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(短編集)
まほろ駅前多田便利軒
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まほろ駅前多田便利軒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全157件 101~120 6/8ページ
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登場人物はいわゆる底辺の人々、その上、いろんな心の傷を抱えている人々ばかり。みんな不器用だけど、心の優しさがそこはかとなく漂う人ばかりです。ノスタルジックな感じ。アナログな感じ。とても穏やかな気分になれました。 私、特に行天さんに、魅かれました。同級生の小さないたずらが重なって大怪我をした過去をうらむでなし、責めるでなし。そこに偽善っぽいにおいが全くしない。 そうそう、ここに出てくる人々みんな、誰一人として「不幸」を人のせいにしていないんです。そこがすごく好き。 ただ、多田が行天の元妻と出会うシーンがちょっとできすぎだし、その元妻が、初対面の多田に対し、人工授精とか同性婚をカミングアウトするのはありえない気がするんだけど、いかがでしょう。 | ||||
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とにかく現実にありそうでなさそうでの話。個性豊かな登場人物のどこに重点を置いて読むかでだいぶ変わってきそう | ||||
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これは評判を聞いていたので、 読んでみました。 心に傷のある、 便利屋の男。 彼が仕事先で拾ってしまった高校時代の同級生は、 彼より、さらに風変りな男だった。 成り行きで居候させてしまうことになり、 しかし、 町の小さな難題が転がり込む便利屋で、 不思議なふたりの生活によって、 何とか仕事をこなしてきた。 言うべきことを言わずに、 時間は過ぎていく。 お互いに詮索はしないけど、 大切なことを感じつつある。 そして、ある事件で、 ふたりは引き返せないことを知る。 そこで、強制終了を試みるのだが…。 やぼったい男二人が主人公で、 東京の片隅、 という、なんとも微妙な都会と言いきれない町が舞台。 ゆるい時間の流れと、 緊張感のある瞬間のギャップが秀逸でした。 | ||||
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映画化を前に読んでみたものの、すっかり世界観にはまってしまった。キャラクターの設定やストーリー展開がみごとで次と次とページをめくってしまう。久しぶりに満足行く本に出会った。 | ||||
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三浦しをん、初体験です。最初に読む作品がこれでよかったのかどうかわからないけど、なかなかよかったと思います。主人公が便利屋さんだから、多田・行天のコンビで”日常の謎”的な、殺人だとか大掛かりな事件じゃなくてちょっとした街の事件のようなものをひも解いていくような作品だと思って読み始めたものだから、途中で、「あれ、なんか違うぞ」と思ったのだけれど、そのまま先が気になってのめり込むように読んでしまいました。 そう。のめり込むって感じでしたね。私は読む本の8割ほどが推理小説で、おもしろい!と思ったものは一気に読んでしまうのですが、そういうスピード感ではなくて、先が気になってしょうがないのだけれど、でもじっくり読みたい、そんな風に思った作品でした。 主人公の便利屋多田啓介は、どうやら内に秘めた過去があり、高校時代の同級生・行天春彦は、生い立ちにどうやら暗い影があり、それが人格形成にも影響した模様。一癖も二癖もある二人だが、決して友人という間柄ではない。なのに、奇妙な同居関係は1年以上にも及んだ・・・その間に起きる出来事から、二人の意外な過去が明らかになっていく。この過程はミステリともいえなくもないが、人生を見つめ直すとか人生の再出発などという安易な言葉では表現しきれない様々なエッセンスが詰め込まれていて、いろいろ考えさせられました。生きるっていうのは難しいのかな。楽になる、赦す、赦されるっていうのは、口で言うほど簡単じゃないのかな。 親の愛に飢えた冷めた小学生に多田はこう言う。「親がおまえの望む形で愛してくれることはないだろう。だけど、誰かを愛するチャンスはある。生きていればずっと。」 この台詞、好き。 冷めているようで意外と世話焼きで熱い多田と行天のコンビ、まだまだ続いてほしいです。 | ||||
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最初は大学の図書館で借りて読んだのですが、気に入ったので続巻と共に購入しちゃいました。 「読んでいて楽しい」、大衆小説の醍醐味ともよべる感想に見事に当てはまる小説だと思います。 映像でイメージしやすく、漫画をよく読む方なんかは想像力豊かに楽しめるんじゃないでしょうか。 多田も行天も、キャラクターが良く立ってます。 気楽に読める作品です。 | ||||
