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クラインの壷
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クラインの壷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全126件 81~100 5/7ページ
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岡嶋二人の最高傑作と言われている作品。 SFは苦手なので読まずにいたが、全くの杞憂だった。 これは文句なしで面白い。 ゲーム開発のモニターとして仮想現実の世界を体験する青年の話だが、 やがて二つの"世界"が交錯し、本物と偽物の狭間で我を失ってゆく。 そのスリル満点な展開にどんどん引き込まれていき、 読みながら冷や汗をかいた。 迫り来る恐怖と興奮、崩壊してゆく自我。 一体この世界の何が真実で、何が真実ではないのか。 友情も愛情も何もかもが全て薄っぺらいものに感じられた。 自分はここに生き、ここに存在しているのだろうか? 読後一気にそんな感覚が襲ってきてゾっとし、 思わず周りとキョロキョロと見回して声を発してみたり、 ドアを開けて外を眺めてみたりと挙動不審に陥ってしまった。 完全にやられたという感じ。 手に汗握る展開も久しぶりに味わえたし、大満足の一冊だ。 | ||||
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最後あそこまで緊張させておいてのラスト…読後感はよくないですでも話には引き込まれますし飽きる事はないです | ||||
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すべての感覚が現実と同じように体感できるバーチャルゲームのテストプレイヤーになった主人公。 この作品が89年に書かれたというのだから作者の先見性に脱帽です。 近い未来にこんなゲームができるんじゃないか・・・?と思われる今だからこそこの本をリアリティをもって読めたのかもしれません。 通勤時の読書に・・・と思って手に取った本でしたが、途中から続きが気になって一気に読んでしまいました。 人に薦めたくなる作品です。 | ||||
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作品が出版された当時でしたら斬新な感じで良かったのでしょうね。しかしながら現在はバーチャルリアリティの世界もかなり現実的なものになってきているので、作品の内容自体が非常に時代を感じてしまいました。 作中ででてくる単位「テラ」も当時は途方もない容量だったと思うのですが、現在は現実的な容量なので、、「テラ」でもクライン2を実現する事は不可能だし、って思ってしまいます。 内容も現実と非現実が交錯してしまい今自分がいる世界はどっちの世界??ってもうありふれた感じですね。 「昔の作品」として、名作映画でもみる感覚で読まれるとよいのでは、と思います。 | ||||
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率直にいおう岡嶋二人という作家はあまり好きではない。ただこの作品は凄すぎる。。井上&徳山のコンビ解消作となる一冊だが、その影響で 後に井上夢人(いのうえゆめひと)として再デビューを飾る彼の世界観が顕著だ(基本的にプロットは徳山が担当していた由)。 なぜ嫌いかは一言では表せないが、面白いことに本編後の解説で新井素子女史が絶賛している理由の真反対のスタンスだ。本当に呆れるぐらい 反対(この人の書き物とは常に逆になるのよ)。簡単にいえば人間の当たり前の部分を穿ちすぎな所が駄目なのね。女史はそれが地に足の ついた人間像と絶賛しているが、一個人的な意見からいえば地に足がつきすぎ、つーか地面にすらめりこんでるだろ(笑)。どんだけ忍耐力 強いんだよ。だがその点、凋落のスリルと新しい血がもえたぎる本作品は変にストイックな不自然さなしに強く感情移入させて一気に読ませる。 さて、本作品の内容はゲームブックの公募に送った作品がひょんなことから、ヴァーチャルリアリティ体験ゲームの原作として採用されて しまったことから始まる上杉青年の喜劇・悲劇だ。 ゲーム開発上の試験モニターとして、実際に仮想現実の世界に入るが何やら判らぬ違和感に異変、そして陰謀と盛り沢山だ。クライマックスに 向けての興奮は筆舌に尽くしがたい。そして砂上の楼閣が崩壊したとき、そこにあるのは驚愕?恐怖?虚無?それとも背徳? 思うに作中人物・真壁七美(まかべななみ)に恋した俺は負け組みなのか?勝ち組なのか?永遠に謎だ。この点、共感者は多いんじゃないだろう かと勝手に思う。 ちなみに、NHK教育で井上夢人脚本でドラマ化された際に七美を演じたのは佐藤藍子ちゃんでした...前田愛ちゃんならよかったのに(ボソッ)。 | ||||
