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煉獄の使徒



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煉獄の使徒の評価: 3.70/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.70pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(3pt)

物理的にも心理的にもかなり体力が必要です

直木賞受賞前後の「いいひと」路線をとる前の「全員悪人」小説です。とにかく上巻だけでおよそ800ページに及ぶ大著なので、通勤電車で読むにも手首が痛くなる重さと厚さです。

しかも救いようのない宗教関係者と警察組織の官僚、政治家がカネのためにお互いだましあってなんでもやる、というある意味潔い内容でした。

でもやはりこの作者はこちらの悪人犯罪暗黒モノのほうが読み応えがあるのも事実です。
煉獄の使徒 上 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:煉獄の使徒 上 (角川文庫)より
4041120594
No.7:
(3pt)

オウム事件の小説化っぽい。

馳星周さんの本です。
馳さんの本って、「読まず嫌い」だったのですが、ちょっと読んでみたら、意外と面白いですね。
ネタはオウムのサリン事件ですね。
オウム=真言(マントラ)の法という、カリスマ教祖の十文字源皇=麻原彰晃が率いる宗教団体。
弁護士の幸田=青山弁護士は侍従長にして、グルからは解脱認定されている。
一方、公安警察の児玉は、内部抗争で敗れ、その復讐を果たそうとする。
そのために、金蔓として、真言の法に目をつける。
幸田を通して、教団の覚醒剤作成を仲介し、それにより莫大な金を生む。その金は、児玉を経由し、政治家の緒方に回る、という流れ。
児玉は、真言の法による、弁護士殺害事件(=坂本弁護士殺人事件)を見逃し、それをネタに幸田を脅す。
教祖の十文字はシャブ中で、正常な判断ができなくなっている。
細菌兵器で反対組織を攻撃しようとする。なんとか阻止しようとする幸田と、その意を受けた田中。
はたして…。

上巻は教団が武装化するまでの流れでしたね。
ほとんど、現実のオウムの事件と流れが同じで、展開についての面白さはないですが、
ただ、ちょいちょい現実の事件とズレがあって、それが面白いといえば、面白いですね。
また、公安警察が、オウムの初動ですでにガッツリと食い込んでいて…というのが、この本の面白い視点なのでしょうね。
とはいえ、おおむね、オウム事件の流れを追っているだけ、というところがあり、そこが、ちょっと違和感があります。
というのも、文学って、現実を軽々と越えちゃう想像力があるからこそ、の面白さがあって。だから、文学って面白いのですよ。だけど、このように、基本ベースを現実の事件にしていく、というのは、現実に従属している文学という、文学の面白さがないようにも感じられるのです。
煉獄の使徒 上 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:煉獄の使徒 上 (角川文庫)より
4041120594
No.6:
(3pt)

かっぱえびせんみたいな小説でした。

教団が武装化していく。止められない止まらないカッパえびせん状態の教団。
教団内では派閥抗争がおこっていて、村西+新津という急進派vs幸田+志智という穏健派、諜報省の局長田中慎一は中立的立場ではあるが、穏健派と通じている。
やがて、幸田がヤクザに頼み、村西を刺殺する事件がおこり、それによって、事態は急速に進展していき、急進派が十文字に重用されていき、穏健派は冷や飯食い。
一方、公安の児玉も派閥抗争を游泳していき、うまく立ち回っている。
やがて、サリンが完成し、それをばらまこうという話に……。
警察内部でも政権交代にともない、児玉の立場が一気に悪くなる……。
みな、破局に向けて、すべてが動いていく。

とりあえず、後半部は警察庁長官の事件が暗示されているのですが、こちらの小説のほうが、より直接的な終わり方をしていましたね。
また、サリン事件も、より悪い感じになっています。といっても、平日ではなく日曜にサリンを撒くことになり、さらに永田町に撒布車を回すという展開になっていて、
現実よりも、より最悪なかたちとなっています。

