■スポンサードリンク
クラインの壷
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
クラインの壷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全126件 61~80 4/7ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ストーリーは失踪した女友達を探す、探偵物ですかね。 男女のやりとりが、かまいたちの夜と似ています。 怖くはありません・謎解きです 中盤から盛り上げて面白いのですが、読者が受けるラストが2つあるので、ストレスが残るスッキリしない本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普段はあまり先読みをせずに素直にどんでん返しを楽しむ方なのですが、 そんな自分でも、最初の数十ページでラストの展開が手に取るようにわかってしまい、 初読の段階でほぼ読み分けが出来てしまいました。 その意味ではとてもフェアに書かれているともいえます。 古さを感じさせないというレヴューが多いようですが、 先駆者としての評価は理解できるものの、個人的にはどうしても古さを感じてしまいました。 バーチャルリアリティものだったら、このオチだろうという想定以外の何物でもありませんでした。 ただ、心理描写は非常に巧みで、自分の人生をコントロールしているのは自分自身ではないのかもしれないという主人公の恐怖がリアルに迫ってくるので、今後生きていく上でトラウマを残すような余韻が残りました。 やはりミステリーというよりはSFの古典的名作という印象です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
岡島二人の最終作。と言うことで、最後に読みました。 これが20年以上前の作品であることに驚愕。表と裏のリアリティの描写力に感嘆。ちょっとばかり、えって思わせるラストに疑問。 っとここで、全体の文章がこれまでの作品たちと明らかに異なっているのに気がつきますよねえ。他の作品では、全体に明るい軽やかな文章でつづられていたのが、明らかに全体が暗い。これまでは、背景、伏線が少しくらい暗いものであっても、深みにはまるような感覚は覚えなかったと思います。 ところがこの作品、本当に深みにはまります。最近のインターネットおたくのマイナス2SDの世界に近づく予感がします。この壷こそが恐怖でした。 後になって、井上夢人の回想録を読みました。 「あんたは何にもしてないじゃないか。」井上夢人の台詞です。 実際筆を取るのは井上夢人だったというのは知っていました。しかし、この作品こそが真の井上夢人の文章なのだと知って、衝撃でした。文章って指紋みたいなものです。発想って顔みたいなものです。大好きだった岡島二人はこれで終わりかあと、つくづく思い知らされた作品です。 この作品こそが井上夢人のデビュー作です。そして、枠のない自由人、この世に存在しなかった人間岡島二人は本当に姿を消したのです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本はミステリというよりは、バーチャルリアリティを主題に据えている点で、SFだという気がしないでもない。 それとも、やはり、謎解き要素があるので、こういった点を加味してミステリと言ったほうが適切だろうか。 概要としては、題名にもなっている通称「クラインの壺」と呼ばれる仮想現実体験ゲームを通じた、仮想と現実との境界があいまいになっていく、というもの。 しかも、タイトルがなかなか意味深である。 この主題が、最初から最期まで貫かれており、終始一貫して、現実(リアリティ)とは何か、ということを読者に突き付けてくる。 しかし、驚くのは、本書が刊行されたのが20年以上前の平成元年だということ。 それだけ古い小説なのに、今読んでも技術に古さを感じさせないのが素晴らしい(現実の技術革新が遅いだけかもしれないが。。。) まぁ、19世紀後半にジューヌベルヌが月旅行を空想してから、実際に人間が月に行くのに1世紀要したのだから、本書のような、リアルすぎるバーチャルリアリティの世界が実現するためには100年かかるかも知れないが(映画マトリックスのような形でバーチャルリアリティが実現していたりすると面白いような)。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読みやすい平易な文章。 もともとSFは好きだが、 なかなか面白い。 解説にもあるように、 初版は90年のIT革命前のもの。 映画マトリックス以前のもの。 当時の著者には 俺たちには見えていないものが見えていた。 まだ今よりも先、 これから起こるであろう世界。 本編を通して、 ゲーテルの不完全性定理を思い出した。 世の中には証明不可能なものしかない。 それは 正しいことは何ひとつとして、 正しいと証明することはできないということ。 だからこそ、 あらゆる情報を精査して、 己の決断を信じるしかないのだ。 それが現在の、 IT革命後の俺達の生きる道。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
