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たとえ天が墜ちようとも



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【この小説が収録されている参考書籍】
たとえ天が墜ちようとも (創元推理文庫)

たとえ天が墜ちようともの評価: 8.33/10点 レビュー 3件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.33pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

久々に良いミステリーが読めました

「償いの雪が降る」に続いて二冊目です。
「償いの雪が降る」は、それほど感動しなかったのですが、今回の「たとえ天が堕ちようとも」は正に私の好みにドンピシャで大満足でした。
こういう出会いがあるから、読書は止められないんですよね。

新作が出るのが楽しみな作家さんが一人増えました。

ももか
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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

捜査側と弁護側、正義を貫く手段は異なれど

デビュー作「償いの雪が降る」で鮮烈な印象を残したエスケンスの邦訳第2弾。富豪である妻殺しの疑いをかけられた刑事弁護士の裁判を巡って、親友同士である刑事と弁護士が対決することになる犯人探しと法廷劇の傑作ミステリーである。
ミネアポリスの高級住宅地に住む刑事弁護士・プルイットの妻が殺害され、捜査を担当するマックス刑事は、向かいの家の住人の証言もあり被害者の夫を第一容疑者として捜査を進める。事件当時、プルイットはシカゴにいたというアリバイがあるのだが、それを疑問視する捜査側によって裁判に追い込まれたプルイットは、かつての同僚で敏腕弁護士だったボーディに弁護を依頼する。母を亡くし、父を失うことになりそうなプルイットの一人娘を気にかけるボーディは弁護を引受けるのだが、それはまた、親友であるマックス刑事と敵対することでもあった。しかしながら、たとえ天が墜ちようとも正義は貫かれるべきだと信じるボーディは裁判に勝利すべく、友情を犠牲にした裁判闘争を展開するのだった…。
まず、弁護士の妻殺しの犯人は誰か? 動機、犯行手段の解明プロセスがスリリング。言わばアリバイ崩しのパターンなのだが、アリバイが成立するかしないか、めまぐるしく入れ替わりサスペンスがある。さらに、正義と正義がぶつかり合う知性の戦いである裁判劇は検察官、弁護人、裁判官のそれぞれの個性が遺憾なく発揮されて白熱するアメリカの裁判の典型で、最後まで予断を許さずぐいぐい引き込まれる。謎解きミステリーとしても、法廷ミステリーとしても一級品である。それに加えて、登場人物の背景、人物像がきちんと描かれていてヒューマン・ドラマとしても完成度が高い。
謎解きミステリーのファン、法廷ミステリーのファン、どちらも満足させる傑作としてオススメする。

iisan
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