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アガサ・クリスティーの秘密ノート



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アガサ・クリスティーの秘密ノートの評価: 3.67/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(2pt)

オタクがテーブルに書き散らしたメモ

クリスティの娘が分類できたら価値があるのではと取り敢えず表紙にナンバリングしたが挫折した、構想メモ兼多少の雑記帳で、自他共に認める悪筆(特に昔)で、こうして発表する段階でも判読不能部分があるという。それを解読してこそのものだと思うのに、中途半端だ。
また炭素分析その他、科学的アプローチを用いたりすれば、眠らせていたアイデアにプラスして作品化出来た、というような経緯が明らかになったのではないかと素人ながら努力不足を疑う。
この本の著者は単なるクリスティファンであり、偶々クリスティの孫息子のマシューと知り合えたので資料を見られただけの素人で、こういう資料を研究する資質があったのか疑わしい。
メモから創られただろう作品を評するにしても、それが彼個人の私見なのかイギリス一般での評価なのか判然としないし、首を傾げたくなる部分があった。

そのノートの写真があって、そこの文字を訳(解読)してあるのなら、その図や書き込み方から読者それぞれが想像したり、著者の解説に納得出来るだろうが、挿絵的に幾つかのモノクロ写真があるだけで、後はそれらを解読した著者の解釈だけ、しかも著者とクリスティは時代も性別も違うのでそのフィルターがどう働いているかも不明だ。

日本で訳されたクリスティ名義の本はコンプリートしていて、秘密ノートも上下で買ったが。この本は睡眠薬代わりに最も適していると思う。未だ全編通して読了出来ていない。何より読者がこうも読むのが辛い本を訳した方はもっと苦痛だったろうと思う。
ある作品は宣伝段階で犯人以外暴露されてしまい、クリスティに同情が集まったとか、別の作品はテスター全員が序盤で犯人を当ててしまったとか、それなりに内輪話が載ってもいるが、自分が好きな作品が駄作だったのか、と知りたくなかった気持ちもある。
拾い物かなと思えるのは、ある作品の創作時期が一般に知られているより後年なのではないかという説。そうなるとどういう目的で眠らせたのかなと謎が生まれる。

この本がなくてもクリスティの作品は十分楽しめる。マニアネタを押さえておきたい人が覚悟して買う以外オススメできない。
ノートの図解タイプが出版されたら読んで、見てみたい。別の著者なら。
注意・この巻末にあるのは未発表作品『犬のボール』一作のみ
アガサ・クリスティーの秘密ノート(下)(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:アガサ・クリスティーの秘密ノート(下)(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130102X
No.1:
(1pt)

他のアガサ読本と違い、この本は、一般読者が楽しんで読めるようなものでは全くない

この本は、一般読者が楽しんで読めるようなものでは全くないと思う。著者のジョン・カランは物書きではないようなのだが、この本を読んでいると、それが実によくわかるのだ。とにかく、読者を飽きさせずに読ませようという工夫の跡が全く見られないし、そもそも、そうしたテクニックを持っていない人なのだと思う。まるで、下手な論文を読んでいるような退屈な本なのだ。 

さまざまな作品のアイデアを、思い付くままに書き留めていたアガサのノートは、アガサにしか理解できない単語や単文の集まりに過ぎないので、それを一般読者にわかりやすく提示するためには、相当な工夫を要する。しかし、この本は、100ページくらいまでは、それなりに読める体裁を取っているのだが、そこからは、ノートの内容の羅列にわずかな説明が付くだけの構成が、下巻のラストまで延々と続くのだ。 

アガサの作品は、238本もあるのだ。訳者の山本やよい氏も認めているように、アガサの全作品を読んでいる読者であっても、その内容について、おぼろな記憶しかないものや、ほとんど忘れているものも一杯あるわけで、この本に書いてあることを理解し、楽しもうとしたら、その大半を再読しなければならないのだが、そんな暇のある読者は、どこにもいないだろう。

また、各章の標題には作品(集)名が付されているのだが、下巻の「ヘラクレスの冒険」以外は、本文のどこを見ても、その作品(集)についての記述がないのだ。この中には、わざわざ他の章で見出しを起こして詳細な記述をしているものもあり、「この人は、一体、何を考えているのだろう?」と、本気で思ってしまうのだ。 

この本の中で唯一の収穫といってもいいのが、この上巻に収録されている「ケルベロスの捕獲」だろう。アガサ自身が「出版に値せず」と発表を控えた下巻の「犬のボール」と違って、当時の政治的事情により、出版社から出版を拒否されたものであり、読む価値は十分にあると思う。 

アガサ・クリスティーの秘密ノート(上)(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:アガサ・クリスティーの秘密ノート(上)(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151301011

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