■スポンサードリンク
隻眼の少女
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
隻眼の少女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.96pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全163件 61~80 4/9ページ
| ||||
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
---|---|---|---|---|
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
そう書いてる人が少ないので「アレ?」と思いましたが。 まぁ、気づいたのは作中でその人物も十分犯人となりうる「動機」があるのに一切触れられなかったこと、「二部構成」といったメタ的に考えた故で、そこまで理詰めで推理した訳ではありませんが。 ただ、僕がこの小説に魅力を感じないのは、基本的に「誰でも犯行可能」だから。 実際、作中で探偵役が色々な推理を披露しますが、どれも決定打に欠け、 尚且つどの事件においても登場人物ほとんどにアリバイが無いという超展開。 証拠という証拠も決定的なものはなく、探偵の推理も二転三転します。 まぁ、ここまで「冤罪」連発の名探偵も珍しい。 ちなみに僕は序盤に犯人役に目星を付け、作者もその可能性を途中で一切提示しなかったため、探偵の推理は全て読者の目くらましだろうなとぼんやり見てました。 だから正攻法の推理小説好きからするとこの小説はナンセンスでしょう。 探偵の推理が悉く外れてるわけですから、「ヒントが提示されてない!」と怒るのも無理はありません。 でも注意深く見ると推理に穴が一杯あるのはわかります。 まぁ、非常にチャレンジングで、意欲的な作品だとは思いました。 レビューを見て、やはりこの小説は「まとも」に読むと犯人がわからないんだと気づかされました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2部構成となっている本書だが、そこまで話を持たせられるほどの魅力はない。 魅力ない、やたらとヒロインぶるキャラクター(ラストのためであろうと、魅力はない) 出てくる人物にも面白みがなく、作者は自分に酔う性格か。 映画の予告で面白そうに思ったが、とんだ駄作だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
土地の名士が住む館での殺人という状況設定やキャラクターの名前の付け方、あの人物が二人だった、などの要素から、 金田一シリーズの「犬神家の一族」を踏襲した作品だという印象です。 ↓話の核心について触れるんで注意! 前半のヒロインが実は生きていた!というトリックですが、 犬神家の一族でも同じトリックが使われてます。 よって、私はトリックが意外というよりも、「これ犬神家じゃないの?」という疑念を感じました。 ただし、犬神家では状況証拠から、読者たちが件の人物が生存していることを推理できるように構成されてますが、 隻眼の少女の場合は、ヒロインが生存しているということの推察は不可能です。 警察が調べて死亡と断定してますし、実は生存しているというヒントが一切ないのですから。 「推理小説として読まなければ」という意見もありますが、「それなら推理小説として出すな」と言いたいです。 もう一つ、賛否両論の犯人の動機ですが、私は納得がいかない派です。 犯人の動機というものは、トリックの暴露と同じくらい大切な要素だと思います。 その大切な要素が、適当というか、心理描写が無理矢理なため、読み終わった後に残念な気分になりました。 動機については犬神家を基にせず、作者が完全オリジナルで考えてますが、 作者のオリジナルな部分だけが稚拙で、他に比べて浮いてしまっています。 日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞ダブル受賞とのことですが、 審査員はもっと他の推理小説を読んで勉強するべきです。 少なくとも、超有名な「犬神家の一族」の二次作品であることくらいは気付くべきでしょうに。 良い要素は犬神家からのオマージュ、悪い要素は作者のオリジナルということに気付いていたのなら、 賞を与えることはしなかったはずです。 最近の審査員の質の低下も浮き彫りになる作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
