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ポリティコン
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ポリティコンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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桐野夏生さんの本です。 視点人物は、最初は真矢ですが、やがてすぐに高浪東一に切りかわります。 高浪東一は、山形県の過疎の唯腕村に住む若者。 唯腕村は白樺派の羅我誠と高浪素峰によって解放されたコミュニティ。 村人たちは、互いに助け合い、生活することを理想とするが、 当初の理念は忘れ去られ、現在では、過疎化がすすみ、ジリ貧。 東一はなんとか村を立て直そうと孤軍奮闘。 そこに、外国人のスオンや、真矢、北田が流れてくる。 真矢の圧倒的な美しさに魅入られる東一。 しかし、村で孤立していく東一は、やがて東京へ。 東京で自分の母と出会ったりしつつ、なんとか生活する。 ところが、父が死んだ知らせが届き、唯腕村に帰る。 そこで、唯腕村を立て直そうと決意するものの、怪しげな男に借金をする…。 とりあえず、現在の日本の縮図というか、今後おこってくるはずの問題を、唯腕村が先取りしている、という感じの話でした。 口うるさい老人たちが生きていて、若者は苦労するという図式ですね。 東一の真矢に対する欲望や、金に苦しむ様がよく描かれています。 また、ヤマギシズムっぽい「理想郷」って、実情はこういうもんだよね、という現実が描かれているように感じました。 | ||||
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下巻は、唯腕村の経営で「若き農業カリスマ」になった東一の話が前半で、後半は、真矢視点で話がすすんでいきます。 前半部は、東一がかなりやばい商売をしつつ、しかし一方では「農業カリスマ」として東京のマスコミにとりあげられていく話です。 真矢への思いは強く、真矢の大学進学の資金を出す約束をしてしまいます。かわりに、おセクスをさせてもらうということに。 しかし、真矢は「ヤル気」がないのね。ここは笑えました。 ところが、借金がかさみ、やがて真矢を「売る」ことに…。 ここいらへんで、真矢視点に切りかわります。 真矢は東一に売られ、水商売をしながら生活をしている。 やがて都会に出る。 都会で生活していると、父親がわりだった北田が、唯腕村で死んだことを知る。 ふたたび、唯腕村で東一と出会うことに。 東一はホアと結婚し、子どもを儲けて、唯腕村の経営を精力的にすすめている。 しかし、その「経営」は独善的で、古くからの村人は反発している。 はたして、東一と真矢の運命は? 「理想郷」って、やっぱり、難しいんだよね、という話ですよね。 また、日本の貧しさというか、経済的な行き詰まりってのが、めぐりめぐって、地方の寒村にももろ影響しているよね、ということが示されていたように思います。 また、「人材」という意味で、外国人たちも、そういうコミュニティに積極的に関与させないとたちゆかなくなるんだろうなぁ。 そういう意味では、唯腕村は日本の縮図ですね。 いろいろな不正をしていて、それを表にはせずにおこなう、という、日本的な欺瞞がよく描かれているように思いました。 いろいろと示唆させてくれる小説で、おもしろく、一気に読みました。 | ||||
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「新しき村」とか「ヤマギシ会」のような 私有財産をみとめない理想郷 でも、権力者は・・・言ってることとやってることが 全く違う。 「村」の住民は年をとるばかりで 数すくない若者に希望はない。 今の日本社会の縮図のような「村」 面白く読みました。 | ||||
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みたいな感じだろうか? 閉鎖空間=東京島 とんでもない女子高生=グロテスク 既視感がある。 とは言え、一気読みしてしまった。 | ||||
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初めての桐野作品がポリティコンだったのですが、なかなかページが進まず上下巻読み終わるのに時間がかかってしまいました。 東一が本能のままに行動している姿は、時に面白くもあり、同情出来る事もありました。裸の王様になっている東一を自分に置き換えてしまっている瞬間があり、嫌われたくない。一人になりたくない。と、感情移入してしまう程のめり込んでしまう展開があり、読み終わる時にはどっと疲れてしまいました。 読み返す事は無いと思いますが、印象深い作品でした。 | ||||
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本書は上下合わせて850頁という大作。 これだけの分量を一気に読ませる桐野氏の筆力はさすがだ。 しかし、著者は何を表わしたかったのか。 え、これで終わりなの?とつまらない結末に驚いた。 | ||||
