この名作をモチーフに、主人公を通してイザナミ、イザナキの描写が後半に向け徐々に盛り上がる。ここから古事記に入っていくのもよいかもしれないなと感じた。 | ||||
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前半は桐野作品らしい人間の闇や愛憎を感じました。 が、後半はう〜ん……古事記や神話・民俗学も好きな私ですが 桐野作品に求めているのはこれではないのです。 ここまで冗長に古事記を組み込まなくても、貧しい南の島の因習に翻弄される女性達だけで、 桐野さんなら充分魅力的なストーリーを紡いだのではないでしょうか? イザナミ・イザナキに対する解釈も「さすが桐野」というものでも無いし、 ナミマとマヒトの関係性とのリンクまたは対比も、私には読み取れませんでした。 | ||||
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私でもよく知っている神様の生い立ちが紹介されていて勉強になった。 ただ、桐野文学に通底している暗さみたいなものが神様論にはまるでなじまない気はした。 神様というものに対する著者の考え方は、余りにも夢がない。 仏様の夢を見た経験から言わせて貰うと、まだ悟りとは程遠い神様と言えど、やはり人間的な感情は遥かに超越している筈で、このようなドロドロとした内容にはならない気がする。 天皇というものが、かつて派閥争いに明け暮れ殺し合っていたとしても、それは本来の神様とは本質的に無関係な気がする。 | ||||
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2回も読み直すほどの魅力に満ちた作品でした。 どちらかというと殺人や犯罪というサスペンスやミステリーが嫌いな読者の私には、桐野さんのこの作品は孤高の文学と評価します。 これを機会に「古事記」「日本書紀」を丹念に読み直す必要を感じるくらいのインパクトがありました。 巫女やイザイホー(沖縄久高島)の世界を学び、まだまだ知らない世界があることに気づかされた作品でもありました。 なお書籍の表紙の女性像も魅力的でした。 | ||||
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壮大なスケール感でまさに桐野ワールドでした!大ファンです!! | ||||
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古事記を下敷きに,ともに男に裏切られた2人の女性のストーリー. 古代の風習やしきたりを丹念に描き, 自分の運命に抗って最後に愛した男に裏切られた女と, イザナキに裏切られて復讐し続けるイザナミ. 男の身勝手さと女の葛藤という,ややステレオタイプな男女の姿が描かれ, ラストでは,人間の女は男を許し,女神であるイザナミはイザナキを許さない. 許すのは女の弱さであって,許さないのがあるべき姿だというのが, 桐野氏の考える女性像なのだろうか? | ||||
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めずらしく?ファンダジー色の強い作品です。 始まりは、どこかで聞いた事のある感じなんですけど、みるみる話しが膨らんでいきます。 日本昔話っぽいところは好きだけど、そこに「男女」的なものが入ってくるのがちょっとな。 まぁ桐野作品なのでしょうがないけど。 | ||||
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桐野夏生さんの作品は好きで殆ど読んでます。この作品は他とは少し違って、時代背景も設定も「物語風」だと思います。でも芯には女性の強さや少しの悲しさがあって、そこは桐野風です。この物語の世界観がとっても好きで単行本になったら絶対買おうと思っていました。私的には何度でも読みたい作品です。 | ||||
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桐野版神話解釈。 破綻もないし、うまくまとまっているとは思いますが、下半身で物を考えていた人が、頭でっかちになってしまったようなもどかしさが消えません。 そっちに行くよりも、谷崎でいうところの「細雪」に行ってもらえないでしょうか? そのほうが、遥かにエロチックだと思います。 | ||||
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桐野夏生さんの「女神記」を読んだ。 日本の神話に基づいて書かれた小説だ。 海蛇の島に住んでいたナミマの語りで話が進んでいく。 しかし、このナミマは、もう死んでいて、今は黄泉の国にいる。 その昔、ナミマが生まれた島では、全てが陰と陽で成り立っているとされ、ナミマの姉のカミクゥが陽で大巫女になると妹のナミマは陰なので墓守として一生過ごさなければならないというのだ。 そして、大巫女が亡くなったら、ナミマも殉死しなければならないという。 職業選択の自由もなく、お墓に監禁されて生きて行かなければならないことに耐えられなかったナミマは、マヒトと一緒に小さな船で逃げ出す。 ナミマはマヒトの子供を身籠っていたのだが、船の上で赤ちゃんを産み落とすと、マヒトに絞殺されてしまう。 マヒトはナミマの姉のカミクゥを愛していて、カミクゥと結婚するためにナミマの赤ちゃんだけが必要だったのだ。 不条理な話ばかりが続き、イザナキとイザナミの夫婦喧嘩のために、人間が毎日1000人も殺されることになると、もう有り得ないという感じだ。 神ならば、全てを達観して、適正な判断が出来ると思うのに、この神はいかにも人間的で神とは思えない。 神から人となったイザナキが黄泉の国にやって来て、もう人を殺すのは止めてくれるように頼むのだが、イザナミは言うことを聞かず、イザナキを殺し、毎日1000人もの人を殺し続ける。 イザナキもイザナミも、神と思うから理解できないが、人と思えば容易に理解できる。 人ならば、そういう煩悩に常に悩まされ続け、不条理な考えられないような犯罪もするものだ。 しかし、人も修業を積めば悟りを開き、神のように卓越した判断を下せるようになるものだ。 こういう、神も人も大して変わらない日本の神話のような状態ではなく、達観した人間になりたいものだと思った。 こういう不条理な世界は、桐野夏生さんには相応しい。 それが、桐野夏生さんが、この新しい日本の神話を書こうと思った理由かもしれない。 | ||||