隻眼とは片方の眼そのものや視力が失われている状態のことを意味する。この小説では、左眼が義眼の少女を探偵役として、殺人事件を追う物語になっている。 主人公は自殺するためにやってきた地で、殺人事件に巻き込まれる。危うく犯人にされそうになったが、名探偵で名高い母親から名前を受け継いだ、御稜みかげという義眼の少女に出会う。そうでなくてもいいのに片目だけが、色の違うというヘテロクロミア。 あげくに、「私の左眼は、真実を見抜きます」という中二臭い設定なのだが、内容としては、本格ミステリの内容で、真相を探るのにものすごい悩まされるようにできている。 犯人の証拠が見つかったのに、それはもしかしたら、犯人のミスリーディングではないか、と思ったり、あるいは作者のミスリーディングではないか、という何重にも折りたたまれた謎の構造がほんとうに良く出来ている作品。ちゃんとしたロジックで解決していくのに、犯人であるという確証というか、なんとも判然としない気持ちになりつつ、最後まで読み進めた時に到達する、ミステリ独自の「あの」読後感を、きっと味わえる、いい作品ではないかと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は割と好き これは推理小説であるかのような形はしてるけれど、本質的にはサイコホラーなんだろうなと思う それに構図として、普通の推理小説ではお約束の「伝承と見立て」「動機とアリバイ」が全て アレな事になっているので、読者的にはまともに推理をすればするほど逆手に取られて馬鹿 にされた感も漂う 実のところ私は推理小説は好きではなくて、佇まいからして多分これはまともな推理小説 じゃないんじゃないかなと思ったので読んでみた口なので、終盤まではむしろアレレ? 普通だなと拍子抜けする思いでした。 最後はまあ反則だとは思うけれども、自分の期待的にはこれくらいやってくれる事 を期待して読み始めたので、むしろ期待通り でも推理小説を期待して読む人に取っては、寿司だと思って口に入れたら、飴細工の フェイク寿司だったと言う位のなんだこりゃ感はあるかも知れませんね。 最初から何か変なものを期待する人になら、ある意味期待に応えてくれる異常な作品 ではあります | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ラストについては賛否両論ですが摩耶雄嵩氏の長編作品の中ではマシな方ではないかと思いました。 なにより読みやすい。 それが大切。 ただ、この作品を内容そのまま映画化したら きっと凄いブーイングでしょう。 原作はとても面白いのに映画化したら、どんでん返しのために とんでもないことになってしまった。 そんな感じのラストです。 ミステリーでも謎解きではなく、あくまでもストーリーを楽しみたい方には良いかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
氏の『神様ゲーム』に打ちのめされたクチですので、『そうした要素』を期待していなかったといえば嘘になりますが、 しかし今作も凄まじい。圧倒的です。 本作『隻眼の少女』は二部に分かれており、同じ舞台を背景に十八年越しに起こる殺人事件の顛末が描かれています。 もちろんパッケージに描かれている通りの、よくあるキャラ萌え小説のようにして、この物語は楽しんでもいいのです。 というか、『そういう風にして』楽しむ分にもこのお話は一級品の出来となっています。 しかし麻耶雄嵩はそうした構造主義に対し、鋭いメスを入れています。 ちょうど上等なステーキ・ハウスでA5ランクの肉を注文した時の様のように、 名探偵というシェフの手により謎が、犯人が、丹念に筋抜きされ、何の疑問もはさむことなく楽しまれているということ―― 推理小説が、『名探偵』という存在が、当たり前のように扱われていることへの疑義として、この小説の解決編は機能しています。 「じっちゃんの名にかけ」たり、「真実はいつも一つ!」だったりする名探偵の世界ですが、冷静に考えてましょう。有名になるには実績が必要です。 ただ活字のフィクションにどこまでのリアリティを求めるか? というのもまた読み手に委ねられることになるのが、推理小説業界の悲しいサガだったりするわけですが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一人の青年(後に中年)が独り立ちしていくドラマとしてはおもしろいですが、 推理小説として期待すると、裏切られると思います。 トリックはいくつか屁理屈っぽいというか、無理やり感があります。 腹話術などは、さすがに無理があるのでは? また、とある人物が自身の死を偽装しますが、 そんなことを言い出したらすべての人物が死を偽装できてしまい、 推理小説としては成り立たないと思います(岩倉だって死を偽装できたはず) せめて、生きてる可能性を示すヒントくらいは必要だったと思います。 