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プリンセス・トヨトミ
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プリンセス・トヨトミの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全217件 201~217 11/11ページ
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京都・奈良に続く著者の伝奇(!?)小説の舞台は大阪 。大阪という街が持つ歴史的背景を縦糸に、周囲との関係に悩む主人公的な少年(少女)と周りの友人・大人の繋がりを横糸に、荒唐無稽な「大阪の公然の秘密」を書き綴っていきます。 私自身、幼い頃から本作の舞台・空堀商店街とその周辺の雰囲気に馴染んできたこともあってか、読み進める内に、嘗て自分自身が経験したか、のような既視感を感じてしまいました。『鴨川〜』や『鹿男〜』の舞台ほどメジャーではないですが、この小説の舞台を読後、廻って見ることをお薦めします。 『坂を抱いている』商店街や路地(ろじではなく「ろうじ」)を造る長屋達、そして「女の子になりたい」と少年が願掛けをした榎木の巳(みい)さんの祠まで。実際に歩いた上で、改めてこの小説を紐解けば、より愉しめると思います(すみません、思いっきり私情一杯のレヴューになってしまいました)。 | ||||
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いかにもありそうで、よく考えればありえない物語。 ひさびさに、こころ躍らせて、一日で一気に小説を読み切りました。 会計検査院や大阪の歴史も少し勉強できました。 空堀商店街周辺を散策してみたくなりました。 | ||||
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全般的に面白かった。『鴨川ホルモー』の面白さを期待しては少々酷だが、安定したエンターテインメントを提供してくれる稀有な作家である所以は本作でさらに盤石になったと言っても言い過ぎでは無いと思う。 それほどに面白かった本作であるが、ひとつ疑問がある。 それはセーラー服を着たがる中学生の少年の心理描写についてだ。 性同一性障害について考察が及んでいるのかと思えばそうでもなく、少年はただ『可愛いものに憧れがある程度』であって、同性に愛を感じる訳でもなく生臭いところまで話は進まない。 ただ少年の悩みが性の不一致を示唆するのは明白で、どうせこの問題が不可避ならばとことん掘り下げて欲しかったと思う。 そういうセンシティブな問題にこのキャラクタではちょっと配慮が足りない気がしたのは私だけだろうか。 思うに、万城目先生は『自分への理解を拒む世間への挑戦をコスプレ癖というマイナーな嗜好に仮託したかった』のではないか。 ”女装癖があって異性愛”って人はたしかに存在するのだが、万人から共感を得られるような趣味ではない。控え目に言っても今はまだその時期では無い。単なる変態の誹りを免れない。 ゆえに彼の所作に多くの読者が戸惑ったのでは無いだろうか。 『プリンセス・トヨトミ』はそういう意味で時代の一歩先を行っている。 ある意味前衛的な小説。 それを除けば意外性は少なく手堅い作風ではある。 文章が上手かったな。ほれぼれする。 | ||||
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大阪人ではありませんがまさに読みたかった作品!です。 「鴨川ホルモー」、「鹿男あをによし」とそれぞれ素晴らしかったですがこの作品もまた壮大な虚構がベースですが全然気になりません。 これぞ大人のための知的ファンタジーでしょうか。 登場人物達の名前が松平、真田、橋場、鳥居・・・そして旭!となっているところは話の展開もそうですがちょっと歴史がわかっておれば「くすくす」笑わざるを得ません。 そういえば「鹿男」でも登場人物が藤原先生、長岡先生、難波先生、堀田イト(イト国)と古代史版で凝っていました。 その中で堀田イトと同じ剣道クラブの先輩が佐倉という名前でこれって佐倉城主の堀田氏の組合せになっていたりしてこのような「遊び」の世界はますます進化しています。 とは云えやはり素晴らしいのは起承転結の転以降の驚きのハナシの展開。 ハートフルストーリーとしての出来映えはまさに万城目ワールドならでは。 特に後半の濃さはやはり万城目さんの作品の安定度を見せつけてくれます。 人間が生きていく上で大事にしないといけないものが何であるかを問い続けている万城目氏の人に対する暖かい目線、視線が心地良いです。 誰にでもお勧めできる傑作がまたひとつ誕生しました。 | ||||
