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風紋
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風紋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 21~40 2/3ページ
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推理小説のつもりでこの作品を読むとかなり不満が残ることだろう。焦点はあくまで加害者と被害者それぞれの家族に当てられており、犯罪の動機や犯行の手口はほぼ明かされずに終わるからだ。凶器をめぐる一連のどんでん返しも加害者の性格を暗示するための展開に過ぎず、加害者は最後まで自分を語ることなく終わる。被害者も自分の娘の担任教師との不倫関係など口が裂けても他人に相談したり、日記に書き残しているはずもなく、文字通り墓場まで秘密を抱えて逝ってしまう。 どんなに警察が調べようと、マスコミが取材しようと、結局「本当に何があったのか」など家族ですら知ることはできない。 裁判とは第三者が罪の重さを決めるためのものであり、被害者遺族への償いではないのだ。それを改めて思い知らされる。なのに事件とは関係ない其々の秘密までもが暴かれ、互いを憎しみの連鎖に巻き込んでいくことになる。そしてそれはいつ誰にでも起きる可能性があるのだと考えると心が寒くなるようだ。 形のない風が砂地に果てしなく爪痕を残すように、姿の見えない周囲の悪意や好奇心によって心に繰り返し傷を負い続ける家族たち。題名の「風紋」とはそんな意味なのかなと思った。 | ||||
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やはり面白い、匠に人間の心理を描写して、最後まで超長編作品を、あきさせない、見事。 | ||||
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被害者となった家族は事件が起こる前にすでに崩壊 していたのだ。父親には愛人がおり、姉は浪人生でありながら 予備校にも行かず、乱暴な口をきく… 皮肉にも事件が起こったことで家族が一致していく。 真ん中に置かれた真裕子… あまりにも周りの大人が頼りなさすぎである。 学校の先生いでさえも… 事件によって普通の高校生から大人にならざるを得なかった 真裕子と頼りない大人たち… そのバランス加減がうまく描き出されている。 | ||||
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乃南さんの作品は、とても好きになれるものと、ちょっと嫌だと思う事があります。 この作品は、とても好きになれる作品でした。 殺人。もちろん、犯人と被害者には大きな大きな出来事だし、文字通り人生が変わったり終わったりするわけですが、犯人の妻や子供や兄弟、被害者の家族、警察、検事、裁判官、弁護士、記者、などなど、周囲の人たちにもものすごい影響がある事を真面目に真面目に描いて下さったと思います。 重い、重い、とても考えさせられる作品だと思います。 自分の周りでこんな事が起きたらどうしよう、とも思わされました。 何が出来るって、毎日を精一杯生きるしかないと思いました。 | ||||
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乃南さんの作品は、とても好きになれるものと、ちょっと嫌だと思う事があります。 この作品は、とても好きになれる作品でした。 殺人。もちろん、犯人と被害者には大きな大きな出来事だし、文字通り人生が変わったり終わったりするわけですが、犯人の妻や子供や兄弟、被害者の家族、警察、検事、裁判官、弁護士、記者、などなど、周囲の人たちにもものすごい影響がある事を真面目に真面目に描いて下さったと思います。 重い、重い、とても考えさせられる作品だと思います。 自分の周りでこんな事が起きたらどうしよう、とも思わされました。 何が出来るって、毎日を精一杯生きるしかないと思いました。 | ||||
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書かれてからずいぶんと経っていたのですね。主人公とも言える被害者の次女の言葉遣いにかなり違和感がありましたが、それを除けば、いつ書かれたものだと意識することもなく読み進められました。 とにかくリアル。その一言に尽きます。一見したところ平凡そうな家庭、その中に潜む危険、人間関係の危うさ、思春期の少女の難しい心理、そういったものを丹念に描き出しながら、殺人の被害者家族、加害者家族に襲いかかってくる様々な出来事が綴られていきます。取り調べについても、そのときに出す書類にしても、裁判にしても、とても丁寧に調べて書いてあるのだということが伝わってきました。 殺人を除けば、どこにでもいそうな人たちの話なのですが、奇抜な登場人物たちが出てくる小説以上に強く惹かれて、ページをめくる手が止まりませんでした。読み進めるうちに、被害者家族と加害者家族がどうなるかって話か、と思いはじめていたのですが、下巻に入っていきなり、凶器が見つかっていないことによるトリックのようなものが出て、ミステリの味わいもありました。 最初から最後まで、どうなるのだろうという興味がまったく薄れませんでした。凄い作家さんだなあ、と今更ながら認識しました。 | ||||