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現実と区別がつかないほど高度なヴァーチャル・リアリティを実現した『クライン2』 というSF的設定により、クラインの壺の世界(つまり、現実と虚構がねじれながら、 裏返しに連続する特異な世界)を現出させた本作。 主人公は、現実世界とゲームの世界が交錯し、侵蝕し合うさまを目の当たりにすることで、 なにものも信じられない心理状態へと追い込まれ、究極の選択を迫られることになります。 ところで、ミステリ小説には、読者に作中現実(上位レベル)と作中作(下位レベル)といった 叙述レベルを意図的に混同させるメタフィクション形式のトリックがありますが、本作の場合、 真偽を判定できる最終審級となる外部(メタレベル)が存在しないため、真偽決定が不可能 となっています。 そのため、真相を宙吊りにする本作の結末を、ミステリとして邪道だと断ずる向きが いても、当然だとは思いますが、その一方で、テクノロジーの発達によって、我々の 身体感覚が容易に揺らぎ、真実が何であるかは時代と共に変遷していく、といった 厳然たる真理があることも、忘れてはならないでしょう。 | ||||
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テストプレイヤーとして、ゲームブックの原作者が仮想現実の世界に浸る。 これは現実なのか、それとも・・・。 すっきりしない読後感がむしろ好感。 仮想現実を体験できるゲーム『クライン2』 こんなものが我々の現実の世界でも登場したとなれば、それはすなわち私の引きこもりを意味する。 恐ろしい・・・! それにしても岡嶋二人作品は読みやすいことこの上ない。 400ページを優に超えるのに飽きさせることなく、こんなにもあっさり読了へと導くとは。 「はじめのところから始めて、終わりにきたらやめればいい」 怖いよ、クラインの壷・・・。 | ||||
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彰彦が、自らが手掛けたゲーム原作を用いたバーチャルリアリティー体感装置「K2」に入り込んだ時から、逆転が逆転を呼ぶ驚倒のサスペンスが幕を切って落とす! 今自分が見ている現実は本当の現実なのか?周囲の人間達は本当に実在しているのか?眼前のあらゆる事象をそのまま現実として認識している人間にとって、これ以上の究極の恐怖はないだろう。そんな悪夢に、大胆にも紙の上で挑戦を試みたのが、この「クラインの壺」だ。奇しくも当作が岡島二人の最終作というのもまた感慨深い。 鬼気迫る鮮烈な展開はもとより、作品の完成度を鉄壁足らしめているのは、梨紗と七美という現実と虚像における二人のヒロインの存在ではないだろうか。失踪する梨紗と入れ替わるように現れる七美。梨紗に執心の彰彦は次第に七美へと傾倒してゆく。彼女達への実直な想いとそれ故の酷薄なジレンマが究極のミステリ劇を一層引き立てているのだ。 待ち構える衝撃のラストは評価が分かれそうだが、私は作品の方向性として必然の帰結だと思う。だがあの判断、果たして彰彦にとっては、ある意味の最良の形といえるのだろうか?それとも…? | ||||
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読後感はすっきりしないものがあってよかった。 結局今どっちの世界にいるんだってのがわからなくて不安感があった。 おもしろかったです。 | ||||
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仮想現実の世界を体験するというゲームのおもしろさに惹き込まれて一気に読んだ。ゲームの展開がおもしろかっただけに、最後の結末はちょっと物足りなかったのだが、それでも十分に楽しむことができた。こんなゲームが実用化されたらと考えるとおもしろいと思うのだが、それ以上に恐怖心が植えつけられる作品でもあった。 さらに、本書が初出版されたのが1989年ということに驚いた。まだファミコン全盛期の時代に仮想現実の世界を体験するゲームという発想を考えたことが素晴らしく、2008年の今でさえも十分に通用すると思う。 | ||||