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登場人物が個性的で良かった。 軽めの小説だとは思いますが、なかなか魅力的だと思った。 「多田便利軒」とは多田さんが営む便利屋さんで、 しばしば「トラブルバスター」の役目も引き受けることになってしまうんだな。 故景山民夫氏のかの作品を自分が学生の頃読んだときも 同じ印象を持った。痛快な話だなと。 多田も行天も痛快だ。 しかしかれこれ20年ほど自分の読書の趣向が変っていないのに は愕然とした。 | ||||
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多田と行天の関係が、 女子っぽいのが最後まで気になります。 べたべた感が漂うように思われて、 落ち着きませんでした。 男の人間関係(友情)はもっとぼんやりと曖昧なものだと思います。 甘えと依存が主人公二人の背景に見え、 それがどこか男女関係に思えてしまいました。 いっそ行天を女性した方が、爽やかに読めます。 脇役も含め、人物造形は確かで、文句なく面白いです。 やっぱり、主役二人の関係は作り込み過ぎだと思います。 女子による男の友情物語に思えた1冊。 | ||||
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ここで他の方のレビュー読むまで知らなかったんですが、直木賞だったんですね。 三浦しをんさんはほかの作家さんのコラボ本で初めて知ってから何作か読ませてもらってますが、どれも共通して感じるのが、主人公とほかの人の結びつきの表現がとても繊細なこと。ちょっとしたしぐさ、声色が伝わってきそうな文体は、日々自分たちが、五感のどこかで捉えてるものばかりなので、言葉にされてもすんなり脳に入ってきます。 なんとなく毎日に忙殺されている方におすすめ。 | ||||
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三浦しをんの「まほろ駅前多田便利軒」です。初めは中年に差し掛かる男のよくある物語なのかな、と思っていながら読み進めていましたが、物語というか連作短編が進むにつれて、物語が深みを持ち始め、面白さも深みが増すごとに強力になってきました。面白い作品です。オススメです。 男の友情と、多田や行天のような、男がみんな惚れてしまう登場人物で物語の面白さは決まったも同然です。ミステリの要素も織り交ぜて、男の生き方も考えさせられる。正に痛快娯楽作品であり高品質作品でもあります。 | ||||
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キャラクターがとてもはっきりしていて、読み進むうちにそれぞれに親近感がもてる。 内容は事件なども入ってくるのに、なぜか緊迫感がなく緩い感じがしていい。 男性が書いたのかな?と思うようなクールな文体でとても好きです。 | ||||
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本書の裏テーマは「やり直しのきかないことはあるのか?」というものだと思います。 丁度、本書を読んでいるときの自分にはある手痛い出来事があり、その痛手に苛まれているときでした。 費やした時間、労力、すべてが無駄なことだったのではないかと思われ、大きな脱力感と無力感に陥っていました。 最初は、単なる話題作を読むという動機で本書を読み始めたのですが、心に傷を負い、それをひきずったままの主人公の心の推移にどんどん引き込まれ、「やり直しのきかないことはないのだ」ということを主人公が悟るエンディングを迎えるころには、自分の陥っている心境と見事にシンクロしてしまい、はからずも泣いてしまっておりました。 私の凹んだ心を軽くしてくれた本書に感謝を込めて、星5つをつけさせていただきます。 | ||||
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三浦しをん作品はエッセイから入りました。しかもジャケ買いした。 コメディタッチで爆裂した文章でした。がつがつ読み進んでいける文章で。 小説も読んでみようと選んだのが「まほろ駅」です。 面白いです。 キャラの名前が爆裂三浦しをん派だな、と思いました。「行天」ですか。思わずルビを確かめました、何度も(笑) 短編もので、休み休みでも読みやすかったです。事務所に依頼される雑事(ものすッご些事なのに一気に闇世界的なものも)をこなしつつ、キャラの心情やらバックグラウンドやらがちょっとずつ見えてくるというここは王道タイプのストーリー展開ですが。 行天の、がっちりマイペースが嫌味なほどスパイシー。 多田の、性格と勤め人だった几帳面が築く土台。 しかも二人とも結婚経験者で子どもありで、だけれどもドロップアウト的な影ありき。 いい具合に混ざったお話だなーと思います。「小指」がちょっとした小技を利かしてますが、男ふたりのあいだに「小指」って……エッセイスト三浦しをん味。 漫画化されて単行本化はまだのようですが、実写化もいけるかな、と。 刑事の早坂は香川照之さん。自称コロンビア人のルルには梨花がいい。 未成年のボス・星くんは林遣都かな。 | ||||
