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転落
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転落の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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ラストはちょっとガッカリしたが女性なら陥る可能性が充分にある話を 主要登場人物を極力減らし上手く描写していると思う。 第二章に入った時、あれ?短編小説(個人的に苦手)買ってしまったのか? と思うような入り方でちょっと先を飛ばし読みしてしまったが、見事にトリックに騙された。 子供との話にリアリティがなさ過ぎるのもそういう事かと感心してしまった。 どこが転落かと言われれば、普通の主婦が殺意なく事故で子供を殺してしまい、 それが元で身を潜めて暮らさなければならない。という言葉で表すと単純なことなのだが、 平凡だからそれで充分転落なのだと思う。 子育てを女手ひとつでするのは大変なことなのだと本作を貸した主婦にも言われました。 | ||||
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題材やネタはすごくいいと思いますよ。うまく書けば名作も生み出せる着眼点です。ただ組み立てや盛り上げ方がちょっと…皆はネタネタ言ってるけど、どれがネタなのかよくわからない。衝撃のラストも、淡々と書かれてるから「あ、ここが衝撃の部分か」と冷静に推測するしかなく、いまだに消化不良。それぞれの重要な行動にもその必然性がわからず、最後のエピソードも「これが理由でああなるの?」って逆に唖然とします。なんかすごくもったいない。全体の沈み込むようなトーンや登場人物のパラノイア気味の葛藤はよく描かれてるんですけどね。でも後からゾっとする部分は確かにあります。他の人と自分の『読む感性』がどう違うかを測るにはいい本だと思うし、ある意味踏み絵ですね。読後は確かにかなり重苦しい気分になれるので、4つ☆です! | ||||
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これだけ暗い感じのミステリー小説は初めてだ。この小説には一片の希望もなければユーモラスな部分もなく家族、親類、友人などが全て最悪の敵に変わってしまう。また介護現場での暗さや歪な感じが、なかなかリアリティがあってなんと嫌な職場だろうと感じられた。しかし読後感は悪くはない。 | ||||
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ジャケットの黄色い花に引き寄せられて、手に取った。 〈転落〉というネガティブなタイトルと、明るい黄色のコントラスト、あるいは、ギャップに惹かれた、といった方が近いかもしれない。 第一章「教唆」、第二章「隠匿」、第三章「転落」の三章からなる。第一章の書き出しから、なぜ、「ボク」は家出せねばならなかったのか? という疑問にとりつかれて読み進めた。 第二章以降で、それは少しずつ解き明かされていくが、その途中で、ある仕掛けが施されていたことが判明、私はそこで、やられた! と、うなってしまった。 この本の解説者は、自分の解説が作品内容のネタばれになりはしないか? と懸念しているが、それは杞憂だろう、ネタばれには、なっていない。私のレヴューもまた、ネタばれになっていないよう、祈っておくとするか。 | ||||
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一人称視点を切り替えながら展開して,次々と違う真相が明かされるサスペンス. 現在進行系の事件の描写で引っ張りつつ, 過去の事件の本当の真相で驚かせるというなかなかに凝った手法である. また,この作品のもう一つのテーマとして,子供を亡くした母親や家族の苦悩や, 世間から受ける仕打ちという難しい題材を持ってきて,それを動機としている点も特徴である. 子供を失った悲しみや喪失感だけでなく,身内からの断罪や 必ずしも温かいものとは限らない周囲の好奇の目. こんな苦痛があったのかと改めて感じた. 若干の消化不良感はあるものの,当事者達の絶望の深さ,救われなさは十分に伝わってくる. 多少の難点を指摘するなら,全体に緻密さが足りない. 例えば,ラストで明かされる真相から,第1章へのつながりには少々説明が足りず説得力不足. また,第1章の終盤で迎える破局も被害者側の行動を裏付ける描写が足りないため なんだか唐突な印象を受けてしまう. 作品全体の構成がよくできているだけに,ディテールが気になるのが惜しい. | ||||
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三部構成で、読めば読む程謎が深まる 雨水が土に染みこむように、じわじわ物語りに侵されてゆく ホームレスを小学生が餌ずけする所から始まるが、一部・二部と反転してゆく構成に眉間の皺が深まる 全部読み終わるまで気になって一気に読んだ そして、気持ちが沈んだ この物語で事件に関わるのが、子供を持つ母親で 子供は健康に育ってあたりまえで、もし、子供に何かあった時 母親には責任が、夫や舅姑だけでなく世間からも重圧となって押し付けられる 生き場を失った母親 生き場を失うのが恐い母親 母親の苦しみが読後滲み出て、哀しい気持ちで一杯になった | ||||
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3章構成で、それぞれ、語り手が異なる。1章の語り手はホームレス。小学生の女の子と仲良くなって、しかしだんだんおかしな感じになっていく。行動にも微妙に不可解なところがあって「何で」と思っているうちに2章にいくと、全然違う話に。「なんだなんだ?」と思うが、実は1章ときちんとつながっていることが明かされる。 勘違いしたのは著者のトリックに見事にだまされたからで、思わず膝を打ってしまった。 そのトリックが、単なる小手技でなく、登場人物の内面を語るうえで必要だったことが分かり、二重に感心。 ラストでトリックを説明しておしまい、というパタンが多いと思うのだが、この本ではこの大技を全体の三分の一ぐらいで明かしている。すばらしい!で、2章は別の語り手なのだが、この人の行動にも不可解な点があり、後半で思いがけない謎解きが行なわれる。 というわけで、ページをめくらせる力が強い。 ホームレスにしても2章の語り手にしても、タイトルどおり転落するのだが、それは周囲の視線のせい(と、大雑把にくくってはよくないが)。その周囲の怖さを、職場の会話や田舎の描写を通してきっちり描いている。 面白い1冊であります。 | ||||
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現代社会にひそむ陰をすくいとるのが巧みな著者の新作は、はっきり言って怖い。その怖さは、読んでいる最中には背骨を震わせ、読み終えてからはボディブローのように効いてくる。 あっと驚かされる仕掛け。著者の深い人間観察が結実した描写。主人公を取り巻く人々の何気ない会話や、罪の意識のなさに、ついつい普段の自分が重なる。自分だって、「善意の隣人を装った加害者」なのだ、といやでも気づかされる。猛暑のこの夏。きりりと冷えたビールとこの本があれば、暑気払いできること請け合いだ。 | ||||
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