楽しみました。 次どうなるんだろう、と思いながら読みました。 謎が謎のまま終わるのもよかったと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリからしばらく離れていたせいもあり新鮮で、面白く読めました。 他の方のレビューにもありましたが、確かにミステリというより、SF風味のサスペンスに近いです。'89刊行ですが、「ギガバイト」の上の単位「テラバイト」がさらっと出てきたり、思ったより古さを感じさせません。 主人公等がゲームの中に入っていってしまう。現実世界と仮想世界が交錯し、いったいどこまでが現実なのか?SFなどでこのタイプ、(とくに最近では)すごく珍しい設定というわけではなく、私を含め読者は慣れてきていると思います。うんとダマされながら読むのがいい。そして最後にそうだったのか!って。 実は読み終わってからが怖いのです。後味は決して悪くない。でも・・・自分のいる場所がとても不安になるのです。「もしかしたらここは・・・。」 『現世(うつしよ)は夢、夜の夢こそまこと』という江戸川乱歩の好んだ言葉を(本来とはちょっと違った意味合いで)ふと思い浮かべました。「さて今目の前の夢はどちらなのでしょう」と。乱歩賞作家のこのお二人、本書刊行の後解散されたのですね。本書もほとんど井上夢人さんお一人で書かれたとか・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普段全然小説は読まないんだけど、これは文句なしに面白かった。それだけは確かだ。 まあゲームがテーマになってるから興味をもったんだけど、ゲームについていろいろと考えさせられた。 今のPS3やXBOX360は映像と音だけに関して言えば、クライン2と同じ方向性に行ってるんじゃないか? ただクライン2は一つのゲームとして見てみると、あまり面白そうとは思えない。 いや文章だけ読んでるとすごく面白そうだけどね。なんか作る必要性が無いというか、なんと言うかうまく言えないけど。 コンセプト自体はグランドセフトオートに似てるかもしれない。 要するにゲームじゃなくて「現実シミュレーター」になっちゃってるんだよな。そこが引っかかった。 主人公がおかしくなるのも無理は無い。誰だっておかしくなるでしょう? ゲームなんて極端な話、真っ白な画面でも成立すると思う。カーソルを合わせる位置によって、音を出して風景を探ったりとか。 とにかく一つの小説としては完成度は高いと思った。一番初めの契約書がいい。掴みがうまい。 次回作の初めの詩も「ん?」と思って一気に引き込まれたし。この作者は引き込むのがうまい。と言っても3作しか読んでないけど。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夢と現実が混ざりあうという話は良くあるみたいですが、特に気にすることなく読み進められました。 ラストも急転直下ながら違和感を感じさせず、作者の構成力に感嘆せざるを得ません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初の10ページを読んだ時点で話の全貌に予想がついてしまいました。 それは今まで私が似たようなテーマの小説や映画を観てきたからです。 そのため、読み進めて出てくる伏線にもあらかた気づいてしまい、 物語の展開に新鮮さを得ることはありませんでした。 しかし、別の意味での衝撃を受けました。 89年にこの内容を思いつき、作品として纏め世に生み出した 著者の想像力と構成力、筆力は素晴らしいと思います。 刊行間もない時期に出会っていたならば、 間違いなく自分の中でも傑作の1つであったと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新潮ミステリ倶楽部で刊行されたときが初読である。まるでSFのような設定で、はたしてこれはミステリなのか、と思ったものだった。今ではかなり普及したが、本作刊行当時ではまだまだバーチャル・リアリティは一般的ではなかった。それを大胆に取り入れ、意識や感覚の‘ゆらぎ’をテーマとした本作は、バーチャル・ゲームが当たり前のようになった今、読まれる意味がある。 謎はある。サスペンスもある。しかし私には、本作はミステリというよりはSF作品という感じが強い。そして本作を読んだ読者もまた、主人公と同じように虚実の判別が曖昧になって、放り出される。その不安感と頼りなさは、ホラーといっても差し支えない。 著者らの合作最後の作品となった本作は、かなり井上氏の意向が大きい作品だが、その熱気というか執念のようなものが、文脈から滲み出ている。本作のテンションとクオリティでもっとミステリ作品を発表して欲しかったと思っているのは、私だけではあるまい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実は本作、オチをぶち壊しにしてなんだがわりと高確率で内側か外側かを判別する方法があったりするんだよね。 Amazonの感想51件、他個人ブログとかでもざっと見たかぎり全く言及されてないのが不思議なのですが。 方法は簡単、4回目の戻れコールの詳細について聞けばいい。 正しい回答が返ってくればほぼ確実に外側、正しくなければおそらく内側となる。 まず七美実在ルートだったと仮定する。 すると4回目の戻れコールは事故発生前であるから、事故発生を見越して伏線となるバグを仕掛けておく、などという壮大な無駄をする理由が全く無い。 また戻れコールを全くモニターできないと嘘をついて上杉と梨紗をあえて不安にさせる理由もない。 つまりこの場合、戻れコールはおそらく純粋に事故だったと判断できる。 戻れコールをモニターできなかった彼らに正しい回答をすることはできないということだ。 ちなみに5回目ではない理由は、5回目は事故発生後なので戻れコールを仕込むことも可能ということ。 逆に七美非実在ルートだった場合、戻れコールも、戻れコールがモニターできない件も当然ゲーム中の演出であるから、「戻れコールがモニターできない件」が記録されているだろうし、当然回答も可能となる。 あえてここで知らないと主張した場合、自棄になった上杉がクライン2を公開したりしてしまう可能性もある。 結果としては自殺というイプシロン的に都合のいい展開となったが、それはあくまで結果論であって、あえて無駄な危険を冒す意味も全く無い。 つまり、4回目の戻れコールの時に、戻れ以外に何を言っていたかって聞けばよかったんだよね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ごく稀にすごく現実っぽい夢を見ることがありませんか? 