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2005年発売となっていますが 初版は1989年の作品です。 なので、肝であるパソコン関連の描写が時代を感じさせてしまい 個人的にはいまいちのめり込めませんでした。 設定もいいのですが現代から見ると「かわいいなぁ」といった感じで 悪く言えば幼稚・稚拙に見えてしまいます。 出た当時に読んだならリアリティがあってのめり込めたかもしれません。 時間は残酷だと思いました。 | ||||
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読み終わった後の次の日、何度もほっぺをその日、つねってしまった。 一言で言うと、酷く怖かった。 ミステリーでもサスペンス、はたまたホラーでもないのにも関わらず、だ。 現実とクラインの世界が入り混じって、本当の現実がどれだか分からなくなってしまう。 その前に、本当に私達がいう「現実」は存在しているのだろうか。 悲しいほどにこの本の世界へと引っ張られてしまった。 愛、友情、約束、絶望。そんなものが薄っぺらい「本当」だとしたら 全てが否定される、真実そんな世界が本当なのだとしたら、 私の築いてきたもの、すべてが偽だったら。 年が浅かった時期とは違って、何にも疑いを持つ事がなくなった私達は このクラインの壺ではない、「クラインの壺」の中に現に入っているのかもしれない。 新たに自分の周りを、そして自分を見直す機会を与えてくれた本だった。 | ||||
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「ええ?じゃあ結局…」 ラストの一文を読み終わったときの気分が上のような感想でした。 主人公はあるSF小説を書き、それを新人賞のようなものに応募します。大きく選考基準からはずれたその作品(長さが選考基準の何倍もあった)に目をつけたあるゲーム開発会社から「この物語をゲーム化したい」との電話が…。 試作品に触れて大興奮の主人公。 待ち続けること1年半、いよいよプロトタイプができたということで主人公はゲームのテストをある美少女と行うことに。 ターニングポイントはパートナ―の女性の失踪。 そこから物語は動き始めます。 果たして自分の感じている感覚が正しいのか? 信頼できる女性の言っていることが正しいのか? 通常見慣れた世界で起こる決定的な違和感。 ラストのラストまでその違和感を引っ張りながら、「ぴとっ」と張り付くようにストーリーが展開します。 特に中間部からはキーになる(と思われる)情報がいくつも出て、物語がガンガン進んでいきます! 派手なアクションが無い分、じわじわと侵食するように物語が入り込んでくる名作。 お勧めです! | ||||
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とにかく衝撃を受けました。読了後なんとも言えない気分に・・・ 主人公である彰彦はある日、自分が原作者となった仮想現実のゲームにテスターとして招待されます。 そこで出会うのは梨紗という美しい女性。二人はすぐに打ち解け、仲は深まります。 すべては順調に進んでいるはずでした。ある事件が彼らの身に降りかかるまでは・・・ 衝撃を受けた点はいくつもあるのですが、ネタバレしかねないので触れることができません。 主人公に感情移入しすぎるあまり自分自身も主人公と同じ恐怖と疑問を抱く、それほどのリアリティを持った作品です。 驚いたことにこの作品が作られたのは、1989年ということです。 しかし本作は今読んでも全く違和感がありません。 それどころかこれから後何十年もほぼ改稿することなく読み続けられるのではないかと思います。 それほどに完成され、先を見据えられた物語です。 空想と現実、真実と嘘が入り乱れた不可思議な世界を恐怖と共に体験できるお話でした。 | ||||
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この作品のレビューで怖いと思った人が多そうだが、私にとっては何かむなしさが残る作品であった。 私たち人間一人ひとりは、あるいはすべての生き物は、神か、創造主か、何者かによって組み立てられたプログラムの上を歩いているだけである。 そう、この世界は夢幻、虚構、フィクションである。 岡嶋二人、個人的に好きな作家の一人であるが、好きになれない作品であった。 | ||||