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他の方も書いておられるけど、いろいろな事件がある割にはどれもが軽く、 どろどろした嫌らしい人間というものがいない点で、読みやすいのかも知れないが、 それがもの凄く物足りないと感じる人もいると思う。 某直木賞選考委員の方が、「男二人の生活はボーイズ・ラブの延長のつもりか」と評され、 何言っとんじゃエロ小説家が!とか思ったりもしたが、 確かに実際の男二人生活における生々しさや、ありがちなことがすっぽ抜けているため、 どこか納得できない部分もあるのは否めない。 ただ、仰天する出来事がない一方で、 主人公の心情や、個性ある脇役がしっかりと書かれているため、 読んで面白いと思う人も多いと思う。 多田と行天が上手くやっていって欲しいなと、読み終えた跡にしみじみ思うこと受け合い。 | ||||
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三浦しをんの作品を始めて読んだ。多田と行天の同級生コンビが便利屋をやり、便利屋業を通して知り合う様々な人との関係を軽妙なタッチで描いている。 行天は高校時代、級友の悪ふざけが原因で、小指の先端を切断し、それを縫合した経験がある。「一度断ち切られたものが、元通りになどなるわけがない。」(130頁) この小説のほとんどの登場人物は、それぞれ「一度断ち切られたもの」を持っている。「一度断ち切られたもの」は諦めるしかないのか。そうではない。この小説の最後の一文(読んでのお楽しみ)が、希望を持たせてくれる。 | ||||
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素性の知れない相手と成り行きでコンビを組むことになった便利屋が、 東京近郊の市を舞台に、ローカルに珍活躍する一作。 全編を通して明らかとなる、2人が抱えるやや深刻な屈託が どう考えてもありきたりな点には難がある。 しかし軽妙な文体から来る絶妙なリズム感、 生き生きとした台詞廻しとサブキャラクターの造形 先を読みたいという読書において最も大事な要素を きちんと押さえている点は前掲の欠点を補って余りある。 文章が上手いというのは、 もしかしたらこういう作家/作品への形容なのかもしれない。 2009年5月現在、雑誌での続編連載も終了しているらしい。 単行本化がとにかく待たれる。 | ||||
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面白いと思います。 ほどほどの軽さもあるし。 テンポの良い展開も楽しめる。 暇つぶしには、とてもよい作品です。 堅い本の合間や、移動時に最適。 時間が空いたときのお供に。 | ||||
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文庫になるのを待つこと数年、 やっと読めました。 のっけからぐぃぐぃと世界に 引き込まれて、あっという間に 読み終えてしまったけど、愛すべき キャラクターがいっぱいの愛に溢れた しをんちゃんのまなざしに涙・涙 でした。 | ||||
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東京都町田市(本書ではまほろ市)を舞台にした便利屋が、高校の同級生と再会し、いろいろな事件に巻き込まれる話。 リアリティがあるような無いような微妙な話であるが、読んでいて少し考えさせられる部分がある。 夫婦関係、親子関係、友人との関係、いろいろな職業の人との関係など、仕事中心のサラリーマンが日常見落としがちな点を物語の端々にちりばめてある。 読みやすく、かつ、面白い一冊である。 | ||||
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文庫本になって、また、読みましたが、何回読んでも、あらたなるおかしみと、しみじみ感に浸りました。 便利屋の多田と、高校の同級生である行天が、出会ってからの一年間。便利屋を利用する、まほろ市民(?)とのいざこざと、徐々に、明らかになる多田と行天の過去。と、二人が抱えている心の傷。二人のキャラクターもおもしろいし、会話も笑ってしまう。で、「愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを、相手からもらうことをいうのだと」などという、含蓄ある言葉がさりげなくしのばせてあったりして、どきっとする。 | ||||
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