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コリーニ事件
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コリーニ事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 1~20 1/3ページ
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ドイツではナチスの時代の名残が今も残っていて、それが思わぬ時に思わぬ形で露わになるという話です。展開は歯切れがよく、一気に読めます。良い作品だと思いました。 | ||||
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事件関連の推理小説としては、日本の小説とは大きく趣が違います。善と悪、法律の問題点を鋭くつく小説です。人によって好き好きが分かれるかもしれません。私的には星五つです。 | ||||
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内容は興味深いのですが散文的な文体でもう少し現代に合わせた表現ができるのではないかと思いました。 | ||||
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ドイツの裁判制度などがわかり、また、ドイツの戦争犯罪追及の不備を告発した素晴らしい作品であることは間違いないのですが、幕切れがあまりにもあっけなくて拍子抜けという感じのため星が一つ減りました。 | ||||
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自分の場合は先に同名の映画を(AmazonPrime会員は無料で視聴可能)見たことに始まる。それが案外面白かったので、原作を読んでみたくなり、本書を手にした。 映画と本は当然大まかには同じなのだが、細部には異なるところがある。 大きな違いは、主人公の弁護士が解決への糸口を見つけるくだりや、核となる過去の一件の様相、最後に解かれる大きな謎などだ。 一方、同じなのは主人公とかつての幼友達であるヨハナ、被告人のコリーニ、宿敵マッティンガーなどの形象性である。 したがって、両方の作品に触れるのがオススメだ。どちらも途中ではやめられない面白さがある。 また、翻って日本軍のかつての戦争犯罪にも思いを巡らす契機にもなるだろう。 | ||||
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文庫にしてわずか200ページほどの短い作品だが、これは秀逸した法廷推理劇であり、ナチの戦争 犯罪に関する人間劇でもあり、深い余韻を残す名作である。67歳のイタリア人の自動車修理工で あるコリーニが、ドイツでも有力な経済人で資産家の87歳のハンス・マイヤーを殺害する。頭に銃弾を4発 撃ち込んだ上に顔を何度も蹴り上げるという残忍な殺人である。加害者のコリーニは犯行を認めて いるものの、動機には一切口を割らない。そういった中で弁護を引き受けるのは弁護士になった ばかりの若手ライネン。彼は、後刻、この被害者が自分の友人の祖父であり、自分も子供時代に 非常に世話になった相手だと知ることになる。被告人が何もしゃべらない中、ライネンは彼らの 関係を探るため、過去の書類、法律などを徹底的に調査する。解説によると、著者シーラッハの 祖父はナチ戦犯で有罪判決を受けているという。また、著者自身ドイツでも有数の刑事弁護士で あり、そういった背景でこの深い感動を呼ぶ作品は書かれたのであろう。この作品が指摘する ドイツの法的問題により、後刻法律の改正が行われたらしい。余計なことを一切排除した簡潔な 文体で書かれるこの名作は、多くの人に深い読後感を残すことは間違いないと思う。 | ||||
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思っていた読み物ではなかった | ||||
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ドイツといえば世界のしっかり者という感じで、何事もぬかりなくきっちり運ぶイメージですが、意外に抜け目があったのか、と少々驚き。お話しの展開は予想がつかないでもないのですが、簡潔で、叙情性も兼ね備え、面白く読めました。 | ||||