真犯人についても、度重なる性的虐待を受けていたとかいうならこれほど歪んだ人物になっていたかもしれませんが・・・。 ・・・と、否定的なことばかりを言ってしまいましたが、 推理はせずにストーリー小説として読めばおもしろいと思います。 ただし、文章は平坦で、使いまわしの表現が多く(『凛とした』などは10回近く出て来る) 文章を味わいたい人には不向きです。 また、ヒロインが水干姿の必要性が不明です。 ただのコスプレ系萌えキャラに見えてしまいます(地文でも、ヒロインの所作の描写がやたらに多いですし) ライトノベルを意識したのかもしれませんが、 (萌え系の)ラノベ嫌いとしては、度々興醒めしてしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
二つの賞を受賞したということで購入しました。 第一部までは面白く読めましたが、第二部のオチは納得できません。 申し訳ないですが、読んだ時間を返してほしいと思いました。 私が年をとったせいかもしれませんね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2010年に出た単行本の文庫化。 第11回本格ミステリ大賞の受賞作。 「名探偵」というものの在り方に疑問を突きつけるような衝撃作。それが麻耶さんのいつもの方法ではあるのだが、本作ではより破綻が少なく、精緻に組み上げられているように感じた。 終盤にいたって、すべてが破綻なく説得的に説明されていくのが素晴らしい。 ただ、ラストについてはもっと残酷にできたような気もする。そして、そうすべきだったのではないかと強く思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作の読後感は非常に悪く、納得がいかないことだらけ。(31人が好意的―5つ星、4つ星―評価をしていて驚いた)まず登場人物の行動が突飛でリアリティが感じられない。みかげの父親はまったく説得力のない理由で、自分の2歳の愛娘の片目をつぶす。共感の余地のない異常な行為。そしてその娘。2歳からずっと眼をつぶされたことを恨んでいて殺してやろう(恨みを晴らす=殺す しかないのかね?)と15年思い続ける。そのサイコ的執念深さも不気味で嫌だけど、その上その時点で2歳の子が、「将来母親のような探偵になりたいから、殺すほど憎んでいる冷酷な父を師匠として、表面上は信頼している振りをして15年ずっと修行を続ける」って人間的なリアリティを感じられる? 決断したときは幼児だし。 しかも頭がすごく切れるという設定ならば、父親を事故に見せかけて殺すなど色々考えられそうなのにそれをせず、父親が真の狙いなのをごまかすためだけに無関係の中学生を3人殺して首を切断するって?―発想があまりに異常で頭痛いわ。 次に探偵としては(アクション派ではなく)観察して不整合を見つけて論理的に謎を解決していくタイプと思われるのにあの過剰な能力の数々はどうしたことか?まずずっしり重い鉄扇を普通の扇のように自在に扱える、ものすごい筋力と体幹。そしてただでさえ片目で距離感がつかみにくいだろうに、あの短い鉄扇(相当近くまで行かないと当たらない)で次々と一撃必殺で失神させる当て感。これまた琴糸で一瞬で絶命させ、なたできれいに首を切り落とす。(よほど技術があっても経験がないとなかなかきれいに首を切り落とせるものではないのでは?)これはもう暗殺集団で幼い頃から人を殺す修行をした殺人兵器のレベル。その上、まったく畑違いの腹話術もプロ級で、微妙なタイミングの芸を確実にオコジョに仕込む特殊技能まで身につけている。(「よく懐いているから芸を仕込むのも難しくない」って?寝言は寝て言ってほしい)いったいどういう修行をすればこんな様々な特殊技能を17歳までに身につけられるのか? 実に嘘くさい。 ちなみにラストの方の身体能力はさらに進化している。もう残された片眼の視力もかなり低下してよく見えない状態で、門があるのを知っているのに使わず、暗闇で、降りしきる激しい雨の中わざわざ険しい瓦屋根を登って降りる(うまく刑事の背後から忍び寄ることが何より肝心なのに何で余計なリスクを?)その見えない目でも当て感は健在で、柔道の有段者の刑事を二撃?で倒す。 他にも首をひねるところが多い。例えばみかげ(娘)の推理を聞いた和生が「僕がやったんです」とやってもいないのに何度も言い出す不思議。しかもそれを否定されたら「じゃあ、僕は犯人じゃないんですね?」とみかげに聞くところはわけがわからず、何のギャグかと思った。 ひっかかったところはまだまだあって、とても書き切れない。