一瞬、どっちが夢の世界なんだ?みたいな感覚になるアレです。 この話は現実とゲーム上の世界との間に、主人公が迷い込むストーリーで、読んでいると惹き込まれて僕自身がその世界に迷い込んだ錯覚を覚えました。 最後までスリリングで楽しめました。読後に、結局どっちが表でどっちが裏だったのかを仮定すると2つの結末を楽しめます。名作です! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本を読むにあたり、所要時間は一時間を必要としなかった。それは面白すぎるからである。読む手が止まらず、高揚を抑えきれず、最後まで疾駆する。これほど高いエンターテイメント性をもつ作品に出会ったことがない。エンターテイメントの金字塔、と呼ばれて過言でないだろう。私は自信をもって「クラインの壺」を薦める。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最終的にどっちなのか(個人的には表だと思っているが)、はっきりさせず余韻を残す終わり方が印象的。 こういうプロット、テーマ、オチのストーリーを考えたとしても、こういう形のラストはなかなか思いつかないと思う。 終盤にかけなだらかな展開だったストーリーが急加速し、突然終わる。読後の余韻が大きい、インパクトのある美しいラストだった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とある新感覚なゲーム機のモニターをする事になった、平凡な青年の物語。あまりにリアリティがありすぎて、何が現実で何がゲームなのか分らなくなって…と、終始そんな展開でした。シナリオに定評のある作家さんだとお聞きしたので、楽しみにしていたんですがストーリー自体は淡々と進みます。グッと引き込まれる展開も無く、先が気になって仕方ない!…とは一度も思わなかったのですが、不思議と500ページ弱もあるこの作品を一気に読み切ってしまいました。読み終わっても、ぜひ他の人に薦めたいと言うほどの作品では無いのですが。ストーリーもラストもありがちなものだと思います。でもやっぱり最後まで読まされてしまう筆力はすごいなと感心してしまいます。他の作品も読んでみようと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「これが通れば何でもあり」というものが幾つかある。薬品による記憶の改変、後催眠による遠隔操作、そしてバーチャルリアリティもこの範疇だろう。これだとどんな状況でも作り出せる。この作品はそういう意味でミステリーではなくSFである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普段小説は読まない者の感想ですが、 今時仮想現実を題材にしたと聞けば、誰でも オチはアレを想像すると思います。自分もそうでした。そして予想どおりアレでした。 しかし読む手が止まりません… 徐々に真実に迫っているはずが手の平で踊らされていた感覚、 そしてラストでの必然とも言える主人公のあの行動、 それを仮想現実という設定を生かして巧みに演出しています。 あれが全て現実ならイプシロンという企業は所属している人間含め、どこぞの生物兵器だの人体実験やらで 悪巧みしてる架空団体よりよっぽど怖いです。無機質という形容詞が非常に似合います。 他のレビューでもありますが、SFなのにガッチガチのプロットで 固められており、単純に仮想現実を楽しむだけ、という話に終止していません。 個人的なマイナス点は、仮想現実の話だと思ってたら半分ミステリーだった事、 ミステリーの宿命ですが、タネがわかっていればもう一回読む気にはなれない事です。 マイナスではないですが、舞台が狭く、箱庭を観察してるようで壮大な話を 期待してると肩透かしするかもしれません。 本を読まない人でも読みやすく、堂に入った文章も魅力の一つです。 最上の娯楽小説の内の一つとして、胸を張ってオススメします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりに読んだけど、やっぱり怖い話でしたわ。 書いたゲームのシナリオが、200万でゲーム会社に売れることになった大学生が主人公。 買い取ったゲーム会社が、シナリオを元に作り上げたゲームは、なんと触覚から味覚まで五感全てをシミュレートする完全なバーチャル・リアリティのゲーム。主人公は、ゲームのモニターとしてこの驚くべきゲームを体験することになる。もうひとりのモニターとなった美少女、梨沙とゲームを進めていくうちに、彼はこのプロジェクトに大きな陰謀の存在を疑い始める。 というようなストーリーで、これ以上書くと何書いてもネタバレになりそうなのでアレなんですが、とりあえず、『クラインの壷』というタイトルが何よりも雄弁に本作のテーマを語っているとは言えるかな。ラストまで一気に読ませるサスペンスがたまりません。 それにしても、本作は1989年の作品で、巻末の解説によれば、PCはコマンドベースのMS-DOSで、当時最新のゲームはドラクエ3という時代にこんな小説を書いた岡嶋二人(と言うか、井上夢人)の想像力はやっぱりすごいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
設定から想像できるように、テーマは仮想と現実の融合。 主人公はイプシロンに騙され、仮想と現実をごっちゃにされる。 どっちが仮想で、どっちが現実なのか。 主人公と一緒にだまされるもよし。 途中からたくらみに気付いて、その境界を探るもよし。 ミステリーとしても、ちょっとしたSFとしても楽しめる。 東野圭吾の「パラレルワールド・ラブストーリー」に近いか。 ラストはややSFよりのパラドックス的な終わり方。 私はこういうの結構好きでした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!