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"わたしは法を信じている。きみは社会を信じている。最後にどちらに軍配があがるか、見てみようじゃないか"2011年発刊の本書は、現役の刑事事件弁護士でもある著者初の長編にして、祖父を含むドイツの過去と対峙し、今に問いかけてくる社会派リーガルサスペンス。 個人的には著者デビュー作にして、日本では2012年本屋大賞『翻訳小説部門』第1位となった前作『犯罪』がとても面白かったので、本書も手にとってみました。 さて、そんな本書はかっての人気刑事ドラマ『刑事コロンボ』よろしく、犯人が最初から明らかにされる殺害シーンから始まり、物語は犯人探しではなく、むしろ"ホワイダニット"つまり八十代ともう先は長くなく、また人に憎まれるよりは尊敬を集める名士を【なぜ殺す必要があったのか?】に焦点を絞り、理想に燃える新米弁護士と老獪なベテラン弁護士が対峙するスリリングな法廷劇として展開していくのですが。 『犯罪』でも印象深かった、無駄に感情を煽ったりしない【抑制された文章(と名訳)】そして著者の職業体験から暗に強い説得力をもって伝わってくる"人間には白も黒もない…灰色なものさ"加害者も被害者も同じ【薄氷の上の踊り手】と訴えてくる魅力は本書でも同じくで、200ページ弱とは言え、読み易くかつ【読み応えあり】でした。 一方で、本書のネタバレになってしまうので詳しくは語りませんが。本作がベストセラーになったことで実際にドイツ連邦法務省が動いた【まさに小説が政治を動かした】部分に関しては、著者自身がどこまで政治的にはたらきかける意図があったのかはわかりませんが【自らの祖父の過去と向き合った】事が本書誕生に繋がったのは間違いないわけで。とかく政治家も含めて"身内に甘い"醜聞を目にする機会が多い最近、著者の透徹した眼差しには【凄みと清涼さが同居しているような】魅力を覚えました。 ドイツを舞台にした作品、抑制された法廷劇が好きな方へ。また善悪や白黒をつけない作品が好きな人にもオススメ。 | ||||
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新品のように綺麗でした。 | ||||
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主人公の懊悩の先にあったものはコリーニが表にだしたくない悲惨な過去でした。、、、こんな簡単な言葉では言い表せないですが、向き合うべきものとではなく頭から離れない過去であったと思います。いろいろな思いが浮かんできますが、簡単に言葉にはできないですね。映画化を知って原作から読みましたが、機会があったら映画も観たいと思います。映画ではコリーニ役のフランコ・ネロの存在感を感じます。フランコ・ネロといえばマカロニ・ウエスタンを思い出します。懐かしいです。 | ||||
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数年前にラジオで豊崎由美さんが紹介して気になっていたものの読めずにいたが、映画化に伴いKindle版を読んだ。評判と期待を裏切らないテンポのいい展開で、重い事件が描写される。戦争犯罪と言う言葉では分かった気になっているテーマに、生身の身体で訴えかける。本当の犯罪とは正義とは読後感の中で考えさせられる名著。 | ||||
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ドイツの法廷ミステリー。 その割には主人公のテンションは低いし物語は淡々と進むのですが、発端となる殺人事件が起きたきっかけが深く、重い。さすがはドイツ。 こういったテーマの小説、日本ではまだ出てきていないような気がします。 一言くわえると、翻訳の文章はちょっと古風で好みが分かれそうです。私は気になりませんでしたが、中学生の娘は「漢字が多い」と悲鳴をあげていました。 | ||||
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翻訳が良いのか読みやすく、心理描写も的確でストーリーに入りやすい。義務で受けた裁判が意外な展開を辿り、自分の若かりし頃に世話になった人物が被害者で、被告の弁護人を務めるという展開になっていく。やがて被害者の戦中の別の姿が現れ、物語が大きく転換していく。主人公は徐々に被告の動機を明らかにしていくが、なぜか被告は殺人を犯したのかという肝心な点を被告は明らかにしないまま自殺してしまう。ナチの頃の罪は今もドイツでは問われているのかと思うが、ドイツの法制度も含めて作者は問うている。そんなに長編ではないが、余韻の深い作品である。 | ||||