ただ、あれだけガチンコの出家信者の田中慎一が、あっさりとハニトラにひっかかったり、ちょっと安直なところもあります。

この小説って、「カネ」の話ばかりというか、経済原則としての金、その金には、人は跪く、という思想がありますよね。
そういう考えが嫌で、宗教をやっているはずなのにね。
また、教団の異常性って、公安警察の異常性、ひいては、現在の我々の社会の異常性を描いてもいるというか、教団と公安警察って、完全にパラレルな関係なんですよね。
と同時に、公安警察を許している、我々の社会も、実は教団と通じる異常性がある、という非情に皮肉な関係があるように思いました。
実は、教団や公安警察は、我々の社会の映し鏡となっているのだと、この本を読んで感じました。
煉獄の使徒 下 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:煉獄の使徒 下 (角川文庫)より
4041120608
No.5:
(3pt)

下巻はペースダウン

うーん、終わり方が…綺麗に終わらないのはわかるんだけど、こんな丸投げブツ切りみたいな終わり方じゃ1600ページついてきた読者は困っちゃうよなあ。これじゃ書き切った、とは言えないな。本当の破滅か救済か、どちらかで終わって欲しかった。面白かったのになあ。それと、教団と警察ばかりで、ジャーナリストがちらっとも出てこないのはなんだか片手落ちに思える。
煉獄の使徒 下 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:煉獄の使徒 下 (角川文庫)より
4041120608
No.4:
(3pt)

ネタバレ??かも。注意!!

いつもの筋道通りのイメージしていたら外さないと・・。ていったらネタバレになるかなぁ・・。
煉獄の使徒 上 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:煉獄の使徒 上 (角川文庫)より
4041120594
No.3:
(3pt)

未読

??????????????????????????????
煉獄の使徒 下 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:煉獄の使徒 下 (角川文庫)より
4041120608
No.2:
(3pt)

オウム事件をベースになぞった意欲作だが・・。

フィクション&ノンフィクションでは「弥勒世」の方が圧倒的に秀作だったと思います。

馳 星周氏はもはやオールフィクションはネタ切れなのかもしれません。
「不夜城」シリーズは非常に素晴らしい作品でしたが、その後の失速振りは残念です。
「沈黙の森」も酷かったし・・。

さて、この「煉獄の使徒」もオウム真理教事件をベースになぞり、フィクションとノンフィクション
を交差させて物語を進めていきます。

オウムの背後に、警察と政治家が暗躍していた。というストーリーは実際にありそうで背筋が凍りました。
出家信者、教団No.2、公安、政治家という4本柱がしっかりしているので、読んでいて安定感がありますが、
ベースがベース(皆が知っているという意味で)なので先が読めてしまい、またそれを裏切ることなく進
んでいくストーリーなので緊張感に欠けます。結論は同じでも、もう少し捻りが欲しかったです。

そういう面では、フィクションとノンフィクションを交差させて物語を進めていく手法は、
ジャンルは違いますが真山仁氏の方が圧倒的に手腕は上だと感じます。
煉獄の使徒〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:煉獄の使徒〈上〉 (新潮文庫)より
4101369615
No.1:
(3pt)

おまけの3点

馳星周、久々の超長編。読みではあるが、肝心の内容は今ひとつだった。先般起こった宗教団体のテロ事件を基礎に、その裏には政治家や公安警察の暗闘があった、と言う話。しかし、3つほど残念な点が。'@あまりにも荒唐無稽な内容過ぎてリアリティを欠く点'Aあの事件をかなり忠実になぞっているので展開がかなり読めてしまう点'B「漂流街」や「夜光虫」とは違って意味で読後感が悪く、読んだあと徒労感が残る点。凄く取材や勉強をされたんだろうな、とは思うのですが、現実の事件の方が印象が大きいので、それを概ねなぞった展開に飽いてしまった。やはり馳氏は、「夜光虫」等のアンダーグラウンドのノワールを描く方が面白いと思うのだが。現在執筆中の「沈黙の森」に期待したい。
煉獄の使徒〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:煉獄の使徒〈上〉 (新潮文庫)より
4101369615

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