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日常が切り取られる怖さ切なさ月日がたっても消えない思い・・ とても良い本でした | ||||
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物語にどんどん引き込まれ 読み始めたらやめられません ただ私の場合は 何度も読み返せそうも ない本なので図書館で借りることをお勧めします ってAmazonレビューで買わないでって ダメかな (^_^;) | ||||
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単行本で読みました。かなり分厚かったのですが、途中からは夜更かしをして一気でした。次の日、仕事が大変だった記憶があります。 読んでいた当時、ある殺人事件で、被害者のプライバシーを次々とマスコミが暴いていくのを見て、本作で書かれたことが、小説の世界のことながら、とてもリアリティをもって感じられました。犯罪被害者およびその家族・関係者に対する報道の在り方について考えさせられました。こういった悲惨な状況を描き、必ずしもハッピーエンドではないラストにも関わらず、読後に充実感を味わえ、作品への妙な不愉快さが残らないのは、著者の人間に対する基本的な姿勢が真摯だからだと思います。 大部ですし、題材そのものが少し地味に見えるせいか、大勢の人に読んでもらえていないのがとても残念です。もっと評価されるべき作品だと思います。 | ||||
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著者の作品は「凍える牙」以来だったのだけれど、その作風の違いに驚いた。 淡々とした語り口に巧みな心理描写を忍ばせるのは共通しているが、「凍える牙」が捜査風景を主軸にしているのに対し、こちらは人物の心理の揺れ、変化に重きを置いている。 それがまた、「犯罪被害者」というテーマも相まって、読んでいるこちらの心を揺さ振ってくるのだ。 一応、裁判の行方などといった、心理サスペンス的な要素もあるが、あくまでもそれはおまけ(にしても、それが飽きずに読める仕掛けだったりもするが)だ。 上下巻と分かれており、厚い本ではあるが、犯罪に巻き込まれた人々(特に被害者の娘)がどうなってしまうのか、気になって一気に読んでしまった。 それにしても、今から10年以上前に本作品が書かれているのも驚きだ。 ポケットベルといった小物には時代を感じるが、扱っているテーマはいまなお現在に存在している問題なのだ。 | ||||
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主人公は高校生の女の子。 彼女は毎日を楽しく生きていた。そしてこれからも生きていくはず… だったのに。 突然の母の死。そしてその死が病気や事故ではなく、殺人だった。 幼い女子高生の身に降りかかった母の死という現実。 母のいない生活。バランスを欠く家族。被害者であるにも関わらず冷たい社会。 マスコミの存在。彼女の中にうずまく恐怖と、周囲からのプレッシャーの中、 彼女はどのように母の死という現実を受け止めるのか。 ミステリーという形態をとりながらも、その本質は母の死に直面する幼い娘の 心情の推移を描く作品である。 | ||||
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好きな作家です。女性作家らしい細やかな描写・表現と男性的なストーリーの組み立て方が飽きさせずに先へ進ませてくれます。 登場人物のキャラがそれぞれ際立つので、「あれ?これ誰だっけ?」と迷わず感情移入しやすいので読み進むほど先へ進みたくなる作品だと思います。 | ||||
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好きな作家です。女性作家らしい細やかな描写・表現と男性的なストーリーの組み立て方が飽きさせずに先へ進ませてくれます。 登場人物のキャラがそれぞれ際立つので、「あれ?これ誰だっけ?」と迷わず感情移入しやすいので読み進むほど先へ進みたくなる作品だと思います。 | ||||
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ミステリー小説かと思いつつ、読み始めたのですが実際は殺人事件の被害者と加害者家族のドキュメントとも言える生々しい作品でした。強い人間が最悪の状況を乗り切って行くようなきれいごととして描かず、弱い人間がいかに運命に翻弄されていくかを赤裸々に描いており私事のようにどきどきしながら読みました。 加害者はともかく被害者家族には誰でも突発的、偶発的に成りうる訳で、加害者家族同様、世間やマスコミからバッシングされながら生きて行くという理不尽さは納得が行きませんがそれが現実かもしれません。そういった犯罪に対しての知り得なかった現実を認識させられた気がします。 | ||||
