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よろずのことに気をつけよ
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よろずのことに気をつけよの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 41~47 3/3ページ
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古めかしい感じのするタイトルです。 内容は現代と金田一耕助が活躍したであろうと感じる伝奇的世界が融合している。 殺された被害者の孫が大学講師に事件を依頼。そこから一つ一つの糸を手繰り寄せて解決に向かっていく。 コーヒーに造詣が深かったり、呪術にも長けている著者の才能が本書にはふんだんに生かされている。 結末がありがちなパターンであったのは、少し残念であるが、それまでの流れは秀逸である。 さすが江戸川乱歩賞受賞作である。 | ||||
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真の「本好き」なら必ずハマる。 読み始めて間もなく、「ん!?これは。。。」と久々に興奮を覚えた。 中盤を過ぎた辺りで、読み進めることに抵抗を感じた。 もうすぐ読み終わってしまうという脅迫観念からだ。 本を読む醍醐味は、ストーリーの面白さはさることながら、活字から どれだけイメージを掻き立てられるかだと思っている。 その点で、この作品は見事に私の脳をフル回転させて心地よくさせてくれた。 全てを表現し尽くさず、読む人に残りのイメージを託し、醍醐味を味わう 余地を残してくれている。 ふとしたところに垣間見える作者の社会観も嫌味がなく面白い。 次作にも期待したい。 | ||||
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新人作家さんといえども、賞を受賞するほどの方だからどうしても期待してしまう。素材、登場人物の造形、プロット等とても興味深く、あっという間に読了できてしまった。その点では理屈ぬきに「面白いよ、これ!」という読者層を獲得する魅力を備えているんだろう。けれども、読後、何か心の中にひっかかるものが残る。それはおそらくリアリティという点での端整さにやや欠けることや、終幕に向かってゆくスピード感に無理な加速を加えているからではないかと思う。その辺りへのこだわりは人ぞれぞれだろうし、決定的な瑕疵とは云わないが、少なくとも自分にはその点が残念だったし、今後に期待したいところです。三津田氏や京極氏、少しジャンルが違いますが内田氏が好きな方はそのような残念感と、しかし期待感を持たれるような気がします。ところで、・・・賞受賞作品、というのはどうしても選評から呼んでしまうクセが私にはあるのですが、内田氏、京極氏は実は仲が悪いのか・・・とか思わせる選評が巻末に掲載されており、これも面白かったですね。上述のリアリティとか端整さなんてどうでもいいんだよ、という論評もありましたし(笑)。 | ||||
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タイトルの通り、乱歩賞が変わったと思えた一冊。 良い方向に変わったという意味だ。 ここ最近の賞の傾向は、大人しめの優等生作品といった印象で、どことなく物足りなさを感じていた。 傾向と対策を駆使すれば受賞に近づけると噂されていた乱歩賞は、どうやら思い切った選択に出たらしい。 さて、この作品を一言で言えば、怪談要素を持つミステリという所か。 怪談と言っても幽霊が出るとかのオカルトティストではなく、「呪術」という特殊なテーマを使ってまがまがしい雰囲気を作り上げている。 なので、異界の物が出てきて怖くてビックリ・・という現実離れした話を求める人には向かない。 いや、案外幅広くいけるのかな。 とにかく独特の世界観があるので、そこに入り込めればしめたもの。 冒頭から最後まで、まさに一気に読める小説だ。 学者、仲澤の根底にある変人っぷりとか、真由の癇に障るまでの気の強さと回転の速さは癖になるキャラクター。 特に4章で物語世界をガラリと変えたのには驚かされたが、文章を読んだだけで鳥肌が立つのは、まさに筆力の成せる技だ。 本の末尾に載っている乱歩賞選考委員の選評を合わせて読むと、そこら辺も評価されたことがわかる。 おそらく賛否はあるだろう。 なにせ乱歩賞だ。 だが、次の作品を読んでみたいと思わせる力のある出来映えだった。 | ||||
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専門的な用語が出てくるのに、ここまで場面を イメージしやすい作品は久しぶりですね。おかげ でスラスラと一気に読み終わりました。 呪いを題材にしてるのに作品全体が暗くならな いのは、登場人物が魅力的だからでしょうか。 次回作が読みたいと思わせる作品でした。 | ||||
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全体的には読みやすく、読後感もよい。 主人公二人の造形もしっかりしているて、 個人差はあるだろうが感情移入もできる。 実際、終盤までは一気に読み進められた。 それでも、人によってはこの作品のリアリティーを 損なうおそれのある描写がある。 主に終盤、術者のいる村を訪れるときに多くなる。 以下箇条書き。 ・呪術者集団が白河にたどり着いたのが約二百年前とされるが、 この頃なら江戸時代、藩主は松平氏なので、白川氏と小峰氏の 二人の領主(『藩主』ではない)がいたとするのは無理がある。 そもそもなぜ領主という言葉を使っているのかわからない。 ・駅裏に墓地とゴミ処理場があるとの描写があるが、墓地はともかく ゴミ処理場はさすがに現実味がないだろう。 ・秋の競馬賞レースが「秋菊賞」(菊花賞では問題があるのか?)。 ・彼岸花と一緒にヘビイチゴの実がなっている。 普通ヘビイチゴは春だし、それまでに季節の混在を示す描写はない。 他にもまだあるのだが、現地を知らなければ問題ないところなので 普通に読む分には気にならないと思う。 上手に嘘をつくには真実を少し混ぜればいい、と言われるが、 この作品の場合、混ぜるところを間違ったと思う。 本当に終盤まで心地よく作品世界に浸れたのだから、 最後まで嘘をつき通して欲しかった。 | ||||
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投稿したレビューが、なぜか反映されないのでもう一度書きます。 とにかく面白くて、読み始めたら途中で止められなくなる一冊。 「呪い」というと一見オカルトチックなテーマですが、それとはほぼ無縁のミステリー。 歴史の中に沈んだ「呪術」という風習(学術)を丁寧に解き明かしていきます。 呪いの手順や方法なんかも書かれていて、あちこちに登場するエピソードにはゾっとさせられます。 そして怖い!ホラー小説よりもずっと怖い! 全編を通して漂う薄暗さみたいなものとか独特の雰囲気は、描写の美しさから生まれているんでしょうか。 映像が目の前に色鮮やかに浮かびます。 殺された祖父の家から見つかった呪いの札と、物語りの中に登場する様々な要素を頼りに、文化人類学者の仲澤と遺族の真由が謎を追っていきます。 「憎しみをもって生きろと祖父は言ったわ」という真由の言葉が胸に残っているのは、いつの間にか共感していたからなんだろうな・・。 そして、ラストでは心地よいショックを受けました。 ボケっとしているように見えるけど実は行動派の仲澤と、利発で気が強い真由のコンビがいい! シリーズ化も大ありだと思いました。次回作にも期待します! | ||||
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