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あらためて「人間とは」と考えさせてくれました。 小説なのに、最後は思わず死なないでください、願いました。 自分の若い時のある時に、人に助けられてから、<これからは自分からは死なないようにしよう>と、ぼんやり考えたことを思い出しました。 ixy50 | ||||
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ネットで本書を基にした映画の無料招待の記事があり、はじめてシーラッハという作家を知りました。 作家はドイツの弁護士でその視点から犯罪を描いていて刑法や刑事訴訟法については全くの素人である私は裁判における弁護士の真の役割を理解することができました。物語的にもよくできていて一気に読みすすめさせる力がありました。 | ||||
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『67歳のイタリア人元自動車組み立て工・コリーニが、85歳のドイツ経済界の重鎮ハンス・マイヤーを惨殺するところから話がはじまる。主人公である駆けだし弁護士ライネンはコリーニの国選弁護人を買ってでるが、被害者であるハンス・マイヤーが少年時代の友の祖父であることを知り、公職と私情のあいだで揺れ動く。』(訳者あとがきより) 映画の広告を見て原作を読んでみたくなり手に取った。この作者の作品は初めて読んだ。簡潔な文章で歴史的背景を現代に絡めて描いている。過去からつながる負の部分が現在に及ぼす影響。それによって今まで愛していたもの、価値観、全てが変わっていく様子が淡々と語られる。おそらく作者の文体のもつ几帳面さを損なうことなく訳した翻訳者の力に負うところも大きい。 単純だと思われた殺人事件が、実は世の中をひっくり返すほどの大事件へと発展していく。決して動機を語らない被告人を前に、弁護士コリーニは何度も何度も証拠写真を見つめるうちにあることに気づく。ここから一気に事態は動き始める。 ドイツの負の歴史を今の若い世代はどのように考え、またそれを国としてどう教えているのだろう。あとがきを読むと、作者自身もナチスとは深い関わりのある人物の末裔とのことで、学友にはヒトラー暗殺を図った祖父をもつ人もいたという。ドイツの街には先の戦争の記念碑のようなものがたくさんあるという。国をあげて負の歴史を伝えていかなければいけないという決心のようにもとらえられる。 著者の祖父の墓には『わたしはおまえたちのひとりだった』と刻まれている。誰しもがその時代に加害者にも被害者にもなったはずだ。自身も弁護士である著者がこの作品を書くことによってドイツの法務省が動いたというから驚いた。歴史を検証し、見直していくことが新たな未来を作るのだろう。ストーリーの素晴らしさはもちろんだが、それ以上にいろいろな事を考えさせられた。 | ||||
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話のテンポは極めて簡潔にして軽快。余計な装飾は一切ない作品。犯行の動機に関しては、後々深く考えさせられる作品。 | ||||
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フォン・シーラッハは短編作家という印象をもっていたが、これは間然するところがない中編ミステリーの秀作だった。 残虐な殺人事件の被害者と犯人は冒頭からわかっている。しかし動機が不明。ふたりの接点を国選弁護人が探ってゆくと、そこには思いがけない歴史的なできごとが秘められていた。 エンターテインメントとしては構成がシンプルすぎてやや物足りないかもしれないが、じつによくできた社会小説である。私は感銘をうけた。 現役刑事弁護士の作者らしく、報告書のように即物的な文体で記述されているが、描写のディテールにこだわりが見られる。 訳者の酒寄氏による解説が作品の歴史的および社会的背景についての理解をいっそう深めてくれた。 | ||||
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短編集を読んだ時も思ったが、シーラッハはなにより、簡潔だが読者を引き込む文体に秀でていると思う(翻訳もいいのだろう)。久しぶりに「巻置く能わざる」という感じで読む。古い映画「サン・スーシの女」を思い出した。 自らの歴史のダークサイドを正視しつづけようとする、著者をはじめドイツ社会(すべてではないにせよ)の強靭さを、本書や本書がドイツ社会に与えた影響に見出すことができる。 ひとつだけ、ワルサーP38についての伏線が回収されなかったような気がするのだが、私が読み飛ばしたのか? | ||||
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