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始めの方をぱらぱら読んだときには、ちょっと難しい内容なのかなと思っていたのですが、読み進むうちにどんどんひきこまれていきました。こんな女神様も存在するかも?!? | ||||
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初めての桐野作品です。 不思議な小説でした。 古事記を新しく解釈したものらしいのですが、古事記に疎い僕にはどこを継承し、どこを創造したものなのかはわかりませんでした。 摩訶不思議な世界にも関わらず、読み進めさせていく筆者の力量はさすがだなあと思いました。 わけのわからないままでも、しっかりした世界観がある。 男と女、生と死をテーマにした物語。 ただ、残念なのは、これで何を訴えかけようとしているのか、僕には伝わってこなかった。 エンターテイメント性が高いわけでもなく、読み進めさせる力量は関心するものの、後に残るものがない。 そんな感じでした。 最初に読む本としては違ったのかな。 | ||||
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結構好きな、桐野夏生さんの作品です。 この手の話は日本神話に興味のある方なら堪らないお話だと思います。 遥か南の海蛇の島、巫女の家に生まれた二人の姉妹。姉は大巫女を継ぎ、島のために祈り続けた。 妹は与えられた運命に逆らい、島の掟を自ら破った。16歳で死んだ妹は、地下神殿で一人の女神と出逢う。 掟とは言え、理不尽な事・納得出来ない事が許せない自分にとってこの話は辛かったです。 | ||||
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日本神話の大胆なスピンオフ。神話の世界の登場人物の感情面をさらりと描写して、ぐいと読ませる。古事記の冒頭のイザナギとイザナミの神話は有名だけど、彼らの生々しい言動は新鮮。 闇あってこその光、陰と陽、生と死しかり。。 むしろ死あってこその生というメッセージ。 生きているだけで美しい、その通り。だけど生に比べて死のエネルギーのほうがいかに強いことか。スズメバチには優しくしよう、って思った。 | ||||
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日本の神話は正直まったく興味がなかったんだけど、これは読みやすく面白かった。 女でありながら神でもあるイザナミの苦しみ、人間であるナミマやマヒトの嫉妬、欲・・・・・ 描かれている感情は桐野夏生が得意とする世界観そのものです。 神様ってすべてに平等で愛にあふれている存在かと思いきや、人間以上に人間的な感情をもっておられるかのように描かれている。 こんなこと言ったらおこがましいかもしれないけど、女としてイザナミの苦しみと葛藤は痛いほどに理解できました。 神と神の話であるけれど、根本的には現代の私達となんら変わらない男と女の話なんです。 神は真の神であると同時に、真の破壊者でもある。 最後に救いを求めたイザナキを冷たく切り捨てたイザナミ。 神であっても、人間であっても、やはり女の情念は恐ろしく深い。 | ||||
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次々に新しい活動の領域を開拓している気鋭の著者によって、「古事記」の解体と再構成、語りなおしが敢行された。 ここでは「古事記」における神話的な伝承と言葉が、現代にも通底する男と女、女と男のかかわりあいの生々しい対立とぎりぎりの対決の問題として解釈され、語りなおされている。 私たちは著者とともにイザナギ、イザナミの二神になりかわって、国や山河や八百万の神を、つまりはこの世を、全世界を、産み直すのであり、そのことを通じて、父母未生以前の原始的な創世期における、人と人、とりわけ男と女、女と男の相関関係についての記憶と認識を新たにすることになる。 いっぽうそれは、国土未生の状態から初源の国産みにいたる全プロセスの追体験でもあり、柳田國男や折口信夫などの民族学者たちによって考察された南方諸島文化と本土文化の相関関係に対する現代文学からの清新な回答でもある。 「古事記」では諸神中の神として鎮座ましましているイザナギ、イザナミの二神は、ここでは愛と憎悪、怒りと悲しみの化身となり、黄泉比良坂をいくたびも往還しながら、人間的な、あまりにも人間的な、男神と女神の壮絶な争闘を繰り広げ、とどのつまりはギリシア神話にも比定すべき氷のように美しい女神の哀切な勝利宣言で全編の幕を閉じる。地球と宇宙は、母なる子宮と原子心母を軸にして繋がっているのだろうか。 私はこの下りを目にしながら、ムラビンスキー、レニングラードフィルによる「悲愴」の息も絶え絶えな終楽章の断末魔の響きを確かに聞き取ったのである。 | ||||
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最近の桐野先生の作品は、 終わり方が強引なものが多かったのですが 女神記に関してはそういう感想は持ちませんでした。 風景描写もよく、題材もよい。 桐野先生独特の読みやすさも健在。 今回は毒舌もそうでもなく、 色んな意味でいやらしさの少ない作品だと思います。 古事記に興味がわいてきました。 | ||||
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ストーリーテラー、キリノの最新作は濃厚で芳醇な薫りに包まれたおはなしです。エロやグロはほとんど出てこないし、出てきたとしても所詮は神話、そういうのが苦手な方にもおすすめです。 芳醇・・といえばジャスミンの香り成分にはとんでもない物も含まれているとか・・学生のころ微生物学で習った言葉「発酵と腐敗はじつは同じ現象」・・・たびたび本編に出てくる風葬の習慣から連想されました。 陰と陽、海と陸、太陽と月、そして男と女・・真逆の性質を持つもの同士が惹かれあい、交わることによってのみ、新しい生命が生まれます。芳醇な愛(エロス)と死んで腐っていくこと(タナトス)は全く同じなのです。 唐突な終わり方も最近は慣れました・・よって☆4つ。 | ||||
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