またみかげの台詞には切れもウィットもなく、まったく惹かれるところがなかったし、いったいどこによさがあるのか謎である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読者が読んでて頭の中にイメージしやすいようにと、とても丁寧に書き込んであります。被害者一族の女性たちの名前に「菜」の字が使用されているので、一族だということがすぐにわかっていいですね。とにかく、作者はいろいろな配慮を文中に施しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容には驚かされましたが、少し専門的な事柄が難しかったかなという印象です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞を受賞した作品だが、全く本格ミステリではないので受賞したのが意外である。 同時期の貴族探偵と並んで一般向けの読みやすい作品であり、孤立した独自の宗教観で支配された限界村落の後継者を巡る連続殺人というテーマや鴉の驚愕落ちを逆転させたと思われる本書のメイントリックなどかつて氏が発表した代表作「鴉」をどうしても思い起こしてしまう作品である。 一部と二部の時間差構成になっているが、麻耶作品なのにトリックや事件のネタが小粒だなあと思っていると最後で驚愕の真相が!パターンでこれは非常に効果を挙げている。本書が評価されたのもこの点に尽きると思われるが、それまでの作品世界をひっくり返す構成は、人によっては今まで真面目に読んできたのに何だ!ということにもなりかねない諸刃の剣であるので、本書もかなり美少女キャラを造型したりと一般受けを意識しているが、麻耶的問題作と位置づけられる作品だろう。 評価は分かれるだろうが一読すべき価値のある作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作品は少なくともつまらなくはない。よくできている。最後のどんでん返しはうまいし、十分なカタルシスがあった。それでもこの作品は、直球か変化球かといえば変化球で、決してストレートではない。それなのにこの作品が賞を取ってしまうこと自体、現在の”本格ミステリ”の現状を示しているように思う。 若い作家は、コード多用型のスタンダードなミステリを好まないし、この作者もそうだが、いわゆる”新本格”時代の作家はすでにいい年齢になって寡作になりつつある(もともとこの作家も若いころから寡作で知られるが)。そんなこんなで、発表される点数自体が減っていることとが一つ。もう一つは、もともと本格推理小説は形式が決まっているがゆえに、既存のパターンをなぞることでそれなりの作品ができてしまう(だから、斬新さが求められてしまうわけだが)ために、そのような「大量生産品質」の作品が増えてしまっていることが原因となっているように思う。 だからこそ、このような変化球小説が賞を獲得してしまうのだろう。 個人的には、デビューのときからファンだし、いまだに「夏と冬の奏鳴曲」はいわゆる新本格の中では一番好きな作品だし、そんな作家の新作であり、久しぶりに完成度に満足したという点でも評価が高い。小説にリアリティを好む向きには絶対に向かないだろうが、そもそもそのような層は本格推理小説には向かないと思われる。 ☆-1分は、やっぱり「夏と冬の奏鳴曲」のほうがよくできてると思うから。この作品が面白いと思った人にはそちらもおすすめできる | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このレビューを見ていると第二部をしっかり読んだか読んでないかではっきりと評価が分かれているのがわかります。 第二部解決編で明かされる過去、現在の事件の軽薄な犯行動機、荒唐無稽なトリック、釈然としないラスト……。 これらを全て疑うと、この本は真の姿を表します。 低評価のレビューを見てください。動機が不自然、人間が書けていない、ですとか、トリックが非現実的で本格ミステリの体裁を成していない、ですとか、 いろいろ好き勝手書かれていますね。はい、全部正しいと思います。私も同じことを思いました。 ただ、ここで読書を終えてamazonに低評価レビューを入れるには、あまりにも謎が多すぎました。 特にトリックなんか、いくらなんでも現実的ではありません。氏の作品である翼ある闇に匹敵するアホトリックだと思います。 明らかに解決編に疑う余地がある、もっと踏み込むと推理が間違っているって思いそうなものですが、素直に受け入れている人が多くて驚きました。 何回も読み直し自分なりに考察を重ね、釈然としない点に自分なりの解決点を見出した時、この本が傑作であると確信しました。 本格ミステリ小説というのは、もとを辿れば、探偵が解決する前までに、読者が先に犯人を見つけ出すという、作者と読者の知的なゲームだったと思います。