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(短編集)

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活



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桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活の評価: 4.15/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.15pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 21~27 2/2ページ
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No.7:
(5pt)

電車の中では読まないこと!

まず、大学教員のとほほな生活があまりにリアルなんで笑える。私もその端くれなんで判るのだが、きっと、作者も近畿大の教授職になって、その実態に触れて驚いたことがベースになっているのだろう。とにかく声を出して笑ってしまうような抱腹絶倒エピソードが満載なので電車の中では読めない。ジンジンなどの登場人物の人物造形も面白い。
前作のラストと設定はちょっと矛盾するがそれは目をつぶろう,と思わせるほど面白い。
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No.6:
(5pt)

大学はトラブルだらけ。

主人公クワコーの自虐、薄志弱行、情けなさ、脆さぐあいに、大いなる共感を得ました。この感じは、十代の時に読んで、あまりに主人公と自分が似ていると衝撃を受けた太宰治の『人間失格』以来です(ほんとかよ)。ミステリ的に、大きな仕掛けがあるわけではないですが、すっごく面白いです。特に太文字のところ。かる〜く読んで多いに笑って、探偵役の名推理に酔いしれましょう。続編、出て欲しいな。
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No.5:
(5pt)

抱腹絶倒

喩がすごく的を射た感じで面白い。その場面をまさに言いえて妙なのだ。おバカな女子大生のセリフも創作とは思えない。果たしてこのような言語を自在に操る若者が本当にいるのか?いたとして、これ程に脈絡もなく話ができるのか?主人公の桑幸の思考回路の低俗さは自らを鏡に写されているようで、腹を抱えながらも悲哀が漂う。前作の「モーダルな事象」は同じ主人公でも途中から本格ミステリーになったため、重い内容だったが、これは3篇とも軽い話で害がない。
 ただ気がかりなのは、千葉県民を敵に回しているのでなないかということだ。青森県民も巻添いを食っており、痛々しい。
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No.4:
(5pt)

こんな本を読みたかった

奥泉さんの作品をじつは少ししか読んだことがありません。そこはかとないユーモアが底流にあるけど稠密で深い「文学」の人、というイメージを持っていたので、硬いのはちょっと…と思うわたしは敬遠してました。
この作品を読んで、奥泉さんのユーモアをあなどっていたことを知りました。すみません。

D.E.ウェストレイクのドートマンダー・シリーズが好きで、日本にああいう楽しくて凄みある作品を書く作家がほとんどいないのが残念でした。が、この本! ある点でドートマンダー・シリーズに匹敵するかも。事件はちゃちいけど。
人物や生活を描いて表面的じゃない。的確な鋭い語句で表層を描いて、描かれない奥行きをイメージさせてくれる(そしてニヤリとさせてくれる)。大人が読めるユーモア。

登場する女子大生達の言動がリアルで、人物がこれも鋭い一文などで描写されて、目の前で彼女達がしゃべっているような感じ。奥泉さんの観察眼と、表現する語句の鋭さ。
個人的にはリカちゃんと森小雪のキャラが楽しかった。
主人公クワコーは、ダメっぷりに嫌みが無くなんというか軽く鼻で笑いつつ読めます。

巷で「ユーモア・ミステリだ」ともてはやされて大ヒットしてる本を読んでみたら中身の薄っぺらさに怒りをおぼえた、という経験をおもちのかたには、この本良いんじゃないでしょうか。
ミステリとしての謎解きはそれほどすごくないけど、文章は薄っぺらくない。かつ読みやすい。
登場人物達の醸し出す雰囲気も二次元な感じじゃなく、立体感があります。
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No.3:
(5pt)

こんなに笑ったのは久しぶり!

下流大学教員クワコーと不思議文芸部員の織り成すドタバタ劇が最高に面白い!
3話で構成されていますが、特に3番目のお話が、クワコーの冴え渡る自虐の詩に、
車内で思わず声をあげて笑いそうになり、通勤途中に読むのをあきらめました。
自宅でゆっくり、爆笑させてもらいました。
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No.2:
(5pt)

自虐ネタもここまでならアリでは?

ミステリーとしての謎解きの部分が弱いのは、目をつむります。
 月収10万余りで下流大学助教授が巻き込まれる「事件」を、彼の自虐ネタを中心に笑わせてくれます。これ以上自虐が過ぎるとイタクなるところを筆者は巧みにかわしながら描き出しています。
 また、彼が顧問を務める「文芸部」のメンバーのキャラも立っています。
 気楽に読めます。気分転換にお勧め。
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4163804609
No.1:
(3pt)

技巧と洗練を感じるタイプのユーモアだが、思わず笑ってしまう場面は、決して多くはなかっ

「シューマンの指」で、すこぶる付きのクラシック通であることを広く世に知らしめた奥泉光が、今度は、一転、ユーモア・ミステリなのだそうだ。私は、某新聞の書評で、コラムニストの香山二三郎氏が「思わず吹き出すこと必至」と書いているのを見て、「あの格調高い「シューマンの指」の作家のユーモア・ミステリ?」、「そんなもの、本当に面白いの?」と、半信半疑ながらもというべきか、だからこそというべきか、興味がわいてきて、この本を読んでみる気になった。

この本には、1編が100ページ以上というかなりのボリュームの中編作が3編納められているのだが、一般的なユーモア・ミステリがそうであるように、この本も、ミステリ的には見るべきものはない。したがって、どれだけ笑わせてくれるか、楽しませてくれるかが、この本の評価のポイントになると思う。 

その奥泉光のユーモア・センスは、私の想像以上であったとは言えるのだが、たとえば、最近評判の「謎解きはディナーのあとで」の東川篤哉や、「伊良部シリーズ」の奥田英朗のように、簡潔な軽い文体で、ストレートに笑わせてくれる作家とは、明らかに異質のタイプだった。 

奥泉光の文体とユーモアには、技巧と洗練を感じるのだが、それは、言葉を換えれば、理屈っぽいところがあるということでもあるのだ。私の場合、「上手いなあ」と感心する場面は多くても、思わず笑ってしまう場面は、決して多くはなかった。そういった意味では、やはり、「シューマンの指」の作家らしいユーモア・ミステリだったと思わないでもない。 

それでも、作者の仕事柄、若者と接する機会が多いせいか、特に、たらちね国際大学唯一人の男子学生、モンジに使わせているいかにもそれっぽい今どきの独特の若者言葉は傑作で、思わず笑ってしまった。こうした文章を読んでいると、作者自ら、今まででいちばん楽しんで書いたと語っているのも、よくわかる気がする。 

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4163804609

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