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平凡に暮らしていた主婦が殺された。加害者は意外な人物。それだけでも残された家族の受ける衝撃は計り知れないのに、さらに投げかけられる心無い言葉。まるで殺される方が悪いと言わんばかりの中傷。次々に暴かれる被害者家族の暗部。被害者の家族の心の傷がどんどん大きくなっていくのは見るに耐えない。しかし、加害者の家族にとっても悲劇だ。平凡な家庭が崩れ去り、夫が逮捕されたその日から、「殺人犯の妻」「殺人犯の子供」として生きていかなければならない。ひとつの事件がいかに多くの人を傷つけるか・・・。どんな理由があるにせよ、人は絶対に罪を犯してはいけないのだ。 | ||||
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母親を殺害され、精神的に辛い日々を送る・・・あまりにも辛すぎて考えられない 又、いきなり”あなたのご主人が犯人です”と言われ あらゆる人から冷たい目を向けられ暗い毎日を過ごすのも辛すぎます 途中で、真犯人がいるのか?と思う場面もあり 夢中で読み続けましたが・・・ まだ 続編が出てるみたいなので(分厚いので早く文庫化にしてほしいのですが)早速 購入しようと思います。 この方の短編はあまり読んだことはないのですが、長編はすごく読み応えありで 外れがないように思えます。 読者を引き込ませる力がすごいので 長編でも長く感じず”読み終えた~”という充実感が染み出ます! ”再生の朝”もオススメします | ||||
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読んでいる最中は気持ちが滅入り、胃に石が溜まるような感覚を味わったが読み終えたあと思ったほど重くはならなかった。それは主人公がどん底から立ち直っていく様が上手く描かれているからだろうか。。。 テーマが被害者の家族と加害者の家族という難しい内容のなかで作者が言いたかった事がなんとなく理解できたような気がした。 もともと彼女の作品は愛読書のひとつであるが最近の長編ははずれがないように思える。 ひとつ要望があるとすれば加害者と被害者の当人でしかわかりえない心の葛藤などが少しでも描いてほしかった気がする。 ただこの本には加害者の子供が登場する続編もあるらしいので是非読むつもりである。 | ||||
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この作者の文章はとても読み進みやすいので乱読派のわたしは良く読みます。犯罪に巻き込まれていく人たちを淡々と描写していく長編ですが 今ひとつ読んでいて感情移入できる登場人物はいませんでした。なぜ被害者が不倫に走ってしまったのか なぜ長女が家庭内暴力をするようになったのか 加害者の妻が加害者の弟と関係するようになったことはマスコミに察知はされなかったのか…など いくつもの不完全燃焼感があります。 どんなことにもすっきりとした理由などない、ということかもしれませんが。一つの犯罪が被害者、そして加害者のまわりにも 大きな波紋をなげかける、ということは強く感じました。 | ||||
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被害者の家族の事など、どこかに置いてきぼりにされたような裁判が続く。 裁判は、罪を犯した人間ではなくその罪を裁くと言うけれど、その加害者の家族はマスコミや、その周りの人々の好奇の目にさらされ、罪を犯した当の本人よりも辛い目にあわされるのかも知れない。そして被害者の家族も同様に、平穏な生活に戻ったように見えても、落ち着いた元の生活には戻れるはずがない。 植物しか愛さないと決めた真裕子の冷静で且つ冷ややかな心の内は、可哀想というよりも切なくなる。 無罪と信じようとする妻と、判決よりも母を帰して欲しいと願う娘。 弁護士をもだましてしまう犯人の高校教師。その他、犯人の妻の両親や兄夫婦、検察官や取り調べをした刑事、新聞記者などあらゆる人の人間模様が生!々しい。 けしてこれで終わったとは思わせない終わり方。 私は、迷わず「晩鐘」を買ってしまった。 | ||||
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母親が自分の通う学校の先生と不倫に陥り、そして殺された。 母親の不倫、父親の浮気、そして姉の家庭内暴力・・・・。 もともとバラバラな家族の中で、母親を失い精神的に本当にひとりぼっちになってしまった末娘の真裕子。家庭の中も友だちも学校も、今まで一番心を許せる安心な場所に居場所をなくしてしまった真裕子は、淡々と冷静に周りの状況を見つめている。 そんな末娘の事を、一番気にかけている新聞記者。 言いたいことを言える人間は幸せ。 みんな自分の事しか考えていない。 我慢ばかりしている人間は、いつも同じなのかも知れない。同じような年頃の子どもを持つ母親として、いくつになっても子どもには母親は必要なんだなぁ・・・と、つくづく感じた。 真裕子が、本当に心を!ひらける日が来るのだろうか? 安心して泣いたり笑ったり出来る日が来るのだろうか? 早く下巻が読みたくなった。 | ||||
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