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かなり昔に書かれたものなのに、ストーリーが非常に斬新。内容は、主人公が体験ゲームのバイトをする、というのを軸に展開していくのですが、バーチャルと現実の世界を行ったり来たりするうちに、主人公も読者もその境界線がどんどん分からなくなる。それが非常に怖い。現代のいかにもの3Dバーチャルでなく、15年前的なゲームの世界観がまた良かった。ミステリーがサスペンスかSFか、分類は難しいと思う。最初の50ページ読んだ後は、もう一気に最後まで読んでしまっちゃいます。また終わり方も、後をひくような、ゾクっとする怖さを残します。 | ||||
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岡嶋二人の最後の作品であり、井上夢人の実質的なデビュー作である。 読み始めて最初の内は、作者だけがヴァーチャルリアリティ・システム 『クライン2』を楽しんで書いていて、その楽しさが読み手まで伝わって 来ないような印象を受けた。 主人公が『クライン2』の目的に疑問を抱き始め、謎を追っていく中盤 以降はスピード感ありテンポよく一気に読める。 特に研究所に潜り込むあたりのシーンはスリルがあり、物語に引き 込まれる。読みやすい文章であり、作者である井上氏の力量だろう。 だが、最後の落ちが物足りない。 まだ何かあるんじゃないかとページをめくったら、 そこは新井素子さんの変な解説だった。 良くも悪くも、井上夢人の世界観を反映した作品である。 ただ、井上氏が我がまま?を言ってボツにしたという徳山バージョンも 読んでみたい気がする。 井上先生、書いてくれないかな。 | ||||
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メビウスの輪を知ったのは、小学5年生のときだった。 紙には表と裏がある。わざわざことばにしなくとも、そんなことわかっていた。 では、その表と裏をつなげたらどうなるのだろう。 表も裏もなくなってしまう、という先生の説明はしっくりこなかった。 表だけになってしまった。そっちの方がしっくりきた。 だけど、表が裏を殺した、表が裏を食べてしまったようでこわかった。 クラインの壺という空間のイメージはよくわかりません。 この本を読んで沸いたイメージは、むしろ、 メビウスの輪を平行に並べ、その間を行き来するような世界です。 この小説で、表や裏を提示する必要はないと思います。 自我を持ってしまうと、もう自我のない世界には戻れない。 それと同じように、 一度入ったらもう戻れない世界、それがクラインの壺。 主人公も読者もいっしょ。だから、ホラーとは一味違う恐怖が沸いてくる。 RPGが味だから。 僕は自分がいる方が表で、自分が進む方が前だと思っているつもりです。 | ||||
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はじめて岡嶋作品を読みました。わたしはビデオゲームをまったくやりません。ただむかしからごっこ遊びは好きでしたが。 まずこの作品の元になるゲームが、ともに(?)ちゃちな感じを受けました。現実と非現実のせめぎあいは半分ほどから推測でき、プロローグとどう結びつくのか期待しましたが、これはまったく不満に思います。 ヤングアダルト向きのSFミステリーというのがわたしの読後感想です。ただ読みやすさは上級クラスです。 | ||||
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あるゲームの作者「上杉彰彦」が主人公です。 1989年の作品だそうですが、今読んでも全く陳腐感の無い斬新なアイディアに驚きます。 最初から最後まで著者のペースに見事に嵌ってしまいました。 読みながら、仮想の世界なのか現実の世界なのか良く分からなくなり、私は本当に現実の世界に生きているのだろうか、と考えてしまいました。 是非この奇妙な感覚を味わってみて下さい。 こんなシュミレーションゲームがあれば是非トライしてみたいです。 | ||||
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