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トイチって悪の化身じゃないか? 彼が村の権力者になったあと、案の定、この男はそこでハーレムをつくって、好きな女とやりたい放題。外国人女のスオンだろうが、中年女のアリスだろうが、見境なくセックスを要求する。そんなヤツが、今度はロリコンに目覚めて、マヤちゃんを愛していると告白しても、そんなのは到底愛とは言えない。 セックスの守備範囲が広いだけのエロ大魔王だ。 トイチとマヤのセックスはレイプだ。 社会的弱者である女性を、お金と権力でねじ伏せて、セックスを強要。それはまるで江戸時代の悪代官が、清貧な娘を手ごめにする時代劇を見ているかのようだった。そもそも、マヤが自分の手に入らないと思ったら、今度はあっさりヤクザに売り渡す主人公に誰が共感できるんだよ? こんな男のどこが根は善人なんだよ? テレビ出演のときは、わざと朴訥な好青年を演出するために、方言を使い、名前まで改名するこの男の老獪さは、もはや政治家と一緒だ。どうせ名前を変えるならオザワイチロウに改名しろ。 手強い政敵の山路さんと手を結んで、己の権力を保持する手腕もかえって不快になる。 愚かで純粋ならバカ男ならば、読者は「憎めないやつだ」と笑えって許せる。 しかしここまで政治家のように狡猾で、権力と性欲の固まりの男は愛しようがないのだ。 しかも亡くなった老人のお金まで盗む。トイチよ、おまえは悪魔か。 ラスボスはトイチだ。村に帰還したマヤが痛快にトイチを退治する。 私もようやく溜飲を下げることができた。 ここで終わればハッピーエンドだった。しかしマヤがトイチのことを、「憎めない男」だとか、そういう意味不明な台詞を、桐野さんがヒロインに言わせることについて、私は断固として拒否したい。リアルティがないのだ。 いいか?レイプされた男を、許す女性など、この世には、い、な、い、のだ! これは桐野さんの裏をかいた悪意だろうか? アキラだったらこう言うだろう。この小説、終わってるよ、と。 理不尽な男社会に常にNOを叩きつけてきた桐野作品とは到底思えない。 いずれにせよ悔し涙がとまらない。 | ||||
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ポリティコンとはソクラテスのいう「政治的動物」のことらしい。どんな高邁な理想を掲げた共同体のなかにもいつのまにか忍びこむ、政治的な思惑や経済的利害の対立、愛と協働の美辞麗句とはうらはらに、共同体の基盤を揺さぶる人間同士の羨望と嫉妬と憎悪と敵対……。それらが複雑に交錯しながら政治的動物の終わりなき悲喜劇が月山と鳥海山の麓で繰り広げられるのである。 先祖が立ち上げた理想郷「イワン村」の新理事長の高浪東一は、言いなりにならない初恋の人マヤをヤクザに叩き売って金をせしめ、親の威光を借りて「平成版農業ディズニーランド」として再編することに成功したと見えたが、それもつかの間、おのれの強欲と老・中・青の離反によって権力の座から転落してしまう。 上下巻を通じてもっとも興味深いのが、この軽薄で単純明快で粗野で生真面目な平成の「イワンの馬鹿」であろう。 一方東京・横浜のピンク街でホステス稼業に身をやつしていたマヤは、恩人の葬式で「イワン村」に戻るが、ついに中朝国境で脱北者の斡旋業をやっている母親との連絡がつき、、権力闘争に敗れて村から遁走する羽目になった「イワンの馬鹿」とのヨリを戻して、もういちど新たな人生を始めようと決意する。 かなり竜頭蛇尾のロマネスク小説だが、あと5年掛けて続編を書くべし。 | ||||
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ポリティコンとはソクラテスのいう「政治的動物」のことらしい。どんな高邁な理想を掲げた共同体のなかにもいつのまにか忍びこむ、政治的な思惑や経済的利害の対立、愛と協働の美辞麗句とはうらはらに、共同体の基盤を揺さぶる人間同士の羨望と嫉妬と憎悪と敵対……。それらが複雑に交錯しながら政治的動物の終わりなき悲喜劇が月山と鳥海山の麓で繰り広げられるのである。 先祖が立ち上げた理想郷「イワン村」の新理事長の高浪東一は、言いなりにならない初恋の人マヤをヤクザに叩き売って金をせしめ、親の威光を借りて「平成版農業ディズニーランド」として再編することに成功したと見えたが、それもつかの間、おのれの強欲と老・中・青の離反によって権力の座から転落してしまう。 上下巻を通じてもっとも興味深いのが、この軽薄で単純明快で粗野で生真面目な平成の「イワンの馬鹿」であろう。 一方東京・横浜のピンク街でホステス稼業に身をやつしていたマヤは、恩人の葬式で「イワン村」に戻るが、ついに中朝国境で脱北者の斡旋業をやっている母親との連絡がつき、、権力闘争に敗れて村から遁走する羽目になった「イワンの馬鹿」とのヨリを戻して、もういちど新たな人生を始めようと決意する。 かなり竜頭蛇尾のロマネスク小説だが、あと5年掛けて続編を書くべし。 | ||||
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私は桐野夏生さんの大ファンですべての本を読破しています、 でも残念ながらこの作品は期待はずれでした。 今までのアイムソーリーママ、やメタボラで出てきた「親のない孤児の女」や「独立した 夢の村」などのテーマが出てくるのですが正直またこのテーマか、という気がしました。 桐野さんの作品はそういったドロドロとしたテーマが魅力なのではありますが、 そういったほかの作品のテーマが合わさったような感じがして少しぼやけた印象でした。 アウトやダークのような切れ味、疾走感にも少し欠けており、どうしてもグロテスクのような 素晴らしい作品と比べてしまいました。 ミステリーというよりは純文学に近い作品が最近は多いと思います。 たしかにこれはこれで重厚感があり魅力ですが、私は少し物足りませんでした。 | ||||
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私は桐野夏生さんの大ファンですべての本を読破しています、 でも残念ながらこの作品は期待はずれでした。 今までのアイムソーリーママ、やメタボラで出てきた「親のない孤児の女」や「独立した 夢の村」などのテーマが出てくるのですが正直またこのテーマか、という気がしました。 桐野さんの作品はそういったドロドロとしたテーマが魅力なのではありますが、 そういったほかの作品のテーマが合わさったような感じがして少しぼやけた印象でした。 アウトやダークのような切れ味、疾走感にも少し欠けており、どうしてもグロテスクのような 素晴らしい作品と比べてしまいました。 ミステリーというよりは純文学に近い作品が最近は多いと思います。 たしかにこれはこれで重厚感があり魅力ですが、私は少し物足りませんでした。 | ||||
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