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ブラッド・ブラザー



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【この小説が収録されている参考書籍】
ブラッド・ブラザー (文春文庫)

ブラッド・ブラザーの評価: 4.28/5点 レビュー 25件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.28pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

サイコ・サスペンスでもなければ警察小説でもなく、偶然の産物の上に無理やり意外性を付与した駄作

シリアル・キラーのプロファイリングを専門とする刑事を主人公として、10代の時に自身の(即ち、主人公の)父親を殺害したシリアル・キラーで頭脳明晰な兄との愛憎まみれの対決を描いた作品。全編の殆どは地方からニューヨーク市警(NYPD)へと呼ばれた主人公の一人称で綴られる。

前半は主人公がNYPDの一部から邪魔者扱いされる様子、ニューヨークで連続頭部切断女性殺人事件が起きた事、その犯人が施設から脱走した兄とは言い出せない主人公の葛藤などが描かれ、まあ、普通の出だし。被害者が女性なのは、兄が被害者を母親(も兄が殺害)に見立てているからである。ここで読者は次のいずれかで迷う。
(1) 兄は単に自己顕示欲によってニューヨークで連続殺人を犯しているだけ。
(2) 主人公をニューヨークへと誘い出し、"からかい"や挑戦などの何らかの仕掛けを企てている。
(3) (1),(2)共にフェイクで、何か大きな計画を立てている。

(1)では当り前過ぎて工夫がないので、多分(2)か(3)だろう。主人公に女性刑事の恋人が出来て、兄がその恋人を人質に取るのは定跡だが、今一つ「主人公vs兄」の構図がハッキリしない(主人公は兄に阿っている)。そして、ここからの展開が急過ぎる上に、偶然の上に偶然を重ねた人間関係に基づいていて読者が推理するには無理がある。解説者はキチンと伏線が張ってあると述べているが、到底そうは見えなかったなぁ~。

プロファイラーとしての主人公の手腕が全く発揮されないのはどういう風。第一、これでは「兄弟の血」ではなく「親子の血」じゃない。サイコ・サスペンスでもなければ警察小説でもなく、偶然の産物の上に無理やり意外性を付与した駄作だと思った。
ブラッド・ブラザー (文春文庫)Amazon書評・レビュー:ブラッド・ブラザー (文春文庫)より
4167705966

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