私もそれが楽しみでミステリを読み始めました。 にも関わらず、最近の私はろくに作者の出題に付き合わず、ただ物語の娯楽性、結末の意外性を楽しむためだけにミステリを読んでいたということを実感しました。 久しぶりに本格ミステリのゲームの舞台に立たせてくれたこの本に感謝して、評価は文句なしの5です。 しかし、「素人にはオススメできない」というタイトルをつけていますが、 私が一人相撲に必死になるド素人でないという保証はどこにもありません。そうだったら笑ってください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小学生のころ、クイーンやクリスティ、ブラウン神父などを読み、驚天動地の衝撃を受けてから三十年近くミステリーにはまり読み続けてきたけれど、これは‥‥‥。まず、あんまりアンフェアでしょう。いくらなんでもいたいけな少女を次々惨殺する犯人の動機も、あんなことができるバカ力や身体能力があることも、キーとなる特技も到底納得できません。 もちろんサイコミステリーやノワールも読みますが、これはこの犯人のためだけの小説で、他の登場人物は全部捨て駒、ストーリーが全然ないのがひどい。羊たちの沈黙、ブラックダリア、ミレニアムなどの犯人もひどいし、かなり残酷で陰鬱なストーリーですが、その中に何か思想とか哲学が感じられ、崇高な美しささえ感じたものですが、そういう小説を読む感動が全く感じられなかった‥‥ あの長さは全く必要ないです。 発想はすごく面白いと思うのですが、発想に内容がついていってなかったのが残念でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どうみても従来ミステリーの枠を外れていないお読み物ですよ、これは。 書店に行くたび、手にとって購読しようかどうか迷って、結局は電子書籍で読むことにしましたが。 第一部。しょっぱな、主人公の種田静馬が寒村で初雪を待っている理由が、 TVサスペンスではありきたりな理由という点でいきなりまずがっくり。 更に第二部の冒頭、18年前に予定通り自殺したはずの種田静馬がひょっこり生き永らえていた理由を読んだ時には、 映画二十世紀少年第三部の誰かさんを見ているようなあまりのご都合主義にバカじゃないのか、と内心呆れ果ててしまいましたぜ。 それでも第二部では、とある親子のじつにわかりやすい名乗りがあるものと期待して読み進めましたが。 するとその前に、なんとまたもや女子中学生の連続殺人が発生する。しかも手口が18年前と同じときた。 ということはこの18年間の間に死んだと思われていた人物が、静馬の他にも生きていて犯行に及んだとしても不思議はない。 なんだやっぱりこれは、従来ミステリーをなぞっているだけの、ただのミステリーパロディとしか言いようがない読み物だったのか。 ここで話は飛びますが、第二部に登場する三代目御陵みかげ探偵さんが世間で活躍することは、 まず世間がけっして許すはずがありません。おそらく四代目御陵みかげさえも。世間はそこまで寛大じゃないから。 でも万が一、三代目が活躍するようなシリーズが書かれるとしたら、作者の厚顔ぶりには舌を巻いてしまいますね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
厳しいレビューが思いの外に多いようなので私も感想を。 ネタバレを避けながらは非常に難しいですが、頑張ってネタバレ無しで書いてみます。 ・トリックが荒唐無稽 ・動機が滅茶苦茶。理解できない 批判点にこの点をあげている人が多いようですが「まさにその通り」です。 筆者はそれらを用いることができる人物・発生する状況をテーマに、この物語を書いたのでしょう。 また、本作の事件は度を過ぎるほどに無慈悲で無軌道ですが、 作者が話を進めるためにご都合的にそうなったのではなく、 「無慈悲で無軌道なことをやってのける犯人」が必然的に起こしたものです。 これらの点については、深読みのレベルではないと思います。 私としては、終盤の無茶苦茶ラッシュについて、 「ああ、こいつ系の人間が犯人なら、やってのけるだろうなあ」と大変納得がいきました。 不条理ものやギャグとしてそういったテーマに挑戦した作品は非常に多いのですが、 ここまで真剣に向き合った作品には、拍手を送りたい。 若干、小説文化自体に対するメタ的な読み方ができる人でないと楽しめない作品ではあると思いますが、 「ただの荒唐無稽」でまとめてしまうには惜しい作品かなと。 推理作家協会賞とミステリ大賞については、納得しています。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!