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(短編集)
桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活
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桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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事前の情報で「捧腹絶倒」「爆笑必至」といった言葉を目にし、過度に期待をしてしまった反動のせいか、そんなに笑えなかった。ただ笑えないからといってつまらなかったというわけでもなく、極端に戯画化された登場人物や、突拍子もない比喩表現の人物描写、セルフツッコミ等、ユーモアを感じる部分も多々ある。この辺の作者特有のユーモアセンスは読者各々の好みによるとしか言えないだろう。私自身は、常に笑わせようとする狙いが透けて見えて辟易してしまった。作者の顔が出すぎているのである。もう少し緩急が欲しい。 笑いのツボがハマる人にはとことんハマりあっという間に読めてしまうのだろうが、私にとってこのテンションの文体で400ページは長すぎ、途中から退屈してしまった。 | ||||
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「シューマンの指」で、すこぶる付きのクラシック通であることを広く世に知らしめた奥泉光が、今度は、一転、ユーモア・ミステリなのだそうだ。私は、某新聞の書評で、コラムニストの香山二三郎氏が「思わず吹き出すこと必至」と書いているのを見て、「あの格調高い「シューマンの指」の作家のユーモア・ミステリ?」、「そんなもの、本当に面白いの?」と、半信半疑ながらもというべきか、だからこそというべきか、興味がわいてきて、この本を読んでみる気になった。 この本には、1編が100ページ以上というかなりのボリュームの中編作が3編納められているのだが、一般的なユーモア・ミステリがそうであるように、この本も、ミステリ的には見るべきものはない。したがって、どれだけ笑わせてくれるか、楽しませてくれるかが、この本の評価のポイントになると思う。 その奥泉光のユーモア・センスは、私の想像以上であったとは言えるのだが、たとえば、最近評判の「謎解きはディナーのあとで」の東川篤哉や、「伊良部シリーズ」の奥田英朗のように、簡潔な軽い文体で、ストレートに笑わせてくれる作家とは、明らかに異質のタイプだった。 奥泉光の文体とユーモアには、技巧と洗練を感じるのだが、それは、言葉を換えれば、理屈っぽいところがあるということでもあるのだ。私の場合、「上手いなあ」と感心する場面は多くても、思わず笑ってしまう場面は、決して多くはなかった。そういった意味では、やはり、「シューマンの指」の作家らしいユーモア・ミステリだったと思わないでもない。 それでも、作者の仕事柄、若者と接する機会が多いせいか、特に、たらちね国際大学唯一人の男子学生、モンジに使わせているいかにもそれっぽい今どきの独特の若者言葉は傑作で、思わず笑ってしまった。こうした文章を読んでいると、作者自ら、今まででいちばん楽しんで書いたと語っているのも、よくわかる気がする。 | ||||
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