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本屋さんで好きな作家の新刊を見つけたときの喜びはたまりません。またその本が分厚いと、うれしさ倍増です。ただし今回はちょっと期待を裏切られてしまいました。他の方も書いておられますが、自分もこれまでの作品のようなグイグイと読者を惹きつける魅力があまり感じられませんでした。話のスケールが大きくなったからか、細かい設定に気を遣いすぎなのか、はっきり言ってテンポが良くありません。 そしてこの作者の最大の魅力とも言えるファンタジーの要素ですが、「京の町にオニがいたら…」「鹿がしゃべったら…」という、もしかしたら本当にあるかも、あったらいいな、と楽しい気分にさせてくれるところが少なかったです。自分が大阪城に向かうところを想像してみても、いまいち感情移入できません。なんだか悪いことばかり書いてしまいましたが、また次の新刊を楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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万城目さんの小説では、何気ない日常の中に、実は大きな仕掛けが隠されており、歴史の陰で連綿と受け継がれている。それは、ホルモーというオニを鎮める儀式であったり、サンカクを用いた大ナマズを鎮める儀式であったり。仕掛けに支障が出るとおそらく日常生活もままならなくなるような、ばかばかしく見えるんだけれども実は偉大で壮大な仕掛けである。 三都物語勢揃いの大阪を舞台にしたこの物語では、仕掛けが大掛かり過ぎるのか、全体像が見えてくるまでに時間がかかる。主人公に対する暴力の描写も胸が痛い。しかし、三章以降、仕掛けが見えてき始めてから、俄然、面白くなる。そこからは本を置くことが難しくなった。 名前のことはほかのレビュアーさん達も書いているが、当人たちの知らぬ間に、歴史が繰り返されようとしている。そういう物語である。 たとえ名前の由来にぴんと来なくても、主人公大輔の父親の真田幸一のお好み焼き職人としての朴訥とした誠実さ、鬼の松平と異名をとる副長の容赦のない公正さなど、中年男性らの魅力が褪せることはない。両雄引けを取らぬいい男である。そして、女性たちは実に懐深く、大物である。 派手な演出があるわけでもないけれど、何かが大きく変化したわけでもないけれど、やっぱり奇想天外なんだよなぁ。じっくりと味わうような、静かな余韻が残る。 父から息子へ、母から娘へ。数百年間、受け継がれたのは、仕掛けの秘密ではない。秘密に託された気持ちである。その点、親の老いを感じ始めた世代にこそ、お勧めしたい。 | ||||
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みなさんのコメントにあったように、冗長な箇所が多かったと思います。 でも、それぞれのキャラクターがとても素敵に仕上がっておりますし、事件後のお話は電車の中でずっとにやにやしながら読んでしまいました。 ほっこりしましたし、これの続編も読んでみたいと少し思いました。 ホルモー、鹿男からするとどんどん現実味が増してきてしまっておりますが(そうでもない?)もっとおかしな世界のお話も読みたいなと思います。 | ||||
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前半数ページは必要なのか?と思いながら読んでましたが途中から調子戻ってきました。 発想がいい。 男だけの秘密のはずが結局…大阪の女は強いなw 旭の最後の豹変っぷりに爆笑です。 自身の生活圏とカブるために、この人の作品にはいつも身近な地名が頻出して…毎回わくわくします。 空堀、雰囲気出てます。 あー、お好み焼き食べたい。 | ||||
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形骸化した使命を守るために年間5億の税金・・・ このようなご時世だからか税金の無駄遣いに思えてしまい、 ちょっと納得いかない結末でしたね。 | ||||
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歴史的、規模的にスケールの大きなミステリー小説。 会計検査院側と大阪空堀商店街側と、2つの軸で話が展開し読みやすいです。 そして2つの軸が交わる時、そこには驚くべき事態が発生…。 しかし、大輔、茶子の行動は、中学生としては無理があるのでは。 地域のつながり、親子のつながり、一つ一つのピースが少しづつずれているような印象です。 (鹿男の大阪女学館高校南場先生がチョイ役で友情出演しております) | ||||
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歴史的、規模的にスケールの大きなミステリー小説。 会計検査院側と大阪空堀商店街側と、2つの軸で話が展開し読みやすいです。 そして2つの軸が交わる時、そこには驚くべき事態が発生…。 しかし、大輔、茶子の行動は、中学生としては無理があるのでは。 地域のつながり、親子のつながり、一つ一つのピースが少しづつずれているような印象です。 (鹿男の大阪女学館高校南場先生がチョイ役で友情出演しております) | ||||
