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ケイトが恐れるすべて



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【この小説が収録されている参考書籍】
ケイトが恐れるすべて (創元推理文庫)

ケイトが恐れるすべての評価: 7.33/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.33pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(7pt)

少し物足りなさはあるものの

「そしてミランダを殺す」が突出していたので、「ケイトが恐れるすべて」が物足りなく感じます。
波乱万丈な展開が欲しいのではなく、もう少しこちら側に(読者側に)納得するものが欲しかったところです。

ただスワンソン氏の着眼点は他のミステリー作家にはないものがあるので、このまま本を出し続けてほしい。
今までに読んだことのないスワンソン氏らしいミステリーに期待しています。




ももか
3UKDKR1P
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

登場人物がみんな神経症で・・・

「そしてミランダを殺す」で日本でブレイクしたスワンソンの邦訳第3作。今回も視点が変わるたびに事件の様相がくるくると変化し、「誰が嘘を吐いているか」を解き明かして行くサイコ・サスペンスである。
一度も会ったことが無い又従兄弟のコービンと半年間、住まいを交換してボストンに留学することになったケイトがロンドンからボストンに着いてみると、そこは豪勢なアパートメント・ハウスだった。豪華な部屋に落ち着かない気分で一晩過ごしたケイトだったが、翌朝、隣に住む女性・オードリーの死体が発見されたことを知り、さらに不安を募らせる。中庭を挟んでオードリーと向かい合う部屋の住人・アランや、オードリーの昔の恋人を名乗るジャックからは「コービンはオードリーと付合っていた」と聞かされたのだが、コービンはオードリーとの付き合いを否定した。嘘を吐いているのは誰か? コービンはオードリー殺害犯なのか? 自らのトラウマにも悩まされながらケイトは真相を探り出そうとする・・・。
ヒロインのケイトは強度の強迫神経症だし、コービンは隠し事が過ぎるし、アランは覗き魔だし、ジャックは落ち着きが無く挙動不審だし、主要登場人物が全員神経症を病んでいるため、物語世界にすっと入り込むことが難しく、読書の流れが悪い。犯人探しミステリーとしては良く出来ているが、サイコ・サスペンス、ゴシック・ミステリーの風味が強過ぎるため、ミステリー専門家やマニアには好評でも、一般受けはしないだろう。
読者を選ぶ作品である。

iisan
927253Y1
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

期待を込めて読む

『そしてミランダを殺す』のあのワクワク、ドキドキ、ハラハラが染みついている私はどうしても期待してしまう。
まぁ、悪くはないんです。著者らしさは十分に出ています。物語の組み立て方などミステリファンの心をガッチリと
掴んだお膳立てで書かれています。出てくる人物も誰を信用してその視線で読んでよいのか迷います。
文章も『そしてミランダを殺す』のように物語に入り込みやすく、それでいて下品でなく洗練された胸に沁み込む文章です。
余談ですが、フランスでもっとも人気のあるミステリ作家と言われているギヨーム・ミュッソの『ブルックリンの少女』をいま
読んでいますが、物語は面白そうですがどうも文章がつまらないというか、浅い感じであまり楽しみながら読み進むという感じじゃないんです。
この人に比べればピーター・スワンソンの文章は段違いに素敵です。良く情景が分かるし人物の息遣いまで感じ取れます。
ただ、迷わせて結局それか、と感じさせる内容のお話では『そしてミランダを殺す』以上にはなり得なかったと言えます。
コチラが大きくハードルを上げているので、そうなるのでしょうが残念です。
でも、楽しめるのは間違いありません。過去の出来事で心に傷を負っている女性とシリアルキラーのような男との対決。
ありがちな構図にちょっと捻りを加えた物語ですが、ミステリファンを飽きさせることなく最後まで引っ張り読ませるのは流石です。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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