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コリーニ事件



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【この小説が収録されている参考書籍】
コリーニ事件
コリーニ事件 (創元推理文庫)

コリーニ事件の評価: 8.00/10点 レビュー 2件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

とても面白い。

早く映画も見よう。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

過去に、誠実に向き合う勇気

ベルリンで、67歳のイタリア人労働者コリーニが著名なドイツ人老実業家を射殺する。現場から逃げようとしなかった犯人は逮捕されたが、動機についてはまったく語ろうとしない。
弁護士資格を取得してから4ヵ月の新米弁護士ライネンは、回ってきた国選弁護人の仕事を引き受けることにする。ところが、犯人は弁護士にも心を開かず、さらに被害者が、今は亡き親友の祖父で、昔、自分も可愛がってもらった人物であることが判明し、ライネンは弁護人を辞任しようとする。しかし、被害者側に雇われたベテランの辣腕弁護士に弁護士としての在り方を説かれ、辞意を撤回し、全力で弁護活動にあたり、事件の背景に隠されていた苦い真実を発見する。
さらに、犯罪の実相に正義の裁きを下そうとしたとき、ある法律が大きな壁となって立ちはだかってくる。法と正義は矛盾するものなのか? 正義が法に阻まれるとき、人は何をなすべきなのか? すべての関係者に難題が突きつけられた・・・。
ナチスドイツ時代の戦争犯罪と、それを償うための戦後の取り組み。それはドイツ国民に課せられた歴史的課題であり、今なおドイツ社会に大きな影を落としている。しかし、本作品でも分かるように、ドイツは市民も社会も国家も真剣に過去に向き合い、たとえ痛みを伴っても真摯に解決策を追求し、いまだに問題に取り組んでいる。そうした態度こそが、周辺諸国からの“新しいドイツ”への信頼の回復につながっていると言えるだろう。ひるがえって、現在の日本の状況を見るとき、その落差の大きさに愕然とし、果たしてこのままで良いのだろうかと考えさせられる。
そうした社会的な側面は置くとしても、法廷ミステリーとして非常に面白く、多くの人にオススメしたい。

iisan
927253Y1

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