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待ちに待ったマキメ氏最新作。 京都、奈良を舞台にした物語から、今作ではいよいよ大阪を舞台に 壮大なホラ話が展開される。 面白かった。 も〜なんというか、 ここまで壮大な話になってくると 笑いを通り越してぽかんとしてしまう。 500ページ超の傑作! といいたいところだけど、 正直ちょっと長かった。 後半の物語が感動的で、しかもしっかり面白く描けているので その前半部分をもう少し簡潔にまとめられていたら もっと面白かっただろうな。 大輔が女の子になりたいという理由もイマイチはっきりしないし、 こういう設定にした意味もわからない。 最後の「男の気持ちも女の気持ちもわかる」という方向に 持っていくつもりだったのであれば もう少し説明が欲しかったなぁ〜。 ただ大阪方に茶とか市とか真田とか 関東側から松平、旭、鳥居とか しっかり歴史を認識させつつ名前も考えているところが さすがのマキメ氏でした。 何だかんだ言いながら やっぱり面白い作品だったのでした。 さすが、マキメ氏。 一気に読ませたのは物語のバカバカしさと マキメ氏の力でしょうね〜。 | ||||
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独創的で面白かったのですが、これまでの本で魅力だった登場人物の活躍やキャラクターよりも、壮大なシステムの解説が多かったのが残念です。「鴨川ホルモー」のほうが魅力的に思えました。 | ||||
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とにかく面白い。こんな小説が出るのを待っていた。物語の舞台は大阪に実際にある空堀商店街である。作者の描写通りの路地と坂と崖があり、このラビリンスが物語の味付けになっていることは間違いない。作者の独特の世界観とこの場所が実にマッチして物語を重層的に面白くしている。その上細かいディティールが実によく書けていて、読めば読むほど関心する。全体的にはマキメワールド全開で「鹿男あをによし」や「鴨川ホルモー」に書かれているユーモアーと切なさの微妙なスパイスが効いている。とにかく読んでいて楽しい作品だ。 | ||||
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うちの嫁が万城目氏の大ファンで、新刊が出るとその日の内に買ってきては「面白い面白い」と言いながら読んでいますが、今回はしきりに私に薦めてきました。 でも何といいますか、私の中では「若者が好む作家」というイメージがあり、なかなか読むには抵抗がありましたが、こんなことで夫婦ケンカになるのもつまらないと、しぶしぶ読むことに・・・ しょうもない内容ならどうしようか困っていましたが、いざ読み始めましたら思ったよりも読みやすく、丁寧な人物描写から自分なりのキャスティングをしたり思いのほか楽しめました。 しかし後半、話が進むにつれ余裕はなくなり、すっかり話の中に入り込んでしまい、読了後には目頭が熱く、嫁に思わず「ありがとう」と(笑) 私の父も他界していますが父とはあまり良い関係ではなく、もしこんなことがあったらもう少し違った関係だったかもしれないと、大阪国の父子を羨ましく思います。 父子の絆、家族の絆、地域の絆、今は無くなってしまったかに見える人と人との絆が大阪という大都市で脈々と生き続けていることに感動せずにはいられません。 若者向けとばかり思っていましたが、もしかしたら中高年に一番ヒットするかもしれませんね。 これを機にたのも読んでみようと思います。 | ||||
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「ホルモー」の軽妙洒脱なキャラクター造形、「鹿男」の壮大で巧みなストーリー構成など万城目氏のよさが、すべて萎縮してしまったようにかんじました。前掲の「良さ」が細々と感じられるものの、全体でもってネタの回収、つじつまあわせに腐心してしまったかのように、ぐいぐいと読み進めさせる力を感じませんでした。 期待していただけに、残念に思っています。 また次回作を楽しみにします。 | ||||
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これは… 面白い! しかも面白いだけじゃなく、心が温かくなるような感動があります。 久し振りの新刊だけど、鹿男みたいにアレだったらどうしようと思いましたが、そんな心配は直ぐさま吹っ飛び、最後まで一気に読んでしまいました。 大阪国にはこの先ずっと在り続けて欲しいです。 サイドストーリーや続編も待ってます(アレとかアレとか) | ||||
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