■スポンサードリンク


転落



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
転落
転落 (講談社文庫)

転落の評価: 3.00/5点 レビュー 22件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 21~22 2/2ページ
<<12
No.2:
(5pt)

見事にだまされた!

3章構成で、それぞれ、語り手が異なる。1章の語り手はホームレス。小学生の女の子と仲良くなって、しかしだんだんおかしな感じになっていく。行動にも微妙に不可解なところがあって「何で」と思っているうちに2章にいくと、全然違う話に。「なんだなんだ?」と思うが、実は1章ときちんとつながっていることが明かされる。 勘違いしたのは著者のトリックに見事にだまされたからで、思わず膝を打ってしまった。
そのトリックが、単なる小手技でなく、登場人物の内面を語るうえで必要だったことが分かり、二重に感心。
ラストでトリックを説明しておしまい、というパタンが多いと思うのだが、この本ではこの大技を全体の三分の一ぐらいで明かしている。すばらしい!で、2章は別の語り手なのだが、この人の行動にも不可解な点があり、後半で思いがけない謎解きが行なわれる。
というわけで、ページをめくらせる力が強い。 ホームレスにしても2章の語り手にしても、タイトルどおり転落するのだが、それは周囲の視線のせい(と、大雑把にくくってはよくないが)。その周囲の怖さを、職場の会話や田舎の描写を通してきっちり描いている。
面白い1冊であります。
転落Amazon書評・レビュー:転落より
4062124378
No.1:
(4pt)

背骨が冷えるミステリー

現代社会にひそむ陰をすくいとるのが巧みな著者の新作は、はっきり言って怖い。その怖さは、読んでいる最中には背骨を震わせ、読み終えてからはボディブローのように効いてくる。
あっと驚かされる仕掛け。著者の深い人間観察が結実した描写。主人公を取り巻く人々の何気ない会話や、罪の意識のなさに、ついつい普段の自分が重なる。自分だって、「善意の隣人を装った加害者」なのだ、といやでも気づかされる。猛暑のこの夏。きりりと冷えたビールとこの本があれば、暑気払いできること請け合いだ。
転落Amazon書評・レビュー:転落より
4062124378

スポンサードリンク

  



<<12
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!